富山・高岡から氷見・砺波・南砺の五月の連休祭りだらけの旅(五日目・完)~井波は、かつて越中一向一揆の拠点となった瑞泉寺の門前町。日本一の彫刻の伝統と池波正太郎が愛したグルメの街で、よいやさ祭にも遭遇です~
2017/05/03 - 2017/05/03
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たびたびさん
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富山の旅も今日が最終日。最後は井波の街を訪ねます。東京の富山のアンテナショップで井波の彫刻の見事さを知り、それからどうしても行ってみたくなった街。これも高岡から行くのが効率的なんです。
さて、よいやさ祭があるとは知らずに井波を訪ねると獅子舞が家々を回っている真っ最中。剣のような鎌のような武器を携えた子供が襲ってくる獅子と大立ち回り。飛んだり跳ねたりのこの動きって、ちょっとこれまで見たことない面白さですね。
一方、井波の中心部、八日市町では金色の神輿の出陣式。大勢の担ぎ手が「よいやさ」「よいやさ」。元気な掛け声とともに三つの神輿を担いで町内を引きまわします。これとは連動しませんが、ほかに三味線やうたいもある庵屋台も繰り出して、街全体が祭りの気分に浸っていました。
結局、富山の旅は最後まで祭り三昧の旅になったようです。
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高岡駅から井波までこの加越能バスを利用します。砺波駅も経由して約1時間。大きくは城端線と同じ方向なんですが、井波は城端線では行けないんですよね。昼前後の時間帯があんまりないので、ちょっと注意が必要ですが、井波を一日かけて観光するなら問題はないと思います。
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バスの中で今日は井波のよいやさ祭りがあることを知りましたが、
井波に到着すると、これはなんですかあ。
交通止めにした通りを使って、獅子舞の真っ最中。獅子舞が家々を回っています。 -
二人の子供が獅子の前でぴょんぴょん飛んだり跳ねたり、これは獅子あやしという役回り。
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ただ、この動きって、獅子を退治しようとしている動きなのかどうなのか。
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イチオシ
むしろ、獅子を挑発しているようなところもあって、その獅子との駆け引きが面白い。
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散々、獅子をいたぶった後で、子供が道を開けると、獅子は家の中に入ります。ほー、そういうことですか。獅子は家に入れるんですね。だから、獅子は悪いものではないんでしょう。つまり、退治する対象だけでもないようです。
そこが獅子あやしという語感にも表れていますね。猛獣使いのようなものといった方が理解しやすいかもしれません。 -
そして、また、今度もチャンチャカ、チャンチャカ。
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飛んだり跳ねたりして、獅子を挑発します。
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獅子も二人に躍りかかろうとするんですが、
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なかなかそのタイミングをつかめず、翻弄されるだけ。うーん。獅子は悔しいし、歯がゆいでしょう。
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やっと、道を開けてもらって、家に入ります。
面白いですねえ。獅子舞は動きのあるものではあるんですが、こんな動きは初めてですよ~ -
またしても、始まりました。
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ちょっと大きめの子供たち。
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挑発の動作も少し余裕がありますね。軽くいなしているといった感じですが、それがまた獅子としてはしゃくに障る。うー、うー。ってな感じでしょうか。
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ほいよ~。やっと、道を開けてくれました。
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今度は、一人で立ち向かてますよ~
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頼りなげですが、それでも健気に対抗します。
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続いては、元気そうなお兄ちゃんが二人。
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右によけたり、
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左によけたり。身のこなしも鮮やかです。
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衣装は同じですが、もう一つのペア。
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一人が持っているのは鎖鎌ですね。
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これをどう操りますか。
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刀を持ったもう一人との連携もあるんですが。。
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球を出しての挑発ですか。獅子をけっこうバカにしてますね。
しかし、これはとっても微笑ましい。獅子と獅子あやし。いきなり、いいものに出会いました。富山の獅子舞、最高で~す。 -
そろそろ、八日町通りの方に向かいます。
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河内屋は、八日市通り手前の井波市街。
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糸巻御所落雁という立派な看板が目に入って寄ってみました。
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まあ、落雁なんて珍しいものではないんですが、
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なるほどいただいてみると、きな粉の香りとほんのりした甘さが程よくバランスして、なかなかというか素晴らしい上品な味わい。やるもんですねえ。家族にも久しぶりに受けたような気がします。
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途中のこの家はなんでしょう。
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中を開放して、よいやさ祭りの子供の衣装を展示していました。
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おかみさんが出てきてちょっと説明してくれましたが、子供もちゃんと役割があって、祭りには必需品だったよう。
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昔の衣装も残っていて。なにげに歴史を感じるものでした。
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もう少し進むと、これは福光屋食堂。どうもうなぎの専門店なんですが、この日はお祭りで、予約の準備で手いっぱいということ。
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それでも何かないかと尋ねたら、この辺りのB級グルメ、ドジョウのかば焼きを出してくれました。いや、これでいいんですよ。ありがたい。
艶々したタレもいい味わい。昨日の福光に続いてですが、この滋味豊かなグルメを楽しみました。 -
さて、これが八日町通り。瑞泉寺に続く門前町の町並みで、緩やかな石畳の上り坂。両側には老舗のお菓子屋さんや井波美術館、木彫製品を扱うお店などが軒を並べます。
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さっきの獅子舞もありましたが、いずれにしても、この日は、井波のよいやさ祭。
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中ほどに御旅所が設けられて、
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出発式が行われていました。
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三つ並んだ神輿は金ぴかです。
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出発式を終えると、神輿を中心にした行列は通りを進んで行く。
簡単な車に乗せた飾り物が先頭で、 -
次々と
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やってきます。
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何かを表しているんでしょうが、ちょっとよくわかりません。
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神主さんと神輿の集団、
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女性の神輿も続きます。
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この神輿を担ぐ人の掛け声が「よいやさ」「よいやさ」。お祭りの名前の由来です。
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ただ、祭りの人たちは多いんですが、観光客はほとんどいない。
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私としては自由に写真が撮れてよかったんですが、ちょっとさみしいことはさみしいですね。
ただ、祭りはきょう一日をかけて行われます。まだ、時間が早いし、観光客はまだこれからやってくるのだと思います。
祭りの方はこれで切り上げて。 -
こちらは八日町通りの中ほどにある井波美術館です。
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井波は木彫が地場産業ですが、意外にも、そうした伝統的な作品ではなく、若手作家による木を使った現代アートの発表の場といった感じ。一方で、この建物は大正13年に建てられた北陸銀行井波支店。天井の高い銀行らしい空間も気持ちいいです。
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向かいのアートギャラリー瑞庵は、井波の木彫製品を扱うお店です。中に入ると、ガラスケースに商品が陳列されて、こうやってみるとその美しさがいっそう引き立って、なるほど美術品であることがよくわかる。やっぱり見せ方も大事ですね。
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田舎まんじゅう本舗 よしむらは、瑞泉寺の門前。
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通り沿いに大きく開いた店構えです。
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饅頭はちょっと大きめのいわゆる炭酸饅頭。甘さが意外に抑えてあるので、落ち着いてしっかり食べれるような感じです。お茶を入れていただいて、しばし寛ぎました。
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そして、いよいよ街の中心、井波別院瑞泉寺へ。
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ところで、井波別院瑞泉寺は、明徳元年(1390年)、本願寺第五代綽如により建立された寺。
伏木の勝興寺と並んで越中一向宗の中心的な寺であり、織田信長旗下の佐々成政の軍勢と戦い、焼き討ちに遭ったりもしていて、激しい歴史を経ています。そして、江戸時代に入り、本願寺が西本願寺と東本願寺に分かれると、東本願寺派に属す。以降は徳川の幕藩体制の下で自由な動きは制限されることとなります。 -
いずれにしても、井波別院瑞泉寺は、この寺の門前町が町の中心だし、井波の伝統工芸となっている木彫技術もこの寺があったからこそ。いろんな意味で、井波の象徴となっている大寺です。
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石段をあがるとすぐに巨大な山門が現れます。
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この山門を巨大なキャンバスみたいに使って
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井波彫刻がそこかしこに。
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イチオシ
けっこう黒ずんでしまっていますが、渾身の気迫で彫られた作品の瑞々しさは今も健在。
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日光の陽明門のような派手さはありませんが、こちらも渋い光を放っていると思います。
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山門の正面には、これも巨大な本堂。
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縁はたっぷりと空間が確保されているし、
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振り返った山門とその間の銀杏の配置もすっきりとしていて、京都の本願寺の雰囲気と似たものがありますね。
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本堂の横に建つの太子堂も、上がって自由に内部を拝観できます。
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これなら、京都の本願寺にも負けていない。「井波の人は京都に行ってもこれなら驚かないでしょうね。」とお寺の人にお声をかけると「普段見慣れているから、そうですね。」というあっさりした答え。
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イチオシ
本当に、これほどの寺が井波にあるというのはすごいことでしょう。
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なお、最後になりましたが、井波彫刻の傑作と言われる名人、七左衛門作の「獅子の子落とし」は勅使門の門扉。山門の横です。
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獅子はわが子を谷に落として、そこから這い上がった強い子だけを育てるという故事。
下をのぞいて怖がる子供の獅子とそれを励まそうとするかのような母獅子に、 -
こちらは、もう深い谷底に落とされてしまった子供の獅子。下には渦巻く激流が待ち構えています。
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イチオシ
岩の上から落ちていくわが子を見つめる母獅子は心配はしつつも、これも子供の運命と思い定めていますが、
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落ちていく子供の獅子は、もしかしたら自分に何が起きたのかも分かっていないかも。ひゅー。この後は何が起きようとも、自分の力で打開するしかありません。ひゅー。
なるほど。これが井波彫刻の源流なんですね。 -
続いては、井波八幡宮。
で、実はさきほどの「井波よいやさ祭り」はこの神社の宮春季大祭なんですね。 -
見どころの一つが、この臼浪水。井波八幡宮の境内というか、隣接したひと区画にありました。
これは、瑞泉寺の起こりに関係していて。近くに住んでいた綽如上人が京都へ向かう途中、乗っていた馬が足で地面をかいたところから清水が湧きでる。そのことに感じて、そこに瑞泉寺を建てたというのです。石垣で囲った井戸の中には今でもしっかり水が湧いています。 -
続いては、池波正太郎ふれあい館へ。こちらは、池波正太郎が自身の第二の故郷として井波を愛したことを記念する資料館。
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実際に池波正太郎との交流をした地元の人たちが出演するビデオでは、食通で知られる池波正太郎にどうやったら気に入ってもらえるのか苦心した話などを紹介していて、なかなか微笑ましい。
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里いもとか、ケーキとか。興味をひかれる話もあって、ちょっといい時間を過ごさせてもらいました。
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武田甘泉堂は、あの食通の池波正太郎が自分の故郷のように井波に来た時には、ここのケーキを食べていたというお店。さきほどのビデオで知って、訪ねてみました。
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今でも洋菓子を扱っていましたが、名物の一歩菓子の方をいただきました。
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イチオシ
堅く焼いた薄い板状の煎餅は、ほんのりした小麦の甘さとゴマの香りがいい感じ。完成度の高い上質な味わいです。
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少し移動して。今度は井波彫刻総合会館。井波の伝統工芸、井波彫刻の作品を余すところなく総合的に展示する施設です。
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井波彫刻の製作者は今でもかなり多い。
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井波彫刻と一口で言っても、
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それぞれの作風には個性もあって、意外に多様性もあるような気がしました。
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最後の方に欄間の展示もありましたが、これだけのものが作れるのは日本でもここくらい。和風の家を建てる人なら、是非参考にしたらいかがでしょうか。
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これは施設の外壁に彫られた世界一の欄間彫刻。
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十二支をモチーフにしていて、イノシシに
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イチオシ
ウサギなど。自分の干支を探すのも楽しいと思います。
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その隣にあるのが、道の駅 井波です。
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道の駅のお土産物屋さんの方でも井波彫刻はメインの位置づけ。他の道の駅だと生鮮品がメインになるんですが、ここはちょっと趣が違います。
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その中で、また異彩を放つのが、このいなみ木彫りの里 創遊館の中にあるオリンピックおじさんのコーナー。
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オリンピックになると突然出てくる例の派手なおじさんなんですが、この辺りの人だったんですね。
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ただ、その活躍の足跡をたどるということは、過去のオリンピックを振り返りるということ。この人のやってきたことは、けっこう素晴らしいことだったのではないか。ちょっと感動するような気持ちになりました。
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ここから、八日町通りに戻る途中。やや、あれは庵屋台ですね。城端の祭りでも、曳山とセットになっていて重要な位置づけでしたが、井波でもありましたか。
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中では三味線を弾く人に唄い手も乗って、いやあ、おつなものですねえ。男衆でもちゃんと色気を出してます。
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イチオシ
演奏が終わると、次の会場を目指してまた移動。自分で歩いた方が楽なような気もしなくはないんですが、そこはあまり触れない方がいいかもしれません。
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八日町通りの中ほどまで戻ってきて、昼飯は蕎麦懐石 松屋へ。町家を利用したちょっと勿体のある構えのおそば屋さんです。帰りのバスまでかなり時間があったので、ランチのコースをいただいてみました。
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イチオシ
最初に出てきたのは、生春巻きみたいに鴨肉や香味野菜を巻いて食べるもの。高山とかでよくある味噌を使うのがポイントですね。
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この皮にはそば粉が使われているそうですが、なんとも上品な落ち着いた味わいです。
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続いては土瓶蒸しみたいな茶碗蒸し。
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茶碗蒸しがドロっと溶けだしたような出汁をおちょこでいただきます。うまーい。で、土瓶の中にはシイタケ三つ葉などがしっかり入ってますね。
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そして、最後にざるそば。シャキッとしたキレの良さが最高ですね。やっぱりこれがないと話にならない。見事な三品のコースは一切の無駄がないし、これ以上ない洗練さ。もっと気楽なお店と思っていましたが、なかなかどうしてこのお店は侮れません。ポイントとっても高いです。
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しかし、まだ時間に余裕があるので、高瀬遺跡にも行ってみましょう。
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井波の市街から田んぼの中を抜けて、けっこうな距離を歩きます。
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しかし、遺跡内は平安時代初期の荘園の役所だという遺構を保存しつつ、
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日本庭園のように美しく整備した公園で、
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ちょっと心が洗われるよう。こんな保存の仕方があったんだと
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イチオシ
ちょっと感心しました。
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高瀬遺跡の敷地の中には、井波歴史民俗資料館という施設もあって、二階が展示室。
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石器から土器は縄文土器から始まって、もう少し時代を下った土師器、須恵器まで。けっこうな厚みのあるコレクションが展示されていました。
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高瀬遺跡は、平安初期の遺跡ですが、この辺りの歴史はそれだけではない。この展示は井波が誇れる内容だと思います。
さて、以上で井波は終了です。 -
高岡市内に戻ってきて。
今度は祭りのどさくさで拝見できていなかった菅野家へ。山町筋の国の重要文化財にも指定されている土蔵造り家屋です。
かなり立派な建物ですが、ここだけ飛びぬけているというほどでもないのがまた山町筋のすごいところかなとも思います。 -
有料施設ですが、外観で既に十分なような気もするし、入ってみるほどのこともないかなと思ったのですが、
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係の人が建物の説明をしてくれますし、やっぱりそれはそうでもない。
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菅野家個人の持ち物で、時には、自らが使用するという客間とかにも生活感がしっかり感じられます。
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上村松園の画が傍らに飾ってあったりするのも、さりげなくすごいと思います。
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山町茶屋は、山町筋にある町家カフェ。菅野家の隣りにあって目立っていますが、聞くとその菅野家が経営しているのだそうです。
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私は入ってすぐのカウンターに座って、抹茶アイスをいただきました。素人っぽい感じの女性が自分たちも楽しみながら接客しているのもなんかほっこりするように思います。
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駅の方に帰る途中、またしても獅子舞じゃないですか。
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富山って、いったいどれほど獅子舞があるんでしょうね。
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例によって、ここでも獅子あやし。
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まあ、何度見ても面白いからいいでしょう。
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子供も跳ね回ってますが、獅子を演じるお父さんも息が上がって、もう大変。もう限界~って感じで、頑張ってました。
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そして、最後に帰りの列車で食べる鱒鮨は、高田屋にしてみました。前もって、予約をしておいたんですよね。
聞くと、富山の鱒鮨は、富山市の松川沿いで始めた数軒のお店が元祖だそうですが、この高田屋もその元祖の一つだそうです。駅から少し離れた場所だし、アクセスは決してよくないのですが、そんなことをかまっていては旅にはなりません。 -
鱒鮨は包装も見どころの一つ。
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この大げさな容器はどうですか。これだけでも立派な民芸作品って感じですよね。まあ、この店だけではないんですが、妙な進化をしたものです。
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丁寧に笹の葉に包まれた鱒鮨が出てきましたよ~
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イチオシ
一枚一枚笹をめくって。ピンク色の鱒がたまりませんねー
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なるほど、鱒鮨の方は絶品。鱒の程よいしっとり感に、薄味の素直な味付けははるかに期待以上。今回の旅では、三回目の鱒鮨。それ以前にもいくつか食べてきていますが、文句なく、これが一番ですね。
「鱒って、本当はおいしい魚ではないですよね。他にもおいしい魚はいっぱいあるのに何で鱒になったんでしょうか?」というところから始まった、ご主人とのしばしの鱒鮨談義も楽しかったし。これは間違いなく、鱒鮨の積み重ねられた歴史まで感じられるような逸品。これからも記憶に残るひと品になったと思います。
さて、以上で五日間の富山の旅は無事終了。多彩で豊かな富山に乾杯。ありがとうございました。
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