2012/04/19 - 2012/05/14
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keithforestさん
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今日は一日切符を買ってアール・ヌーヴォー建築探訪の旅(ちなみにずっとこれは「たんぽう」と読むのだとばかり思っていました)を満喫です。なにしろトラムにしろバスにしろ、どこをどう乗ったって良い訳ですから、その選択のまぁ、いい加減なこと。
重宝していた路線図がどこに行ったかわからなくなっちゃって、細かいところが思い浮かびませぬが、ブリュッセルという街がこれほど面白いとは思っていなかったことをこの際白状しておきます。
そして今日の締めくくりは、なんとロンドン・シンフォニーでございます。たまたまBOZARのサイトを見ていたらこの日にCentre for Fine Arts・Henry Le Boeuf Hallでロンドン・シンフォニーのコンサートがあることがわかって一番安い18ユーロの席を買っておいたのです。いくらクラッシクに暗い私でもこの豪華さには感動いたしました。
ところで、この写真なんですが、アール・ヌーヴォー建築巡りをしていた時に道路工事の現場で見かけたものです。古い下水道のリニューアル工事で、これを内張にするのではないかと読んだんですが、如何なものでしょう。古い下水道は煉瓦でこんな水滴型断面に作られていたと聞いたことがあるのですが、それは古すぎますかねぇ。そうでないとこの形状のパイプの意味がわからない。ご存じの方が教えてくださることを願って。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- スカンジナビア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
まずセントラル・ステーションの地下鉄の駅まで行って一日切符を買います。6ユーロ/人で、地下鉄、トラム、バスに乗り放題です。この他に24h、48h、72hの切符もあります。
細かいことはここ(http://www.stib.be/1-jour-dag.html?l=en)に出ています。
東京でもこの手の「都営・営団・JR都内乗り放題一日切符」があることはあんまり知られていないかもしれないですが、なんと1,500円もします。
ルイーズまで歩いたって良いんですけれど、何しろ一日切符を買う、ということもあるし、地下鉄に乗りたい、ということもあって、セントラルから二つ目のArts-loiで乗り換えてルイーズで上に出ました。 -
ルイーズから、トラムでFaiderまで行けばいいのです。
ルイーズを通るトラムは3路線あって、ここから引き返していく97番、北の方から遠路はるばるやってくる94番と92番があります。たまたまそこへ94番がやってきましたので、ぽんと飛び乗りました。これはルイーズ通りをまっすぐ公園まで行って、東に折れてまた南へ下っていくという路線です。
この日はやっぱり寒くて、横のおじさんなんか、手袋までしています。 -
どうせ時間はあるんだから、行くところまでいってみようと思ったのですが、途中の公園に突き当たるLegrandで終点になってしまいました。前に回ってみると、なるほど行き先表示が「Legrand」になっています。客を降ろすと空のまま先へ行ってしまいました。多分通勤時間が終わったということでしょう。
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今度は交差する7番のトラムで終点の(といっても4つ先です)Vanderkindreまでいきます。ひとつ手前の停留所がChurchillです。ここからは3番が西に向かって折り返します。
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で、ここからようやく92番でルイーズの交差点方面に戻っていくわけです。つまり、三角形の二辺を乗ってきたわけで、これから残りのいっぺんを戻っていきます。ここではまだ「ブルグマン通り」ですけれど、ワーテルロー通りを横切るとこの通りが「シャルルロワ通り」になっちゃいます。
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目的地域にやってきました。本当は次のFaiderで降りればよいのですが、ひとつ手前のJansonで降りて大正解!
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何が大正解かというと、この半分煤けたように見える建物が丸ごと文房具屋なんでござる。本当に「文房具屋」なんでござる。銀座の伊東屋みたいに文房具屋から脱却して高級雑貨店になろうとなんてしていない、文房具屋です。
ちなみに「Schleiper」で検索してごらんになるとおわかりいただけると思います。画材、彫刻材料まで含めて何もかもあります。こんなお店が東京に一軒くらいあっても良いと思うんだなぁ。
私が何を買ったか?欧州ではどこに行ってもある子ども向けの鉄ペン万年筆を二つ。ひとつはBiCのもので6ユーロ。もうひとつはLAMY「nexx」16.9ユーロ。 -
この通りはあまり目立たないのですけれど、この一角に来るとやけに洒落ています。これはKolyaというかなり評判の良いフレンチのレストランで、Manosというホテルと一緒になっています。この辺に泊まるのも洒落ています。で、このグループ、実はこれだけじゃない。
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同じ並びのちょっと北(つまりルイーズの交差点の方)にいくとこんな調理器具を飾った大きな店があります。
「Mmmmh!」というふざけた名前の店なんですが、「クッキング・ワークショップ」というのです。これもまたさっきのホテル、レストランのグループのようです。
このとき、中では中年のおじさん、おばさんが3グループくらいに分かれてそれぞれのグループが料理を競っているらしくて、指導者の方が大忙しでアドヴァイスをしていました。
あのホテルではこことタイアップした企画なんてものもやっているようです。 -
ようやくFaider通りにやってきました。今日の第一目的の建築見物の始まりです。
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Faider通り10番地。ごっついだけという感じがして、通り過ぎそうだったんです。
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よく見ると一番上の下の柱の間に、こんな絵が描かれてあります。
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入り口の扉の鉄格子の模様がそこはかとなく雰囲気を醸し出しますが、このうちは中までどのようにして使っているのでしょうねぇ。
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Faider通り20番地の扉です。唐草模様の中にはめ込んである花(?)がとても、それらしい。肝心の建物の写真を撮っていないところを見ると、建物はそれほどでもなかったということでしょうかねぇ。
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Defacqz通り48番地と隣の50番地は両方ともPaul Hankar (1859-1901) のデザインです。この48番地はチャンベルラーニ邸(1897年)としてたてられたものだそうです。
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アンカールは町並みをギャラリーにする、ということを夢見ていたといいますからとにかくファッサードの装飾に力を入れたようです。そこがヴィクトール・オルタと異なっている点のようです。
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アール・ヌーヴォーが英国のラスキンのアーツ&クラフツ運動の延長線上にあるというのはなるほどなぁと思わせます。
しかし、当時はどう捉えられていたのか知りませんが、この大変なエネルギーの注入なくしては実現できない文化という奴は、それはそれは、えらい贅沢なものではござらぬか。
出るはため息ばかりでござる。
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それにしては隣の同じアンカールのデザインだといわれる50番地は煉瓦の壁でそれなりではあるけれど、48番地ほどのファサードではないのは何事によるのでしょう。
こちらは看板が出ていて事務所に使われているようですが、48番地のチャンベルラーニ邸は今はどうなっているのでしょうね。 -
ヴィクトール・オルタが32歳の1893年にデザインして建築家としての出世作となったタッセル邸にやってきました。
アール・ヌーヴォー建築の正に先駆けでございますよ。世界遺産でございます。それまで端にあった玄関を真ん中に持ってきて階段室を明かり取りにするという発想だそうで、なるほど、これは画期的。
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今は食品関係の団体の事務所として使われているんだそうで看板が出ています。こんなところを事務所として仕事をするというのはどんな気分なものだろうかと羨ましく見上げていると、カタンと扉が開いて30代後半とおぼしき女性が出てきて、扉に鍵を掛けました。
思わず、「こちらで働いておられる気分はどうです?」とお伺いしたら、ランチに出ようとしていたその女性が「2 secondsで良かったら中を見るか、写真はだめだけれど」といって鍵を開けてくださいました。
正に写真で見る明るい階段室の向こうにはアール・ヌーヴォーそのものの鋳物の柱が美しくカーブを描く部屋、そしてその向こうに見えている緑が天国のようです。 -
タッセル邸からルイーズの通りに出てきました。
224番地の建物が目立ちます。実業家でオルタの良き理解者であったArmand Solvayの自宅であった「ソルベー邸」です。最終的に完成したのはもう20世紀に入ってからだといわれているんだそうです。
今は事業に使われようとしているように見えますが、それは玄関から中を覗うと放置されているようには思えないからです。それにしても人の気配がしませんねぇ。 -
建物の前にある掲示を見ると階段室はTheo van Rijsselbergheの絵で飾られているのだそうです。この雰囲気で実に贅沢にできていることがおわかりいただけると思います。
皆さんが足早にこの前を通り過ぎるのがもったいないような気がしますが、それが日常生活というものでございますな。 -
ふと気がつくともうとっくに昼は過ぎておりまして、この派手なトラムに気がつくと同時に腹減ったなぁと。
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ルイーズの通りから超高級ホテルの「Le Chatelain」がある通り(それもChatelainという通り)に入って行きます。もうおなかが減ってルイーズ通りの向こう側にまだまだたくさんあるアール・ヌーヴォー建築を尋ねて歩く元気が失せてきました。
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そこで見つけたのがこのイタ飯屋とおぼしき小さなレストランです。名前がわかりません。
入ってみるとお客なんだか友達なんだかわからない人が一人席に座っています。ウェイターがやってくると、彼には英語が通じない。しかもメニューもフランス語でしか書いていない。でも、何となく想像ができる。
ウェイターの彼とそのお客なんだか友達なんだかわからないふたりが一生懸命説明してくれる。そのうちに英語のわかる人がやってきた。確かめたら、理解の通りだった。こんなんでもいけるって事か。 -
まずはサラダでございますよ。なんということもないのに、これが旨かった。あ、これなら大丈夫だと。
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トマトソースのペンネにてござ候。
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ちょっと味が重なっちゃったけれど、こっちはラビオリでござる。
コーヒーも飲んだかな?
で、店の名前が「No.7」というのだよ。「なんで?」と聞いたら番地が7番地なんだって。やっぱりここの人たちもお昼ご飯は1時くらいかららしくて、私たちが出るときには一杯のお客になっていた。 -
Chatrain通り29番地でございます。
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左隣の建物ですが、これももちろんアール・ヌーヴォの影響を大きく受けているに相違ないわけですよねぇ。こんな建物が軒並みなんです。壮観ですねぇ。
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これはちょっと色合いが(しゃれじゃないです)異なっておりますが、これはこれで面白いなぁ。自分の好みじゃないですが、これはこれでありかなと。
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ちょっとメンテが必要になっているかもしれないですが、よく見ると庇の下の絵、あるいは手すりの造形なんかから想像すると、家の中を見てみたい欲求に駆られます。
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ポール・アンカールの自分の家として建てられた家です。面目躍如。それにしても左となりが邪魔な感じ。
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庇の下の絵は朝・昼・夕を表す鳥の絵に夜を表すこうもりの絵が描かれているというのがガイドブックの説明です。今、ようやくわかった。
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これはツバメですか。
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これは紫陽花なんですかねぇ。フォン・シーボルトのおかげでございますな。
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このあたりの装飾を見ると、曲線についてのこだわりというようなものはあまり強くは感じられなくて、むしろ絵画的な要素がアンカールには強く感じますね。
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こうして見あげてみると、「爛熟」というよりは未だにある程度の「逡巡」というか、「遠慮」というようなものを感じてしまいます。そこまで「大胆」になれないというような。
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それにしてもポール・アンカールのわずか42年の人生というのはいかんせん短すぎました。ヴィクトール・オルタのように86歳まで彼が生き続けていたらどんなことをやっただろうかと思ってしまいます。
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この建物も今は事務所として使われているようですよ。
誰のデザインだったかわからなくなっちゃいましたけれど、何となくポール・アンカールの匂いがしますね。 -
お待たせいたしました。ヴィクトール・オルタ邸でございますよ。ようやく中を見ることができる建物にやってきました。
rue Américaine 23-25
入場料:7ユーロ
例によって月曜日はお休みです。
一階のショップでは日本語の解説書を10ユーロで売っていますが日本語への翻訳はやや難あり。しかし、写真撮影が許されておりませんので、持ち帰るのにはこれしかありません。
http://www.hortamuseum.be/main.php?lang=en&part=musee&page=informations -
この扉の風格は「どうだ!」という雰囲気がひしひしと押し寄せて参りますな。もう階段の手すりに至るまでとことんこだわってあって、思わず「お〜、ここまで!」と唸ってしまいます。圧倒されながら、40歳そこそこでここまで丹念にデザインしてきたその粘着質には脱帽です。
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トラムに乗って、今度はバスです。なにしろ一日切符をもっているんですから。
向こうにサンカントネール公園の凱旋門が見えてきました。 -
というわけで結局また王宮前に帰って来ちゃいました。ひょっとすると毎日ここに来ていることになりそう。
そして、とうとう、王宮の礼拝堂に入ったというわけです。なんということはない、これがそうだった・・・。 -
とても小振りですけれど、なかなかさすがに品の良い礼拝堂です。
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だらだらと坂を下りまして、くたびれた、くたびれたと文句を言いながら宿に向かっております。こんなところがあったのも知らなかったなぁ・・・。もうきりがない。
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というわけで今日はBOZARでなんとロンドン・シンフォニーでございますよ。
指揮:Peter Eötvös
ヴァイオリン・ソリスト:Christian Tetzlaff
Claude Debussy, Nocturnes
Karol Szymanowski, Concerto for violin and orchestra no. 1, op. 35
Alexander Skryabin, Le poème de l'extase, op. 54
ノクターンはそれはそれは素晴らしいものでした。 -
もちろん私の席は一番安い席ですからこんなところにあります。探すのが大変。
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どこでも、こうしたホールは実に美しく造られておりますねぇ。
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最後の「スクリャービン:法悦の詩 作品54」前のインターミッション中ですが、そろそろメンバーが上がってきて、気がつくとなんとホルンが9本です!すごいなぁ。
興奮冷めやらずに外に出るとやっぱり雨です。そんな雨の中、明日の土曜日になにかイベントがあるらしくて、多くの若者がイベント仕込みに頑張っています。
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