2006/10/07 - 2006/10/12
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TX-1000さん
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2006年の10月に北海道を旅した時の旅行記です。ずっとパソコンの中に入っていて非公開だったものを編集してアップしました。この旅では、2019年3月末で廃止となった夕張支線、2016年12月に廃止となった留萌線の留萌~増毛間、2020年4月に廃止となった札沼線の北海道医療大学~新十津川駅間に乗車しています。
「ぐるり北海道フリーきっぷ」は、35200円(10月~6月)で往復の新幹線or寝台特急と、北海道内の特急が乗り放題となるお得な企画乗車券でした。残念ながら2010年3月で廃止になってしまいました。
この旅では道東に行く予定だったのですが、旅の最初から爆弾低気圧に遭遇し旅程がメチャメチャになったのを今でも覚えています。
この頃は東北新幹線も八戸までしか開業してなかったので、八戸から函館まではスーパー白鳥で移動しています。また、今では廃車された781系の「特急すずらん」に乗車したり、廃止になった留萌本線の増毛に行ったり、旅の最後には今は無き北斗星にも乗車しています。
この10年あまりの間に多くの路線が廃止となった一方、北海道新幹線が開業するなど北海道の鉄道は大きく変化したんですね。
ところで当時大学生だった私ですが、何でこんな時期に旅していたのでしょうか。「大学の授業はどうした!」と過去の自分に突っ込みを入れてしまいたくなります。
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前日まで降り続けた雨が久しぶりに止み、晴れ間がのぞこうとしている東京の空の下。東京駅の21番線には6時56分発〝はやて・こまち1号〟が旅立ちの時を待っています。
秋の3連休の初日のこの日、指定席はすべて発券済み。この先、上野・大宮で乗ってくる乗客のため、若干の空席を残して東京駅を後にしました。東京駅 駅
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使用した「ぐるり北海道フリーきっぷ(かえり券)」と「はやて1号」の指定券です。
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ぐるり北海道フリーきっぷの往路券です。
「東京駅の入場は記録されているのに、何で出場の印字が無いんだろう」って思ったら、この時、遅延により八戸駅では乗換改札を開放していました。 -
大宮を出発しました。この時までは特に風も強く無く、曇ってるだけだったんですが。。
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大宮で満席になり〝はやて〟は先頭の〝こまち〟に従えられ一路、北を目指します。
いつしか外は雨模様となり、次第に強くなっています。 -
まもなく仙台に到着する頃です。車内放送を聞いていると仙台地区の在来線は、ほとんどの路線が運休となっています。
この日、東北地方では低気圧通過の影響で悪天候となっていました。この低気圧の存在が今回の旅の予定を大きく狂わすとは、この時まだ知る由も無かったのです。 -
北上するにつれて風も強まり、北上より先では速度規制を受けながら八戸を目指します。
ふと車窓に目を移すと田んぼも水浸しになっています。私も八戸からの乗り継ぎが心配です。 -
5分程遅れて八戸に到着しました。
この後、スーパー白鳥の中で食べようと思い、八戸駅の駅弁を購入しました。 -
八戸駅のホームに降りると〝スーパー白鳥1号〟の姿はありませんでした‥‥いえ、まだ来てなかったのです。
折り返しとなる列車が、悪天候のため徐行していてまだ三沢付近を走行中との事で、ホームのコンコースには急遽イスが並べられています。
心なしか徐々に風雨が強くなってる気がします。 -
定刻から遅れる事、65分余り。雨煙の中からヘッドライトを輝かせ、折り返し列車となる789系〝特急 スーパー白鳥10号〟が到着しました。
すぐに車内清掃と折り返し作業にかかります。八戸駅 駅
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定刻から遅れること58分、〝特急 スーパー白鳥1号〟は八戸駅を後にしました。
激しい雨で線路も水浸しとなっています。八戸駅出発の際、運転士に通告券が交付され35km/h以下の速度規制を受けてすすみます。 -
八戸を目指す〝特急 スーパー白鳥14号〟がやってきました。お互い35km/h以下で徐行しているため、ゆっくりとすれ違います。
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列車は青森駅で方向を変え津軽線へと進みます。
単線区間が続く津軽線でさらに遅れが増すのかと思いきや、意外にもスムーズに走り津軽海峡線へと入りました。 -
列車は〝ピョー〟っと、長いホイッスルを響かせ青函トンネルへと入りました。
窓に付いた水滴が流れていきます。
車内には青函トンネルの案内放送が流れました。ちゃっかり北海道新幹線のPRもしていましたが‥‥ -
窓の外を一筋の明かりが流れていきました。竜飛海底駅です。
ここより隣駅の吉岡海底駅までの23km、津軽海峡の海底部分を進みます。 -
窓の外が突然明るくなると、そこはもう北海道です。
天気は小雨が降っている程度です。
〝ここから先は予定通り進める。〟この時、そんな甘い期待を抱いていました‥‥ -
車窓を流れる津軽海峡は荒れ狂っています。
かつての連絡線時代では、北海道に渡ることすらできなかったでしょう。
(私はライブで経験していませんが‥‥) -
定刻より90分余りの遅れで函館駅に到着しました。函館の雨は小雨程度ですが、風が強く差してた傘の骨が折れてしまいました。
本州側の雨は未だ止まないらしく、津軽海峡線の特急は青森駅で運転を打ち切る可能性があることを伝えています。
ここで驚愕の事実を知ってしまうのです。今夜の宿代わりに予約していた〝特急 まりも〟が道東地方の悪天候の影響で運休となってしまったのです。函館駅 駅
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本来なら〝特急 北斗15号〟に乗り継ぐ予定でしたが、八戸から乗った〝スーパー白鳥〟が大幅に遅れたため、次なる列車は〝特急 スーパー北斗17号〟です。この列車、表定速度が在来線で一番速い列車で、函館~札幌間318.7kmを途中4駅に停車して3時間ジャスト、表定速度106.2km/hで走破する最速達列車です。
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この時に使用した「スーパー北斗17号」の座席指定券です。
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徐々に暗くなる空の元、大沼国定公園の小沼を見ながら東室蘭を目指します。
函館を出発すると、次の停車駅である東室蘭まで189.5kmをノンストップで駆け抜けます。この区間を1時間46分で駆け抜けるため、函館→東室蘭間の平均速度は107.2km/h。内浦湾沿いの平坦区間を走るとは言え、内浦湾に出る森駅までは線形の悪い区間が続くため、最高速度130km/hの列車としては驚異の速度です。 -
窓の外は真っ暗で何も見えませんが、私の座っている席の真下にあるエンジンの鼓動から、ほぼトップスピードを維持しながら走ってるのが分かります。減速したのは長万部駅のポイントを通過する時ぐらいだったでしょうか‥‥
久しぶりに速度を落としたと思うと東室蘭に到着しました。
これから、ある列車を迎えに室蘭に向かいます。東室蘭駅 駅
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東室蘭から室蘭までは普通列車で移動します。
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室蘭から781系〝特急 すずらん〟に乗ります。
この〝特急 すずらん〟を受け持つ781系は、1987年に北海道の厳しい冬に耐えられるように耐寒・耐雪構造を備えた特急用車両として登場しました。
この781系に乗ることが、今回の旅の目的の一つだったのです。 -
ヘッドマークです。
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室蘭を出発すると東室蘭まで各駅停車、そして東室蘭から〝特急 すずらん〟になり、鷲別、幌別、登別‥‥‥と、終点の札幌まで小まめに停車していきます。
この781系、近年は札幌~旭川を結ぶ〝特急 ライラック〟や札幌~室蘭(東室蘭)を結ぶ〝特急 すずらん〟の運用を担っていますが、老朽化や130km/h運転が主体となった札幌近郊区間でダイヤの足を引っ張るようになり、2006年度のJR北海道事業計画には置き換えが計画されています。 -
札幌に到着しました。予定では、これから〝特急 まりも〟で一夜を明かす予定でしたが、運休となってしまったため予定外の札幌泊です。
今夜、どうしよう‥‥ -
で、結局。先ほどの〝特急 すずらん〟の車内の広告で、偶然見つけた漫画喫茶で一夜を明かすことにしました。
シャワーも浴び、横になって寝られ快適な一夜となりました。
この日の移動距離1214.9km
常磐線 柏→上野 29.1
京浜東北線 上野→東京3.6
東北新幹線 はやて1号 東京→八戸 593.1km(実キロ)
特急 スーパー白鳥1号 八戸→函館 256.4km
特急 スーパー北斗17号 函館→東室蘭 189.5km
室蘭本線 7.0km
特急 すずらん 136.2
合計移動距離 1214.9km -
太平洋上を進む低気圧が急速に発達して、北海道の天気は大荒れとなっています。
道東方面に向かう特急列車に運休が発生しています。 -
そんな大荒れの天気の中、札沼線の石狩当別行きに乗ることにしました。
こんな札幌の近郊線を選んだ理由は後ほど‥‥ -
車窓にはしばらく住宅地が続きます。
札幌駅~あいの里教育大駅までの運転間隔は20分程度で、さらに一部は複線区間が続き、非電化ながら立派な近郊路線と言えます。 -
終点の石狩当別で新十津川行き乗り換え、さらに札沼線を進みます。
石狩月形駅では交換のため15分ほど停車しました。 -
石狩月形駅の駅舎です。
石狩月形駅 駅
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新十津川へ向かって走ります。
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終点の新十津川駅に到着しました。
新十津川駅 駅
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列車の車体が揺らされる程の強風中、終点の新十津川駅に到着しました。
終着駅ですが、どうせこの列車で札幌に戻るため荷物は車内に置きっぱなしで出てきてしまいした。
後で知ったことですが、函館本線の滝川駅とは近いんですね。 -
新十津川駅のホームです。
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ようこそ新十津川へと書かれた看板がありました。
これは2020年の廃止の時もあったようです。 -
で、なんでこの路線に乗ったかと言うと、この札沼線。札幌口では20分に1本はありますが、終点の新十津川駅に辿り着く列車は1日たった3本の超ローカル線なのです。
以下2020年追記
廃止直前は1日1本になってましたが、2006年時点で朝、昼、夜の3本ありました。2006年時点でも早晩廃止になるのは目に見えていて、「2020年までよく持ったなぁ」ってのが正直な印象です。最後はコロナウィルスの影響で、突然のラストランになってしまったのは残念でした。 -
短い滞在でしたが列車は新十津川駅を出発しました。
乗客は私一人‥‥つまり貸切です。しかも、その唯一の乗客も偶然、しかも意味も無く乗ってるだけなのです。
結局、新十津川から石狩月形までの30.2kmも貸しきってしまいました。
この札沼線の末端区間である石狩月形~新十津川駅間は、いったいどれだけの人が利用しているのでしょう。札沼線の末端区間の行く末が心配です。 -
雨も止み薄曇まで回復してきました。依然風は強いですが、これ以上状況が悪化する心配がないだけでも一安心です。
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さて、札幌に戻ってきました。
これから稚内行きの〝特急 サロベツ〟に乗って旭川を目指します。 -
旭川に到着しました。
次いで富良野線のキハ150に乗ります。
この旭川駅では駅高架化工事が進んでいます。駅舎から離れたところに富良野線のホームがあるとは知らずに、別のホームで待ってて乗り遅れるところでした。 -
で、富良野線の途中駅である美瑛駅にやってきました。
これから乗る列車はこちら、トロッコ列車の〝富良野・美瑛ノロッコ号〟です。 -
この時に使用した「富良野・美瑛ノロッコ号」の指定券です。左上に「ぐるり北海道フリーきっぷ」のゴム印が押されてますね。
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美瑛を出発すると、北海道の原野の中をノロノロと走ります。
〝ノロノロ〟と〝トロッコ〟をかけ合わせて、ノロッコ列車と名づけられています。 -
1号車指定席に乗ってます。
車窓を流れる景色は素晴らしいですが、この時期は隙間風が吹き込んできて少し寒いです。 -
少々天気が悪いですが、北海道らしい景色の中を進みます。
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この列車の車内にはダルマストーブが置かれています。
車内が寒いので、このストーブの近くで暖まっていました。 -
〝ノロッコ号〟の終点、富良野に到着しました。
富良野から札幌行きリゾート気動車〝特急 フラノ紅葉エクスプレス〟に乗ります。
先頭車両の一番前の席に座ったので、眺めは良好です。 -
今走っている根室本線の富良野~滝川間は、かつて札幌と道東を結ぶ幹線でした。しかし、今ではその座を石勝線に譲り、すっかりローカル線となってしまいました。
線路は山奥に包まれていて、野生の鹿を見ることが出来ました。 -
深川で列車を降ります。
ところで〝リゾート気動車〟とは、何に乗っていたのかと言うと〝ニセコエクスプレス〟だったのです。 -
時刻は17時を回ったところですが、次は〝ライラック17号〟で深川へ向かいます。
広い北海道です。毎日の通勤距離も半端ではありません。定期特急券〝かよエール〟で通勤・通学している人が多く、席を探すのに一苦労してしまいました。
毎日特急に乗れるなんて、羨ましい限りです。 -
世代的に1世代前の車両となってしまった781系ですが、函館本線を豪快にぶっ飛ばし深川に到着しました。
こんどは、深川から留萌本線に乗ります。 -
特急列車が着くと同時に多くの人が留萌本線に乗り継ぎました。
しかし、深川を発つ時は、ほぼ満席だった車内の人々も次々と降りていき、終点の増毛に到着時には3人に減っていました。 -
増毛駅に到着しました。
猛烈な風に混じって塩辛い海飛沫が水しぶきが飛んできています。増毛駅 駅
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増毛駅の駅名標です。
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留萌線の終端部分です。
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増毛駅の駅舎です。
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こちらは留萌線が無くなった後でも観光施設として残っているようですね。
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今、乗ってきた列車に再び乗って深川へと戻ります。列車は乗務員二人と私一人を乗せて増毛駅を出発してました。
例え窓を開けても自分が寒いだけで、誰にも文句は言われません。
車窓には、小さな漁港の明かりが流れていきます。 -
誰も居ない駅です。
後から調べたら、おそらく箸別駅のようです。 -
漆黒に包まれていた車窓には、やがて留萌の町の明かりが見えてきました。
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深川に戻ってきました。
結局、増毛から深川まで誰も乗ってくることは無く、66.8kmを貸切で乗ってしまいました。 -
さて、ここでようやく札幌に撤収します。
地平線の彼方から三つの明かりが登ってきました。〝特急 オホーツク〟です。
が、ライトが見えてもなかなか近づいてきません。何キロ先までも直線で見えてしまう‥‥北海道の広さを感じます。 -
深川を出ると息の長い加速を続け、石狩平野を全速力であろう速度で必死に走っています。
動力性能で劣る気動車であり、最高速度は110キロしか出せない〝特急 オホーツク〟は、スーパーホワイトアローが80分で駆け抜ける札幌~旭川間を同じ停車駅でも98分もかかってしまいます。
チーズケーキを食べながら、時折明かりが流れる車窓を眺めていました。 -
終点、札幌に到着しました。
この日の移動距離665.7km
札沼線 札幌→新十津川 78.1km
札沼線 新十津川→札幌 78.1km
特急 サロベツ 札幌→旭川 136.8km
富良野線 旭川→美瑛23.8km
富良野・美瑛ノロッコ5号 31.0km
特急 フラノ紅葉エクスプレス 富良野→滝川 54.6km
特急 ライラック17号 滝川→深川 23.1km
留萌本線 深川→増毛 66.8km
留萌本線 増毛→深川 66.8km
特急 オホーツク8号 深川→札幌106.6km
累積移動距離1880.6km -
本日、第一走者は〝特急 スーパーホワイトアロー1号〟です。
この〝スーパーホワイトアロー〟が走る札幌~旭川間は道内屈指の流動を誇り、徐々に勢力を拡大してきた道央自動車道を走る高速バスに対抗して設定されました。
札幌~旭川間の136.8kmを80分で走るシャトル特急として活躍し、一部列車は札幌から快速エアポートとして新千歳空港に乗り入れています。 -
「スーパーホワイトアロー1号」の指定券です。
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列車は札幌市街地を抜け、函館本線を旭川に向け走行中です。
指定席〝uシート〟に座りながら高速で流れる石狩平野を眺めています。
北海道と言えば、こんな景色を連想と思いますが‥ -
意外とそうでもありません。猛烈な地吹雪を防ぐため線路の左右には鉄道防備林が続き、北海道らしい雄大な景色は余り期待できないのです。
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〝特急 スーパーホワイトアロー1号〟を滝川で降りて、根室線の快速列車に乗ります。
延命と機関更新を施したキハ40系1700番台が迎えてくれました。
キハ40系は、先ほどの札沼線で乗り飽きてるので〝他に無いのかよ!!〟と、心の中で思っていたり‥‥
北海道に限らず、日本全国の非電化区間を旅すると、必ずこのキハ40系に出会います。それだけ色々な改造が施され派生型が多く、ディープで面白みのある形式と言えばそうですが‥‥ -
10月ですが、山の上の方では既に雪がかかってきているんですね。
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富良野で接続する〝快速 狩勝〟に乗り換え、景色の美しい根室本線を進みます。
紅葉にはまだ少し早いですが、ここ数日は冷え込んでいるのであと1週間もすれば見ごろになるでしょう。
遠くには山頂が白くなった山が見え、北海道の冬は意外と近くまで来てるのかもしれません‥‥ -
只今、幾寅駅に停車中です。この駅は映画〝鉄道員 (ぽっぽや)〟の中で〝幌舞駅〟として登場した駅で、映画の撮影に使うためキハ40系を改造して再現したキハ12 23(キハ40 764)の車体の一部分が保存されています。
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新狩勝トンネル内の上落合信号場で石勝線と合流し、長いトンネルを抜けると広内信号場に停車しました。ここで、同じ〝快速 狩勝〟と交換を行いました。
峠を転げ落ちるように下り、こんどは西新得信号場に停車しました。
やがてスノーシェルターの奥がキラリと光ったと思うと、自慢の振り子と大出力機関を駆使して〝特急 スーパーおおおら4号〟が駆け抜けていきました。 -
新得駅に到着しました。
特に行くところも無いので、駅前のスーパーで昼食を調達して待合室でテレビを見ていました。 -
キハ283系〝特急 スーパーとかち6号〟に乗ります。
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先頭車両に陣取りました。
ドアが閉まると出発のブザーが鳴り、エンジン音が高まります。そして一呼吸おいて過給機のタービン音が聞こえ〝北のモンスター〟が目を覚まします。 -
新得駅を出発すると一気に加速し、急勾配を高速で上ります。
次のトマム駅まで25分、距離は33.8kmもあります。この間に〝西新得信号場〟〝広内信号場〟〝新狩勝信号場〟〝上落合信号場〟〝串内信号場〟と、5ヶ所も信号場があり、石勝線は人口希薄地帯を走る鉄道である事を物語っています。 -
〝スーパーとかち6号〟を南千歳で降り、南千歳から〝特急 北斗〟に乗り次ぎます。
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新千歳空港にやってきました。
まだこの頃のJALはジャンボ機を飛ばしていたんですね。 -
日が傾きかけた頃、南千歳から〝特急 スーパーとかち7号〟に乗り、先ほど来た石勝線を戻ります。
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追分で〝特急 スーパーとかち7号〟を降りて普通列車に乗りました。
新夕張駅から夕張支線に乗り、夕張へと向います。 -
夕暮れの中、夕張支線を走ります。
この夕張線は 夕張炭鉱から採れる石炭輸送のため、1892年に北海道炭礦鉄道によって建設されました。石炭の他にもコークス、メタノール、木材を運びました。
その後、1906年に国有化され かつて炭鉱で栄え一世を風靡した面影を語るのは、今は空き地となっている広い構内のみとなっています。 -
日もすっかり暮れ、夕張駅に到着しました。
静かな街に、気動車のエンジン音だけが響いていました。夕張駅 駅
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新夕張駅に戻ってきました。
広い北海道ですが、この新夕張駅と隣駅の占冠駅の間が、日本の鉄道の駅間距離が最長の区間で34.3kmもあります。 -
列車に乗り込むと前面展望も先客がいらっしゃいました。さらに自由席は満席だったので、最後尾の車両から後方展望を見ています。
と言っても、漆黒の闇に包まれていて、駅や信号場を通過する以外、何も見えませんが‥‥
ほとんど灯りが無い中、月明かりがレールを照らします。 -
このまま〝スーパーとかち〟に乗っていてもよかったのですが、札幌まで立った状態で行くのは辛いので、南千歳駅から後続の〝快速 エアポート〟に乗ることにしました。
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南千歳駅で〝快速 エアポート〟の指定席〝uシート〟を発券してもらいました。
時刻は既に21時となりましたが、快速エアポートはこの時間でも意外と混雑しています。 -
札幌に戻ってきました。
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夕飯を食べ駅前をフラフラしていると、駅の電光掲示板に〝急行 はまなす〟の文字が見えたのでホームに上がってみました。
「急行はまなす」の牽引機はDD51-1093号機です。
2016年3月に廃車されてしまいました。 -
鈍く光るナンバープレートが美しいです。
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続いて客車‥‥と、思いきや〝マヤ検〟こと高速軌道試験車が続いていました。
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結局、次の停車駅の新札幌まで乗ってしまいました。
本日の移動距離595.8km
特急 スーパーホワイトアロー1号 札幌→滝川 83.5km
根室本線 快速 滝川→富良野 54.6km
快速 狩勝 富良野→新得 81.7km
特急 スーパーとかち6号 新得→南千歳 132.4km
特急 北斗14号 南千歳→苫小牧 27.2km
特急 スーパー北斗9号 苫小牧→南千歳 27.2km
快速 エアポート144号 南千歳→新千歳空港2.6km
快速 エアポート161号 新千歳空港→南千歳 2.6km
特急 スーパーとかち7号 南千歳→追分17.6km
石勝線 追分→夕張 41.5km
石勝線 夕張→新夕張 16.1km
特急 スーパーおおぞら10号 新夕張→南千歳 43.0km
快速 エアポート197号 南千歳→札幌 44.0km
急行 はまなす 札幌→新札幌10.9km
快速 エアポート207号 10.9km
累積移動距離2476.2km -
翌朝、特に予定も無いので、ホテルのロビーで悠々と朝食を食べています。
新聞を読んでいると、石北本線が不通となってしまった事が記事になっていました。
石北本線の遠軽駅が冠水したり、生田原~金華間で鉄橋が増水した川に流されるなど、各地で大きな被害を被ったようです。 -
駅に行くと、まもなく出発時間となる帯広行きの〝特急 とかち3号〟に乗ることにしました。
ホームに上がるとキハ183系が盛大なエギゾーストで迎えてくれました。
隣には781系〝特急〟が停車しています。共に近い将来、職場を終われる運命なのです。
ホームで写真を撮る時間も僅か‥‥なもなく発車します。 -
札幌を出ると、息の長い加速で千歳線を南下します。
恵庭の車両基地には、このキハ183系の後続と言われているキハ261系1000番台が試験走行に出かける準備をしていました。 -
南千歳で千歳線に別れを告げ一路、東を目指します。
やがて新狩勝トンネルの中で速度を落として上落合信号場に停車しました。ここで上り〝特急 スーパーとかち6号〟(ちなみに昨日、乗ってます。)と交換です。
トンネルの奥から轟音がしたと思うと、風のように駆け抜けていきました。 -
全長5780メートルの新狩勝トンネルを抜けると、北海道立畜産試験場が広がっています。
石勝線は大きくS字を描くように距離を稼ぎながら、新得の街へと降りていきます。 -
新得から30分。終点の帯広に到着しました。
特に帯広駅に用がある訳でもなく、駅前でお菓子と飲み物を調達して列車に戻り、折り返し〝特急 とかち8号〟で札幌に戻ります。帯広駅 駅
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「とかち8号」の指定券です。
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列車は再び石勝線をたどっています。床下では排気量30リットルの水平対向エンジンが唸りを上げ全速力で石勝峠を登りますが、エギゾーストに列車の速度がついてきません。
エンジンの吹き上がりひとつとっても最新のキハ283系に比べるともどかしい限りですが、カーブの度に足元をすくわれるような挙動を示す振り子列車より、乗り心地が良く安定感があります。 -
本当はこのまま札幌まで乗って居たかったのですが、南千歳で列車を降ります。
盛大にエンジンを吹き上げて出発する重厚姿は、特急列車としての気品と風格が漂います。南千歳で〝特急 とかち8号〟を降りた理由は、自宅からお土産の指示があり新千歳空港に向かうためです。リクエストは新千歳空港の空弁です。 -
前日、新千歳空港駅のホームに売っているのを確認していたので、3分でお土産を調達して列車に戻る荒業をしてきました。(笑)
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札幌に到着しました。
札幌から北斗星に乗って帰ります。小樽方から入線してきました。札幌駅 駅
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いよいよ札幌を離れるときがやってきました。
ドアが閉まり車掌が無線に向かって〝2列車 発車〟と言うと、遠くに機関車のホイッスルが聞こえ、2列車こと〝寝台特急 北斗星2号〟は、ゆっくりと動き出しました。 -
今夜の宿はB寝台個室〝ソロ〟です。
北斗星2号のソロは暗証番号で部屋をロックすることが出来ます。寝てるときは施錠されないと、やはり不安ですからね。
ところがトイレから戻ってくると開かなくなってしまい、車掌さんにマスターキーで解除してもらうオマケ付きでしたが‥‥ -
夕暮れの札幌の町が流れていきます。個室の明かりを消して、いつまでも眺めていました。
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室内で駅弁を食べます。
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列車は函館に到着しました。ここで札幌から北斗星を導いてきたDD51型ディーゼル機関車とはお別れです。
函館駅 駅
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DD51が切り離され、機回し線へと入っていきました。
同じ頃、反対側では津軽海峡線を走るED79型電気機関車が連結され、いよいよ〝北斗星〟は海を越えて本州へと進みます。 -
鈍く光るエンブレム。これは〝北斗星〟を導く機関車DD51のナンバーです。
DD51は1両で2200馬力の出力があり、それが重連(2両)で北斗星を牽引します。 -
ディナータイムが終わった21時から、予約無しで食堂車グランシャリオで軽食が出来るパブタイムが始まります。
先ほど個室で食べた駅弁だけでは足らなかったので、サンドイッチとファジーネーブル(カクテル)を注文しました。 -
車窓には五稜郭機関区が流れていきます。
さよなら‥北海道。また来るよ‥‥ -
目を覚ますと、列車はまもなく福島に到着する頃でした。
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個室の中で、ただ景色を眺めていました。
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北斗星は、定刻通り終点の上野に到着しました。
今回の旅は、奇しくも国鉄型車両に数多く乗りました。広い北海道では走行距離が長く、さらに極寒の環境が車両の傷みを早めてしまい、国鉄型車両は急速に数を減らしています。
北海道から国鉄型車両が消える日は、そう遠い日ではないかもしれません。
この2日間の移動距離1693.0km
特急 とかち3号 札幌→帯広 220.2km
特急 とかち8号 帯広→南千歳 176.2km
快速 エアポート154号 南千歳→新千歳空港 2.6km
快速 エアポート163号 新千歳空港→札幌 46.6km
寝台特急 北斗星2号 札幌→上野 1218.3km
常磐線 上野→柏 29.1km
累積移動距離4169.2km上野駅 駅
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