2013/10/25 - 2013/11/04
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Tatsuoさん
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スペインは紀元前3世紀に古代ローマの一部となった地で、水道橋や橋などの遺跡やローマ式の街の痕跡が各地に残されています。そうした遺跡をこの目で見るためにスペインを訪れました。
ローマから遠く離れたこの地にもイタリアと同じような建築物があり、ローマと同じレベルの高度な都市生活が営まれていたことが実感できました。
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【1】いきなりハイライトのセゴビア水道橋
マドリード空港に着いた翌日、いきなりスペインのローマ遺跡の代表格とも言えるセゴビアの水道橋を訪れます。現代の街の石畳の上に2000年前の水道橋が、特に隔てるものもなくそこに聳えている光景を見ていると、不思議な気持ちになってきます。
そこからローマ時代の石壁の上に城壁が築かれたというアビラに寄り、ローマ橋が残るサラマンカまで行きます。
宿泊はサラマンカのパラドールです。これも楽しみ。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
セゴビア水道橋~細くて優美な水道橋(スペイン)
http://roman-ruins.com/segovia/
城壁と聖人の街アビラ~古代ローマ都市の上に造られた街(スペイン)
http://roman-ruins.com/avila/
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>1 いきなりハイライトのセゴビア水道橋
2 メリダでローマ遺跡三昧
3 古代ローマ橋・アルカンタラ橋とちょっとだけポルトガル
4 セビリアと近郊のローマ都市イタリカ
5 コルドバのメスキータとローマ橋
6 アルハンブラ宮殿とその敷地内のパラドール(グラナダ)
7 ロンダと白い村カサレス
8 ラ・マンチャの風車は期待以上
9 トレドの街を臨むパラドール
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- イベリア航空 JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
成田空港第2ターミナル。
エスカレータで出発ロビーに上がると、高い天井の空間に反響するアナウンスに体を包まれ、一気に気分が高揚してきます。
10月の成田空港は旅行のオフシーズンのせいか、静かで落ち着いた雰囲気です。
12:15発JL407便、フランクフルト行きで出発です。スペインへは直行便がないので乗り継ぎになります。 -
到着前の機内食はいつもはあまり食が進みませんが、今回のメニューは「AIR吉野家」。紙製の蓋を上げるとあの香りが漂い、食欲が湧いてきました。
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フランクフルトでJL7843便(イベリア航空運航のコードシェア便)に乗り継ぎ、21:50にマドリード・バラハス空港に到着しました
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マドリード・バラハス空港は天井が木製。弧を描いた天井に照明がグラデーションを作っていて美しく、独特の雰囲気です。
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到着時刻が遅いので、レンタカーは明日からの予約にしてあります。
ホテルの送迎バスがなかなか来ないので案内ボードに書いてあるホテルチェーンの電話番号に電話してみましたが、予約センターに繋がれてしまい、結局待っていれば来ると言われただけ。30分くらい待たされ、11時頃にようやくやって来ました。
ホテルまでは15分ほどかかり、部屋に着いたときには11時半近くになっていました。 -
簡素なホテルですがよく眠れました。
泊まったのはトリップ・マドリッド・アラメダ・アエロプエルト・ホテル(TRYP Madrid Alameda Aeropuerto Hotel)。外観はまるで一般のマンションのようです。左には住宅が連なり、ベランダに洗濯物を干す女性の姿も見えます。
夜レンタカーで来たら確実に見つけられなかったでしょう。やはりレンタカーを今日から借りることにして正解でした。ホテル マドリード アラメダ アエロプエルト アフィリエーテッド バイ メリア ホテル
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昨日遅かったので少しゆっくり目の出発です。
9:15のシャトルバスで空港に戻り、レンタカーを借ります。
カウンターは下層階の駐車場への通路の近くにありました。搭乗口は木のぬくもりを感じる温かい雰囲気でしたが、この辺りはガラスと銀色の骨組みで少し冷たい感じです。 -
レンタカーはヒュンダイ。
最近海外のレンタカーは韓国車が多いのです。 -
10:30に空港を出発します。
今日はいきなり私の今回のハイライトであるセゴビアの水道橋を訪れ、城壁に囲まれたアビラに寄って、ローマ橋の残るサラマンカまで行きます。 -
マドリード市街を環状道路で迂回してセゴビア方面に向かいます。市街地に入らずに済むのがありがたいです。道が広くて交通量もさほど多くなく、運転は楽です。
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カーナビ(GPS)が高速を降りるよう指示したのでその通りにしたら、しばらくしてちょっとした山道になってしまいました。
不安になって地図を見ると、山越えで短絡する道路を進んでいるようです。地図の線は太いし交通量もそこそこあるので大丈夫だろうと思い、そのまま進みます。
想像通り山に入っていき、カーブと勾配が続きますが、2車線の舗装道路なので苦にはなりません。ちょっとした峠越えをして下って行くと市街地に出ました。
もう海外での運転も10回ほどになるので大丈夫でしたが、運転に自信がない方は高速でセゴビア近くまで行くことをお薦めします。 -
12:15、予めGoogleのストリートビューで調べておいた、水道橋の北側の道路下にある地下駐車場に車を入れました。
新しそうな駐車場です。 -
ガラス張りの真新しい出口から地上に出て左カーブの道を進むと、建物の影から水道橋が現れました。
思わず「おー」と声が漏れます。
まさにそこに在ります。この存在感は実物を目にしなければ感じられません。2000年前からずっとここに在ったのです。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
セゴビア水道橋~細くて優美な水道橋(スペイン)
http://roman-ruins.com/segovia/セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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見上げると高さに圧倒されます。
近づいてみると、水道橋はごくありふれた石畳からそびえ立っています。
特に柵などもなく手で石の冷たさを感じながらくぐり抜けます。
高さに比べて幅がとても薄いのに驚きます。よくこれで倒れなかったものですセゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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イチオシ
水道橋は谷を越えて水道を通すためなので、両側は斜面です。
水道の上流に当たる東側の斜面にはレストランのテーブルが並べられています。
この水道橋が示す通り、古代ローマ時代にはセゴビアがこの地域の中心都市だったのです。90kmほどしか離れていない現在の首都マドリードが大きな街になったのは、16世紀に首都とされた後です。セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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斜面を水道橋に沿って登って行くと、途中で左に折れ曲がっています。
セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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イチオシ
その先は住宅地の中の街路に沿って続いています。というより、水道に沿って家が並んだという方が正しいでしょうか。
現代の普通の家と2000年前の古代遺跡が共存する不思議な空間です。セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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地面と同じ高さになったところで水道橋は途切れます。
そこから道路を渡った上流側にも緑道が続いています。たぶん水道の通っていた跡だと思いますが、遺物は見当たりませんでした。セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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水は上部の溝を通っていました。
かつての街は谷の西側で、そこまで水を届けるために巨大な水道橋が作られたのです。
2000年前、首都ローマからはるかに離れたこの地にも最先端の設備があります。ローマ帝国内はどこでもローマと同じ水準の生活が送れたのです。セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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この小屋は浄水場。この中で一旦水を水槽にためて不純物を沈殿させて取り除き、きれいにしてから街に導いています。
セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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再び谷底に戻ってきました。
高さは28.5mとのこと。有名なフランスの水道橋、ポン・デュ・ガールの49mより数字の上ではかなり低いのですが、こちらの方が幅も柱もだいぶ細身で高く感じます。
向こうは下が川ですがこちらは地面なので印象もだいぶ違い、どちらも甲乙つけがたい魅力があります。
水道橋の全長は728mとか813mとか、ものによっていろんな数字が書かれていますが、一つながりの水道の一部なのでどこからどこまでを測るかによる違いでしょう。
50kmセゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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下流側は崖になっていて階段が付けられています。
途中の踊り場から見る水道橋もまた違った印象です。セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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谷を渡った水道は建物と一体化しています。その先は敷地内なのでどうなっているのか判りません。建物の向こう側の道にもそれらしい遺物はありませんでした。
セゴビア旧市街とローマ水道橋 旧市街・古い町並み
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旧市街の中を歩き、中心にあるマヨール広場 Plaza Mayor に出ました。
正面にカテドラルが見えます。セゴビア観光案内所 (マヨール広場) 散歩・街歩き
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旧市街のはずれにあるアルカサルが見えてきました。
アルカサル デ セゴビア 城・宮殿
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アルカサルは街と深い谷で遮られています。
周囲を絶壁で囲まれた堅牢な城塞です。アルカサル デ セゴビア 城・宮殿
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15時、セゴビアを出発します。
地下から出ると水道橋が目の前に聳えていました。 -
次の訪問地アビラに向かいます。
高速道路は少し遠回りなので、N-110で向かいます。片側1車線ですが広くて走りやすい道です。 -
後半は高速道路 AP-51 に乗り、16時にアビラ Avila に着きました。
ここでも予め Googleストリートビューで調べておいた城壁のすぐ近く、聖テレサ広場 Plaza de Santa Teresa の地下にある駐車場に入ります。街中は道が狭く、調べておかなかったら間違いなく迷ったでしょう。 -
城壁に大きな花飾りがありました。
アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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城壁に沿った道を現代の修道女が歩いていきます。
アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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聖テレサの像の前にはたくさんの花が供えられています。
10月15日が聖テレサの祝日だったからでしょうか。 -
イチオシ
城壁に沿って南に回り込みます。ここに来たのは、アビラの街をぐるりと囲むこの城壁を見るため。城壁の建造は11世紀ですが、街の形はローマ帝国時代を踏襲しているそうです。
英語版ウィキペディアによると駐車場の近くにあったアルカサル門とこの後に通るラストロ門に、祭壇の切石が再利用されているとのことですが、残念ながらどれだかわかりませんでした。
でこぼこな岩の上にそのま城壁を立てているのが面白いですね。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
城壁と聖人の街アビラ~古代ローマ都市の上に造られた街(スペイン)
http://roman-ruins.com/avila/アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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南側には街の中に教会の塔が点在しています。
「アビラ旧市街と市壁外の教会群」として世界遺産に指定されています。あれもみんな世界遺産なのでしょうか。アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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南面の中央にあるラストロ門をくぐって中に入ります。
アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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石の建物に石畳の道。中世ヨーロッパらしい佇まいです。
古代ローマ時代はどんな様子だったのでしょうか。アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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カテドラル Catedral です。反対側は城壁と一体化しています。
私の興味は専ら古代ローマなので、これはさらっと見て通り過ぎます。アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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城壁の外に出てサンタ・テレサ広場に戻ってきました。
この地下が駐車場です。アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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街の西を流れるアダハ川の向こう側のクアトロポステスという場所からは、街が一望できます。こちら側が低くなっているので、堅牢な城壁に囲まれている街の様子がよくわかります。でも街の中が丸見えなのは防衛上どうなんでしょうか?
サンタ・テレサ広場の駐車場の出口は反対の東向きでしばらく一方通行が続くので、しばらく東に行ってから少し細めの道に右折して城壁の南側を西進して川を渡りたどり着きました。アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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イチオシ
クアトロポステスというのはこれのことで、4本柱という意味です。
ローマ時代のものという話もありますが、よくわかりません。アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 旧市街・古い町並み
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17:30、今夜の宿泊地サラマンカに向けて出発。高速道路 A-50 に乗ります。
平原の中を行きます。 -
まっすぐ進むと道はそのまま街中に入っていきます。
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18:55、本日の宿泊地はパラドール・サラマンカに到着。
旧市街から川を隔てた対岸にあり、ごちゃごちゃした街中を全く通る必要がありません。門がロータリーに面していて、Pが星を載せたパラドールの看板ですぐにわかりました。パラドール デ サラマンカ ホテル
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イチオシ
ホテルのロビーからは旧市街が一望できます。大聖堂がちょうど夕日に照らされてオレンジ色に輝いています。
パラドール デ サラマンカ ホテル
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眺めているうちに日が傾き、もう照らされているのは塔の上だけになりました。程なく日が完全に沈み、街灯りが灯り始めました。
パラドール デ サラマンカ ホテル
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パラドールというのは半官営のホテルです。歴史的な建造物を改装したものも多くありますが、ここは新しい建物のようです。
パラドール デ サラマンカ ホテル
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すっかり暗くなり、ライトアップされた大聖堂が闇に浮かび上がります。
パラドール デ サラマンカ ホテル
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イチオシ
パラドールのあるところから旧市街にはローマ橋を渡っていきます。ローマ時代から残る石橋を渡るなんて、気分が高揚してきます。
古代ローマ時代にはサルマンティカ(Saimantica)という名で、属州ルシタニアの州都メリダとの間にローマ街道が通じていました。この街道は地中海と北海を結ぶ道で、サラマンカは交通の要衝として栄えました。 -
橋を渡り終えて旧市街への坂を登ると、大聖堂の横に出ます。
夜見るとちょっと不気味です。サラマンカ新旧大聖堂 (カテドラル) 寺院・教会
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ガイドブックで見ておいた店がどこも混んでいるので、通りがかりの空いている店に入ってみることにしました。
酒が飲めないのでジュースでのどを潤します。ヨーロッパはジュースが美味しいのです。 -
カボチャのスープと、まぐろの刺身。
まぐろはしょうゆベースのタレで和風な印象です。 -
TAPAS 2.0という店。屋外の席に座ったのでめちゃくちゃ寒い。
でも美味しかったので満足です。
すぐそばにマヨール広場があって夜景がとても美しいらしいのですが、体が冷え切って頭が回らなくなりそのままホテルに帰ってしまいました。まあローマ遺跡ではないのでいいか。 -
ローマ橋の旧市街側のたもとに首のない動物の石像がありました。ローマ時代のものなのでしょうか。
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パラドールのぽかぽかと温かいロビーからソファーに座って大聖堂を眺めます。
初日から内容の濃い一日でした。パラドール デ サラマンカ ホテル
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この旅行記へのコメント (1)
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- Pメテオラさん 2017/10/01 19:51:28
- 同感
- いきなり最高のものに出会うことこそ、運のよいこと。とてもラッキーな作者様に喝采です
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