2014/03/20 - 2014/03/20
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たびたびさん
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以前、JR西日本が京都、大阪、神戸の三都物語のキャンペーンを打っていたし、神戸はおしゃれで都会的なイメージが強いかと思います。確かに、北野の異人館やハーバーランドはその通りなんですが、一方で、神戸淡路大震災の記憶もまだ生々しくて、ルミナリエとかもあるし、いろんな顔がありますよね。
今回は、いつもの三宮・元町の中心部に、これまで行けてなかったポートアイランドと須磨地区を組み合わせての街歩きとしてみました。清盛が大輪田泊を開き、神戸とゆかりが深いことは知られていますが、これまでは博物館の中での話。違う視点ですが、須磨寺ではその時代の記憶が残されていて、やっぱり、関西らしい。ひょっこり歴史と隣り合わせの感覚を感じられる楽しい旅となりました。
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神戸空港は、JALは飛んでいなくてこれまで縁がなかったのですが、今回、ANAを利用したので初体験となりました。伊丹と比べると空港自体は小さめなんですが、ポートライナーで三宮まで20分足らずなんですね。このアクセスの良さは予想以上。かなりの快感です。
で、今回はスルッと関西もあるし、これを活用して、まずはポートアイランドを回ります。 -
神戸のポートライナーには、京コンピュータ前駅という駅があります。京は、日本の理化学研究所計算科学研究機構に設置された世界最高水準のスーパーコンピュータ。計算速度が毎秒1京回ということで、この名前になったそうです。2012年7月に完成し、一般公開もされたようですが、今は建物の外から想像をたくましくして眺めることになります。
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神戸国際展示場では、子供服でしょうか、ファミリーセールをやっていました。ポートライナーの駅から、ごった返していましたが、やはり会場が広いし、リピーターの人も多いからか、皆さん何か落ち着いて悠々と並んでいるような姿が印象的でした。
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ポートライナーの市民広場の周辺には、大きな箱モノがいくつも整備されていて、近くのワールド記念ホールもその一つ。正式名称は神戸ポートアイランドホールというらしいですが、約一万人が収容できる大型の多目的ホールです。昭和59年に完成。国際級室内陸上競技会開催可能なアリーナを有する施設でもあるようです。
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隣りは、神戸市立ポートアイランドスポーツセンター。25m温水プール、50mの競泳プールと、サブリンクも併設されたスケート施設があって、こちらも充実しています。
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続いての神戸国際会議場は、昭和51年に整備された「神戸コンベンションコンプレックス」という大きな箱モノの一つ。国際交流会館の中核施設でもあり、6ヶ国対応の同時通訳設備を完備した692名収容のメインホールがあるようです。
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時を告げるモニュメントは、手前の市民広場の入口。
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バックには、こんな空中回廊が巡っているのですが、それよりも高い大きなものなのです。ただ、この辺りは建物がどれも巨大なものばかりなので、それでも目立ってはいないかも。正時に鐘がなるようです。
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今度は田崎真珠ギャラリーへ。田崎真珠の本社ビル1Fです。朝礼をやっていて、終わるのを待って入りました。白いパールのほか、ピンクやゴールドのパールもたくさんあって、真珠は葬式に着けるだけのものじゃない。カジュアルなパールもたくさんあることが分かりました。
ちなみに、田崎は長崎の九十九島で真珠養殖をしているのだそう。三重県だとばっかり思っていたのですが、話によると今では三重の養殖は衰退しているのではないかとのことでした。 -
では、再びポートライナーで、北側に移動します。ちなみに、ポートライナーは空港から三宮までは330円なんですが、初乗りは250円。今回は「スルッと関西」のフリーチケットだったので問題にはならなかったのですが、そうでなければ料金の高さを感じざるを得なかったかもしれませんね。
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ポートアイランドは、神戸港内にある六甲山地の土で埋め立てらてた人工島。三宮から神戸空港まではポートライナーのほか、このような立派な道路でも結ばれています神戸と結ぶ神戸大橋を行き来する車もすごく多くて、活気にあふれていました。
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ところで、ポートアイランドには、駅名にもなっている中公園・南公園・市民広場のほか、北公園もあります。北公園は、ポートアイランドの北端にあって、異人館もあったり、一番観光スポットらしい公園です。しかし、中公園を通って行く道はけっこう遠いし、かなり分かりにくい。適当に歩くと行けると思っても高速道路のような大きな道路があって、途中から進め亡くなったり。実は、けっこう迷った挙句にやっと北公園にたどり着きました。
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これがその神戸大橋。神戸とポートアイランドを結ぶ赤い橋です。長さは319m。日本初のダブルデッキアーチ型で、1階がポートアイランド方面、2階が三宮方面への一方通行になっています。ポートアイランドの北公園から眺めた景色ですが、ここからみるのが一番迫力があるのではないかと思います。
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北公園にある初代オランダ領事アルベルトボードワン像。神戸大橋を正面に望む海岸です。
ボードワンは、オランダ貿易会社の日本代表として長崎に駐在していましたが、神戸港の開港により、神戸領事館の初代領事としてこの地にやって来ました。平成22年に除幕式が行われています。 -
隣りに建つのは、みなと異人館。明治39年に、アメリカ人貿易商ヘイガーの自邸として北野に建設され、戦後は、日本郵船の船員寮となっていました。現在は、シスメックスのゲストハウスとなっています。
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これも、公園内にある神戸港港湾殉職者顕彰碑。神戸港で就労中に亡くなった労働者を顕彰しようと造られた慰霊碑です。始めは神戸水上警察署の辺りにあったようですが、警察署の建設に伴い、現在地に移転してきたようです。
重い袋を肩に担いでいる人など、港湾労働の当時を彷彿とさせるようなモニュメントです。 -
再び、ポートライナーで移動して、今度はUCCコーヒー博物館へ。ここは、UCCの企業博物館です。
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エチオピアで発見されたコーヒーがアラビア半島からトルコのオスマン帝国に伝わり、イスラム世界で愛飲されていたものが、後にヨーロッパそして全世界に伝わっていく。その壮大な歴史の解説をヤギが食べて興奮したところからコーヒーを発見するといった伝説も交えながら紹介していました。
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けっこう内容があると思います。
これで、ポートアイランドはおしまい。三宮に出ましょう。 -
三宮に到着です。ちょっと、辺りをぶらぶら。
さんちかの中に、さんちかホールというのがあって、どんなところなのか気になっていたのですが、行ってみると小さなスペース。周囲の売り場から一段低くなっている場所で、こじんまりとまとまっているといえば、まとまっている。この日は、北海道の物産展をやっていました。 -
阪急で、元町に移動します。
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昼飯はハナワグリル。ここは、昭和6年創業。著名人にも愛されたという神戸の老舗洋食レストランです。
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いただいたのは、日替わりランチ。
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スズキのグリルは、表面がパリパリのいい焼き加減。酸味のあるソースが何でしょうか。抜群のうまさで、ちょっと衝撃的かも。
ただ、この店の看板メニューはシチューやデミグラスソースを使った肉料理。やはりそちらを食べないとこの店の真価は分からなかったかもしれません。 -
三宮センター街は、元町駅から三宮駅まで続くアーケードの商店街。専門店などが多いのであまり用事はなかったのですが、今回は明石焼きの「たちばな」に行くついでに歩いてみました。天井も高いし、神戸を代表する商店街なので、この辺りは兵庫県下で最も地価が高い地域になるそうです。
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こちらの烏三は、三宮センター街の元町側入り口の向かい。大きなかりんとう饅頭の看板が目立っています。かりんとう饅頭は、関東の饅頭だと思っていましたが、こちらのかりんとう饅頭も表面がカリカリで、油の香りと餡子のマッチングがとってもいい。しっかりした出来栄えです。
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元町穴門商店街は、JR元町駅から元町通商店街をへ結ぶ商店街。昔は芝居小屋や寄席、料理屋が軒を並べていた歴史ある商店街のようですが、今は、えっ、なにこれという感じかも。餃子専門店の赤萬がありますが、これはねちょっとした餃子がすごくうまいんですよね。
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ここからは、少し歩きます。
やってきたのは花隈公園。これは、花隈城跡です。 -
がっちりした石垣を登ったところに城跡の表示がありました。
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ちなみに、花隈城は、織田信長が荒木村重に命じて築かせたとも言われますが、はっきりしているのは、信長に反旗を翻村重が最後の戦いをした城であること。池田恒興などに攻められて落城しますが、村重は毛利氏に亡命し、命を長らえることになりました。
NHKの黒田官兵衛でも、ちょうど放映されたばかりです。 -
神戸元町商店街は、元町駅すぐの大丸側に入口があります。元町1番街から始まって、中華街を脇に見て、神戸駅の方向に元町6丁目まで、東西1.2kmの長さです。明治初期の開港の頃からという老舗もあって、そうしたお店を探しながら歩くのも楽しい。今回は、一気に通して歩いてみましょう。
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ベーカリーショップ LONDONは、商店街の中ほど。
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看板商品の一つ、コロネをいただきました。しっとりしたパン生地はまあ普通としても、このクリームはバターと生クリームが合わさった濃厚な味わい。なかなかここまでのクリームはない。めっちゃうまいです。
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神戸元町商店街の途中の四丁目の交差点、角にある女神の像。アーケードを飾るモニュメントなのでしょうが、風景に潤いを加えています。女神の像は、今ではあちこちで見かけるので特段珍しいものではないのですが、歴史のある商店街であることを考えると、これも当時はさきがけのものだったのかもしれません。
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伊藤傘店は、商店街の中ほど。看板は「イトオ洋傘店」となっていて、ちょっと気になりましたが、店先から店内までたくさんの傘が山と積まれていて、ちょうど折りたたみ傘が欲しいと思っていたところだったので、ここで買うことにしました。今の時代、ちゃんとした傘屋さんがなかなかないんですよね。軽くて丈夫な傘というニーズに苦笑いしながら選んでいただきましたが、お蔭さまで、とても快適に使っております。
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神戸元町映画館は、商店街の中にひょっこりある小さな映画館。映画館は、だんだん淘汰されている時代だと思いますが、ここは平成22年に開設されたよう。名前も知らないような、いわゆる名作を上演しているのでしょうが、こうした映画を見る層が神戸にいて、マーケットがあるということが街の文化度の証のような気がします。
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こうべまちづくり会館の地下に、ギャラリーがありました。ちょっと覗いて見たら、新進気鋭の若手の作品の展示など。ほどよいスペースに、街歩きの途中に立ち寄った風の人たちがけっこう入っていて、賑わっていました。なかなか、こんな、言っては失礼ですが無名の作家の展覧会でこれだけ人が集まることは少ないと思います。神戸の一面を見たような気がしました。
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お助けオバサンは、こうべまちづくり会館の真向かい。木曜日は定休日のようで、閉まっていましたが、表通りに面したお店の前には、堂々と小泉元首相も鑑定したといった宣伝文句も書かれていて、とっても明るい感じ。奥まったところで、秘密のベールに包まれた占いのイメージとはちょっと違って、ちゃんと商店街のアクセントになっているような気がしました。
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西国街道モニュメントは、こうべまちづくり会館の前。神戸元町商店街はこの西国街道が商店街になっていると説明されています。長崎街道が商店街になっている飯塚とか、広島の本通りも西国街道ですね。とか、まあ他にも例はありますけど。。
ただ、西国街道は、いかにも雰囲気がある名前ですが、いろんな呼び名があるよう。山陽道、西国路、中国街道、中国路、山陽路など。微妙に区間が違うにしても、大ざっぱに言えば京都から下関を結ぶ街道です。
ということで、商店街はいったん切り上げます。 -
次に向かったのは戦没した船と海員の資料館。
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ここは、太平洋戦争で沈没した船や犠牲となった乗組員の史実を記録した資料館。船は軍に徴用された民間の船。小さな船まで入れると1万隻くらい。乗組員は6万人ということでしたが、沈没した海域は、南太平洋から千島列島など広大な範囲。沈没した船の写真が年代ごとに壁一面に貼られていて、胸が痛みました。
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乗組員以外の乗船者も考えれば、むしろその方がずっと多いわけで、気の遠くなるような犠牲者の数だと思います。ご冥福を祈りたいと思います。
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非核神戸方式の碑は、華僑歴史博物館の前。ブロンズ像―母なる海から平和のメッセージを聞く少女の像―は、神戸港に入港する外国軍艦に非核証明書提出を義務づけ、提出しなければ入港させないという非核神戸方式を記念するもの。実際に、以降、米軍艦は一隻も入港していないそうです。
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神戸港平和の碑も、隣りです。碑は、戦時下に行われた、朝鮮人、中国人、連合軍捕虜の強制連行を記憶にとどめ、平和の誓いを行うもの。残されている名簿だけでも5300人の連行があったそうです。それにしても、平和を語る場合、平和はこうであるということではうまく伝わらない。こうした悲惨な過去をもってしか説明できないということが人間の業のような気もするのですが、いかがでしょうか。
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そして、神戸華僑歴史博物館に入ってみます。
神戸の歴史を華僑の視点で紹介しているというのですが、どうでしょう。 -
神戸開港は、朝廷の猛反対があって、開港したのは日米和親条約の5年後の明治元年。当時の中国も開港という名のもとに欧米の列強に侵略されつつあった時代。それでもというかそれだからというか、買弁など貿易の実務に一日の長のあった華僑の活躍の場は神戸には何かとあったようです。
考えてみれば、当たり前のようなことですが、解説されてみると初めて気が付く。なかなかいい展示です。 -
ところで、植民地同様になった中国と列強の仲間入りをした日本。二つの国の運命は大きく分かれたのですが、華僑の皆さんの目にはどういう具合に映ったのか、複雑な思いがあったのではないかと思います。
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ほか、マッチの製造なども華僑がやっていたそう。これもなにげに面白いと思いました。
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さらに進んだ国道2号海岸線プロムナードは、みなと元町駅南側ポートセンター街園からNTTドコモ神戸ビルまでの国道2号線沿い。歩道には、いくつかの彫刻作品が飾られていて、バタ臭い神戸の雰囲気を醸し出しています。写真は、「反射」という作品です。
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メリケン波止場の碑は、メリケン波止場の入口交差点にあります。表には「神戸税関 万国波止場」と書いてあって、これがメリケン波止場の碑かどうかはじめ分かりませんでしたが、横に回ってみるとメリケン波止場の文字があって、やっとそれと分かりました。ただ、形からして、碑ではなくて門の跡だと思うんですが。。
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乙仲通りは、海岸通りの一つ山側。並行して延びる通りです。何の変哲もないし、何が乙仲通りなのかなあと思ったのですが、歩くと、ちらほらとおしゃれな雑貨店がありました。そういう通りなんですね。
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モンプリュという超人気の洋菓子屋さんもあって、こちらには寄ってみました。
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こちらは、ネットの評判がとってもいいんですよね。平日の午後だったのですが、それでも店内は満席で、待っている人が何人か。
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私は、シュークリームをいただきました。木の実が散らされた表面とか、手の込んだ感じ。クリームは、カスタードと生クリームの二種類のクリームが二層になっていて、食べる時の変化を付けていました。
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この辺りの手の掛け方が人気の背景だと思いますが、敢えて言えば、二層のクリームは、ベストミックスでこれこその味を追求しているシュークリームと比べるとちょっと逃げの姿勢にも感じられるような。好みもあると思いますが、いかがでしょうか。
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元町通りに帰ってきて、こちらは元祖豚饅頭 老祥紀です。中華街に老祥記という人気店があるので、皆さん間違えていらっしゃいますが、記と紀の違いがあります。ルーツは同じだと思いますが、こちらは閑散としていて、人気の差は歴然でしょう。
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でも、自分でその差を確認したいと思って、一皿いただきました。皮はもっちりしていていうことなし。一方の?は下の方に少々。これでは、肉汁がじゅわっといった味わいにはなりませんね。そして、これをソースにからしをつけていただくのが伝統的な食べ方だそう。それもちょっと違和感があるような。たぶん、一般に期待されているところからするとイマイチの豚饅頭になるんでしょう。
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しかし、もう一度考えるに、皮を主体に食べる。?はその添え物と考えれば、これもあり。肉汁がしたたるようなのがうまいと考えるのは、一面的かもしれません。
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長崎屋本店は、神戸元町通り商店街にある長崎カステラのお店。神戸と長崎カステラの組み合わせには、ちょっと違和感もありましたが、まあ長崎カステラは全国区だし、商店街はかつての西国街道。長崎からの文物もここを通っていたはずです。
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カステラの方は、至ってオーソドックス。きめの細かさが印象的です。
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走水神社は、元町通5丁目。旧走水村の氏神で、1100年以上の歴史。菅原道真を祭神とし、狛犬ではなく狛牛が祀られているとのことですが、ちょっと気が付きませんでした。なお、走水村は、雨が降るたびに被害にあってきた流域のようです。
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なお、社殿の脇にはなんともぶっとい筆塚がありました。筆塚とか包丁塚とかいろんな塚がありますが、使い終わった道具に対する感謝の気持ちを表すものだと思います。
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吾妻屋は、煎餅屋さん。ガラスケースにお米のおせんべいが何種類も並んでいて、懐かしい風景です。
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「草加せんべいを向こうから取り寄せてます」と強調してましたが、私は関東から来ているのでそんなことを言われてもなあと苦笑い。ただ、当然、大半はここで作ったものなので、問題はないでしょう。海苔を巻いた煎餅をいただきました。
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亀井堂総本店は、明治6年創業の瓦せんべいの老舗。買って帰ると瓦せんべいの説明書が付いていて、小麦だけだった材料に卵や砂糖、蜂蜜を入れたこと自体が画期的だったと書かれていました。また、その材料は、カステラと同じ。焼き方の違いだけで瓦せんべいになるというのも面白いと思いました。
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なお、瓦せんべいの甘さはちょっと控えめ。上質な素材の味で勝負といった味わいです。
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神戸元町商店街の西側、6丁目アーケードに、ロドニー号というモニュメントが天井からぶら下がっています。神戸港が開港した際、入港した英国の船。神戸海洋博物館を入ってすぐに、見上げるほど大きな船の模型がありますが、それもロドニー号です。
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元町ちから餅は、いくつか店舗があるようですが、ここは元町商店街のお店。食堂と兼ねた店舗です。
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いただいたのは、草餅。ヨモギの淡い緑がきれいです。餅という店名だけにもっともっちりしたを想像していたのですが、むしろ柔らかさが前面に出ていまして、最後は中の餡子と溶けるような具合。自然体に作るとこの溶けるような感じになるんですが、それが分かっていないと、特に関東では物足りなく思う人もいるかもしれません。
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美術刀剣聖鵬堂は、美術刀剣専門店。「刀剣・武具等売買の節はご相談下さい。」と書いてあって、店内には切れ味鋭そうな日本刀が何本も並んでいました。なんか物騒な感じもしないではないのですが、美術品として愛好家はそれなりに多いんでしょう。奥にご主人が座っていて、少し話を聞いてみてもよかったかもしれません。
さて、商店街は、これでおしまいです。 -
兵庫県里程元標は、元町通商店街6丁目西口を出たところ。元町通商店街自体が西国街道だった通りなので、場所的にはおかしくないでしょう。
ちなみに、この元標は、明治42年に同じ西国街道にある相生橋の西詰に建てられたもの。その後、湊川神社の正門東側に移され、今はこの場所に移されました。元町商店街のアーケードの西口を出て、ファミリアホールを横目で見て、ハーバーランドに向かう道がハーバーロードです。平日の午後で天気も悪かったせいか、人影はまばら。休日になると賑わうのかもしれませんが、ちょっとさみしい印象になりました。 -
ファミリアホールは、さらに進んでハーバーロードに出た辺り。この建物は、旧三菱銀行神戸支店で、遠目からでも豪華な意匠でそれと分かりました。辰野金吾とともにジョサイア・コンドルに学んだ日本人建築家、曽禰達蔵の設計で、明治33年の完成。2、3階外壁のペアのコリント式オーダー、切り石積みの1階などのデザインはルネサンス様式の意匠です。
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途中の元町高架通商店街は、JR元町駅と神戸駅間の高架下に続く商店街で、単に「高架下」とも呼ばれます。かなり細い通路のような商店街で、ビアザ神戸も細いと思っていたのですが、それより細い。おまけに昼間でも閉まっている店がそこそこあって、心配な商店街です。
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エトワール・ドゥ・神戸は、地元密着のケーキ屋さん。この日は、ふわふわ卵ロールが割引セールだったので、これをいただきました。
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ところがこれがめちゃめちゃおいしい。名前が安直なのに、このクリームの芳醇な深い味わいは何でしょうか。カステラ地も卵の香りがして、本当にふわふわです。私はこれを食べて、あまりのおいしさにちょっと興奮してしまいました。すごいです。
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本願寺神戸別院は、西本願寺直属の別院。「モダン寺」の愛称のとおり、建物はインド様式を取り入れた斬新な建築様式。5つの尖塔とステンドグラスの組み合わせは、どこからこんな発想が出てくるんでしょう。本願寺築地別院もインド様式なのですが、こちらのデザインはまた別の印象。それぞれの個性を感じます。
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風月堂は、東京でもあちこちに暖簾分けしたお店があるのですが、この元町商店街にある神戸風月堂は、この辺りの本店になるんだそうです。ゴーフルは馴染のお菓子ですが、こんなに大きなお店だったんですね。そう思ったら、隣りも、その隣も風月堂。洋菓子、ちょっと高級洋菓子、和菓子に茶寮まで。これは、まるで風月堂村。小樽のルタオのようなことになっていました。
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本高砂屋は、神戸元町商店街。神戸風月堂の並びです。
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看板商品はきんつば。職人さんが店頭で一生懸命焼いていました。
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ここのきんつばは、きんつばを包んだ小麦の皮がとっても分厚くて、もっちりと柔らか。この皮のうまさを強調していて、一風変わっています。こんなのがあったんだなあとちょっと新鮮な味わいでした。
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いつの間にかまた商店街を歩いてしまいましたが、では、これで須磨に移動します。月見山駅で下車して、バラの道を進みます。
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到着したのは、神戸市立須磨離宮公園。バラの道を歩いて15分くらいでした。
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丘陵に整備された西洋式の庭園です。
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名前のとおり、元は武庫離宮(須磨離宮)。現在の天皇の御成婚記念で、神戸市に払い下げられました。
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階段の下からまっすぐ伸びる池には噴水。周囲にはバラの植え込み。規模はかなり違いますが、ベルサイユ宮殿の庭の雰囲気を思い出しました。
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しかし、天気も悪いし、
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日も暗くなってきたような。。
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須磨寺が気になるので、もう帰りましょう。
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出たところの地図で、須磨寺の位置を確認します。
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須磨寺公園は、その名のとおり、須磨寺に隣接した公園ですが、裏山として「おらが山」も控えていて、けっこうな規模。浮御堂のある堂谷池を中心に、周囲にはきちんとした遊歩道が整備されているし、桜の季節には開放感のある広場は絶好の花見スポットとなっています。
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で、公園を奥に進むと須磨寺です。ここは平敦盛の首塚があったり、源平ゆかりの寺なんです。
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境内に入ると、いきなり熊谷直実と平敦盛が騎乗した出会いの場面の像。
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イチオシ
熊谷直実が平敦盛を討ったのは、一の谷の戦い。現在の須磨浦公園の辺りです。
義経の奇襲作戦は、一躍、天才武将としての名前を高めるのですが、華々しい勝利の裏には悲劇もたくさん生まれます。
平敦盛が平家一門として参戦したのは、まだ17歳。源氏側の奇襲を受け、騎馬で海上の船に逃げようとした敦盛に対し、熊谷直実は「敵に後ろを見せるのは卑怯でありましょう、お戻りなされ」と呼び止めます。 -
敦盛が取って返すと、直実は敦盛を馬から組み落とし、首を斬ろうと刀をあげますが、そこには我が子と同じ年頃の若者の顔。
思わず、直実は敦盛を助けようと名を尋ねるのですが、敦盛は「お前のためには良い敵だ、名乗らずとも首を取って人に尋ねよ。すみやかに首を取れ」と答え、直実は涙ながらに敦盛の首を切ったと伝えられます。 -
直実は、その後、出家の道を選び、法然の弟子となって、新たなドラマが始まるのですが。。
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宝物館があって、平敦盛遺愛の「青葉の笛」に、
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人形浄瑠璃の人形たち。
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イチオシ
平家物語の名場面として、
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何度も上演されたものでしょう。
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こちらの入口を入ると、
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イチオシ
一の谷の合戦をはじめとする源平合戦の名場面を
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石の人形で表したジオラマがありまして、いいじゃありませんか。
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青葉の笛と敦盛に
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これは壇ノ浦の戦いですね。安徳天皇と入水しようとする二位尼(にいのあま)。二位尼は、平清盛の正妻で、安徳天皇の母、建礼門の母。安徳天皇の祖母にあたります。三種の神器もこの時、海に沈むことになりました。義経痛恨の事態です。
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祇王、祇女の場面。仏御前はまだいませんね。
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イチオシ
これは、寂光院で出家した建礼門院ですね。
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そして、義経も頼朝に追われ、一転、悲劇の道を辿ります。世は無常の平家物語は、どこまでもあわれを誘う涙の物語です。
いやー、予想外に心に迫りました。それにしても、熊谷直実と平敦盛は平家物語の中で知られていなくはないですが、むしろ、ハイライトは屋島や壇ノ浦のように思いますし、熊谷直実についてもその後の方にスポットがあたっているように思っていました。いずれにしてもここまで扱われると、ちょっと新鮮な気持ちになりました。 -
ただ、忠臣蔵に
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その他、
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芭蕉や
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六歌仙など。これは調子に乗って、いいとこどり。やり過ぎだと思いますけどねえ。。
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では、そろそろ帰りましょう。
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須磨寺からの帰り道に、盛神堂の敦盛団子というのが目に止まり、思わず寄ってしまいました。
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須磨寺では、熊谷直実と平敦盛のドラマチックな物語を見て、すっかりその気分になっていて、敦盛とくれば寄らないわけにはいかない気分になっています。
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串に刺した三色のだんごはいわゆる花見団子なんですが、特徴は、赤いのがニッケのだんごだということ。緑は抹茶で、白は何もないだんご。赤がけっこう強烈で、白、緑との組み合わせで変化を楽しむような感じです。
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晩飯も食べてないので、ここは寿し竹ですか。
「卯の花寿司」というのが名物のようですが、 -
私は、持ち帰りでばら寿しをいただきました。見た目も鮮やかな寿司ネタがてんこ盛り。丁寧に仕上げられた感じも伝わってきて、出来上がりを楽しく待ちました。お店の雰囲気もなかなかよかったので、時間があれば中でいただきたかったですね。ちょっと残念でした。
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あれれ、大師餅本舗も良さげな和菓子屋さんですね。
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さっき、同じ通りの盛神堂で敦盛団子を食べたばかりだったのですが、ここにも敦盛団子ですか。聞けば、敦盛団子は、盛神堂とここの二軒だけが作っているんだとか。それなら、せっかくなので、食べ比べしてみますかということで、一本いただきました。敦盛団子は、赤いニッケのだんごが特徴です。ニッケの香りがけっこうきついのですが、それを一番最初に食べるようにしてあるのが、こちら。盛神堂は真ん中に仕込んであります。はじめに食べさせて、後でクールダウンさせるこちらの方が、ニッケはきつくしてあるような気がしました。それぞれの考え方の違いですねえ。確かに、どちらもありでしょう。
今夜の宿は、いつもの京都。まだ、旅は始まったばかりです。
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