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二尊院から向かったのは常寂光土の地、常寂光寺です。<br /><br />慶長元年(1596)に日蓮宗大本山、本圀寺十六世・究竟院日禎(にっしん)上人によって終の棲家として開いたお寺です。<br /><br />本尊は十界大曼荼羅を祀り、山号は「小倉山」を号します。<br />初期の境内伽藍は小早川秀秋の助力によって構成されていきました。<br /><br />常寂光寺の名の由来は「常寂光土」から来ています。<br />常寂光土とは仏様のおられる場所を表すものです。<br />消滅変化がなく、煩悩や心の乱れや苦悩もない。<br />仏様の慈悲が光のように行き渡っている場所のことです。<br /><br />特に4月〜5月の常寂光寺が常寂光土を表すと言われ、永遠に壊れることのない光に満ちた浄土の世界。<br />いわば仏教の理想郷、これを現世に表しているのが常寂光寺なのです。<br /><br /><br />今でこそ紅葉のスポットとして有名な常寂光寺ですが、昔の都人は新緑のモミジこそ美しいと言い「青もみじ」の呼び名の発祥地として愛されてきたお寺です。<br />

よっしゃ、京都へ行くどす(ぇ)!2012。 常寂光寺。

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2012/10/16 - 2012/10/16

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フロッガー

フロッガーさん

二尊院から向かったのは常寂光土の地、常寂光寺です。

慶長元年(1596)に日蓮宗大本山、本圀寺十六世・究竟院日禎(にっしん)上人によって終の棲家として開いたお寺です。

本尊は十界大曼荼羅を祀り、山号は「小倉山」を号します。
初期の境内伽藍は小早川秀秋の助力によって構成されていきました。

常寂光寺の名の由来は「常寂光土」から来ています。
常寂光土とは仏様のおられる場所を表すものです。
消滅変化がなく、煩悩や心の乱れや苦悩もない。
仏様の慈悲が光のように行き渡っている場所のことです。

特に4月〜5月の常寂光寺が常寂光土を表すと言われ、永遠に壊れることのない光に満ちた浄土の世界。
いわば仏教の理想郷、これを現世に表しているのが常寂光寺なのです。


今でこそ紅葉のスポットとして有名な常寂光寺ですが、昔の都人は新緑のモミジこそ美しいと言い「青もみじ」の呼び名の発祥地として愛されてきたお寺です。

同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス 徒歩

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  • 二尊院から歩いてきますと、こちらの看板の路地にでます。<br />右に曲がれば常寂光寺。<br /><br />※歩いてきたのは写真では右の道、左へ行くと常寂光寺です。

    二尊院から歩いてきますと、こちらの看板の路地にでます。
    右に曲がれば常寂光寺。

    ※歩いてきたのは写真では右の道、左へ行くと常寂光寺です。

  • 常寂光寺、山門。<br /><br />山門は角材を格子に組んで造られていて、江戸後期に作り変えられたものです。<br />江戸時代中期には薬医門も存在したそうです。

    常寂光寺、山門。

    山門は角材を格子に組んで造られていて、江戸後期に作り変えられたものです。
    江戸時代中期には薬医門も存在したそうです。

  • それでは境内へ。

    それでは境内へ。

  • 仁王門。<br /><br />仁王門は元々は本圀寺客殿の南門として建立されたものです。<br />元和二年(1616)にこの地へ移され、仁王門とされました。<br /><br />これは開祖となる日禎上人が本圀寺の住職で、隠棲地としてこの地を選んだ(角倉了以の岳父・栄可より小倉山のこの地を寄進された)ことによります。

    仁王門。

    仁王門は元々は本圀寺客殿の南門として建立されたものです。
    元和二年(1616)にこの地へ移され、仁王門とされました。

    これは開祖となる日禎上人が本圀寺の住職で、隠棲地としてこの地を選んだ(角倉了以の岳父・栄可より小倉山のこの地を寄進された)ことによります。

  • 仁王門から本堂までは石段が続きます。

    仁王門から本堂までは石段が続きます。

  • 仁王様は運慶の作と云われます。<br />福井県小浜市の長源寺から移されたとされます。

    仁王様は運慶の作と云われます。
    福井県小浜市の長源寺から移されたとされます。

  • 裏から。

    裏から。

  • 本堂。<br /><br />この本堂は、伏見城の建物の一部を常寂光寺二代住職・通明院日韶(にっしょう)が修復や改造を施して移築されたものとされます。

    本堂。

    この本堂は、伏見城の建物の一部を常寂光寺二代住職・通明院日韶(にっしょう)が修復や改造を施して移築されたものとされます。

  • 本堂には釈迦如来様を安置します。

    本堂には釈迦如来様を安置します。

  • 本堂裏手は庭園です。

    本堂裏手は庭園です。

  • 妙見堂。<br /><br />妙見大菩薩を祀るお堂です。<br />能勢妙見の分体という菩薩様になります。<br />

    妙見堂。

    妙見大菩薩を祀るお堂です。
    能勢妙見の分体という菩薩様になります。

  • 妙見堂の横から多宝塔、時雨亭跡に続く参道になります。

    妙見堂の横から多宝塔、時雨亭跡に続く参道になります。

  • 多宝塔。<br /><br />多宝塔は元和六年(1620)の建立、別名・並尊閣(へいそんかく)とも呼ばれます。<br />霊元天皇の勅額を掲げます。

    多宝塔。

    多宝塔は元和六年(1620)の建立、別名・並尊閣(へいそんかく)とも呼ばれます。
    霊元天皇の勅額を掲げます。

  • 鐘楼堂へ。

    鐘楼堂へ。

  • 多分、これが、キバナノホトトギス。

    多分、これが、キバナノホトトギス。

  • 鐘楼堂。<br /><br />鐘楼は常寂光寺の4代目の住職にあたる、光照院日選上人によって寛永十八年(1642)に建立されました。<br /><br />梵鐘は第二次世界大戦の金属類回収令のためになくなっています。<br />現在さげられている梵鐘は昭和四十八年(1973)に新鐘として鋳造されたものになります。

    鐘楼堂。

    鐘楼は常寂光寺の4代目の住職にあたる、光照院日選上人によって寛永十八年(1642)に建立されました。

    梵鐘は第二次世界大戦の金属類回収令のためになくなっています。
    現在さげられている梵鐘は昭和四十八年(1973)に新鐘として鋳造されたものになります。

  • 振り返っての参道。

    振り返っての参道。

  • 常寂光寺の境内は、40年ほど前まではシダが群生していたそうです。<br />現在は苔寺としても有名な常寂光寺ですが、こちらの苔は上に葉が落ちると枯れてしまうそうです。<br /><br />お寺の人によって今も手作業で掃き掃除・草抜きが行われています。<br />これをやらないとまたシダが生えて苔はだめになってしまうそう。

    常寂光寺の境内は、40年ほど前まではシダが群生していたそうです。
    現在は苔寺としても有名な常寂光寺ですが、こちらの苔は上に葉が落ちると枯れてしまうそうです。

    お寺の人によって今も手作業で掃き掃除・草抜きが行われています。
    これをやらないとまたシダが生えて苔はだめになってしまうそう。

  • 山州名跡志[正徳元年(1711)に刊行された全22巻の地誌]によれば、藤原定家の小倉山荘「時雨亭」は小倉山の麓にあったとされます。<br /><br />定家は時雨亭にて「小倉百人一首」を選別したと言われます。時雨亭の存在場所としては常寂光寺の仁王門の北側から二尊院の南付近といわれています。<br />二尊院の裏から時雨亭跡に登れますが、常寂光寺もこの裏山から時雨亭跡へ登れます。<br /><br />常寂光寺が建てられる以前、境内には室町時代から伝わる定家の神像を祀る祠があったとされます。<br /><br />常寂光寺が建てられるときに日禎上人はこの祠よりも上を境内として使うのは恐れ多くてできないと言ったそうです。<br />このため、今の仁王門の西側へ祠は移され祀られています。<br /><br /><br />

    山州名跡志[正徳元年(1711)に刊行された全22巻の地誌]によれば、藤原定家の小倉山荘「時雨亭」は小倉山の麓にあったとされます。

    定家は時雨亭にて「小倉百人一首」を選別したと言われます。時雨亭の存在場所としては常寂光寺の仁王門の北側から二尊院の南付近といわれています。
    二尊院の裏から時雨亭跡に登れますが、常寂光寺もこの裏山から時雨亭跡へ登れます。

    常寂光寺が建てられる以前、境内には室町時代から伝わる定家の神像を祀る祠があったとされます。

    常寂光寺が建てられるときに日禎上人はこの祠よりも上を境内として使うのは恐れ多くてできないと言ったそうです。
    このため、今の仁王門の西側へ祠は移され祀られています。


  • 妙見堂のあたりから。<br />見えている山は大文字山と比叡山など。<br /><br />いや〜凄い、常寂光寺。<br />光があふれるお寺でした。<br /><br />

    妙見堂のあたりから。
    見えている山は大文字山と比叡山など。

    いや〜凄い、常寂光寺。
    光があふれるお寺でした。

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