2015/08/05 - 2015/08/14
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kazimさん
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イスタンブールの見所といえば、旧市街と新市街、つまりヨーロッパ側に集中している。しかし、ボスポラス海峡をはさんだアジア側(トルコ語では「アナドル」)もイスタンブールであり、1400万近い当市の人口(トルコの友人の説では現在1700万)のうち、約400万(同前600万)が「アナドル」の住民だ。つまり、アジア側自体が立派な大都市であり、そこでは普通のトルコ人がトルコの日常を営んでいる。また、この国の好調な経済を反映して、大きく変貌しつつあるのもアジア側。観光地の向こうにあるトルコ、イスタンブールのアジア側へ、個人旅行の方はもちろん、ツアーでいらした方も自由時間に立ち寄られたらいかが?
海峡をくぐる地下鉄マルマライが開通したので、2013年の投稿に手を加えた。写真や記述には改訂前と重複がある。
2017年に訪問したクズグンジュクについて、「渋くておしゃれなクズグンジュク」として別旅行記にしました。興味のある方はご覧ください。
また、2017年の訪問に基づき、後半「マルマラ海に沿って」を加えた。
〈写真:ウムラニエの街角で、アタテュルクの旗と猫。〉
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
アジア側への道-1
アジア側への道としては、ボスポラス海峡を渡る船を一番に勧めたい。旧市街ではエミノニュ埠頭から、アジア側のターミナルであるユスキュダルまたはカドゥキョイへの便がある。さらに、ガラタ橋を金閣湾の内側にくぐった所(サバ・サンドを売る船の先)にも埠頭はある。前者からは大きな客船が、後者からは「モトル」と呼ばれる中型の船が出ている。いずれも20分程度で着くが、景色も素晴らしく、しかも経済的に(100円程度)アジアへ渡る方法だ。
なお、マルマライ開通の影響か、船の乗客は以前より減っているので、今後便数が少なくなるかもしれない。それでも昼間なら20分間隔が30分になる程度だろう。
〈写真:海峡を渡る船。〉 -
アジア側への道-2
一方、アジア側へ渡る最も速い方法は、できて間もない地下鉄マルマライ線だ。旧市街シルケジ駅からアジア側のユスクダルまで5分たらず。ただし、シルケジ駅では入口からホームまでかなり歩かされる。ボスポラス海峡をつなぐ、つまりヨーロッパとアジアをつなぐ点で意義は大きく、日本でも報道されたので、これに乗りたいと思われる方も多かろうが、あまりに簡単に着きすぎで味気ない。旅行者としてはゆっくり景色を楽しみたい。
〈写真:ボスポラス大橋へ向かう車。〉 -
アジア側への道-3
マルマライより私が勧めるのがメトロビュスだ。公道の一角を専用の軌道とする2両連結のバスで、これが、アタチュルク空港のずっと西から、イスタンブールの周辺をぐるりとめぐり、ボスポラス大橋も越えて、アジア側まで路線を延ばしている。
ただし、西から来ても東から海峡を越えても、大橋から西へ1つ目のズィンジルリクユ駅がいったん終点になるので要注意(2017年、ズィンジルリクユ終点の車両はなくなり、乗り換えの必要はなくなりました)。その場合、この駅で降り、そのままホームを前方に進み、その先へ行く車両を待てば良く、新たに料金を支払う必要はない。
〈写真:2両連結のメトロビュス。〉 -
アジア側への道-4
大橋の上以外では、メトロビュスの軌道に一般車両は入らないから、混雑に巻き込まれることはなく、かなりのスピードで走る。
日本人に限らず、車内で旅行者らしき人を見かけることが少ないのは、観光スポットを通らないからか。しかし、メトロビュスは、大橋から5番目のウズンチャユル駅でアジア側の地下鉄M4線のユナラン駅と接続しており、さらに近々、ユスキュダルからの地下鉄M5線やマルマライとも接続される。また終点のソーユトリチェシュメ駅は、カドキョイまですぐだ。
〈写真:左の渋滞を後目に、メトロビュスはすいすい。アジア側のアジュバデム駅にて。〉 -
アジア側への道-5
メトロビュスはとにかく頻発している。それだけ便利で利用者が多いのだ。1分に1台が到着する感じなので、空いている車両待つべきだ。
それでも混雑している場合、、荷物が多ければ2両の連結部分に乗るとよい。最前列や最後尾のフロアは座席で狭いが、連結部分は広く作ってある。
〈写真:メトロビュス車内、連結部分で。〉 -
イチオシ
イスタンブル・カルトの使い方-1
アジア側への小旅行に限らず、市内の移動にはイスタンブール・カルトが便利だ。主な駅で手に入れよう。日本のsuikaやpasmoのような交通系カードで、市内の交通機関では、ミニバスとタクシーを除いた全てで使える。ちなみにミニバスはすべて車内で現金払い。カードがないと売店を探してチケットを買う必要があるバスより簡単だ。
自動改札の読みとり端末は日本と同じく機械の上方にあり、そこにカードをかざす。2、3秒で「ピポ」という音がするので、通路のアームを押し回して入る。降りるときにカードを出す必要はなくアームを押せば出られる。バスなら、乗車時に運転手横の機械にかざすだけだ。このために、数人のグループでも、1人のカードで全員の支払いが済ませられる。「ピポ」と鳴らして1人が入り、また鳴らして次の人が入り……を繰り返せばよい。出るときに精算の必要がないのは、市内の乗り物が距離に関係なく同一料金だからだ。ただし、交通機関により、またバスでは路線により、料金そのものの差はある。
〈写真:アジア側の路地で。〉 -
イスタンブル・カルトの使い方-2
地下鉄やメトロビュスなどの駅にはチャージの機械があり、窓口の人にお金とともにカードを出す方式でも可能だ。バスに乗る前にチャージが必要なら、停留所近くのスタンドを探す。イスタンブール・カルトが出る前の同様のシステムが「アクビル」(Akbil)という名称だったので、標示がそのままになっていることが多い。その文字を探して店員にカードとお金を出す。
なお、イスタンブール・カルトはあくまでイスタンブールだけのもので、他の都市では使えない。また、交通機関以外で使える店もない。
〈写真:こういう標示があればチャージ可能。〉 -
ユスキュダル-1
ヨーロッパ側から渡ったアジア側のターミナルは主に4つ。北から、ユスキュダル、ハレム、ハイダルパシャ、カドゥキョイだ。このうちハレムは長距離バスのターミナルで、ハイダルパシャは鉄道の駅。そして、ユスキュダルとカドゥキョイこそが、地元の人が売り買いをする商店街で、しばしの観光、及びその起点となる。どちらからもアジア側の各地区に行くバスやミニバスが発着し、繁華街も広い。
〈写真:ユスキュダルの公園で踊る人々。〉 -
ユスキュダル-2
ユスキュダルは「ウシュクダラ」とする方が日本人には通じるだろう。現代的なカドゥキョイと比べ、良くも悪くも古さを残している。あか抜けない小さな商店やロカンタで、気のよい親父や人なつこい女の子が働いている。
このユスキュダルの埠頭近くにマルマライの出入り口ができた。そして、船でもマルマライでも、ユスキュダルに来て最初に目に入るのが、写真のモスクだろう。ミフリマー・スルタン・ジャミィで、繁華街はこの右側一帯だ。
〈写真:ユスキュダルのランドマーク。〉ユスキュダル 旧市街・古い町並み
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ユスキュダル-3
ミフリマー・スルタン・ジャミィを右手に見て、大橋側(北側)へ歩くと、もまなく海峡沿いの公園に出る。これがフェトヒ・パシャ・コルスだ。「フェトヒ・パシャ」はたぶん人名(フェトヒ将軍)で「コルス」は「林」の意。そう呼ぶほど鬱蒼たる木はないが、緑の少ないこの地区では貴重なのだろう。
私が出かけたある夜、公園の一角で輪になって踊るグループがいた。中央の人がバグパイプのような楽器を吹き、威勢のよいかけ声をあげる。トルコの少数民族ヘムシンの人々だそうだ。彼らは遠く黒海沿岸のグルジアに近い山中にルーツを持つ。もともとこの地区には、黒海地方から来た人が多い。彼らもイスタンブールに出てきて、ときにそのアイデンティティーを確認しているのだろう。
〈写真:激しい踊りのおかげで不思議な写真になった。あるいはピンぼけ。〉 -
ユスキュダル-4
トルコの庶民はこうした野外でくつろぐのが好きだ。特に夏ならば、日暮れとともに、この公園に多くの人々が集まる。お茶(チャイ)をポットに入れ、ちょっとした食べ物とシートを持ち、気持ちのいい宵を過ごす。
写真は私の友人宅の女性陣。一見3人が目に入るだろうが、右手前に黒ずくめのイスラム服の女性もいる。こうした人たちも、涼しい夜をエンジョイするのが、この公園だ。だから、できれば夏の宵に訪れたい。
〈写真:右端と左端は親娘、服装が全く異なるのがおもしろい。〉 -
ユスキュダル-5
この公園は景色だって大したものだ。海峡を行き交う船とヨーロッパ側の街並み、ボスポラス大橋も、第1橋、第2橋ともに望める。
なお、この公園を越えるとクズグンジュックという地区に出る。ユスキュダルの中でも特に古い建物の多い一帯だ。
〈写真:ライトアップされたボスポラス大橋。青の照明が第1橋、赤が第2橋。〉 -
ユスキュダル-6
埠頭から南方向へ海峡沿いを歩いても見所はある。シーフードのレストランなどを左に見ながら10分も行けば、乙女の塔(クズ・クレスィ)が見えてくる。映画「007」シリーズの「World is not enough」で舞台になっていたはず。
〈写真:乙女の塔、バックは旧市街トプカプ宮殿あたり。〉乙女の塔 建造物
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ユスキュダル-7
夜景もまた見事なもの。乙女の塔自体も美しいが、その向こうのヨーロッパ側の灯が情感を醸す。このあたりも、夏なら夜中まで地元の人たちでにぎわい、サバ・サンドやトウモロコシの屋台が出ている。
〈写真:夜の乙女の塔、海峡沿いには多くの庶民が歩いていた。〉 -
カドゥキョイ-1
カドゥキョイは、雑然としたユスキュダルに比べて、いくらか洗練されて歩きやすい。例えば、カドゥキョイにあってユスキュダルにないもの。路面のテーブルで昼間からビールが飲めるレストラン、ノスタルジック・トランバーイ(新市街のイスティクラール通りと同様)、パンク風の若者がたむろする一角。そして、スターバックスもカドゥキョイにはある(ユスキュダルにないと確かめたわけではないが)。
私が長年付き合っているトルコ人の友達は典型的な庶民なので、カドゥキョイよりユスキュダルの方がなじめるらしい。カドゥキョイはアジア側では最先端の街なのだ。
〈写真:埠頭付近からハイダルパシャ駅を望む。〉 -
カドゥキョイ-2
この街に来たら、トランバーイが走るソーユトリチェシュメ通りの南側(埠頭を降りて右側)の界隈を歩きたい。海峡側からゆるゆると上りながら、庶民的な、しかしそれなりに洗練された店をのぞく。食品や雑貨の店に混じり、衣料品店も多く、骨董や楽器を扱う店もある。昔の「地球の歩き方」にはこの辺りが「ちょっとおしゃれなエリア」と紹介されていた。まさにおしゃれ度は「ちょっと」で程よい。
〈写真:坂道を上り詰めたあたりの最も洗練されている通り、スターバックスもこの近く。〉 -
カドゥキョイ-3
スロープを上り詰めるとショッピング街は終わるが、そのまま進もう。今度は下り坂になり、雑然とした通りを500mも行けば、スタジアムが見えてくる。トルコ・サッカー・リーグの強豪フェネネルバフチェが本拠とするシュクリュ・サラチオール・スタジアムだ。ここまで来れば、メトロビュスの終点ソーユトリチェシュメ駅が近い。
私が勧めるカドゥキョイ散策コースは以下の通り。船でカドゥキョイ埠頭に着き、上記の商店街を散策して、このスタジアムまで歩き、メトロビュスに乗って4駅目のアルトゥニザデからチャムルジャ(後述)を見て、メトロビュスでヨーロッパ側に戻る。
〈写真:試合がある日は賑わうスタジアム。〉 -
イチオシ
チャムルジャ-1
ヨーロッパ側からアジア側を眺めると、テレビ塔が数本並ぶ丘が見える。これがチャムルジャで、アジア側の絶景ポイントだ。丘の上からは、手前にユスキュダルの街並み、ボスポラス海峡をはさんで新市街のビル群、さらに遠く旧市街が見渡せる。反対側に回れば、アジア側に広がる新興住宅地を一望できる。
頂上はきれいな公園になっており、地元の人たちがお茶を飲んでいたり、時には結婚式の記念撮影をしていたりする。
〈写真:ビュユクチャムルジャの景観〉チャムルジャ 広場・公園
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チャムルジャ-2
チャムルジャは夜も素晴らしい。というか、夜こそベストだ。特に夏の宵は、この景観と爽やかな風を求める人々が多数。驚くほどの人手だ。
〈写真:前の写真とほぼ同じ所からの夜景〉 -
チャムルジャ-3
丘の上にはチャイなどの飲み物やアイスクリームなどを供する店があるが、公営のものなのでとても安く、地元の人々に好評だ。丘自体も美しくライトアップされている。 -
チャムルジャ-4
なお、「チャムルジャ」と呼ばれる丘は、「ビュユク(大)チャムルジャ」と「キュチュク(小)チャムルジャ」があるので要注意。これまでの話題は「ビュユク・チャムルジャ」で、「キュチュク・チャムルジャ」の方の景観はさしたるものではない。むしろ自然をそのまま残して、地元の人がピクニックをすることが多く、また、恋人たちは「キュチュク・チャムルジャ」を好むとか。
〈写真:あくまで「ビュユク」の方の夜景〉 -
チャムルジャ-5
チャムルジャへは、ユスキュダルからバスまたはミニバスが便利だが、そのふもとで車を降りることになる。タクシーなら1000円程度だろう。最寄りの駅はメトロビュスのアルトゥニザデ駅(海峡から3つ目)で、ここからならタクシーに乗っても400円ほどで着くはず。
なお、2016年には、ユスキュダルからここを経てアジア側の奥へ入る、地下鉄M5線が開通予定だ。
また、丘の周辺のアルトゥニザデからアジュバーデム辺りは高級住宅街で、豪華な邸宅やしゃれた店も多い。
〈写真:アルトゥニザデ駅付近から見たチャムルジャ。〉 -
アナドル・ヒサル
ボスポラス海峡を北上すると、第2大橋のたもとに、海峡をはさんで2つの要塞が現れる。ヨーロッパ側がルメリ・ヒサルで、アジア側がアナドル・ヒサルだ。当然ここでははアナドル・ヒサルを紹介するのだが、ルメリ・ヒサルが整備されて野外コンサートの会場にもなるのに対して、アナドル・ヒサルは塔が1つ残るだけだ。むしろ、総体にごみごみしたアジア側もここまで来ればかなり鄙びて、周辺の静かさが印象に残る。
なお、アナドル・ヒサールへは、後述のウムラニエからバスで行った。30分ほどの道のり。ユスキュダルからもバスがあるだろう(ただし未確認)。
〈写真:アナドル・ヒサルと私の友人。〉アナドル ヒサル 建造物
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ウムラニエ-1
イスタンブール市の39の区のうちアジア側に属するのは13区。ユスキュダルやカドゥキョイもその1つで、その他では、地下鉄M4線の終点(2015年時点)であるカルタル、トルコ高速鉄道のターミナル(これも2015年時点)やサビハ・ギョクチェン空港があるペンディッキなどが知られていよう。ただし、これらはいずれもマルマラ海沿いの商業地区だ。
本当のトルコ庶民が住む住宅地はむしろ内陸の区にあり、その代表がユスキュダルの東側のウムラニエ区だ。
〈写真:ウムラニエ中心の町並み。〉 -
ウムラニエ-2
ウムラニエ区だけで人口は65万あまり、すでに立派な都市である。私の場合、長年の友人がここに住んでいるので、トルコに行くたびに区内を歩き回る。ユスキュダルからバスやミニバスが頻発しており、渋滞がなければ20分ほどで着く。
私はアタチュルク空港から直行することが多く、その場合は、地下鉄とメトロビュスを乗り継いでアルトゥニザデ駅か次のアジュバデム駅で降り、そこからはタクシーを使う。5キロ程度で700円あまりのタクシーを含めても、イスタンブールの西側の空港から東側のウムラニエまで、1000円ほど1時間あまりで着く。ユスキュダルからの地下鉄M5線が開通すれば、アルトゥニザデでそれに乗り換え、ウムラニエまで3駅だ。あるいは、マルマライ線のヨーロッパ側が空港近くまで延びれば、それで一気にユスキュダルまで行く手もあるなあ。
〈写真:ウムラニエ、アレムダー通り。〉 -
ウムラニエ-3
ウムラニエに行こうという奇特な方がおられれば、バスやタクシーで「ウムラニエ!」と叫び、さらに「ソン・ドラック」または「チャルシュ」と付け加えよう。それぞれ「終点の停留所」「マーケット」の意であり、ウムラニエの中心で降ろされる。
その中心部に着いたとする。それぞれ一方通行のアレムダー通りとステュチュ・イマム通りが50mほどの間をおいて貫き、この2つの道にはさまれた一帯が商店街で、そこから一歩入れば庶民のアパートが並ぶ。断っておくが、観光的なものは全くない。それでも少し歩けば、ずらりと並ぶ商品の価格は明らかに低く、人出はかなりのもので、それもスカーフで髪を隠した女性が多いことに気づくだろう。これが庶民のイスタンブールだ。
〈写真:こちらはステュチュ・イマム通り。〉 -
庶民の変わらない生活-1
たとえば、ヨーロッパ側のオフィス街では、スーツで決めたビジネスマンや西洋風のかっこいい女性が闊歩する。少し高級なレストランに入れば、お酒とともに食事を楽しめる。しかし、大部分のトルコはそうではない。アジア側からヨーロッパ側に通勤している人も多いから決めつけにくいが、アジア側が本当のトルコであり、男たちの多くは労働者で、女たちはイスラム服を着込み、よほどのレストランでない限り酒は出さない。
〈写真:ウムラニエの街角で。〉
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イチオシ
庶民の変わらない生活-2
ウムラニエに1軒だけ、いわゆる「ビラハネ」(ビヤホール)がある。そこでは昼間から酒が飲めるが、基本的に食事は出さない。客はそこそこいるが、それは絶対におじさんだ。女性の服装も含めて、イスラム教の強い影響であり、それは海峡を隔てたヨーロッパ側と大きく異なる点だ。もっとも、ヨーロッパ側でも観光客が入らない一帯では、こうした伝統的な生活が営まれているのだが。
〈写真:庶民の典型的な朝食。できたてのパン、チーズやバター、オリーブの実、あとは日により、ヨーグルト、卵料理、野菜など、飲み物はもちろんお茶。〉 -
庶民の変わらない生活-3
トルコの食事といえばケバブなどの肉料理を連想する方が多いだろうが、庶民はそれほど肉を食べない。野菜の煮込みが中心で、その中にキョフテなどがときおり混ざるという程度。むしろ夕食に煮込みが何品か作られたり、ピラウを添えたりするのが彼らの贅沢だ。そして、夜にもう一度、フルーツや甘いお菓子などをお茶とともに食す。
〈写真:ラマザン明けの豪華な夕食〉 -
庶民の変わらない生活-4
中でも、私がトルコで最も楽しみにしているのがパン(エクメッキ)だ。毎朝できたてほかほかのパンを朝食に食べられ、これが何よりおいしい。日本では朝食はほとんど食べない私だが、トルコに来るともりもり食べてしまうのだ。
〈写真:このパンが0.9リラ、40円くらい〉 -
庶民の変わらない生活-5
なぜかといえば、釜を持っているパン屋が街の至る所にあるからだ。チャイがわいた頃に「ちょっと出てくる」と言って友人が外出する。数分でこの温かいパンを抱えて帰ってくる。何と贅沢な、と私は感動する。
〈写真:これがパン屋。看板には「自然パン工房」みたいなことが書いてある〉 -
庶民の変わらない生活-6
このパンの他にも、野菜やフルーツ、さらにスープ(チョルバ)のおいしさもトルコの楽しみ。ツアーだと肉料理が主に供されるのだろうが、町に出てパン屋やチョルバ屋を試してほしい。
〈写真:パン屋の中、右手に釜がある〉 -
庶民の変わらない生活-7
夏のトルコは、野菜や果物も豊富だ。そのおかげで、夕食後しばらくたってスイカやメロンや桃などを食べるのが彼らの習慣であり、トマトやキュウリはおかずとして頻繁に登場する。「オルガニク」という言葉がここ数年はやっているが、とっくの昔から「オーガニック」ではないかと思う。
〈写真:ウムラニエ区の青果店〉 -
庶民の変わらない生活-8
夜の過ごし方も彼らに見習いたい。チャムルジャなどの夜のにぎわいについてすでに書いたが、夏の場合、彼らは夕食後、できれば野外やバルコニーで夜風に吹かれる。とても豊かな暮らし方だ。
〈写真:外でスイカやひまわりの種を食べている〉 -
生活の変化-1
一方、ここ数年で彼らの住まいや家電製品は大きく変わった。私の友人はウムラニエ区に10年以上住んでいるが、以前の家は清潔ではあるものの、小さな冷蔵庫と写りの悪いテレビが数少ない電化製品であった。そして、私にとってきつかったのは、なかなか温水が出ずしかも水圧の弱いシャワーと、トルコ式のトイレだった。紙を流せず、原則として手で処理するしかないこのトイレを使うには、かなり勇気が必要だ。
〈写真:トルコ式のトイレ。今でもこうしたトイレの家は少なくない。〉 -
生活の変化-2
それが数年前、ウムラニエ区の中心近くに引っ越すとともに、トイレは西洋式の水洗になり、シャワーからはお湯がふんだんに出るようになった。洗濯機に乾燥機が付き、薄型テレビが入り、食器洗い器も台所にはある。あとの2つは、実は私の家にはないものだ。さらに彼は昨年、自家用車を手に入れた。
〈写真:友人の姉の家。数年前だがすでにパソコンがある。〉 -
生活の変化-3
友人はキッチン設備の据え付けの仕事をしている。庶民の全てがこうして豊かになったのではなかろうが、いわばブルー・カラーの彼にまで、トルコ経済の好調さが波及し、物質的には目に見えて向上している。
〈写真:薄型テレビを見る。〉 -
生活の変化-4
現在中学生の彼の娘は、通常の高校には進学せず、モスクに併設されたコーランの学校に行く予定だ。それは庶民の女の子にとって、ごく普通の進路で、いずれイスラム服を着ることになる。その娘も今やタブレットを手放さない。
〈写真:モデルを気取ってちょっとカッコつけている14歳〉 -
発展する郊外-1
アジア側でも海岸沿いのユスキュダルやカドゥキョイをはじめとする地区は早くから開け、逆にいえば新たに開発する余地は少ない。一方、内陸部はもともと人家が少ない丘陵であり、こうした一帯でこそ、まさに開発が進みつつある。
事実、ウムラニエでも、一昔前までは中心から少し外れれば羊が草をはむ風景が見られたが、今やそこに高層住宅や巨大なショッピングセンターが建てられ、さらに銀行のビルやホテルが建築中だ。地下鉄の開通を当て込んでのことだろう。
〈写真:こうした新しいモスクも多い。〉 -
発展する郊外-2
イスタンブールの人口は1400万近いと書いたが、2000年には約1000万人であり、ここ10年あまりで増えた400万人は、地方からやってきて仕事に励んだ結果、私の友人のように、新興住宅地に居を構えたのだろう。友人は、新しい知り合いができると、必ず「お前どこの出身?」と尋ねる。すると大概アンカラより東の地方都市の名が返ってくる。
〈写真:ウムラニエの南のアタシェヒル区あたり。中央手前に新しいモスク、その向こうにツイン・タワーのビル。アタシェヒルは、中央銀行をはじめとするいくつかの銀行の本店をアンカラから移転させ金融センターにすると、政府が発表した地区だ。〉 -
マルマラ海に沿って-1
アジア側のマルマラ海に沿った一帯は、他のアジア側とは少しばかり違った雰囲気があり、ちょっとばかり華やかで高級感漂う一体だ。その中で、ほぼ東端にあたるのがペンディッキ地区だ。サビハギョクチェン空港があり、トルコ高速鉄道(YHT)の発着駅が現在のところここにある(将来はハイダルパシャになるらしい)。
〈写真:ペンディッキの高速鉄道駅。といっても、地下に出札所などがあり、駅舎らしいものはない。〉 -
マルマラ海に沿って-2
ペンディッキの8キロほど西はマルテペ地区。このあたりの海岸沿いはずっと公園になっており、気持ちが良いところだ。バーベキューは禁止らしいが、私の友人は構わずしてしまう。やりたくなる気持ちはよくわかる木陰だ。
〈写真:こうした公園が海沿いに延々と続いている。〉 -
マルマラ海に沿って-3
そして、友人は海水浴もしてしまう。ここは明らかに埋め立てした海岸。ごつごつした岩が積み上げられていて、泳ぐべき場所とは思えず、私は自重した。
〈写真:男4人と女5人で出かけ、男2人が泳いで、案の定1人がけがをした。〉 -
マルマラ海に沿って-4
友人によれば、このあたりに住んでいるのはお金持ちだそう。たしかに海を眺望でき、明るくて良い環境だ。
〈写真:上の写真の山側。お金持ちの邸宅が見える。〉 -
マルマラ海に沿って-5
さらに5キロほど西へ行くと、ボスタンジュ地区になる。ここには、そのまま「ボスタンジュ・ルナパルク」という大きな遊園地があり、大人も子供も大好きな所だ。
〈写真:こうしたイスラム服の女性たちも遊びは大好きだ。〉 -
マルマラ海に沿って-6
こうしたメリーゴーランド風のものから、過激なアトラクションまで一通りのものはそろっている。男たちは過激なものを好み、アドレナリンが出るようで、興奮している。ただし、2017年時、一つのアトラクションが8リラ(約270円)で、彼らの感覚からすると決して安くない。
〈写真:この写真は夜の12時近いのだが、何時まで営業しているのだろうか。〉 -
マルマラ海に沿って-7
ガイドブックではこの地区のバーダット通りにブランドのブティックが並ぶとあるが、バーダット通りは10キロ以上も続く長い通りだ。そのうちブティックなどが並ぶのは、ここの地図に記したあたりだ。ブティック以外にもクラブが深夜まで営業しており、高級感漂う一帯だ。
〈写真:その通りを走るミニバス・ドルムシュ車内。風景が見えず申し訳なし。〉 -
足を伸ばして-1
アジア側の見所をもう少し加える。これまで紹介した所は半日で行き帰りが可能だが、以下の場所はいささか遠く、訪れるなら丸1日ほしい。
まずイスタンブールに隣接したダルジャ市にはファルック・ヤルチュン動物園がある。入場料は1人約1000円と、トルコにしては高めだが、キリン・ライオン・クマ・カンガルー・サルなど、さらに鳥類や爬虫類もひととおりそろい、小さいながら水族館もある。
〈写真:動物園入口〉 -
足を伸ばして-2
なお、この動物園の場所を改訂前にはゲブゼ市と書いたが、正しくはその南のダルジャ市であるようだ。2014年の交通網では、地下鉄M4線で終点カルタルまで行き、そこから15キロほどをバスまたはタクシーで。
詳しくは www.farukyalcinzoo.com/ を参照。
〈写真:キリンをバックに〉 -
足を伸ばして-3
アジア側の北東端、黒海に面してシレというビーチがある。イスタンブールの庶民が利用するビーチであり、ごみごみした市内に飽きたならば魅力的な場所だ。ここについては、別に旅行記を書いたので、興味のある方はご覧ください。下記のURLです。
http://4travel.jp/travelogue/11043000
〈写真:庶民でにぎわうシレのビーチ〉 -
アジアで会いましょう
以上、アジア側を駆け足で紹介した。そこまで足を伸ばすかは気持ち次第だ。観光客ズレしていない人たちが多いから、困っていれば現地の人が助けてくれるだろう。ぼられるかも、絨毯屋に引きずり込まれるかもという心配はいらない(もちろんどこにでも悪い人はいるから、その可能性がゼロだとは断言しない)。観光客に売りつける絨毯を売る店がない。そもそも彼らは観光客相手に儲けようという商売をしていない。堅実に働いている労働者が多いのだ。
〈写真:友人宅近所の雑貨屋さんで〉
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