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真岡鉄道真岡駅から徒歩で約5分、真岡城跡のすぐ南方で行屋川を臨む梵音山海潮寺(かいちょうじ、栃木県真岡市田町)は地元産大谷石を使った珍しい山門を有し県指定文化財となっています。<br /><br />当該寺院説明板によれば創建は永正7年(1501)大田和村吹上(現在の真岡市堀内)に創建され寺名は宝珠庵(ほうじゅあん)でしたが大永年代に現在地に移転して海潮寺と改称するに至ります。<br /><br />開山は宇都宮成高寺(しょうこうじ)4世の天英祥貞(てんえいしょうてい)が招かれ、実際の運営は久室栄昌(きゅうしつえいしょう)大和尚であったとされます。<br /><br />海潮寺となってからは当地域を支配する芳賀氏の菩提寺として保護を受けていましたが、慶長2年(1597)主家宇都宮氏養子を巡る内訌に連座して豊臣秀吉より知行没収され芳賀氏は改易、海潮寺は保護者を失います。<br /><br />慶安元年(1646)三代将軍家光より20石寺領を認められる他寛文11年(1671)老中である稲葉正則(いなば・まさのり、1623~1696)から寺領4石を免税地として認められることになります。<br /><br />尚正則は小田原藩主2代目で初代は父正勝(まさかつ)ですが、正勝が小田原に転封する前の知行地は当真岡であり、しかも正則祖父にあたる正成(まさなり)が拝領していた知行地でもあります。<br /><br />2022年12月2日追記<br /><br />境内に建てられた説明板には下記の通り記載されています。<br /><br />『 海 潮 寺    真岡市田町<br /><br />曹洞宗で梵音山真岡院海潮寺と称し、本尊は十一面観音である。<br /><br />開山には宇都宮成高寺四世(実質は二世)の天英祥貞が招かれているが、実際の運営に当たったのは久室栄昌大和尚であったとされる。創建は永正7年(1510)頃で、建立した場所は大田和村吹上(現在の真岡市堀内)で寺名を宝珠庵という。<br /><br />大永年代(1521~27)の初めに現在地に移転し、寺名も海潮寺に改められた。<br /><br />海潮寺成立以降、芳賀氏の菩提寺として保護を受けていたが、慶長2年(1597)豊臣秀吉に芳賀氏の所領が没収され、御家再興を願い羽黒山(出羽神社)を頼り離散、その保護者を失った。<br /><br />しかし、慶安元年(1646)に将軍家光より、朱子印として20石の寺領を認められ、また寛文11年(1671)には稲葉正則(老中)からも寺領4石を免税地として認められている。<br /><br />当寺には、県指定文化財、絹本著色芳賀禅可入道高名像、海潮寺文書(14通)そして屋根瓦に大谷石を用いた特色のある山門がある。また、竹垣直温歌碑と御政碑が真岡市指定文化財となっている。<br /><br />             真岡市観光協会 』<br />

下野真岡 秀吉の「関東仕置き」裁定後に発覚した宇都宮氏内訌に連座して主家と共に改易処分を受け没落した重臣で名門芳賀氏菩提寺『海潮寺』散歩

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2014/09/24 - 2014/09/24

102位(同エリア173件中)

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滝山氏照

滝山氏照さん

真岡鉄道真岡駅から徒歩で約5分、真岡城跡のすぐ南方で行屋川を臨む梵音山海潮寺(かいちょうじ、栃木県真岡市田町)は地元産大谷石を使った珍しい山門を有し県指定文化財となっています。

当該寺院説明板によれば創建は永正7年(1501)大田和村吹上(現在の真岡市堀内)に創建され寺名は宝珠庵(ほうじゅあん)でしたが大永年代に現在地に移転して海潮寺と改称するに至ります。

開山は宇都宮成高寺(しょうこうじ)4世の天英祥貞(てんえいしょうてい)が招かれ、実際の運営は久室栄昌(きゅうしつえいしょう)大和尚であったとされます。

海潮寺となってからは当地域を支配する芳賀氏の菩提寺として保護を受けていましたが、慶長2年(1597)主家宇都宮氏養子を巡る内訌に連座して豊臣秀吉より知行没収され芳賀氏は改易、海潮寺は保護者を失います。

慶安元年(1646)三代将軍家光より20石寺領を認められる他寛文11年(1671)老中である稲葉正則(いなば・まさのり、1623~1696)から寺領4石を免税地として認められることになります。

尚正則は小田原藩主2代目で初代は父正勝(まさかつ)ですが、正勝が小田原に転封する前の知行地は当真岡であり、しかも正則祖父にあたる正成(まさなり)が拝領していた知行地でもあります。

2022年12月2日追記

境内に建てられた説明板には下記の通り記載されています。

『 海 潮 寺    真岡市田町

曹洞宗で梵音山真岡院海潮寺と称し、本尊は十一面観音である。

開山には宇都宮成高寺四世(実質は二世)の天英祥貞が招かれているが、実際の運営に当たったのは久室栄昌大和尚であったとされる。創建は永正7年(1510)頃で、建立した場所は大田和村吹上(現在の真岡市堀内)で寺名を宝珠庵という。

大永年代(1521~27)の初めに現在地に移転し、寺名も海潮寺に改められた。

海潮寺成立以降、芳賀氏の菩提寺として保護を受けていたが、慶長2年(1597)豊臣秀吉に芳賀氏の所領が没収され、御家再興を願い羽黒山(出羽神社)を頼り離散、その保護者を失った。

しかし、慶安元年(1646)に将軍家光より、朱子印として20石の寺領を認められ、また寛文11年(1671)には稲葉正則(老中)からも寺領4石を免税地として認められている。

当寺には、県指定文化財、絹本著色芳賀禅可入道高名像、海潮寺文書(14通)そして屋根瓦に大谷石を用いた特色のある山門がある。また、竹垣直温歌碑と御政碑が真岡市指定文化財となっている。

             真岡市観光協会 』

旅行の満足度
3.5
交通手段
JRローカル 私鉄 徒歩
  • 海潮寺・裏門<br /><br />現在では真岡城跡地に建てられた真岡小学校から通りに出るとすぐ海潮寺と刻された石柱が現れます。<br /><br />

    海潮寺・裏門

    現在では真岡城跡地に建てられた真岡小学校から通りに出るとすぐ海潮寺と刻された石柱が現れます。

  • 海潮寺・石標

    海潮寺・石標

  • 海潮寺・参道<br /><br />裏門から正門に廻りますと立派な石柱を左右に備えた門構えが認められます。

    海潮寺・参道

    裏門から正門に廻りますと立派な石柱を左右に備えた門構えが認められます。

  • 海潮寺・山門<br /><br />行屋川を渡り山門に向けて進みます。

    海潮寺・山門

    行屋川を渡り山門に向けて進みます。

  • 海潮寺・山門(全景)<br /><br />文化3年(1806)建立され、木造重層石瓦入葺母屋造で屋根は大谷石を使用した珍しい瓦となっています。

    イチオシ

    海潮寺・山門(全景)

    文化3年(1806)建立され、木造重層石瓦入葺母屋造で屋根は大谷石を使用した珍しい瓦となっています。

  • 海潮寺・説明板

    海潮寺・説明板

  • 海潮寺・指定文化財<br /><br />当寺院には絹本著色、芳賀禅可入道高名像、海潮寺文書、海潮寺山門(以上県指定文化財)及び竹垣君徳政碑、海潮寺御霊屋(以上市指定文化財)の宝物があります。

    海潮寺・指定文化財

    当寺院には絹本著色、芳賀禅可入道高名像、海潮寺文書、海潮寺山門(以上県指定文化財)及び竹垣君徳政碑、海潮寺御霊屋(以上市指定文化財)の宝物があります。

  • 海潮寺・各指定文化財<br /><br />山門傍らにも上記内容の文化財が石碑として設置されています。

    海潮寺・各指定文化財

    山門傍らにも上記内容の文化財が石碑として設置されています。

  • 海潮寺・山門彫刻(左側)

    海潮寺・山門彫刻(左側)

  • 海潮寺・山門彫刻(右側)

    海潮寺・山門彫刻(右側)

  • 海潮寺・山門彫刻(中央)

    海潮寺・山門彫刻(中央)

  • 海潮寺・鐘楼<br /><br />石垣の台上に鐘楼が設置されています。

    海潮寺・鐘楼

    石垣の台上に鐘楼が設置されています。

  • 海潮寺・本堂(全景)<br /><br />正式には「梵音山真岡院海潮寺」と称する漕洞宗寺院です。

    イチオシ

    海潮寺・本堂(全景)

    正式には「梵音山真岡院海潮寺」と称する漕洞宗寺院です。

  • 海潮寺・本堂上部

    海潮寺・本堂上部

  • 海潮寺・本堂(左側)

    海潮寺・本堂(左側)

  • 海潮寺・本堂(右側)

    海潮寺・本堂(右側)

  • 海潮寺・鐘楼(近景)

    海潮寺・鐘楼(近景)

  • 竹垣三右衛門墓<br /><br />竹垣三右衛門は代官として寛政5年(1793)から文化11年(1814)の間真岡陣屋に在陣して天明の飢饉で荒廃した農村復興に意欲的に取り組み配下にあった芳賀18ケ村の村民が建てたものです。

    竹垣三右衛門墓

    竹垣三右衛門は代官として寛政5年(1793)から文化11年(1814)の間真岡陣屋に在陣して天明の飢饉で荒廃した農村復興に意欲的に取り組み配下にあった芳賀18ケ村の村民が建てたものです。

  • 竹垣三右衛門説明板

    竹垣三右衛門説明板

  • 海潮寺・墓地

    海潮寺・墓地

  • 海潮寺・境内<br /><br />本堂から山門方向を眺めます。

    海潮寺・境内

    本堂から山門方向を眺めます。

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