2012/01/07 - 2012/01/07
9435位(同エリア14854件中)
TMBSさん
ブギスのホテルに荷物を置き、部屋で一服した後、フロント前で待っていたタクシーに乗り込みます。
シンガポール郊外を経て、マレーシア国境へと伸びるブキティマロードをひたすら走り、降りた場所は緑多いブキティマ地区にある「メモリー・アット・オールド・フォード・ファクトリー」。
1942年2月15日、パーシバル将軍率いるシンガポールのイギリス軍が、山下奉文将軍率いる日本軍に無条件降伏した場所であるフォード自動車の工場跡を、歴史博物館として整備した施設です。
地元の児童、生徒の社会見学でよく使われる施設でしたが、なかなか見ごたえのある展示内容でした。
日本のガイドブックにあまり紹介されていないのがもったいないぐらいです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩
- 航空会社
- シンガポール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
ホテル前から乗ったタクシーはブキティマロードを北上します。
土曜の朝のブキティマロードは渋滞もなく順調な流れ。
カーラジオから流れる「天使にラブソングを」のテーマソングに、運転手さんと2人ハミングしつつ楽しい道中です。 -
ホテルから約30分で「メモリー・アット・オールド・フォード・ファクトリー」に到着。
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運転手さんにお礼を言い、入口へ向かいます。
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このフォード自動車工場があったあたりは太平洋戦争当時「ブキティマの戦い」という名前で知られる激戦の舞台でした。
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フォード自動車工場の由緒が書かれた説明板。
この工場は戦後も長らく自動車組み立て工場として使用されていましたが、1980年に閉鎖。その後約30年間廃墟として放置されたのち、2006年2月15日から博物館として公開されています。 -
イチオシ
旧フォード自動車工場の建物。正面付近の一部分だけが博物館として活用されています。
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自動車工場時代の様子。工場の操業開始は1941年、完成後1年も経たないうちに日本軍の手に落ちたことになります。
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館内の主な展示内容…「マレー作戦」「シンガポールの戦い」「日本の東南アジア進出」「マレー人・華僑によるレジスタンス」「日本占領下の昭南島」「捕虜の生活」「インド国民軍の創設」「終戦」「慰霊碑」
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日本占領時代は食糧事情が悪く「タピオカ時代」とも呼ばれています。
米の供給が減り、タピオカのでんぷんで飢えをしのぐ人が多かったからとか。 -
入り口前には「メモリー・アット・オールド・フォード・ファクトリー」のオープンを伝える日本の新聞記事が掲げられていました。
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展示室に入ると、シンガポールの戦いに参戦した兵士の遺品の数々が出迎えてくれます。
写真は日本兵の飯盒と水筒。このほか日本軍の自転車やイギリス軍の通信機器なども展示されていました。 -
イチオシ
(左)イギリス軍指揮官パーシバル将軍(右)日本軍指揮官山下奉文将軍
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銅像の斜め後ろのガラスには、シンガポールの陥落を伝える昭和17年2月16日付の読売新聞の1面が印刷されていました。
当時はシンガポールのことを略して「シ港」、「シ市」と表記していたようです。 -
こちらは太平洋戦争当時、朝日新聞が海外取材網をPRしていた広告。
日本のアジア進出にあたり、メディアが果たした役割の大きさについて考えさせられます。 -
イチオシ
「メモリー・アット・オールド・フォード・ファクトリー」の最大の目玉、山下大将とパーシバル将軍の会見場に使われた部屋が当時の姿に復元されて保存されています。
1942年2月15日、この部屋で山下大将は「イエスかノーか」の言葉でパーシバル将軍に降伏を迫りました。 -
シンガポール陥落当日の動きを時系列で解説する説明板。
隣には、山下大将とパーシバル将軍のやりとりをまとめた説明板もありました。 -
日本の出征兵士に宛てられた幟まで展示されていました。
-
陥落後のシンガポールでは日本の軍政が始まり、街の名前も「昭南特別市」に改められました。
写真は日本占領時代に発行された。配給関係の証明書と切符。このほか、日本軍が通貨の代わりに発行した「バナナ軍票」なども展示されていました。 -
そして、戦前戦中に抗日運動に関わった勢力、特に華僑に対しては容赦ない弾圧がおこなわれました。
シンガポール陥落直後の「粛清」と呼ばれる華僑大虐殺は有名ですが、それ以降も数多くの人が反日分子とみなされて捕らえられ、処刑されました。
写真の絵画は、殺害された人の首が、当時憲兵隊が入居していたドビーゴートのキャセイビルの前に晒されている様子です。 -
日本の占領下で公共交通機関の運行も続けられました。
当時シンガポールにはトロリーバスの路線があり、「昭南市電」と呼ばれていたそうです。 -
日本当局が作成した東南アジアで得られる資源の重要性について説明したイラスト。
当時の日本当局はこのような分かりやすいイラストを使い、広く国民に戦争の正当性を説明していました。 -
捕虜になったイギリス軍の兵士には、食糧難や泰緬鉄道建設への徴用などといった苦難が待ち受けていました。
そのような中、たまに送られてくる祖国からの手紙が心の支えになっていただろうと思います。 -
イチオシ
日本占領下では、学校などの教育機関や新聞などのメディアを通し、日本語の教育が積極的に行われました。
-
1945年8月15日太平洋戦争終結により、3年半に及んだ日本のシンガポール支配は幕を閉じました。
写真は戦闘や虐殺事件で亡くなられた方の慰霊施設に関する展示で、当時敵軍だった日本人の墓地も紹介されているのが印象的でした。 -
博物館の前庭に、「SYONAN RACE」という名前のボードゲームがペイントされていました。
おそらく社会見学に来た地元の児童向けの展示かと思います。シンガポールの戦い〜日本占領下を遊んで学べるようになっています。 -
「メモリー・アット・オールド・フォード・ファクトリー」に隣接して「シンガポール国立公文書館」の建物がありました。
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太平洋戦争やシンガポールの戦いに関係する場所への距離と方角が記された標柱。
ちなみに一番上は東京の大本営、ここから北東に5309.2kmだそうです。 -
一通り見学を終え、バスで都心部に戻ることにします。
ブキティマロードではMRTダウンタウン線の工事が進んでいました。
これが開業すれば、「メモリー・アット・オールド・フォード・ファクトリー」へも都心からMRT1本でアクセスできるようになり、かなり利便性が増すことになりそうです。 -
バス停で系統番号と経由地を調べたうえで、MRT環状線に接続するバスに乗り、「メモリー・アット・オールド・フォード・ファクトリー」を後にします。
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本当はMRT環状線のボタニックガーデン駅で降りるつもりでしたが、うっかり乗り越してしまい、MRT南北線ニュートン駅近くのバス停まで連れて行かれました。
写真はニュートン駅までお世話になったバス。日本では珍しい連接車体の車です。 -
MRTダウンタウン線はこのニュートン駅で、南北線と接続する予定です。
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「メモリー・アット・オールド・フォード・ファクトリー」は、ビューティーワールド駅とヒルビュー駅の間にあたるそうです。ダウンタウン線の開業で、より多くの日本人観光客が、日本とシンガポールの間の忘れてはいけない歴史を見に来るようになる日はそう遠くないと思います。
(つづく)
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