2017/05/11 - 2017/05/12
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motogenさん
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海外への出発前は、さぞかし心が弾み、楽しくて仕方ないんだろう・・・
準備をしている私を見て、女房はじめ周囲の人は、きっとそう思っているだろう。
だが表面には出さないが、私の気持ちは沈みこんでいる。
なぜ気楽で平穏な生活を捨てて、不便で危険な海外に出かけるんだろう?
作り始めた小さな畑の小さな野菜たち、可愛がっているネコ・・・
日々淡々とこなしている風呂洗いや昼食の準備、洗濯物の取り入れ、PCのチェック・・・
散歩、サイクリング、ジュピロ磐田の練習見学・・・・
それらを放棄して、小汚く不衛生で、寝る場所や食べるものを探し回らなくてはならない生活に入っていく。
危険が待ち構えているのかも知れないのだ。
こんな気持ちになるのは私だけなんだろうか?
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- セブパシフィック
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今回の飛行機は格安航空のセブパシフィック。
中部国際空港からのマニラ往復が、プロモーション価格で総額2万円を見て、思わず予約してしまった。
最大の難関が、マニラ着が深夜の00:30ということ。
ただでさえ危険なマニラなのに、深夜の空港からビクトリーライナーのバスターミナルまでが大変だ。 -
ところがこんなことがあるのだろうか!
空港への直通バス乗り場で、たまたま出会ったのはフィリピン家族。
日本語の話せるお母さんと、13歳の少年と15歳の娘さんだった。
「お住まいは、フィリピンの、どこですか?」
「私たちの家はボンテックよ・・。今日は里帰り・・」
「えっ! これからバギオまで行って、ボンテックとバナウェイにに行くところだよ。」
「あなた、一人きりでそんなとこまで行けるの?
フィリピン語できるの?
英語できるの?
できなきゃ、無理よ。
じゃ、一緒に行きましょ・・・」 -
というわけで同行させてもらえることになったのです。
当面の不安は一気に解消し、心強く空港に着くと、午後7時過ぎの空港はシーンと静まりかえっていました。
空港内にいるのは、我らマニラ行きのセブの乗客だけなか? -
1時間遅れでセブ機がやって来て、我らを乗せてすぐに出発。
4時間半の飛行を経て、1時30分になろうかという頃、マニラが見えてきました。 -
機内で渡された入国カードを見て、少しびっくり。
入国カードがあることをすっかり忘れていて、書き方なんか調べてきてません。
慌てますが、見れば非常にシンプルで、これならなんとかなりそうだ。 -
入国審査場の外国人用カウンターに並ぶのは、ほん数人。
たいしてフィリピン人用カウターは長蛇の列。
こんな空港はめずらしい。
私はすんなり入国を済ませ、手荷物を受け取り、同行のフィリピン家族を待ちました。 -
2時を過ぎてやっとフィリピン家族が現れた。
お母さんの後を追いかけながら出口に向かうが、SIM売り場も両替所も閉まっている。
フィリピンペソは、前回の残りで何とかしよう・・・
両替は諦めた。 -
「昼間ならバスがあるのに、夜はないようね・・・」
お母さんはタクシーを探す。
1階の出口のタクシーは高いと聞いているが、お母さんは平気なようで、声をかけてきたタクシードライバーと交渉してます。 -
出発カウンターのある3階の、乗客を降ろしたタクシーの方が、半値以上に安いと聞いているが、お母さんにそれを言っても無駄なようだ。
-
結局ドライバーとの交渉で800ペソ(2000円)になったようだ。
ビクトリーライナーのバスターミナルはパサイなので、すぐ近く。
昼間のメータータクシーなら100ペソでお釣りがくる距離だ。
それなのに800ペソとは随分ふっかけられたもの。
フィリピン語のできるフィリピン人でもぼられるのが、マニラなのか。 -
タクシーはワゴンタイプ。
大きな荷物も後部に納め、深夜の街中を突っ走る。
どこをどう走っているのかは、さっぱり分からない。 -
「お金、半分払うよ・・」
と400ペソを渡そうとするが、お母さんは頑として受け取らない。
「大丈夫、大丈夫!」の一点張りだ。 -
そうこうしているうちに、10分もたたずバスターミナルに到着し・・・
-
ひっそりした入り口から入って行くと・・・
-
おおっ!
大勢の人が集っている待合所になっていました。
深夜だというのに、ここは昼間のような賑やかさです。 -
お母さんはさっそくバギオまでのチケットを買いに行く。
私も後について自分の分を買おうとするが、お母さんは私の分まで一緒に買ってくれました。
バギオまで455ペソ。(1100円)
自分の分をお母さんに払おうとするが、ここでもお母さんは頑として受け取りません。
「大丈夫・・大丈夫・・」
こんなことってあっていいのか・・・ -
結局、バス代までおごってもらうことになりました。
バスは指定席だけど、3時発のは買えなくて、4時発だ。
現在2時半。
「う~ん、4時だとバキオには10時過ぎ・・・
ボントックには夕方になってしまうよ。」
お母さんは困っている。 -
やって来たのはバスは3時発のバス。
お母さんは車掌と交渉を始めた。 -
「席が空いていたら乗せてくれるそうよ。」
指定席なのに、そんなこと、できるの?
しかし出発まぎわ、乗せてもらえることになりました。
フィリピン語の話せる現地人ならではのことだ。 -
バスは4列シートですが、リクライニングできます。
「タクシー高すぎたんじゃない?」
「夜のマニラは危ないから、仕方ないのよ。
安全なタクシーを選んだのよ。」
フィリピン人でも、深夜のマニラは相当な危険地帯らしい。
空港で流しの安いタクシーを拾おうとしていた私は、とんでもない思い違いをしていたんだろうか?
それともお母さんが田舎者だったのだろうか? -
定刻の3時に出発。
深夜のマニラの街中を走っていく。
車内は聞きしに勝るすごい寒さ。
Tシャツの上に厚めの長袖シャツを羽織っただけではとても足りず、ダウンまで着込み、頭にはフードまで被りました。 -
隣の13歳少年は眠ってしまいました。
寝顔を眺めながら思う。
この家族がいなかったら、今夜はどうなっていたんだろう?
スタートのバス停で、一緒に乗り込んだのは、私とこの家族のみ。
それがたまたまこんな親切な家族だったとは・・・
小説や映画のような、信じられない幸運が、現実世界にもあるんだ・・・
もしかしたら、旅の神様が、私を応援してくれたのでは・・・ -
空港の第3ターミナルと、ビクトリーライナー のターミナルは地図でみればこんなに近いのです。
昼間だったら歩いても行けそうだ。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- oterasanさん 2018/05/05 09:45:55
- おぶさんの「旅のトピックス」
- 旅に出る前の不安定感よく分かります。
周囲の方々からは羨ましく思われるかもしれませんが出発前当人はやめようかと幾度も思ったものです。
旅は計画を立てている時が一番楽しく思います。
- motogenさん からの返信 2018/05/05 17:28:47
- RE: おぶさんの「旅のトピックス」
- ありがとうございます。
大多数のみなさんは、お金をたっぷりと用意して、快適で優雅で気楽な旅行に出かけるので、旅行は楽しいと思うのですね。
リタイア後の私はプレッシャーから開放され、日々たらたらと生きているので、厳しい旅行こそがストレスを感じ、苦労を重ねる場所です。
でも全てのものは裏表があるもので、苦労のないところに楽しさはないようで、厳しさや怖さや不便さこそが、生きる満足感を感じる場となっているようです。
そうは言っても、旅を続けると、得てして楽で快適な場所を選んでしまいがちで、反省しています。
-
- ヒコにゃんさん 2017/06/22 14:16:16
- フィリピン体験談 ありがとうございます。
- motogenさん
はじめまして。
最新号2017年6月21日版とマニラ空港に夜中に着く編の2冊を読ませていただきました。マニラは怖いところ。という先入観があり、これまでフィリピン行きを見送ってました。でも、体験談を読ませていただき、なんとかなるかもという気持ちになってきました。おそらく来年5月か6月くらいに子どもと一緒に行きますので、参考にさせていただきます。旅は、予期しない出会いがあるので面白いです。私も止められません。貴重な情報ありがとうございました。他の旅行記もこれからゆっくりと読ませていただきます。
ヒコにゃん
- motogenさん からの返信 2017/06/22 21:26:33
- RE: フィリピン体験談 ありがとうございます。
- ありがとうございます。
東南アジアに出かけるようになったのは、17〜8年前。
最初はガイドブックにもあり、誰もが出かける都市や観光地でしたが、すぐに飽きてしまい、素朴で人情厚い田舎町を巡るようになりました。
田舎は治安もよく、地元の人々にも助けられて、飽きずに旅が続いています。
息子さんとご一緒のようで、うらやましい。
今から思うと、息子が中学生や高校生だった頃、旅を共にしていれば・・・
人間関係ももっと良好なものになったのでは・・・と後悔しています。
グルメ旅行ではなく、買物旅行でもなく、贅沢旅行でもない、アジア貧乏旅行は、人生観を変えてくれたでしょう。
フィリピンにも行かれるそうですが、良い場所があったら、紹介してください。
楽しみにしています。
-
- trat baldさん 2017/06/02 05:49:20
- 日本人が一緒だから安全策を選んだと思う。
- もう10年以上フィリッピンを訪れていないからワクワクドキドキ!
タガログが話せない人が夜に空港から出るには命のスペアが、昼に空港から出るには財布がもう一つ必要と友達の女房(フィリッピン人)が言っていました(^o^)
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