2016/01/10 - 2016/01/10
136位(同エリア1194件中)
たびたびさん
- たびたびさんTOP
- 旅行記736冊
- クチコミ35254件
- Q&A回答420件
- 5,360,610アクセス
- フォロワー666人
正月明けの三連休は、ここしばらくは金沢とか北陸を回るのが定番だったのですが、今回は12月の旅で少し疲れてしまって、東京にいました。しかし、一日だけひょっこり晴れの日があったので、どこか近場でないかなあと思案しまして。。
そういえば、流山って、たまには聞く名前ではあるんですが、ほとんど知識はないですねえ。しかし、こっち方面の松戸や柏が東京の衛星都市とイメージが強い反面、もう少し独自の歴史や文化がありそうな感じもする。少し調べてみると近藤勇に関係する街であることや流鉄流というローカル線もあるみたいだし。。であれば、これでとりあえずは十分。むくむく行きたい気持ちが膨らんできて、安近短の旅は流山に決定です。
PR
-
流山へのアクセスは流鉄流山線です。この線は、常磐線の馬橋駅を始点として流山市の流山駅へ向かうもの。流山線というのも馴染がなかったですが、馬橋駅というのもなお知らない。これでは縁遠くなるのは仕方ないのも当然ですが、その分、ローカルな感じはたっぷりですね。
-
到着した流山駅は無人です。
-
それでも、駅舎にアニメの元気のいい女の子の看板があったりして、頑張っている感は伝わるような。。
-
駅前の観光地図で、だいたいの位置関係を確認します。地図で位置関係は分かるんですが、その距離感は実際に歩いて見ないと分かりません。
さて、出発です。 -
まずは、近場の常与寺へ。こちらは、日蓮宗の寺。
-
これは百日紅の木ですが、その他、千葉師範学校の跡ということで、その碑やイチョウの大木。
境内にいる時は感じませんでしたが、遠くからもこの寺の本堂はよく見えて、その姿はランドマーク的な建物にもなっているように思いました。 -
今度は流山新選組本陣跡に向かうんですが、その手前にあるのが閻魔堂。共同墓地のような感じですね。
-
一角に建物があって、安永5年(1776年)銘のある閻魔大王を祀っているので、この名前となったよう。
-
サッシの窓越しに拝むことができました。
-
その正面には、金子市之丞と三千歳の墓。金子市之丞は、義賊ということで、講談や歌舞伎で人気を博したそうですが、実際のところはかなり怪しい。そうであってほしかったという庶民の思いで祭り上げられたのではないかと思います。
-
流山は甲州勝沼の戦いで敗れた近藤勇が最後に陣営を敷いた場所です。
-
イチオシ
この跡には、当時の様子が説明されていましたが、陣に集まって来る同志も少なくなかったことなど、追い詰められてはいたものの、極限状態ではなかったようです。
官軍なんて、関東の人にとって見れば得体のしれないもの。これに恭順する人の方が珍しかったのは想像するに難くないでしょう。 -
街への戦禍を気遣い、余力を持って官軍のもとへ出頭する勇の心情が思いやられました。
-
秋元は、みりんの醸造所。近藤勇陣屋の隣りに販売所があったというか、近藤勇陣屋が秋元の敷地の一角に保存されているという関係です。
-
流山とみりんは切っても切れない関係。流山で酒造りをしていた相模屋二代目当主、堀切紋次郎が白みりんの醸造に成功。流山は、白みりん発祥の地なんですね。往時はかなりの隆盛を誇ったようですが、今ではこの秋元やキッコーマンの工場がそうした歴史をとどめる場所となっています。
-
市内の散策を続けます。
この浅間神社は、富士信仰の神社。 -
本殿の裏に回ると、小さな富士山がありました。なぜか本殿の裏に回った時点で、センサーが働いて、小さな警報音が出るんですが、どういう意味なんですかねえ。見るだけで登るなってことなんでしょうか。意味不明です。
-
イチオシ
これは立派な町家ですね。イタリアレストランの丁字屋というんだそう。
-
もうそろそろお昼だったのですが、待ち時間が長そうなので、売出し中というアンチョビバターをいただきました。元気印の松岡さんが絶賛しているよう。お土産にしましたが、けっこう家族には人気。軽い塩味がいいのかもしれません。
-
その並びにある呉服新川屋店舗は、土蔵造りの商家。
-
イチオシ
この建物は1890年(明治23年)に建てられたもので、国の登録有形文化財にも登録されています。
-
黒い外壁の重厚感が素晴らしいですが、切妻造の先端に恵比寿様の鬼瓦があって、これが見事。
-
お見逃しないように!
-
旧街道のような通りがまだまだ先まで伸びていますね。
-
流山あかり館は、和紙で作った照明を展示販売するお店。
-
建物自体も古い町家を利用したものですが、店内にぶら下がった多くの照明もいかにも和の雰囲気。ちょっと提灯にも似ているなあと思ったら、もともと提灯の技術を利用しているのだとか。御主人がこうやったら畳めるんですとか説明してくれましたが、なるほどという感じです。
-
江戸屋うなぎ店は、流山の街歩き地図には紹介されていなかったのですが、
-
やっぱり地元に根付いた店のよう。
-
開店と同時に次々お客さんがやってきます。
-
さて、うなぎの方ですが、焦げ焦げの部分もあるし、濃い色のたれがいかにも強烈ですね。
-
しかし、一方でこの肉厚のうなぎにはむしろそれでちょうどいいような。田舎のガツンとくるようなうなぎ屋さん。これはこれでありというか、これぞ地元ならではのうなぎ屋さんかと思います。ごちそうさまでした。
-
大杉神社は、流山市街のかなり北の方です。流山街道に鳥居を構える入口があって、そこを少し脇に入ります。
-
目立たない入口だし、そう期待していなかったのですが、本殿の周辺はよく整備されていて、境内も十分な広さ。今でも大事にされていることがよく分かります。
-
花輪城祉公園は、さらに北に向かって歩きます。
-
中世城郭の特徴を残しているのだそうですが、
-
頂上に上がると
-
平らな場所があって、ちょっと雰囲気はあります。
-
ちなみに、花輪城園は、戦国期にこの一帯を支配していた高城氏の城。
まあ、関東にはこうした城がたくさんあったんでしょうが、開発されてしまって、残っているのはわずかということなんでしょう。 -
一方で、何が公園なのかなあと思ったら、それは山すその方。これは普通の公園です。
-
中心部に戻ってきて、今度は流山市立博物館。
。 -
図書館の脇から階段を上がったところが博物館です。
-
展示は、予想外に充実していますね。
-
近藤勇の陣屋や江戸川の水運で栄えた流山のみりん業なども興味深い。
-
一方で、街の発展が街道に関係しているようないないような。研究員の人に尋ねると、流山を通る目ぼしい街道はほとんどなくて、敢えて言えば東往還とかが流山を通っていたのですが、放牧地の中を通っていただけ。街の発展にはほとんど関係していないのだとか。
これに対し、江戸川の水運の恩恵がいかに大きなものだったのかに思いを馳せました。なお、この江戸川をどんどん遡れば、栃木市の方まで行っていたというのも思い出して、改めて頭の整理ができたような気がしました。
つまり、人の往来が活発なのは街道ですが、物資の行き来はやっぱり水運なんですよね。そして、水運によって産業が起きる。街道の歴史と水運の歴史は分けて考えるべきでしょう。関東平野は、江戸時代、この水運が意外に発達していて、産業の発展に貢献していたんですね。埼玉の川越なんかも同じです。 -
イチオシ
さて、街のことが分かってくると、街歩きの視点ができる。ここからは、気持ちを落ち着かせて街歩きができますね。
こちらの清水屋は、流山の名物の和菓子屋さん。 -
店内はなかなかレトロ。陣屋最中をいただきました。
-
名前の陣屋は、当然、新鮮組陣屋の陣屋。確かに形が陣屋ですね。
-
餡子たっぷりですよと女将さんの言う通り。
-
そして、この餡子は水分たっぷり。柔らかめの餡子でとっても食べやすい。最中の皮に影響を与えないのか心配になりますが、それがそうなっていないところは老舗の技術なんだと思います。
-
万華鏡ギャラリー 見世蔵は、お菓子の清水屋さんのはす向かい。
-
イチオシ
こちらは、万華鏡の作家さんの作品を扱っているお店。
-
いろんな商品を実際に覗いてみることができて、それだけでもう完全に夢見心地。
-
全国的には万華鏡の美術館はいくつもあるのですが、ここは古い町家の雰囲気もあるし、建物のレトロ感と一体になって楽しめるのがいいのではないかと思います。
-
流山の市街地にはいくつかの庚申塔があります。これは流山キッコーマンの工場の外壁の一角に保存されているもの。説明板によれば、庚申講という民間信仰の名残りでもあり、当時行われていた無人の資料なども残されていて、貴重な資料ともなっているようでした。
-
そして、この流山キッコーマンの工場の外壁に描かれた壁画群が、
-
流山本町まちなかミュージアムです。
-
流山市が発祥である「白みりん」誕生200年を記念して、設置されたものだそうです。
-
イチオシ
流山の白みりん2大ブランドの一つ「万上」に関する紹介で、
-
流山最古のみりんラベルやポスターなど。
-
往時の隆盛が偲ばれました。
-
流山の歴史は江戸川の水運に育まれたものだということなので、その江戸川も確認します。
-
流山は日光街道や水戸街道などの主要な街道が通っていないのに、この江戸川の水運があったおかげで、物資の流通が盛んに行われたのですね。白みりんといった産業が興ったのも、まさしくこの江戸川のお蔭です。
-
寺田稲荷は、これ自体どうということはないのですが、流山の街歩きのコースにはなっています。寺田稲荷のある通りは、向かいに一茶双樹記念館もある天晴通りという名前。流山白みりんの二大ブランドの一つ「天晴みりん」からきているそうです。
さて、この辺りからも見どころが集中しています。 -
長流寺は、境内に千手観音の観音堂や馬頭観音、流山七福神の恵比須像があるのですが、参道の梅並木に本堂脇の銀杏の大木などの方がまずは目を引くでしょう。
-
簡単な門を入ると
-
奥には本堂と大いちょう。
-
清潔感のある境内なので、ちょっと寄って見るだけでも気持ちがいいと思います。
-
この一茶双樹記念館も流山観光では目玉の一つ。
-
俳人小林一茶と交流のあった五代目秋元三左衛門(俳号双樹)を記念する施設です。
-
双樹は、みりん醸造創設者の一人という実業家でもあり俳句の才もあった才能豊かな人物。
-
現在の建物は後世建てられたものだとは思いますが、
-
イチオシ
第一印象からしてセンスの良い数寄屋造り。
-
この建物自体が鑑賞の対象になるのではないかと思います。
-
生活の中で何にでも心を留めて歌に詠む。
-
奔放な一茶の作品も、ここで味わうとまた違って感じれるような気もしました。
-
こちらは地元の有志の方の作品を展示していますが、
-
一茶関係の展示は別の有料エリア。
-
そちらは、撮影禁止なので、
-
こちらの写真を載せています。
-
これもすぐそばの杜のアトリエ黎明。
-
明治生まれの洋画家、笹岡了一、秋元松子夫妻のアトリエを引き継いだ施設です。
-
秋元松子は、地元のみりん醸造家の家に生まれたお嬢様だったようですが、こうした才能にも恵まれ、実家の家運が傾く中でも、自由な創作活動にいそしむ生活を送ったようです。
-
アトリエの規模はさほどではありませんが、
-
程よい広さの敷地の中に快適な空間が確保されていました。見学は無料。作品も数点展示されています。
-
光明院は、流山市街の端っこ。
-
イチオシ
真言宗の寺なのですが、立派な山門があるし、境内はよく整備されて、何か近代的な明るい雰囲気です。
-
参道を進むと近くの観光スポットを示す標識。なかなか親切です。
-
こちらには、秋元家の5代目で、みりん創業者の秋元三衛門氏(双樹)の墓があるほか、
-
双樹の句碑もありました。
-
イチオシ
赤城神社は、光明院の隣り。境内を抜けてすぐです。
見所はこの大しめ縄。鳥居の下にぶら下がっています。 -
本殿は小山の上に鎮座していますが、この小山は洪水の際に、群馬県の赤城山の一部がここに流れ着いたものという伝承があって、
-
流山という地名の由来だという説もあるそうです。
-
流山寺は、江戸時代に創建された曹洞宗の寺ですが、今の本堂は鉄筋コンクリートの近代的なもの。
-
境内に流山七福神の大黒天があって、それが見どころとなっています。しかし、逆に言えば、それしかないのでちょっと確認したらおしまいです。
-
これで流山市街地はおしまい。ここからは、どうしようかと思ったのですが、ちょっと気になった東福寺まで足を延ばしましょう。
-
こちらは、平安時代創建の真言宗の寺。
-
まず、びっくりするのは金剛力士像を安置する仁王門です。赤い建物の上に空色の分厚い屋根がのっかった存在感抜群のデザイン。
-
奥に本堂とその横に千仏堂というお堂があって、ここが唯一の内部公開建物。
-
千体の金色の仏像が安置されていました。
-
太平記を題材に描いた俵藤太百足退治の大絵馬も見たかったのですが、お寺の人に尋ねたらこれは非公開。代わりに、表紙がその絵馬になっているお寺のパンフレットをいただきました。
-
これで流山は終了。せっかくなので、柏によってから帰ります。
JR柏駅は東口を出るとペデストリアンデッキの広い空間があって、いくつかのビルがそれを囲んでいます。このビックカメラはその中の一つ。正面に位置するビルで、まさに柏駅直結。便利さもあって、よく賑わっています。 -
そごう柏店は、柏駅の東側。西の高島屋との間で、激しい競争をしてきた歴史があるのですが、今はもう落ち着いたんでしょうか。外観は展望台を建物のてっぺんにいただくインパクトあるもの。今でも十分に目を引くデザインだと思います。
-
柏二番街は、柏駅そばのアーケード商店街。ハウディモールの始まる交差点に入口があって、どんどん歩くといつの間にかまた柏駅の方に戻って行くんですね。つまり、地元の商店街なんですが、柏駅を中心とする商業施設と完全に一体化していて無駄がない。活気が衰えない大きな要因だと思います。
-
で、私は目当ての店があって、このハウディモールを進みます。
休日は歩行者天国にもなっていて、そぞろ歩きをする若い人たちで賑わっていました。 -
目当てのお店はこちら。
真冬ですが、年中かき氷をやっているという三日月氷菓店です。 -
イチオシ
ちょっとおっかなびっくりだったんですが、なんの問題もなし。店内が暖かなのと、何よりこのかき氷はフワッとした食感で、頭がキーンとなるようなかき氷とは全く違う代物。これは珈琲が隠し味になった大人の味、キャラメルの氷ですが、もう最高。スイーツとしての完成度の高さにはまったく驚かされます。
関東だと私のナンバーワンは 熊谷の慈げんか、日暮里のひみつ堂だったのですが、そこにここも割り込んでくる感じですね。 -
柏駅からは少し歩きますが、晩飯はこの塩梅にしました。
ただ、本来はトンカツの店なんでしょうね。 -
鳥のステーキの方にしてみましたが、うーん、はっきり言えば味の方はイマイチかなあ。量は多いので、ラーメンを食うか、ここにするかといったがっつり系の選択肢になる店なのではないかと思います。接客の態度はとてもいいので、それは高評価です。
以上で、安近短の旅は終了です。お疲れ様でした。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
もっと見る
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
108