2014/03/22 - 2014/03/22
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ミズ旅撮る人さん
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岩手県から宮城県に入り、気仙沼を通過。南三陸町に来ました。JR気仙沼線の仮復旧の姿であるBRTとともに辿る道です。この辺りの震災の被害は、とても想像の付かない広範囲に残酷な仕打ちを残し、今も人が元の生活をすることを拒んでいます。「どこから手を付ければ良いのかわからない」そんな呆然とした気持ちを、なんとか奮い立たせながら、現在、町を再建するべく工事が続けられています。ほとんどが更地の、そうした土地の中に、ふいに現れる生々しい半壊した建物。南三陸町の防災対策庁舎。ズキンと胸に響く重い鈍痛。この建物は・・・その名前の使命を果たせなかった。
少し内陸にある「南三陸さんさん商店街」。ここで、多少の買い物をすることに、どれほどの力があるというのか。わずかでも支援の真似事をしたい。そんな甘い感傷を、あの建物は物言わぬ存在感で吹き飛ばしてしまった。私はただ、うなだれるしかなかった。無力感。それしかない。自分に出来ることが如何に少ないか。でも、最大限、努力するしかない。だから、ここに震災レポートとして、掲載します。現地に行かれない人達に、伝えるために。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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BRTの「歌津」駅と思われます。
停留所の頭上にかつての線路があります。右上が本来の駅のホームのようです。
海岸線沿いにあった歌津大橋も落下しました。 -
清水浜の鉄橋も落ちたままです。この辺りは、BRTの専用道路の整備も完了していないようです。
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清水浜の駅と思われます。気仙沼線は、本当にトンネルの多い路線で、トンネルとトンネルの間に駅があって、そこだけ列車が顔を出し、ホームが終わるとまたトンネル。そんな駅が続きます。
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志津川に近づくにつれ、BRTの路線の整備が整って来ました。真新しい白いガードレールと緑の橋が、やけに目立ちます。
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志津川の町です。いや、かつての町です。この建物だけが残ったようです。
暮れていこうとする夕方の光に照らされて、今日の日を終えようとしています。
海岸沿いの汐見町にある松原公園には、C5816のSLが展示されていました。
しかし、今、その姿はありません。一面、新しく運ばれて来た土砂の山です。
津波に飲み込まれて、どうなってしまったのでしょうか。 -
瓦礫も無い、広い更地に、ふと目に付いた鉄骨の塊。あれは・・・
よく見ると、そばには数台の車が停まり、人が歩いています。
あれは、ひょっとして・・・ -
防災対策庁舎。ここにあったんだ。もう見慣れてしまった何も無い更地の光景。
その中に、ぽつんと建っている3階建ての鉄筋だけの建物。土台の上に8本の柱と床と屋上だけ。それに、外階段がかろうじて付いています。建物の前には献花台が設けられ、花束が供えられています。あの、たくさんの千羽鶴は何を祈って飾られたんだろう。
道路と建物の間は随分と離れていて、そこに皆、車を停めています。もともと駐車場があったのかもしれません。
昨夜降った雨のためか、大きな水溜りが建物と訪問者を隔てていました。 -
壁という壁がなくなり、鉄筋だけの存在となり、「無残」の代名詞となった庁舎。
今回の旅で買った「3・11東日本大震災 巨震 激流」という三陸新報社の写真集には、震災直後の防災対策庁舎の写真が掲載されていました。
そこには室内に張り巡らされていた配線コードや屋上の柵などが残っており、元々あるはずのない木材や、海に浮かんでいたはずのブイなどが建物に絡み付いていました。
外階段は、その破壊された様子で、津波の高さと威力がわかります。3階から屋上へ向かう階段は、ほぼ完全な形で残っているのに、2階から3階への階段は、手すりが大きく曲がり、扉もなくなっています。更に、1階から2階への階段は、手すりがほぼ真横に押しつぶされ、激しい圧力が掛かったことを表しています。 -
基礎だけしか無くなった建物への階段。この先には、どんな建物があり、どんな人々がいたのでしょう。
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夕暮れの中、今日最後の光に包まれて、防災対策庁舎が聞いて来ます。
「何をしに来たんだね?」
それに答えることは、できませんでした。今、こうしてカメラを向けている自分。
「許してください。私にはこれしか、できないんです。」
私にできることは、ただ、こうして伝えることだけ。3年の間に、すっかり自分の日常生活に埋没して、忘れてしまっている多くの人に。ここはまだ、時間が止まったままなんだと。 -
ファミリーマートです。南三陸のファミマは、まだバラック小屋のような建物のままです。つい最近まで雪が降っていました。寒かったでしょう。いや、まだ気温は氷点下にならない程度です。オーナーさんのご苦労は如何ほどでしょう。
車で走っている最中の見苦しい写真ですが、ご覧ください。
防災対策庁舎から、「さんさん商店街」に向かう道沿いにあります。 -
南三陸さんさん商店街です。プレハブの店の集合体ですが、三陸にある復興商店街の中で一番規模が大きく、訪れる人も多いと思います。
商店街の中に、カメラを持っていくことはできませんでした。防災対策庁舎に鼻で笑われそうで。私には、「被災者の方々」にカメラを向けることはできなかったのです。 -
さんさん商店街の駐車場の外れにあるモアイ像です。モアイの説明については、看板を読めなかったので、不明ですが、国道45号線を南下して、国道398号線と分かれた辺りの戸倉海岸にモアイ像があったようです。なにか関係があるのでしょうか。
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さんさん商店街の隣に、何かの建物があり、そこの駐車場には、こうした切り絵の看板がたくさん立てられていました。
このおかみさんの表情、切り絵とは思えません。 -
「宝物は女房です」
よく言った!日本一の幸せ者! -
BRTの志津川の停留所。気仙沼から続くこの路線は、あと3駅で終点の柳津です。その先は、石巻まであとちょっとです。
今夜の宿は、石巻です。
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