2012/12/31 - 2013/01/04
151位(同エリア168件中)
マローズさん
[龍馬の片思いの女性を妾にした豪商が建立した神社]
大崎下島の御手洗地区では、前回の大長地区同様、劇場アニメ「ももへの手紙」の聖地の他、映画「旅の贈りもの0:00発」(2006年公開)のロケ地、坂本龍馬関連地や藩政期の史跡を巡る。
「旅の贈りもの」は2012年にPART2(ロケ地は福井県内)が公開されたが、PART1ではJR西日本の意向を受け、鉄道を使ったシネマツーリズムを意識した作りになっている。それ故、豊町観光協会(合併後は「呉市豊町観光協会」)は「我が町のPR映画」と絶賛するほど。
ストーリーは、募集により大阪駅に集まった旅行客が午前0時発の特別レトロ夜行列車に乗車し、行先を告げられないまま、ある田舎の駅「風町駅」に到着し、自分の生き方を探し求めていた各旅行者は、その町の地域住民のあたたかさや風土に接し、「自分」を取り戻す、というもの。
主演は「ショムニ」の櫻井淳子、共演に徳永英明や多岐川華子の他、他界した大平シローや大滝秀治も出演している。
[コース]
御手洗のまち歩き客用駐車場は地区の西端と南端にあるが、後者の「かもの駐車場」(無料)に当日一番に駐車した。だが利用時間は9〜17時まで。尚、ここは幕末の砲台跡。
この北方から岸壁に沿う歩道に入るが、その岸壁下の浜が、「ももへの手紙」の設定資料では、ラストシーンに藁舟を流した浜ということになっている。
小径の突き当たりにあるのが、ももへの手紙や旅の贈りものに何度も登場した、先端に「御手洗防波堤灯台」が建つ千砂子波止(ちさごはと)。ここで櫻井演じる沢渡由香と大滝演じる郵便局長が会話するシーン等が撮影された。
因みに、小径が波止に突き当たった所と、西の民家との間には昭和初期「ぶん友」という置屋(女郎屋)があった。
灯台から千砂子波止の袂まで戻ると北の住吉神社境内に入る。この周辺もももへの手紙や旅の贈りものには何度も登場したが、この神社の社殿は幕末、坂本龍馬の求婚を断ったお徳(岩本徳)を妾にしていた大坂の豪商・鴻池善右衛門が建立・寄進したもの。善右衛門は広島藩の御用商人でもあった。
神社の東側には長大な住吉雁木(がんぎ=階段状の船着場)が築かれているが、旅の贈りものでは、回り燈籠を載せたミニチュアの北前船を流すシーンが撮影された。
神社参道入口に架かる石造の太鼓橋も、元は善右衛門一族の鴻池市兵衛が寄進した木造橋だった。
その橋の南袂から伸びる短い波止が、ももが飛び込みの練習をしていた際、妖怪のイワに突き落とされた場所で、ブルーレイ&DVD発売宣伝ポスターにも描かれていた。但し、路面は若干実際とは異なっている。
太鼓橋北袂に建つ大きな石造高燈籠も映画やアニメでは印象的だったが、幕末の庄屋で豪商の三笠屋・金子忠左衛門が天保3年 (1832)に寄進したもの。この金子邸は、龍馬が大洲藩からいろは丸を借用して航行中、紀州藩船と衝突して沈没した後、鞆の浦から下関に向かう途次、寄港して滞在した屋敷。
高燈籠西の明治初期の町家・寺本家住宅南側に町歩きに便利な立体絵図板が設置されているが、この地も昔は、おちょろ(娼妓のことで通称「沖芸者」)の置屋だった。この案内板の箇所は「旅の贈りもの」の最初の方で、櫻井淳子がイラつきながら西に入る道を急ぎ足で歩いて行った。
その道へ入れば、すぐT字路に突き当たるが、その突き当たったH川宅と小径を挟んだ北の空き家の地はかつて、ちょろ押し小屋だった。「ちょろ押し」とはおちょろの乗る「おちょろ舟」の漕ぎ手のことで、停泊船の客と金銭の交渉も行っていた。
おちょろ舟を出すのは輪番制で、その日の順番に従って漕ぎ出す。
T字路は南へ折れるが、すぐまた三叉路に突き当たる。ここをそのまま真っ直ぐ、目の前の山に上がる小道に入る。ほどなく石段になり、山腹の道路を横断し、更に石段を上り詰めると、御手洗地区の展望台「歴史の見える丘公園」に着く。御手洗地区が一望できるからこの名称が付いた。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- 交通手段
- 自家用車
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幕末砲台跡であるかもの駐車場
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千砂子波止・・・広島藩が1828〜29年にかけて築造した「中国地方無双の大波止」。戦前はよくここに桝席を設け、芸子を呼んで宴会をしていた。
千砂子波止 名所・史跡
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「旅の贈りもの」ロケ地の住吉雁木。出演者がほぼ全員腰掛けていた。
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住吉神社本殿だったか?
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「ももへの手紙」のブルーレイ&DVD発売宣伝ポスターで、ももや三人の妖怪が立っていた短い波止。ポスターでは路面が昔の石畳風になっていた。多分、アニメロケ班が訪れて以降、改修されたものと思われる。
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アニメでは波止が横からも描かれ、ももが飛び込みの練習中、妖怪イワに何度か突き落とされた。
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庄屋で豪商の三笠屋・金子忠左衛門が天保3年(1832)に寄進した高燈籠
高燈籠 名所・史跡
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寺本家住宅・・・明治初年に建設された町屋で、戦前は置屋だった。居室は一列三室。
尚、家の前の町歩き案内絵図(路地が全て描き込まれる等、非常に詳しい)は自治体のホームページからダウンロードできる。但し、A4サイズだと文字が見辛い箇所がある。 -
おちょろ舟(現地案内板より)
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狭い路地を抜けて歴史の見える丘公園へと向かう
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歴史の見える丘公園から見た岡村島の最高峰・甲ノ峰から北部
歴史の見える丘公園 公園・植物園
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歴史の見える丘公園頂上から北東に下りる遊歩道から見た岡村島最高峰・甲ノ峰から観音崎にかけて
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