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[巨大河童と古代ローマ風展望台]<br />3日目は岡村島と豊島の最高峰と景勝地を探訪する。まず向かうのは、岡村島南端の島一番の景勝地「観音崎」。観音崎は牛ヶ崎とも言うが、弘法大師が岬の岩間に救世観音像を安置して以来、信仰の対象となり、元禄6年(1693)に観音堂が建立された。本尊は30年に一度しか開帳されない。<br />その他、岬には小堂や祠、石仏群が建ち並んでいる。「歯痛地蔵」という変わった地蔵もある。桜並木や梅林もあるので、春がお勧め。<br /><br />観音崎の西側にはいくつかの奇岩がある。駆け足で探訪したため、うっかり忘れていたが、岬の西のサンビーチのそのまた西から、岬の先端部に近い箇所の「ゴリラ岩」(顔だけ)が見えるらしい。「河童岩」と「うさぎ岩」は岬の付け根に道標が出ているのですぐ分かる。両方とも何メートルもある大きさ。<br /><br />岬の探訪が終わると背後の長谷山(125.6m)にあるナガタニ展望台に向かう。岬側に案内図板が建っていたと思うが、展望台に向かう車道は狭いせいか、ハイキングコースとして記載されている。それでも構わず車で上る。<br />ナガタニ展望台は半円形の白亜の展望台で、南側に展望が200度以上開けている。<br />背後の山頂直下にもベンチが設置されているので、展望台を見下ろすこともできる。ただ、三角点周囲は電波塔のフェンスがあるため、立ち入ることができない。<br /><br />次はいよいよ島の最高峰・甲ノ峰(212.8m)に向かう。<br />この山の登山道は全て廃道化している模様なので、山の南西から上るみかん畑跡のモノラック・レール沿いを上がって尾根に取付き、藪漕ぎしながら登頂した。三角点は既に撤去されていたが、山頂には南北方向に見張台のような石垣があった。これが村上水軍のものか、藩政時代のものか、はたまた、魚群を見る山見台跡なのかは不明。<br />山頂自体からの展望はないが、先に少し進むと、正月鼻から大崎上島方面の展望が一部望める。<br /><br />次は豊島に向かう。まずは雄混(ゆうこん)の滝を目指す。上蒲刈島のパイプ滝とは違い、れっきとした自然の滝で、古文書「芸藩通志」にも記載されている。入口には観音堂がある。駐車場はかなり手前にあるらしいが気づかなかったので、観音堂横に何とか駐車した。<br />滝へは岩壁下の小径を行く。<br />滝の下方は傾斜した岩盤を流れているが、水量が少ないものの、見応えはある。<br /><br />次は島で2番目に高い十文字山(309m)へ。この山頂に建つ「十文字展望台」も形が独特で、まるで古代ローマの施設を彷彿させる。円形で天辺が周回遊歩道になっており、360度のパノラマが広がる。<br />この次は遂に島の最高峰・高雄山(317m)へ。山頂の「空海展望台」直下へ通じる車道入口には車止めが設置されていたが、軽四なら脇を通れそう。<br />ここの展望台は東屋型だが、天井から梵鐘が吊り下げられている。訪れた記念に打っても良い。<br />展望は十文字ほどではなく、展望台よりも下の広場の方が、眺めが良かったように記憶している。<br /><br />ここでこの日の探訪を終え、下蒲刈島のヤマザキ・ショップへ向かった。いつも深夜に空腹になるから、おにぎりやチューハイを買うため。豊島にもヤマザキショップが一軒あるが、年末年始は休業している。<br />途中、上蒲刈島を走行中、美しい夕陽に車を止めてシャッターを切った。反対側を見ると七国見山のオンビキ岩が赤く聳え立っていた。

とびしま海道・山と龍馬と戦跡とロケ地:3日目~二つの島の最高峰~

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2012/12/31 - 2013/01/04

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マローズ

マローズさん

[巨大河童と古代ローマ風展望台]
3日目は岡村島と豊島の最高峰と景勝地を探訪する。まず向かうのは、岡村島南端の島一番の景勝地「観音崎」。観音崎は牛ヶ崎とも言うが、弘法大師が岬の岩間に救世観音像を安置して以来、信仰の対象となり、元禄6年(1693)に観音堂が建立された。本尊は30年に一度しか開帳されない。
その他、岬には小堂や祠、石仏群が建ち並んでいる。「歯痛地蔵」という変わった地蔵もある。桜並木や梅林もあるので、春がお勧め。

観音崎の西側にはいくつかの奇岩がある。駆け足で探訪したため、うっかり忘れていたが、岬の西のサンビーチのそのまた西から、岬の先端部に近い箇所の「ゴリラ岩」(顔だけ)が見えるらしい。「河童岩」と「うさぎ岩」は岬の付け根に道標が出ているのですぐ分かる。両方とも何メートルもある大きさ。

岬の探訪が終わると背後の長谷山(125.6m)にあるナガタニ展望台に向かう。岬側に案内図板が建っていたと思うが、展望台に向かう車道は狭いせいか、ハイキングコースとして記載されている。それでも構わず車で上る。
ナガタニ展望台は半円形の白亜の展望台で、南側に展望が200度以上開けている。
背後の山頂直下にもベンチが設置されているので、展望台を見下ろすこともできる。ただ、三角点周囲は電波塔のフェンスがあるため、立ち入ることができない。

次はいよいよ島の最高峰・甲ノ峰(212.8m)に向かう。
この山の登山道は全て廃道化している模様なので、山の南西から上るみかん畑跡のモノラック・レール沿いを上がって尾根に取付き、藪漕ぎしながら登頂した。三角点は既に撤去されていたが、山頂には南北方向に見張台のような石垣があった。これが村上水軍のものか、藩政時代のものか、はたまた、魚群を見る山見台跡なのかは不明。
山頂自体からの展望はないが、先に少し進むと、正月鼻から大崎上島方面の展望が一部望める。

次は豊島に向かう。まずは雄混(ゆうこん)の滝を目指す。上蒲刈島のパイプ滝とは違い、れっきとした自然の滝で、古文書「芸藩通志」にも記載されている。入口には観音堂がある。駐車場はかなり手前にあるらしいが気づかなかったので、観音堂横に何とか駐車した。
滝へは岩壁下の小径を行く。
滝の下方は傾斜した岩盤を流れているが、水量が少ないものの、見応えはある。

次は島で2番目に高い十文字山(309m)へ。この山頂に建つ「十文字展望台」も形が独特で、まるで古代ローマの施設を彷彿させる。円形で天辺が周回遊歩道になっており、360度のパノラマが広がる。
この次は遂に島の最高峰・高雄山(317m)へ。山頂の「空海展望台」直下へ通じる車道入口には車止めが設置されていたが、軽四なら脇を通れそう。
ここの展望台は東屋型だが、天井から梵鐘が吊り下げられている。訪れた記念に打っても良い。
展望は十文字ほどではなく、展望台よりも下の広場の方が、眺めが良かったように記憶している。

ここでこの日の探訪を終え、下蒲刈島のヤマザキ・ショップへ向かった。いつも深夜に空腹になるから、おにぎりやチューハイを買うため。豊島にもヤマザキショップが一軒あるが、年末年始は休業している。
途中、上蒲刈島を走行中、美しい夕陽に車を止めてシャッターを切った。反対側を見ると七国見山のオンビキ岩が赤く聳え立っていた。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
4.5
交通手段
自家用車

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  • 大崎下島の歴史の見える丘公園から見た甲ノ峰

    大崎下島の歴史の見える丘公園から見た甲ノ峰

  • 河童岩とうさぎ岩

    河童岩とうさぎ岩

  • 救世観音堂・・・弘法大師が大同年間(806〜809)、海上守護のため、一尺七寸の救世観音像を彫って岩間に祭ったことに始まる。元禄6年(1693)、その像を移し、救世観音堂を建立した。<br />元文5年(1740)には堂の先、岬の突端に石造燈台(常夜燈)が建立された。<br />その後、風雨で倒壊したらしく、延享2年(1745)に再建されている。その際、釘を一本も使わず、楔留めにて建設された。

    救世観音堂・・・弘法大師が大同年間(806〜809)、海上守護のため、一尺七寸の救世観音像を彫って岩間に祭ったことに始まる。元禄6年(1693)、その像を移し、救世観音堂を建立した。
    元文5年(1740)には堂の先、岬の突端に石造燈台(常夜燈)が建立された。
    その後、風雨で倒壊したらしく、延享2年(1745)に再建されている。その際、釘を一本も使わず、楔留めにて建設された。

  • 30年に一度開帳される救世観音像

    30年に一度開帳される救世観音像

  • 昭和58年に復元された藩政期の燈台

    昭和58年に復元された藩政期の燈台

  • 観音崎からの展望

    観音崎からの展望

  • 大崎下島・御手洗等の遊女の墓碑的地蔵(観音崎)

    大崎下島・御手洗等の遊女の墓碑的地蔵(観音崎)

  • 歯痛地蔵。歯痛にご利益がある。

    歯痛地蔵。歯痛にご利益がある。

  • 不動堂内の不動像と遊女の地蔵群

    不動堂内の不動像と遊女の地蔵群

  • 首なし地蔵・・・地元の子供が石をぶつけて首が取れ、長年放置されていたが、平成14年、地元有志によって修復され、「健康地蔵」に改名された。しかし各種案内板では「首なし地蔵」と記載されている。

    首なし地蔵・・・地元の子供が石をぶつけて首が取れ、長年放置されていたが、平成14年、地元有志によって修復され、「健康地蔵」に改名された。しかし各種案内板では「首なし地蔵」と記載されている。

  • 観音崎から長谷山のナガタニ展望台を見上げる

    観音崎から長谷山のナガタニ展望台を見上げる

  • ナガタニ展望台

    ナガタニ展望台

    ナガタニ展望台 名所・史跡

  • ナガタニ展望台から岡村港方面を見る

    ナガタニ展望台から岡村港方面を見る

  • 甲ノ峰山頂

    甲ノ峰山頂

  • 甲ノ峰山頂の謎の石垣

    甲ノ峰山頂の謎の石垣

  • 甲ノ峰山頂の先から正月鼻と大崎上島南部を望む

    甲ノ峰山頂の先から正月鼻と大崎上島南部を望む

  • モノラック・レール沿いを伝う

    モノラック・レール沿いを伝う

  • 豊浜大橋袂の架橋記念公園から望む高雄山

    豊浜大橋袂の架橋記念公園から望む高雄山

  • 雄混の滝入口の内浦観音堂内部

    雄混の滝入口の内浦観音堂内部

  • 落差25メートル、幅4.5メートルの雄混の滝。当サイト地図の図示箇所は間違っているが、敢えてその図示箇所を示した。実際の場所は上の写真の内浦観音堂の奥。

    落差25メートル、幅4.5メートルの雄混の滝。当サイト地図の図示箇所は間違っているが、敢えてその図示箇所を示した。実際の場所は上の写真の内浦観音堂の奥。

  • 高さ8メートルの円形の十文字展望台

    高さ8メートルの円形の十文字展望台

    十文字山公園 公園・植物園

  • 展望台上を歩く観光客

    展望台上を歩く観光客

  • 十文字展望台より

    十文字展望台より

  • 十文字展望台より近くの島を望む

    十文字展望台より近くの島を望む

  • 高雄山山頂の空海展望台

    高雄山山頂の空海展望台

    空海展望台 名所・史跡

  • 空海展望台から大崎下島を望む

    空海展望台から大崎下島を望む

  • 上蒲刈島から見た夕日

    上蒲刈島から見た夕日

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