スペイン・ローマ遺跡巡りの旅【６】アルハンブラ宮殿とその敷地内のパラドール（グラナダ） (2013/10/31)

2013/10/25 - 2013/11/04

スペインは紀元前３世紀に古代ローマの一部となった地で、水道橋や橋などの遺跡やローマ式の街の痕跡が各地に残されています。そうした遺跡をこの目で見るためにスペインを訪れました。
ローマから遠く離れたこの地にもイタリアと同じような建築物があり、ローマと同じレベルの高度な都市生活が営まれていたことが実感できました。

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【6】アルハンブラ宮殿とその敷地内のパラドール（グラナダ）
　アルハンブラ宮殿の敷地内にあるパラドールで朝を迎えました。思いがけずアルハンブラ宮殿のチケットが簡単に手に入り、午前中にゆっくりとアルハンブラ宮殿を堪能しました。天気は快晴。とても濃い青い空の下で見る水をたたえた池を囲む中庭、想像以上に細かく複雑な彫刻は、強烈に心に刻み込まれました。
　そして昼食は街中のバルで。どれも美味しく、想像していたよりあっさりした味で大満足です。
　グラナダは古代ローマ時代の都市でもありましたがさほど大きくなかったせいか、残念ながら遺跡は残されていません。
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１ いきなりハイライトのセゴビア水道橋
２ メリダでローマ遺跡三昧
３ 古代ローマ橋・アルカンタラ橋とちょっとだけポルトガル
４ セビリアと近郊のローマ都市イタリカ
５ コルドバのメスキータとローマ橋
>６ アルハンブラ宮殿とその敷地内のパラドール（グラナダ）
７ ロンダと白い村カサレス
８ ラ・マンチャの風車は期待以上
９ トレドの街を臨むパラドール

エリア グラナダ(スペイン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0

• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: イベリア航空 JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配

アルハンブラ宮殿の中にあるパラドールで朝を迎えます。

パラドール デ グラナダ ホテル

ビュッフェの朝食ではハムやオードブルが豊富に並びます。

パラドール デ グラナダ ホテル

色鮮やかなデザート。
果物は大好きなのでうれしい。欧米の人は果物をたくさん食べますね。

パラドール デ グラナダ ホテル

チュロスがありました。サラマンカの屋台で食べそびれたやつです、
外がカリッとした揚げパンみたいな感じ。とっても美味しいです。パンは苦手ですがこれは好きです。

パラドール デ グラナダ ホテル

普段は朝食抜きが多いのに、ホテルのビュッフェではいつも満腹。これに更に２回追加してます。
ただしパンとチーズはパス。食べるとその後で食欲がガクッとなくなるのです。

パラドール デ グラナダ ホテル

かつて修道院だったパラドールにはアーチや細密な彫刻があって、既にここから見応え十分。
この中に泊まれるなんで本当に贅沢です,

パラドール デ グラナダ ホテル

壁にへばりついた平面的な木。
海外でときどき見かけます。日本人にはちょっと不思議に思えますね。

パラドール デ グラナダ ホテル

アルハンブラ宮殿のハイライトであるナスル朝宮殿は、チケットで入場時刻が指定されています。手に入れたチケットの入場時刻は１０：００。
９：２０にパラドールを出てナスル朝宮殿に向かいます。
チェックアウト期限は１２時なので、部屋に荷物を置いたままです。このパラドールならではの特権です。

パラドール デ グラナダ ホテル

パラドールから坂を下り、カルロス5世宮殿の横を通り過ぎると、広場の向こうにアルカサバ（Alcazaba）がそびえ立ちます。ここはアルハンブラ宮殿で一番古い部分で、８世紀にイベリア半島に進出したイスラムの後ウマイヤ朝が建設したもの。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

アルカサバに登るとグラナダの町が一望できます。
左手に一段と高くそびえるのはベラの塔（Torre de la Vela)という名の見張り塔です。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

２５ｍの高さのベラの塔の上に登るとグラナダの町が眼下に広がります。
上から街を威圧するようで、征服者として君臨していることを象徴するようです。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

アルハンブラ宮殿の入場券は前日にパラドールで申し込み、朝フロントで入手しました。実はこれはうれしい誤算。
グラナダへの到着時刻を決めかねていたので事前予約はしませんでした。ネットの旅行記などを見ると午前中は人気が高く、当日券は朝一でチケット売り場に行く必要があるというということなので、早朝にパラドールを出て並ぶ覚悟です。
それが昨日チェックインの時に向こうから「チケットは必要か？」と訊かれたのです。こうして今朝あっさりチケットを手にすることができました。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

ナスル朝宮殿の入場時刻１０：００のチケットを持つ人たちが、時刻前から入り口に列を作っています。
１０時を数分過ぎた頃、列の前の方が動き始めました。列はゆるゆると進み、１０分くらいしていよいよ入場です。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

ナスル朝宮殿の中はいくつもの部屋に分かれていて、どの部屋も細かい幾何学模様で埋め尽くされています。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

アーチ型の窓の向こうにグラナダの街並みが広がります。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

アラヤネスの中庭に出ました。
水盤から池に水が注がれ、涼しげな様子です。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

反対側から見ると、快晴で真っ青な空の下、コマレス宮の姿が池に映ってとても美しい眺めです。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

工事中の区画の入り口に張られていた膜にはいろいろな言語で「工事中」とかかれていました。さすが世界的な観光地です。もちろん日本語もあります。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

ライオンの背に水盤が乗ったここはライオンの中庭と呼ばれています。
ナスル朝宮殿と呼ばれる部分を作ったナスル朝は、すでにレコンキスタが進んでコルドバもセビリアもキリスト教徒に奪われたころに興り、グラナダを首都とした王朝で、イベリア半島最後のイスラム王朝でもあります。
イスラム建築の最高峰と呼ばれるものがそんな時代に造られたというのは不思議な感じがします。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

ライオンの中庭に面して二姉妹の間があります。床が大きな２枚の大理石でできていることからこの名がついたそうです。
見上げるとここまでやるか？という程の、また一段と細かく複雑な文様が付けられています。ムカルナスという、鍾乳石を模した装飾を施した丸天井です。
これを作るには気の遠くなるような細かい作業を長期間続ける必要があったでしょうね。なんか見ているだけで疲れてきました。
落ち着ける部屋ではないですね。

アルハンブラ宮殿 城・宮殿

ナスル朝宮殿を出ると、東にはパルタル庭園（Partal）があります。
ナスル朝宮殿とは雰囲気がだいぶ違い、開放的な庭園です。

パルタル庭園 広場・公園

緑が豊かです。
こちらは落ち着けそう。

パルタル庭園 広場・公園

そろそろ１１時半。チェックアウト期限が１２時なのでいったんパラドールに戻ります。
ここはフロントから部屋に行く途中に通る広間です。

パラドール デ グラナダ ホテル

パラドール内には礼拝堂があります。
見世物じゃなくて本当に生きている礼拝堂という感じです。

パラドール デ グラナダ ホテル

贅沢な一晩を過ごしたパラドールをチェックアウトします。
シーズンオフのせいか料金も想像するよりお手頃です。チケットまで手配してくれて、お金に換えられないメリットがありました。
ここを選んで本当に良かった。

パラドール デ グラナダ ホテル

さてアルハンブラ宮殿はまだ見るところがあります。
谷を渡って東側の高台にあるヘネラリフェ（Generalife）に向かいます。

ヘネラリフェは豊かな水が気持ちのよいところで、ナスル朝時代の夏の別荘でした。
水を引いた水道の跡が残っています。

花と緑が美しい庭園です。

ヘネラリフェ庭園のアセキアの中庭（Patio de la Acequia）。
遠足の子供たちがいました。噴水が涼しげです。

その隣にあるスルタナの糸杉の中庭（Jardím de la Sultana）。

向こうにナスル朝宮殿やアルカサバ、そしてその背後にグラナダの街並みが見えます。

アルハンブラ宮殿を十二分に堪能し、パラドールに戻ります。
かなり歩いて疲れたので、屋外のカフェで一休みしていきます。昨日着いた時にも一休みしたところです。
さわやかな風が通ってとても気持いい。

パラドール デ グラナダ ホテル

パラドールの建物の壁面に、昔の水飲み場みたいなものがありました。

パラドール デ グラナダ ホテル

遺跡らしきものもあります。

パラドール デ グラナダ ホテル

疲れもとれた所で出発です。見事な快晴。空の色が濃いですね。

パラドール デ グラナダ ホテル

駐車場の門の横でタバコを吸っている人がいました。サボってるのかな？なんて思っていたら、車を出発させると門を開けてくれました。荷物を積んだり行き先の道を確認している間、待っていてくれたのですね。失礼いたしました。
13:37、パラドールを後にします。

アルハンブラ宮殿のある丘を、来た時の狭い道を引き返して下ります。
城壁を潜るところは道が直角に折れ曲がっています。左ハンドルだと感覚がつかめなくて擦りそう。そろそろと通過します。

途中から一方通行で、来た時とは別の場所で大通りに出ます。
街を見ていくつもりですが、反対方向に曲がってしまいました。

ちょっと大回りしてしまいましたが、３０分ほどで街の中心部に到着。
コンスティトゥシオン通りの下にある地下駐車場に車を停めます。

茶色の建物に眩しい太陽。スペインにいるんだなと感じます。

コンスティトゥシオン通りからホテルや教会などが立ち並ぶグラン・ピア・デ・コロン通りを進み、旧市街に向かいます。

人気のバル、ロス・ディアマンテス Bar los diamantes に入ってみました。

ロス ディアマンテス シーフード

メニューです。さっぱりわかりません。

ロス ディアマンテス シーフード

バルのメニューを写真付きで紹介した日本語の本があります。
予めこの本で当たりをつけておき、写真を指差して注文しました。
それにしてもこんな本が出るほど日本人はスペインに旅行に行っている、ということですね。

ロス ディアマンテス シーフード

イワシを揚げたのにレモンを絞って食べます。
揚げてある割にさっぱりしています。

ロス ディアマンテス シーフード

スペインのバルといえばアヒージョ。
プリプリのエビがたっぷり入っています。オリーブオイルに浸かっているのですが、見た目の印象とは異なりこれも意外とさっぱりしています。

ロス ディアマンテス シーフード

イザベル広場にはイザベラ女王とコロンブスの像があります。
イザベラは、アルハンブラを作ったナスル朝を打ち破ってレコンキスタをなしとげたカスティーリャ王国の女王。コロンブスはイザベラ女王からの資金援助をせしめて野望を遂げました。

イサベル・ラ・カトリカ広場 広場・公園

コイン式の公衆トイレ。海外ではたいてい有料なので、小銭を切らさないように気をつけておかないとトイレに行けません。

よく見ると道の上に何か浮いてます。
夜になると光るのでしょうね。残念ながら今日は別の町に泊まるので見られません。

街並みの向こうの丘にアルハンブラ宮殿のアルカサバが見えます。
高く聳えるのは今朝登ったベラの塔ですね。下から見るとやはり威圧感があります。

土産物屋の並ぶ街中。
エキゾチックな雰囲気が漂います。

駐車場に戻り、16時、本日の宿泊地ロンダに向けて出発します。

昨日来た道を眩しい西日に向かって走ります。
４０分ほどで Manzanil サービスエリアに通りかかったので休憩していきます。観光バスが何台も停まっている大きなサービスエリアです。

やはりここにもハムが大量にぶら下がっています。
これだけどこにでもあるということは、買う人がいるということですね。

裏手のテラスでラテ・マキアートを飲みながら、夕日が照らすアンダルシアの大地を眺めて寛ぎます。
この飲み物の名前がわからなかったのですが、カウンターでこれを飲んだ人が置いていったレシートを覗き見たら「ラテ・マキアート」と書いてあり、それで頼むことができたのでした。

再び西に向かいます。
昨日も見たアンダルシア政府が作るAVEの建設中路線です。

昨日やってきたコルドバへからの道への分岐を通り過ぎます。

間もなく１４６番出口に今日の行き先 Ronda の文字がありました。高速道路を降り、ここからは一般道を行きます。

片道１車線で、遅い地元の車やトラックがいるので距離が伸びません。
風力発電の風車があちこちに建っています。
日が暮れてきました。

すっかり暗くなった１９時ちょうどにロンダに着きました。
今日も宿泊はパラドール。車のまま建物の真ん中の入り口を潜り、奥のスロープ降るときれいな地下駐車場があります。

パラドール デ ロンダ ホテル

このパラドールは街を二つに分ける渓谷沿いにあり、建物は崖っぷちに建っています。
窓の下は崖で、左手にヌエボ橋が見えます。地平線がまだ微かに明るさを残していました。
ここには２泊します。今回唯一の連泊です。

パラドール デ ロンダ ホテル