トルコ高速鉄道に乗ってみた

2015/08/12 - 2015/08/12

昨年(2014年)、イスタンブールにまで延伸したトルコの新幹線ＹＨＴ。イスタンブールのターミナルが東郊外のペンディッキだったり、運行本数が少なかったり、いろいろ不便な部分はあるけれど、とにかく一度は体験しようと思い、エスキシェヒル→イスタンブール間を乗ってみた。切符の買い方やペンディッキとイスタンブール中心間のアクセスなど、これから乗ろうと思う方のため、できるだけ情報を盛り込んだつもり。

エリア イスタンブール(トルコ)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道
• 旅行の手配内容: 個別手配

乗車予定の前日、下見も兼ねてエスキシェヒル駅で切符を購入する。広い待合室に電光の時刻表(右が出発列車、左が到着列車)があり、その下が切符売り場。｢明日の10時頃、イスタンブールまで１人｣と告げれば簡単に購入できた。
〈写真：エスキシェヒル駅待合室〉

｢10時頃｣というアバウトな時刻でＯＫなのは、列車の本数が少ないから。駅員は｢あぁ、10時42分ですね｣と即座に応答した。長距離バスと同じように、名前と電話番号も訊かれる。
〈写真：エスキシェヒル駅ホーム、停まっているのは在来線の急行、時刻表によればエスキシェヒル10:25発でデニズリに18:59着、時間がかかるからか乗客はほとんどいない〉

こうして手に入れたチケット。最上段は旅客氏名。続いて｢エスキシェヒルからイスタンブールへ｣とあり、３段目に｢アンカラ発ベンディキ行き｣、日付、｢10：42発｣、｢４号車の普通席｣、｢座席は３ａ｣とある。４段目右にあるように、料金は45リラ(約2000円)。ちなみに、バスなら30〜40リラであり、それほど変わらない。

翌日、早めに駅に着いて待っていると、発車15分ほど前に放送があって｢ホームへ向かえ｣とのこと。地下道ではチケットと荷物のＸ線検査が行われており、飛行機みたいだ。
〈写真：エスキシェヒル駅外観、この左方向にブルサ行きのバスが常に待機していた。ブルサへ近いのは２駅先のビレジッキ駅だが、この駅には１日に２往復しかＹＨＴが停まらないので、事実上エスキシェヒルが連絡駅になっているようだ。〉

そして列車は定時に到着。車内はこんな感じ。乗車後間もない写真なので立っている人がいるが、すべて指定席で、乗車率は80パーセントくらい。子ども連れの家族が多く、夏休みでなければ、空席はもっと多いだろう。よほどのことがない限り、当日に行っても切符は手に入ると思われる。
〈写真：車内風景〉

日本と違うのは車両の真ん中にドアがあり、席が左右に分かれることくらいだ。ＹＨＴは｢ユクセク･フズル･トレン｣の略で、訳せば｢高速鉄道｣。車内に速度表示があり、出発後しばらくして最高時速250キロになった。なかなかのものである。ただし、イスタンブールの100キロほど手前からは、時速100キロほどの減速運転になったのは、カーブの多い在来線を使っているからだろう。13:18、定刻から５分遅れてペンテッィキ着。２時間半あまりでの到着はさすがに速い。バスなら倍の時間がかかるはず。
〈写真：これがＹＨＴ〉

さて、問題はここからだ。イスタンブールの中心までまだ30キロはある。南口に出たら単なる商店街、北口に出直したら、ミニバスのターミナルがあった。カドゥキョイ行きを見つけて飛び乗る。しかし、これが１時間15分もかかった。料金は3.75リラ。トルコ人の友人によれば、45分で着くミニバスがある、とのこと。私が乗ったバスは繁華街のバーダット通りを通ったが、空いている海沿いの道を走る路線があるのだろう。
〈写真：ペンティッキ駅南口、切符売り場や改札はすべて地下にあり、駅舎というものが見あたらない、まるで地下鉄の入口だ〉

イスタンブールから乗られる方へ。チケットはシルケジ駅でも買えるらしい。ネット上の情報ではキャミル･コチのオフィスでも買えると書いてある。ベンディッキ駅へは私と逆方向でカドゥキョイからミニバスで一気に行く方法もあるが、地下鉄Ｍ４線終点カルタルからミニバスという手段が最も速いだろう。カルタル･ペンティッキは３キロほどなので、タクシーでも大した額にはならない。ＹＨＴのタイムテーブルは以下のＵＲＬでどうぞ。
http://www.tcdd.gov.tr//yuksek-hizli-tren+m96

〈写真：在来線の普通列車、エスキシェヒル駅で〉