2015/05/09 - 2015/05/09
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たびたびさん
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これまで、草加から、越ケ谷、春日部といった日光街道の宿場町を歩いてみましたが、いずれも地味なので、もうちょっとなんとかならないかなあという思いもぬぐえなくはない。そこで浮上したのが古河。名前もそこそこ知られているけど、どんなところかちょっと得体がしれないところもありますよね。情報を集めても、イマイチ少なくて、あまりはっきりしたイメージが湧いてこない。であれば、これはいつものように、自分で行ってみるしかないでしょう。
結論として。古河は、日光街道の宿場町というだけでなく、歴代の藩主が重要な幕閣となるという名門の藩。これに伴う文化の蓄積によって、鷹見泉石だけじゃなくて後の永井路子などの小説家まで含めて多彩な人物を輩出しています。また、江戸時代以前の歴史でも古河公方の根拠地だったり、源平の戦いのかけらもある。つまり、わが町は・・と行った時に、何を出していいのか迷うほど、普通なら地元の象徴となっておかしくないような代表選手が多過ぎるんですね。
その恵まれ過ぎた条件が、逆に古河の特徴を消してしまっているような気がしなくもない。「古河というところはね。。」今でも簡単には説明できません。事前の情報収集で感じたイマイチ感の正体がやっとわかったような気がした次第です。
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東武線の古河駅に到着しました。
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古河市観光案内所は、駅の改札を出てすぐ。ちょっとした小屋風の面白いデザインです。
街歩きの前に情報をいただきました。予想はしていましたが、けっこう範囲が広くて、歩きごたえがある街だということは分かりました。ここも行きたい、あそこも行きたいという聞き方をしたので、「それはどうかなあ。そんなに回れるかなあ。」という反応をされてしまいましたが、歩いて見るとその反応もなるほどという感じだったと思います。ともあれ。。 -
和心 いちゑは、古河駅東口を出て、北へ向かってすぐの和菓子屋さん。いちゑは、一期一会の一会だそうです。
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夢咲まんじゅうというのをいただきましたが、酒粕が隠し味になっているそうです。餡子の甘さに少し奥行きが出ていて、いい感じ。種明かしが自然にできるのは、自信があるからですね。幸先良くスタートです。
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続いての昭月堂製パンも、古賀駅から歩いて5分の近場です。地元ではかなりの人気があるようで、土曜日の朝でしたが、店内はたくさんのお客さんで賑わっていました。
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イチオシ
私がいただいたのは、サラダパン。噛みしめるとしっくりとしたパン生地にところどころきゅうり・にんじんの入ったポテトサラダがとってもいいですね。朝からしゃきっとなるようなうまさです。
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少し市街に入ってきて。神宮寺は、古河公方ゆかりの寺。初代古河公方である足利成氏が帰依していた僧により、鎌倉に開かれたのですが、その後、成氏に従って古河に移転したいうことです。
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室町時代の十一面観世音菩薩坐像が有名ですが、本堂横の庫裏の前庭にある松も見事。これも一見の価値があると思います。
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古河は古い街並みにいかにも老舗風と言ったお店がポツポツ残っていて、このお味噌屋さんの小澤屋糀店もその一つ。
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現在、7代目なんだそうです。店内には味噌樽がいくつかあって、女将さんが常温で保存しても全く問題ないですよとか親切に説明してくれました。
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イチオシ
赤みそではないと思いますが、ちょっと濃いめの色の味噌を買いまして、今もおいしくいただいております。
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はつせは、同じ並びにある老舗の和菓子屋さん。お店の構えからして、老舗の雰囲気がしっかり漂っています。
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看板商品は「しら玉」。ホワイトチョコレートで白餡をコーティングした真っ白なまあるいお菓子です。チョコは甘さがほとんどないので、味の中心は白餡。全体としてくどくなくて、透明感のあるきれい系の味わい。ちょっと珍しいタイプのお菓子です。
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明石屋本店も同じ並び。古河で100年以上の歴史を持つ老舗和菓子屋さんです。
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看板商品の一つ、渡良瀬八犬伝をいただきました。八犬伝って、館山でしょと思ったら、古河城も八犬伝の舞台の一つ。古河城芳流閣上の決闘というのが、一つのクライマックスで、その後、館山の方に流れて行くのだそうです。女将さんが熱心に説明してくれました。
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なお、お菓子の方は、ゴーフルみたいなんですが、挟んであるクリームの甘さはかなり控えめ。その分、せんべいの味わいが全面に出ていて、なるほど。これはちゃんと個性もあると思います。
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ところで、古河には鮒の甘露煮という名物があって、市内には小さなお店も含めるとけっこうな数の業者があると思います。その中で田村屋甘露煮は、明治時代初期の創業で、老舗中の老舗。
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本店は小さな路地を少し入った先でしたが、
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暖簾の感じや店内は老舗の匂いがしまくってました。
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鮒は四国から仕入れているということでしたが、
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イチオシ
いずれにしても、甘いことは甘いのですが、予想していたよりは癖がなくて、けっこうおいしく食べられます。
でも、くせになるかなあというとそこまでではないような。まあ、悪くはないという程度かなあとは思います。 -
御家寶って、埼玉のお菓子でしょと思ったのですが、古河でも名物なんだとか。それに、この御家寶屋製菓は御家寶の専門店じゃないですか。それなら一ついただきましょうということで、一番スタンダードなタイプをいただきました。
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これまで食べた御家寶と基本は同じ味わいですが、程よい柔らかさとか素直な甘さがとっても食べやすい感じ。一方で、きな粉がたっぷり。これでもかというくらい掛かっていて、袋から出すのによほど気を付けないとこぼれてしまう。おいしいけど面倒くさがりの若い人には敬遠されるかもしれません。ちょっと心配になりました。
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美芳野は、古河市内の中心部にある小さな和菓子屋さん。同じ通りに、老舗のはつせという和菓子屋さんがあって、そこの名物がしら玉。なかなかのお菓子なんですが、美芳野の看板商品は「しろゆき」。
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正直言えば、見た目からしてパクリかなあと思ってしまいましたが、これも負けず劣らずの絶品ですねえ。白いチョコのコーティングに中の白餡の甘さがバッチリあってます。これはお見逸れいたしました。
以上で、中心部のグルメチェックを終了して、今度はお寺のチェックですよ〜。 -
正麟寺は、安土桃山時代、当時の古河城主だった小笠原家により創建された寺。
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幕末の古河藩家老、鷹見泉石の墓もあって、古河市指定文化財となっています。寺は山門から本堂までが一直線の参道となっていて極めてシンプルですが、やはり何か重々しい雰囲気はあると思います。
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古河市内の中心部の一角に旧武家屋敷の土塀の続く通りがあります。ただ、私は事前に写真を見ていたので、それと分かりましたが、辺りには何の案内板もなくて、知らない人は何か変わったデザインの土塀があるなと思うくらいかもしれません。
ちなみに、古河宿は日光街道の宿場町。賑わうと収容能力が足りず、城下の武家屋敷や町屋も割り当てられたということなので、もしかしたら、ここもそうした割り当てがあった屋敷なのかもしれません。 -
隆岩寺は、ここも小笠原家ゆかりの寺。安土桃山時代の古河城主、小笠原秀政が正室の父、松平信康を弔うために創建した寺です。境内は限られた広さですが、本堂の隆岩寺の額がちょっといい感じです。
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なお、松平信康は徳川家康の長男で、武田勝頼との内通を疑われ、織田信長の命により自害させられた人物。
小笠原秀政は、古河2万石から後に松本城主8万石に移封されていますが、大坂夏の陣の天王寺口の戦いでは、家康本陣を危機に陥れたことで有名な大坂方の毛利勝永の猛攻を受け、その傷がもとで亡くなります。この時、長男も戦死。残った二男の小笠原忠真は、徳川信康の孫ということになりますが、父・兄の戦功もあって、最終的には、細川氏の後の小倉藩主15万石に封じられます。西国譜代大名の筆頭として九州の玄関口を押さえる立場でした。
その立場もあって、幕末の第二次長州征伐で小倉藩は小倉口から攻めるという大役でしたが、高杉晋作率いる奇兵隊等の長州藩に全く歯が立たず、最後は城に火を掛けて、藩主は肥後藩まで落ち延びるという屈辱的な敗北を喫することとなりました。ただ、芸州口でも似たようなもの。幕府の権威もこれによって完全に失墜してしまうことになりました。 -
隣りの正定寺は、江戸時代の初期に、徳川幕府の大老を務めた古河城主、土井利勝の創建。
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その後、土井家の菩提寺となりました。
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墓所一番奥側には、土井利勝夫妻の墓。夫妻の墓は同じ大きさで、大名の墓にしては珍しいような気がします。
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ちなみに、土井利勝は家康のご落胤という噂のあった人物。幕府内で絶大な権力をもっていたということです。
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少し移動して、これは頼政神社。平家打倒を掲げる以仁王の挙兵に応じた源頼政を祀ります。自害した頼政の首を従者がこの辺りまで持ち帰ったということ。神社は、小高い山の上で、ちょっと陰気な感じは否めません。
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源頼政は源氏でありながら平治の戦いでは勝者となり、その後、平清盛からの信頼も厚かった人物。戦いは、多勢に無勢。宇治平等院で自害しますが、これによって平家の世はもう終わるのではないかと強く意識されるようになった事件だし、義仲や頼朝も以仁王の令旨で挙兵したもの。先鞭をつけた意義は小さくなかったのではないかと思います。
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永井寺は、江戸時代の初期、古河城主永井直勝が創建し、永井家の菩提寺となった寺。この永井直勝というのは、小牧・長久手の戦いで池田恒興を討ち取る大功を挙げたた人物です。
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境内は、ちょっと荒れていますが、悠々とした広い敷地。藩主の菩提寺であった歴史がそこはかとなく匂うように思いました。
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雀神社とは変わっていますが、始まりは崇神天皇の御代に遡るとも言われ、「鎮め(しずめ)」が変化したものだとか。
参道の入り口の大きな楠木に、本殿脇には神楽殿もあったりして、美しさとそれなりの格式を感じます。 -
田舎の神社だと思ったら、全然違います。
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古河城は、室町時代には、古河公方である足利成氏が本拠としたり、江戸時代は、城主が大老や老中などの幕府の要職を務めた名門の城なのですが、渡良瀬川東岸にあったこともあって、大規模な河川の改修工事が行われ、往時の面影はほとんど残っていません。
それでも城跡は広い範囲にまたがるので、ここも城跡だったの?という場所はあちこちにあるようなのですが、古河藩作事役所址の碑のあるこの辺りが比較的雰囲気が残っている場所かなあと思います。 -
長谷観音は、初代古河公方の足利成氏が古河城の鬼門除けとして、鎌倉の長谷寺から十一面観世音菩薩立像を勧請したのが始まり。歴代古河城主の祈願所でもあり、日本三大長谷観音の一つという説明もありましたが、一本の楠から彫ったのは大和、鎌倉と城崎温泉の温泉寺の観音じゃないのかなあと思いますけど、いろんな説があるようですね。
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古河歴史博物館の見どころは、何んといっても、古河藩の家老であった鷹見泉石が収集した膨大な資料。
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オランダや北欧、ロシアの地図などに加えて、古書・絵画・版画類、輸入陶器・ガラス瓶類などなど。幕末のまだ鎖国が解かれていない時代だったと思いますが、老中を勤めていた藩主を補佐するという立場もあったのでしょう。海外の事情にもここまで積極的に目を向けていたことに驚きました。
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本館入口にはオランダ製のストリートオルガンがあって、これは撮影可。オランダから知識を得たことを表しているのだそうです。
こうした資料からすると基本的には開国派だったんでしょうね。ペリー来航から具体的な動きにはなるんでしょうが、フェートン号事件やモリソン事件など。幕府として看過できない事件は早くから起きていて、鷹見泉石は抜きん出たところがあったにしても、後の尊王攘夷の連中と幕府要人の知識にはもともと雲泥の差があったようにも思います。 -
鷹見泉石記念館もすぐ近く。鷹見泉石が晩年を過ごした住まいを公開しているものです。
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藩主土井利位は、幕末の困難な時期に幕府の老中を勤めていたこともあって、海外の諸事情にも関心を深めざるを得ない立場だったと思いますが、
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この屋敷は家老職を引退してからの住まい。
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イチオシ
それでも、海外事情への研究意欲は衰えることなく、ここには教えを乞う人々が訪れたのだとか。屋敷の内部は外から眺めるだけですが、趣のある雰囲気はよく分かります。
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鷹見泉石記念館から坂を下って。
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古河文学館は、洋風のおしゃれな建物で、古河ゆかりの文学者に関する資料を展示しています。
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イチオシ
古河ゆかりの文学者は、小林久三、佐江衆一、和田芳恵、粒来哲蔵などなど。永井路子がやっと分かるくらいで、後の人はほとんど聞いたこともありませんでしたが、古賀がこれほど多くの文学者を生んでいたという事実に少し驚きました。
文化の発展はいろんな過程があると思いますが、私は、絵画などの美術は個人のレベルでもなんとかなる。文学はもう少し根っこが必要で、その地域の文化や歴史に蓄積されたものの厚みがないとなかなか難しいように思っているのですが、いかがでしょうか。 -
内田茶店は、古河市内中心部。「お茶屋口の小麦まんじゅう」という看板が街角のそこここにあって、興味を引かれて訪ねてみた次第。お店の前にはいかにもおいしそうな饅頭の写真があって、これはいいですねえ。しかし、まだお昼時だったんですが、もう売り切れですとのこと。やっぱり人気の商品のよう。お茶屋さんで本業ではないと思うんですが、たいしたもんだと思います。
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古河の鮒の甘露煮で、ぬた屋は田村屋と双璧の老舗だと思います。
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食べ比べしようと思って、ここの鮒の甘露煮もお土産にしてみました。
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イチオシ
味に大差はないのですが、敢えて比較するなら、田村屋はそのまま食べる味。ぬた屋は少し塩味があるので、ご飯のお供に合う味かなあと思いました。
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福法寺は、古河市内中心部。浄土真宗本願寺派の寺なのですが、ここの見どころは、山門。古河城の乾門を移築したものだそうです。古河城は、名門の城なのですが、遺構がほとんど残っていない。目立って立派というほどではないのですが、そういう意味で貴重です。
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では、再び、スイーツチェックです。
釜屋商店の看板商品は、8万石最中。 -
別の店では16万石最中というのもあるんですが、8万石は古河藩の藩主、土井氏の二期目の石高。この石高で明治維新を迎えたということで、つまり、鷹見泉石が家老として活躍した時代のこと。一期目も幕府に重きをなした土井利勝で悪くはないんですが、気持ちが重なるのは二期目かなあ。そんなことを考えながらいただきました。甘さはちょっと抑えめの餡子ですが、その分、量はたっぷり入ってます。
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で、こちらの桂月堂の方が、16万石最中。
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古賀藩は藩主がいろいろ変っているのですが、一番長かったのは土井氏。その初めの藩主だった土井利勝の頃の石高が16万石だったんですね。
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土井利勝は、下総国佐倉より入封。さきほど触れましたが、徳川家康のご落胤とする説があたっという人物です。
なお、最中の方ですが、この餡子は水分を適度に含んだねっとり感がいい感じ。一方で、皮のもろさが邪魔くさくて、ちょっと気になりました。 -
うえむらでは、みたらしだんごをいただきました。
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だんごがタレで埋まってしまうくらいたっぷり掛けられていて、そんなに掛けてどうすんのという感じだったのですが、締まったお餅になるほどよく合いますね。このみたらしだんご、さりげなくレベルが高い。見た目からの予想を外されて、これはサプライズ。ちょっと楽しくなってしまいました。
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おが和は、古河駅から市内中心部に向かって歩いて5分。
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篆刻最中というのが看板商品です。古河市には篆刻美術館というのもあって、篆刻の大家を出している街なんですが、それにちなんだお菓子はボリューム感のあるどっしりした最中。
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イチオシ
餡子がたっぷり入っていて、その味わいもかなりいい線行っているんですが、大きい分だけ皮がポロポロっと壊れてしまうのがちょっと気になる。惜しいかなあと思います。
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西光寺の門前を通りかかったら、「古河大仏の寺」と書いてあったので、ちょっと寄ってみることにしました。
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本殿の前にあった大仏は、台座を含めても4mくらい。大きいなあと感嘆するような規模ではないのですが、立派な金属の説明板もあって、扱いはけっこうなものだと思います。
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餃子の丸満は、古河ではかなりの人気店のようでしたが、お昼過ぎは予想外に閑散としていました。
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イチオシ
いただいたのは、焼き餃子と水餃子の両方が付いた定食。焼き餃子の方が名物のようですが、これって、揚げた感じとか皮の厚さとかがホワイト餃子に近いような。いろんな具材が混じっていて、ちょっと深い味わいですが、ずば抜けてというところまでは行かないかなあと思いました。
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イチオシ
さて、最後になってしまいましたが、ここからがむしろ古賀のもっともポピュラーな観光スポットです。
篆刻美術館は、篆刻を専門とする珍しい美術館。というのも、古河からは、生井子華のほか石井雙石、二世中村蘭臺といった篆刻の大家が出ているんですね。 -
展示はその作品がメインなんですが、地元の愛好家の作品もかなりの数が展示されていて、篆刻のすそ野の広さが偲ばれました。
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ただ、鑑賞の仕方は書と似ているのかなあ。ツボがどの辺にあるのかはイマイチ分からなかったかもしれません。
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古河街角美術館は、古賀の中心部。篆刻美術館も同じ並びに建つ赤いレンガのがっちりした建物です。一階の展示室では日展の会員などの大型作品も展示されていましたが、美術館の雰囲気がいいのでゆったりした気分で鑑賞できました。建物の雰囲気と合わせて味わう美術館だと思います。なお、見学は無料です。
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永井路子旧宅は、NHK大河ドラマ「草燃える」の原作者としても知られる直木賞作家、永井路子さんの旧宅を公開したもの。
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イチオシ
江戸時代末期に建てられた土蔵造りで、入ると何かのお店だったような感じのする玄関。結婚するまでの約20年間をここで過ごしたということです。
作品の紹介などもありましたが、とても多作。これだけの作品を発表していれば、もう少し永井路子という作家の名前の方が強調されてもいいように思いますが、作家名より作品名といった姿勢の作家なのかもしれません。
これもいい機会にして、最近「草燃える」の原作本「北条政子」を読んでみました。
さて、内容は。。政子と実子頼家の確執は、頼家の幼少時代の横暴さを捉えた女性ながらの鮮やかな切り口。それに続いての頼家の乳母、比企一族の滅亡から公暁の乳母、三浦一族の滅亡は、乳母という立場の特殊性を踏まえながら、北条一族との対決が避けられないものとなっていくきわどい関係を説得力ある政子の語りで描き出していく。細やかな視点と大胆な仮説が融合する路子ワールドが展開されていました。山崎豊子や宮尾登美子とは違って、平易な文章なのに、実はこれもなかなかの大作。味のある作家だと思いました。 -
伊勢屋 西店は、古河市内中心部。篆刻美術館の並びにある甘味処。みたらし団子をいただきましたが、むしろ、喫茶店のようなカウンター席の店内が印象的。
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で、そのカウンターに座っていた地元の常連さんと思しき人が、古河宿の本陣はこの近くにあったんだとか説明をしてくれました。アットホームなお店だと思います。
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なるほど。これが本陣跡の碑ですか。
以上で、古賀はおしまい。 -
同じ日光街道の栗橋にも寄ってみましょう。
つむぎやは、大正元年創業の製粉屋さん。乾麺のうどんが主力製品なんでしょうが、こちらの工場の敷地中にある店舗では、どら焼きとかプリンやチーズケーキ類まで並んでいて、ちょっとしたお菓子屋さんのような売り場もありました。 -
ただ、私はつむぎうどんをお土産に。紡ぎを紡ぐ女性の絵柄がいい感じです。
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静御前の墓は、栗橋駅から歩いて数分。この辺りの観光スポットは基本ここだけだし、ちょっとした墓碑があって、すぐに分かると思います。
義経の後を追って平泉に向かう途中、この地で果てたということですが、静御前は義経の子を身ごもっていたし、鎌倉で頼朝の御前で舞を踊ったことも有名な話。吾妻鏡では、産んだ男の子を由比ヶ浜に沈められた後、京に返されたというところで終わっているよう。ただ、義経への思いが断ち切れず、ここまでやってきたという方が、われわれの気持ちも少し癒されるような気はします。 -
静御前の墓の正面に、三笠屋という和菓子屋さんがありました。
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店に入ると元気な女将さんが切り盛りしていて、名物は静御前最中だということ。
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それをいただきましたが、最中の表に静御前と大きく文字が入っている。甘さもシンプルだし、ちょっと爽やかな気持ちになりました。
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静桜は、名前の通り、義経の内妻、静御前ゆかりの桜。義経の討死にを知った静御前がこの桜を植え、義経の菩堤を弔ったのだそうです。
ただ、静御前の墓の前に一本立っていましたが、歴史を秘めた桜だし、期待していたのは大きな木だったので、その小ささに唖然としました。
一方で、説明板を読むと、八重と一重が混じったように見える桜だそう。花に特徴があるというのは、やっぱり本物ということでしょう。 -
栗橋駅からかつての宿場町の面影を見てみようと日光街道に出てみると、道路整備でもあったんでしょうか。まっすぐな道路。これでは風情も何もないですねえ。
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ちょっとがっかりしていたのですが、中ほどに宝来屋というちょっと活気のある和菓子屋さんを発見。
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栗最中をいただきました。
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栗橋関所跡は、栗橋駅から歩いて15分くらいですが、市街地を抜けてちょっと歩く感じです。日光街道が利根川を越す位置にあって、江戸時代は関所が置かれていた場所。利根川の堤防の斜面に、「房川渡中田・関所」と呼ばれ、箱根や碓氷と並ぶ重要な関所であったという説明がありました。
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中山道の旧栗橋宿は、まっすぐな道路が一本走っているだけで、風情もほとんどない。それでもと思って歩いて見つけたのが、和菓子の宝来屋とこの渡辺製麺所。お土産にうどんの乾麺を買いました。女将さんがこの辺りは昔から小麦の産地なんですよ〜と説明してくれました。
さて、以上で、古賀栗橋の旅は終了。やっぱり、一日たっぷりかかってしまいましたが、これでまた一つ空白地帯が埋まりました。やれやれ。お疲れさまでした。
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この旅行記へのコメント (2)
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- pedaruさん 2015/08/13 06:07:41
- 古河 栗橋
- たびたびさん お早うございます。
大変感心いたしました。これ程のレポートは滅多に見られません。
古河の記念館や美術館もさることながら、老舗をたくさん紹介なさってますね。
こんど古河を訪れることがあったら参考にしたいと思います。古河は自転車も含め何度か行ってますが、事前の調べが甘いので、一部分しか知りませんでした。
栗橋はやはり自転車で行ったことがありましたが、古い感じのお店で量り売りのそば粉を買った思い出があります。帰ってから蕎麦を打たずに、お菓子を作った経験があります。(作るのは妻ですが、)印象的なのは、電柱の上の方に印があって、ここまで水が来ました、という洪水の記録がありました。利根川の氾濫で昔は水に苦労したらしいですね。
pedaru
- たびたびさん からの返信 2015/08/13 21:29:12
- RE: 古河 栗橋
- 古河を回ってみて、北関東にはまだまだフロンティアが残されていることを感じました。地方だと下野や上野であれば、それがひとつの藩だったりして、全体の特徴が理解できるのですが、関東は細かく藩が分かれていたので、そのような理解ができない。小さなエリア毎にそれぞれ育まれた歴史があって、モザイクのような感じでしょうか。最近、大田や伊勢崎の辺りも何回かに分けて回っているんですが、やっぱりそんな思いを強くしています。
ところで、ここしばらくの旅行記の中では比叡山の旅行記がうまく書けたと思っているのですが、反応がちょっとイマイチ。寂しく思っているところです。。
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