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JR八高線丹荘(たんしょう)駅から徒歩約10分にある幸春院(こうしゅんいん、埼玉県児玉郡神川町)は正式には大龍山道雲寺と号し、神川町HPによれば元応2年(1320)安保忠実(あぼ・ただざね、生没年不詳)の開基の漕洞宗寺院です。<br /><br />安保氏は武蔵七党の中で丹党に属する武士集団で、JR丹荘駅北西の元阿保を本貫地とし、忠実の活躍ぶりは南北朝時代初期に足利尊氏執事の高師直(こうの・もろなお、生誕不詳~1351)の属将として貞和4年(1348)河内国四条畷(しじょうなわて)の戦いで楠木正成の子息正行(まさつら、生誕不詳~1348)一門武将である和田正朝(わだ・まさとも)を討取ったとの戦功ぶりがあります。<br /><br />本堂西側には六地蔵塔は185cmの高さの石燈籠の形をした石撞で、六体の地蔵菩薩の浮彫が見られので六地蔵と呼ばれ、文亀3年(1503)製の銘記があります。<br /><br />また幸春院境内に出ておられた住職から戴いた「史跡探訪 六地蔵塔」と題した書面によれば次の事が書かれています。<br /><br />即ち「塔の火袋六面に一体ずつ六地蔵が刻んであります。また竿石の中央部の穴に車石(石輪)をはめ込んで、信者が念仏を唱えながら幾百遍もまわすことにより、諸願が叶えられると伝えられています。」<br /><br />更に書面には「この塔とほとんど同じものが埼玉県にもう一基あり、それは秩父郡長瀞町の矢那瀬に明応8年(1500)の銘文をもつものである。16世紀初頭、これらの塔を造立する風習が浸透してきたとみることができる。」とも記載されています。

武蔵児玉 南朝方楠木正行(正成嫡男)軍を河内四條畷で打ち破った武蔵七党丹党武将安保忠実開基の『幸春院』散歩

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2014/07/23 - 2014/07/23

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滝山氏照

滝山氏照さん

JR八高線丹荘(たんしょう)駅から徒歩約10分にある幸春院(こうしゅんいん、埼玉県児玉郡神川町)は正式には大龍山道雲寺と号し、神川町HPによれば元応2年(1320)安保忠実(あぼ・ただざね、生没年不詳)の開基の漕洞宗寺院です。

安保氏は武蔵七党の中で丹党に属する武士集団で、JR丹荘駅北西の元阿保を本貫地とし、忠実の活躍ぶりは南北朝時代初期に足利尊氏執事の高師直(こうの・もろなお、生誕不詳~1351)の属将として貞和4年(1348)河内国四条畷(しじょうなわて)の戦いで楠木正成の子息正行(まさつら、生誕不詳~1348)一門武将である和田正朝(わだ・まさとも)を討取ったとの戦功ぶりがあります。

本堂西側には六地蔵塔は185cmの高さの石燈籠の形をした石撞で、六体の地蔵菩薩の浮彫が見られので六地蔵と呼ばれ、文亀3年(1503)製の銘記があります。

また幸春院境内に出ておられた住職から戴いた「史跡探訪 六地蔵塔」と題した書面によれば次の事が書かれています。

即ち「塔の火袋六面に一体ずつ六地蔵が刻んであります。また竿石の中央部の穴に車石(石輪)をはめ込んで、信者が念仏を唱えながら幾百遍もまわすことにより、諸願が叶えられると伝えられています。」

更に書面には「この塔とほとんど同じものが埼玉県にもう一基あり、それは秩父郡長瀞町の矢那瀬に明応8年(1500)の銘文をもつものである。16世紀初頭、これらの塔を造立する風習が浸透してきたとみることができる。」とも記載されています。

旅行の満足度
3.0
交通手段
JRローカル 徒歩

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  • JR八高線松久駅<br /><br />本庄~寄居線を走るバスに乗車、途中JR八高線松久駅前下車、当駅は無人駅ではありますが山小屋風なコンパクト駅舎で運行本数少なく1時間に1本の高崎行ワンマン・ディーゼル車を待ちます。

    JR八高線松久駅

    本庄~寄居線を走るバスに乗車、途中JR八高線松久駅前下車、当駅は無人駅ではありますが山小屋風なコンパクト駅舎で運行本数少なく1時間に1本の高崎行ワンマン・ディーゼル車を待ちます。

  • 「児玉霊場と北武蔵の遺跡を巡るコース」地図<br /><br />児玉駅を起点とする「金鑚の森を訪ねるコース」と児玉駅又は松久駅を起点とする「田園に札所と万葉のロマンを訪ねるコース」の紹介が記載されています。(児玉郡には金鑚神社がいくつもありますが、金鑚の森は武蔵七党の児玉党勢力が及んでいたことが判ります)

    「児玉霊場と北武蔵の遺跡を巡るコース」地図

    児玉駅を起点とする「金鑚の森を訪ねるコース」と児玉駅又は松久駅を起点とする「田園に札所と万葉のロマンを訪ねるコース」の紹介が記載されています。(児玉郡には金鑚神社がいくつもありますが、金鑚の森は武蔵七党の児玉党勢力が及んでいたことが判ります)

  • 「児玉霊場と北武蔵の遺跡を巡るコース」拡大地図<br /><br />松久-児玉-丹荘沿線には多数の寺社仏閣の宝庫で歴代支配者の厚遇ぶりが窺えます。また児玉駅近隣には塙保己一を紹介する記念館が、雉岡城跡とともに建立されて今後の訪問見学が楽しみです。

    「児玉霊場と北武蔵の遺跡を巡るコース」拡大地図

    松久-児玉-丹荘沿線には多数の寺社仏閣の宝庫で歴代支配者の厚遇ぶりが窺えます。また児玉駅近隣には塙保己一を紹介する記念館が、雉岡城跡とともに建立されて今後の訪問見学が楽しみです。

  • JR八高線・松久駅ホーム<br /><br />高崎方向を捉えます。<br />

    JR八高線・松久駅ホーム

    高崎方向を捉えます。

  • JR八高線・松久駅ホーム<br /><br />今度は高麗川方向を捉えます。

    JR八高線・松久駅ホーム

    今度は高麗川方向を捉えます。

  • JR八高線松久駅時刻表<br /><br />ほぼ1時間に1本というのんびりしたダイヤグラムです。

    JR八高線松久駅時刻表

    ほぼ1時間に1本というのんびりしたダイヤグラムです。

  • JR八高線ディーゼル車輌内部<br /><br />2輌編成のワンマン運転、シートは主として片側は2人ずつ向かい合わせ、もう片方は1人ずつの向かい合わせで珍しいレイアウトです。(トイレは設置されていますので安心です)

    JR八高線ディーゼル車輌内部

    2輌編成のワンマン運転、シートは主として片側は2人ずつ向かい合わせ、もう片方は1人ずつの向かい合わせで珍しいレイアウトです。(トイレは設置されていますので安心です)

  • JR八高線・丹荘駅<br /><br />下車した後高架橋から離れる車輛を捉えます。

    JR八高線・丹荘駅

    下車した後高架橋から離れる車輛を捉えます。

  • JR八高線丹荘駅<br /><br />丹荘駅から遠ざかる車輛を捉えます。

    JR八高線丹荘駅

    丹荘駅から遠ざかる車輛を捉えます。

  • JR八高線丹荘駅ホ?ー駅名案内板<br /><br />ホームに設置された駅名案内板は昔ながらの形式を備えているのを見て心なしか気分がホットします。

    JR八高線丹荘駅ホ?ー駅名案内板

    ホームに設置された駅名案内板は昔ながらの形式を備えているのを見て心なしか気分がホットします。

  • JR八高線丹荘駅<br /><br />無人駅で駅舎も簡素化された状況、駅前広場はタクシーなどの自動車は見えません。

    JR八高線丹荘駅

    無人駅で駅舎も簡素化された状況、駅前広場はタクシーなどの自動車は見えません。

  • 神川町ガイドマップ<br /><br />駅前に立っている神川町ガイドマップも見やります。丹荘駅から秩父山系方向に延びるマップとなっており、山系の神流湖から流れる神流川を県境とし、中央部の上里からの道路沿線には寺社仏閣が見られ、特筆すべきは金鑚(かなさな)神社が存在しており児玉党の勢力が及んでいたことがわかります。

    神川町ガイドマップ

    駅前に立っている神川町ガイドマップも見やります。丹荘駅から秩父山系方向に延びるマップとなっており、山系の神流湖から流れる神流川を県境とし、中央部の上里からの道路沿線には寺社仏閣が見られ、特筆すべきは金鑚(かなさな)神社が存在しており児玉党の勢力が及んでいたことがわかります。

  • JR八高線丹荘駅周辺地図<br /><br />地図によると駅周辺には幸春院や阿保氏居館跡などが見られます。

    JR八高線丹荘駅周辺地図

    地図によると駅周辺には幸春院や阿保氏居館跡などが見られます。

  • 幸春院正門

    幸春院正門

  • 幸春院社標<br /><br />「漕洞宗 幸春院」と刻された寺標があります。<br /><br />

    幸春院社標

    「漕洞宗 幸春院」と刻された寺標があります。

  • 幸春院本堂全景

    幸春院本堂全景

  • 幸春院石標

    幸春院石標

  • 幸春院・境内

    幸春院・境内

  • 幸春院・境内

    幸春院・境内

  • 六地蔵塔(県指定史跡)

    六地蔵塔(県指定史跡)

  • 六地蔵塔(近景)<br /><br />台石には「文亀3年(1503)に本願律師の元栄の作」の銘文が刻されています。

    六地蔵塔(近景)

    台石には「文亀3年(1503)に本願律師の元栄の作」の銘文が刻されています。

  • 六地蔵塔石標

    六地蔵塔石標

  • 幸春院・六地蔵塔説明板

    幸春院・六地蔵塔説明板

  • 六地蔵塔略図(説明板拡大)<br /><br />説明では塔身は1.85mで台石は青色、竿石は白色で中央に縦24cm、横8cmの長方形のくりぬきがあって、側面には直径4cmの穴がくり貫かれているそうです。

    六地蔵塔略図(説明板拡大)

    説明では塔身は1.85mで台石は青色、竿石は白色で中央に縦24cm、横8cmの長方形のくりぬきがあって、側面には直径4cmの穴がくり貫かれているそうです。

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