2016台鐡TR-PASSで台湾一周鉄道の旅！vol.11（莒光号５５４次で行く台北艋舺夜市編！）

2016/08/12 - 2016/08/16

私にとって５年ぶりの海外、台湾に行ってきました。元々安い台鐡、ＴＲ−ＰＡＳＳはあまりおすすめできませんが（事前指定ができないので結果的に失敗だったかなと思います）、私の旅程では１周した時点で元を取る計算でしたので、容赦なく使わせていただきました。お盆の時期なのに往復１万円（コミコミ１万５千円弱）でv-air（威航）がとれたので、４泊５日１本勝負、総予算４万、台鐡だけで５０本以上乗る旅行です。一周してしまったので、この日は台北近郊で逆光上等安物コンデジ一本勝負の“撮り鉄”が中心です。夜の部は食べ物中心…いや、違うかもしれません。

【備考】
・通貨は元（ＮＴＤ）で、１元≒３．３３元。３元＝１０円として計算。
・物価はコンビニのお茶２０元（６７円）、台鐡初乗り１５元（５０円）。
・日本人に人気の「高鐡」、「阿里山鉄道」および地下鉄は台鐡と別経営。
・台鐡は４等級制で運賃が異なり、１個列車につき１枚のきっぷが必要。
・ＩＣカードの“悠遊卡”が普及しており、幹線はほぼ全線で使える。
・ＩＣ運賃は普通列車（区間車）の１割引。無指定で優等列車に乗車可能。
・優等列車は全車指定で、「普悠瑪号」「太魯閣号」は指定券が必要。
・ＴＲ−ＰＡＳＳ（外国人用のフリーパス）は１日分１回指定でき、他は無座。

【列車】
自強号…特急。電車、気動車、プッシュプル。
　振り子電車の「普悠瑪号」「太魯閣号」は指定券がないと乗車できない。
莒光号…急行。客車。
　だいぶ少なくなったものの、各地に健在。
復興号…準急。客車（臨時で電車もあり）。
　かなり少ない。区間車と同じ運賃で乗車できる。
区間車…普通。電車、気動車、客車（少ない）。
　快速列車の区間快も存在。
平快車…非冷房普通。客車。
　ついに１往復、台湾南部に残るのみとなった。

きっぷ：ＴＲ−ＰＡＳＳ＋普通乗車券
旅程概要
08.12：最寄バス停〜交通センター〜福岡空港〜桃園空港〜高鐡桃園〜六家〜新竹
08.13：新竹〜嘉義〜水上（北回帰線）〜善化〜烏山頭水庫〜林鳳營〜台中〜沙鹿〜台南
08.14：台南〜屏東〜枋寮〜台東〜花蓮〜台北〜西門
08.15：（朝の部）西門〜台北〜基隆〜汐止〜八堵〜南樹林〜萬華〜西門
　　　 （昼の部）西門〜南港〜牡丹〜四脚亭〜七堵〜海科館〜松山〜南京三民〜西門
　　　　（夜の部）西門〜萬華〜松山〜樹林〜台北〜西門
08.16：西門〜萬華〜鶯歌〜西門〜板橋〜高鐡桃園〜桃園空港〜福岡空港〜最寄バス停

エリア 台北(台湾)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

2016.08.15　西門
「さて、どうしようか…」全くのノープランである。晩飯を食べるならば、台湾らしくない西門より、朝降りた萬華の方がよさそうだ。宿のＷｉ−Ｆｉをガンガンつないでみると、１日に数本、萬華に停車する「莒光号」があることがわかった。ということで、台北付近を行ったり来たりしながら爆音吊掛電車特急、架線下ディーゼル特急（遅れのためカット）と客車急行に乗り納めしておこうと思い一瞬で予定を組んだ。汚い字で恐縮で、しかもやたらと“木へん”が多いのだが（笑）、ＴＣ＝自強（特急）、ＣＫ＝莒光（急行）で台鐡どおりの表記。電車の〇〇Ｍはご愛嬌。思い立ったら即実行。

シーメン コーナー ホステル (西門街角旅店) ホテル

2016.08.15　龍山寺
捷運に乗って台鐡萬華の最寄の龍山寺にやってきた。「莒光５５４次」が出るまでのわずかな時間が町歩きに許された時間だ。

龍山寺 寺院・教会

2016.08.15　萬華
寺があれば門前町ができるというアジアの法則により、まったく情報なしの状態から見つけたのが艋舺（もんが）夜市。さぁ、晩飯はここで。

2016.08.15　萬華
日本人によく知られている士林ほど大規模ではなく、あまり日本語は聞こえないのがいいところ。ただ、日本語看板はけっこうあったので、利用者は多いのだろう。

2016.08.15　萬華
黄色の看板は屋台によく似合う。

2016.08.15　萬華
暗くして撮るとこうなる。

2016.08.15　萬華
ひととおり歩いたところで１発目は「旗魚黒輪」。カジキのすりみ揚げのようなもので、１本１０元（３３円）。

2016.08.15　萬華
わさび味か甘辛みそ（甜辣醤）を選べる。２度づけ禁止だろう（笑）。

2016.08.15　萬華
屋台の味だ。

2016.08.15　萬華
次は飲み物。仙草ジュース１０元とあるが…おぉ、奥の容器の中に入っているのは台湾スイーツランキング（私の中で）１位のレモン愛玉２０元（６７円）ではないか。仙草の倍するけど、南京三民のチェーン店の半額以下だし、だいたい鉄道模型で金銭感覚狂っているし…（笑）

2016.08.15　萬華
味があんまりなく、レモンとシロップ味と分かっていてもやめられないのがレモン愛玉なのだ。

2016.08.15　萬華
台湾で食べておきたいのが刈包…もたしかにそうだが、虱目魚（サバヒー、サバとは一切関係なくミルクフィッシュというらしい）を食べたかった。本当はダイレクトに身が入っているおかゆを朝飯に…が理想なのだが、残念ながら私の行動時間よりも前に店を開けてくれるところは限られる。

2016.08.15　萬華
屋台グルメ最後は３０元（１００円）の香腸。台湾ソーセージと言えばそれまでなのだが、腸詰されているだけで全く別の食べ物だと思う。これが焼けるのにかなり時間がかかり、危うく乗り遅れそうになった。というか、駆け込んだ。

2016.08.15　花蓮ゆき莒光５５４次車内
レモン愛玉という液体を抱えた上でもう１個液体を同時並行で食べきれないので虱目魚丸湯（つみれ汁）は外帯した。香菜が浮いていてアジア味なのだ。これも３０元（１００円）。合計９０元（３００円）の屋台晩飯タイムトライアル終了。次はゆっくり来たい。この列車は花蓮ゆきなので、台北までは余裕で座れるがそれからは無座なので１駅の間に汁まで全部飲んでしまわないといけない。

2016.08.15　松山
この列車は機関車の後ろに荷物車を２両連結していた。普快列車と同じ塗装だ。鉄道が元気な証拠でありふれた１コマなのだが、日本では私が生まれる前にほぼ失われてしまった。

松山駅 駅

2016.08.15　松山
なかなか荷物が積み終わらない…

2016.08.15　松山
近代的な地下駅なのだが（私が初めて訪れた１０年前はまだ地上駅だった）、日本では失われた客車急行に荷物輸送、十分なエンターテインメントだ。

2016.08.15　松山
松山には遅れて到着したのと、駅から意外と遠そうだったので饒河街夜市にはいかなかった。まぁ乗り継ぎ優先なのだが。「区間車４２２１次」はまさかの病院椅子４両。台北都市圏でまだ４連運用があったとは！ただ、時間帯が２１時半ごろのため、このくらいで何とか許せる乗車率だった。もちろん、乗らない。

2016.08.15　松山
次に乗る「莒光６３３次」は６分遅れでやってくる。ところが、観光列車の「莒光７３次」がダイヤ上では４分後に追い上げてくる。停車時間が長く必要な「莒光号」がホームを占有するわけにもいかないため、松山と台北では朝ラッシュ時の中央快速線のように島式ホーム二刀流作戦で対応することに。わが「莒光６３３次」は２Ｂ月台に変更になった。

2016.08.15　樹林ゆき莒光６３３次車内
手動扉の旧型客車だった。松山と台北では出発しようとしたとき、隣に「莒光７３次」が追い上げてきていた。当列車は萬華通過のため後は大丈夫だ。なぜか松山でもガラガラ。どうせ樹林が終点なのでもう指定の客はいない。

2016.08.15　樹林
樹林では端の方のホームに到着した。地下区間ばかりであったが、松山から３０分弱、客車に揺られることができた。

樹林駅 駅

2016.08.15　板橋
「区間車１２６４次」で板橋へ戻り、続行の「自強号」を待つ。６分遅れらしい。

板橋駅 駅

2016.08.15　台北
乗ったのは「自強１４６次」で狙いどおり爆音吊掛電車特急。地下区間だからか、客席内でもだいぶ派手に唸るモーター音を聞くことができた。結局７分ほど遅れて台北に着いた。当初の予定ではまた松山まで行き４分の折り返しでディーゼル特急の「自強４３７次」に乗る予定だったが、この遅れなら大人しく台北でカットした方がいいだろうという判断。

台北駅 駅

2016.08.15　西門
地下鉄の駅を出るとホテル内に併設されたセブンイレブンがあり、店内を突っ切ると近道。隣は薬局のワトソンズ。母親を連れて来たらかなり喜ぶだろう。

西門駅 (MRT板南線・松山線) 駅

2016.08.15　西門
宿に戻ってきた。２３時少し回っているが、明日は５時半出発なのですぐ寝る。扉のねじが壊れているのに修理せず気合で使っていたものだから、ついに修復不能となり中から扉を開けられないというアジアらしいけど台湾らしくないトラブルに見舞われたが、翌日はちゃんと修繕してあった。

2016.09.07　自宅
結局乗った列車と区間をまとめるとこのようになる。乗車距離は短くほとんど地下区間だが、爆音吊掛電車特急と客車急行を最後の最後まで追いかけ、ＴＲ−ＰＡＳＳのリミットを迎えた。

2016.09.07　自宅
結局この日は１９本の列車に乗り、台北、新北、基隆の台北都市圏を行ったり来たり、七堵と八堵の間に至っては４往復もした（笑）。１日それぞれ１往復の電車「自強号」、１日１本の「復興号」乗車を軸に未乗の海科館、硬券の牡丹と四脚亭、“撮り鉄”スポットの南樹林そして鉄道模型の南京三民…実は私が旅程作成でだいぶ時間をかけたところだった。“おまけ”で貨物列車、そして“夜の部”（下調べなし、一瞬で決定）…。海外なんてめったに行けないので欲張らないといけない。

この旅行記へのコメント （7）

• オーヤシクタンさん 2016/09/12 17:57:36

  日本にもまだあった！

  とのっち様、こんにちは。
  オーヤシクタンでございます。
  
  最終章が終わったにもかかわらず、今頃になってコメントします。
  荷物車の風景は懐かしいですね。
  日本では過去の話し‥
  と、思いきや、形は少し変えつつも、日本にもまだあったんです。
  上野駅地平ホームの13.14番線の間には荷物車用の短いホームがあります。
  今は過去の遺物と思いきや、E231系の普通列車で、最後車両の半分をロープで仕切って荷物室運用しています。
  運んでいるものは新聞のようです。
  それを知った時「まだ、あったのか‥」と呟いてしまいました。
  夜市は楽しそう。
  みんな美味しそうですね。
  
  オーヤシクタン。
  
  
  

• オーヤシクタンさん 2016/09/12 17:57:35

  日本にもまだあった！

  とのっち様、こんにちは。
  オーヤシクタンでございます。
  
  最終章が終わったにもかかわらず、今頃になってコメントします。
  荷物車の風景は懐かしいですね。
  日本では過去の話し‥
  と、思いきや、形は少し変えつつも、日本にもまだあったんです。
  上野駅地平ホームの13.14番線の間には荷物車用の短いホームがあります。
  今は過去の遺物と思いきや、E231系の普通列車で、最後車両の半分をロープで仕切って荷物室運用しています。
  運んでいるものは新聞のようです。
  それを知った時「まだ、あったのか‥」と呟いてしまいました。
  夜市は楽しそう。
  みんな美味しそうですね。
  
  オーヤシクタン。
  
  
  

  とのっちさん からの返信 2016/09/12 21:14:06

  RE: 日本にもまだあった！

  オーヤシクタンさま
  
  こんばんは。１８きっぷ消化はいかがでしたでしょうか。コメントいただきまして感謝申し上げます。
  
  関東圏の新聞輸送、まだ残っていたんですね！房総方面の両国始発１１３系新聞列車を以て終わったのかと思っておりました。簡易“クハニ”ですね。５５４レの牽引機、“Ｅ２３１”なのはたぶんご愛嬌です。やるなぁ、台鐡。
  
  食べ物に関して好奇心はあるのですが、いかんせん知識不足のため台湾に強いトラベラーのみなさま方に大きく水をあけられています。マレーシアのパシルマスでマンゴー１キロ（たしか５リンギット）買ってやっとのことで消費して以来、外食でマンゴーはいらないなと思います。「深夜特急」っぽくぶどうを買いたかったのですが、いかんせん高かったので…（笑）屋台は鉄道写真以上に出たとこ勝負ですが、及第点だったと思います。
  
  何がメインかわからない旅行記をご覧いただきましてありがとうございました。「さて、どうしようか」感は伝わったでしょうか？結局弾丸乗り鉄なんですけどね。
  
  とのっち

• へけけさん 2016/09/08 18:23:53

  表紙の写真に感動しました。

  とのっちさん　今晩は。
  
  　莒光號５５４次の荷物車、凄いです。昔の国鉄時代を思いだします。とのっちさんは最初からこの列車に荷物車がくっついてるのを御存じだったんでしょうか？さすがです。
  
  　萬華では地元の夜市でグルメを堪能されてますし、外帯で汁物を二つも車内に持ち込んでるし、尊敬しちゃいます。
  
  　とのっちさんの影響で多分、次回の自分の台湾行きはツリカケ自強號、牡丹駅と莒光號５５４次で決まりです。
  
  　ダイソーのプチレールは今も走らせてますが、トミックスのエヌゲージの小田急ロマンスカーの走りが素晴らしく、カトーの京浜急行２１００が見劣りします。でも一番欲しいのは台湾製の莒光號です。とのっちさんが羨ましいです。トミックスで発売してくれないかな（笑）
  
  へけけ

  とのっちさん からの返信 2016/09/08 21:48:38

  RE: 表紙の写真に感動しました。

  へけけさま
  
  こんばんは。感動していただきありがとうございます。
  
  もちろん…知るわけないじゃないですか。そこまで調べていませんよ。だいたい、この列車に乗るのも１時間半ほど前に「さてどうしようか」と宿で決まったものです。艋舺夜市以上にうれしい発見だったかもしれません。香腸待っている間に愛玉全部飲んでしまいましたので、「莒光号」持ち込みは１品です。
  
  私なんぞが台湾旅行の重鎮の旅程に影響を及ぼすのは大変失礼に感じますが…電車自強号、牡丹駅、荷物車…血迷って東方模型店も行かれるのではないでしょうか（笑）。旅行記楽しみにしています。
  
  トミックスで台鐡車両が発売されてしまったら大損です（笑）。「莒光号」売れますかね？外国車を出すならばＫＡＴＯでしょうか…「莒光号」もいいですけど（うちのは「復興号」ですが）ＥＭＵ１００の絞った裾、とぼけた表情、大きな窓…最高です。
  
  とのっち

• BTSさん 2016/09/08 09:27:27

  ほのぼの〜

  
  とのっちさまへ
  
  おはようございます。
  
  表紙画像の荷台付き三輪自転車で荷物車に荷物を搬入する光景は長閑で良い
  ですね〜日本でしたら昭和40年代でしょうか。
  
  良いですね〜屋台巡り
  台湾の方は家で食事を作らないで屋台や食堂で食事をするらしいですね。
  おじさんもビール片手に屋台巡りをしてみたいです。
  
  地下区間の吊掛モーターは相当な音がするんでしょうね〜車内では会話なんて
  できる状態ではないことでしょう。
  
  いよいよ、明日は帰国日ですね〜
  とのっちさんのことだから、最後の最後まで乗り鉄と撮り鉄に拘ることでしょう。
  
  続きを楽しみにしています。
  
  BTS

  とのっちさん からの返信 2016/09/08 21:16:43

  RE: ほのぼの〜

  ＢＴＳさま
  
  こんばんは。コメントありがとうございます。
  
  意外と表紙が人気のようです。４０年代、私はよくわからないのですが…わが国では人間を運ぶためだけの線路になりつつありますが、巨大インフラである以上、何でも運んだ方が合理的なのです。この列車の終着花蓮（ファーリェン）は太魯閣渓谷などの有名観光地を擁しながら道路状況が悪いので、鉄道輸送ががんばっているのかもしれません。花蓮から“オロニ”に乗ったので人間の移動も鉄道中心です。
  
  屋台めぐりは私のような台湾ド素人は外せません。ビール片手に屋台めぐり最高ですね。屋台街の滞在時間と引き換えに「莒光号」乗車を取りました。外食文化のある国は旅行者にとっても過ごしやすいですね。ただ、台湾、香港、シンガ…物価が高いのが難点です。
  
  特急車両（しかもグリーン並み）なのでデッキで仕切って騒音対策はしてあるのですが、なぜか“クモハ”（クモロ？）はよく音が響いていました。１００キロオーバーで縦貫線をかっ飛ばしますので、日本から見に行く（聞きに行く？）価値はあると思います。
  
  帰国したくないのに帰国日を迎えます。飛行機は１４時５０分発です。最後の最後までやらかそうと思います。
  
  ＢＴＳ