2010/07/19 - 2010/07/19
31位(同エリア620件中)
旅猫さん
旅の三日目は、出雲崎へ向かう。出雲崎は、北国街道の宿場町であり、妻入りの家が建ち並ぶ街並みで知られ、一人旅を始めたころから気になっていた街である。訪れてみると、写真で見た宿場町の風情あふれる街並みは、かなり新しい建物に変わってしまい、もっと早くに訪れれば良かったと感じざるを得なかった。その上、あまりの暑さに、街並みを眺められる展望台まで行くことが出来なかったことも悔しかった。
(2025.08.24投稿)
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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旅の最終日は、まず、長岡駅を7時9分に出る新潟行で東三条駅へ向かい、7時39分発の弥彦線に乗り換え、吉田駅へと向かう。
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吉田駅からは越後線で出雲崎駅へと向かうのだが、40分ほど時間があるので、先に出る弥彦線の弥彦行きで時間潰しをする。米どころである越後平野を走り、5年前に訪れた弥彦駅を目指す。前に訪れた時は、桜が咲く季節であった。
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吉田駅に戻り、8時39分発の柏崎行に乗車する。そこから先は、初めて乗る区間である。田植えの終わった田園地帯を走り抜け、出雲崎駅には9時11分に着いた。出雲崎の町は、駅からバスで10分ほどの場所にある。9時20分発のバスに乗り、駅前を離れた。
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バスに揺られていると、案内放送が『良寛記念館前』と告げた。地図を確認すると、そこから歩いて街へも出られそうなので、降りることにした。バス停から少し歩くと、良寛記念館が見えてきた。冷房の効いた館内を見学した後、近くの展望台へと向かう。
良寛記念館 美術館・博物館
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人が訪れることがあまりないのか、途中はかなり草が生い茂り、少し不安になる。しかし、辿り着いた展望台からは、眼下に出雲崎の街並みと日本海が綺麗に望めた。間口が狭く奥行の長い妻入りの建物が並ぶ特徴的な街並みが、ここからでもよく分かる。
良寛と夕日の丘公園 公園・植物園
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展望台から、薄暗い道を辿って街中へと下りる。出雲崎の街には、細い路地がいくつもある。すべての路地に入ってみたかったが、一日掛かりになってしまうので諦めた。
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町並みを観ながら歩いていると、隣が更地になってしまったため、妻入り民家の特徴がよく分かる建物があった。妻入りの民家が建てられたのは、佐渡金山の唯一の陸揚げ港だったことで繁栄し、当時越後で一番人口密度が高かったため、多くの人が住めるようにしたことと、間口の広さで税が掛けられていたことが背景にあるそうだ。
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出雲崎宿のかつての中心辺りに来た。以前写真で観た妻入りの古民家が並ぶ街並みを期待していたのだが、思ったよりも新しい建物が多く、古い建物も大きく改修されている。それでも、街道筋の風情は感じられ、宿場町の面影も僅かに残る。
※現在、街並みは建て替えが進み、大きく変わっています。妻入りの街並み 名所・史跡
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その目抜き通りから海側へと出ると、そこには猟師町のような佇まいの街並みがあり、ふたつの表情を持った街だと言うことが分かった。
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その一角に、『おけさ源流之地碑』と言う石碑が建っていた。『佐渡おけさ』など、各地に伝わるおけさの源流は、ここ出雲崎なのだそうだ。源義経の家臣である佐藤嗣信、忠信兄弟が源平合戦で討死したことを知った母親が、袈裟法衣のまま歌い踊ったのが『おけさ』の始まりだそうだ。
おけさ源流の地碑 名所・史跡
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目抜き通りに戻ると、洋風の建物があった。『みよや』という割烹御宿で、登録文化財だそうだ。擬洋風建築があるとは思わなかった。一時期、この国では、やたらと洋風を好む風潮があり、その名残が各地に残る。ある意味、今でも多くの人が西洋風を好むのは変わっていない。
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街の片隅で、小ぶりな向日葵を見つけた。夏らしい景色である。そこからほど近くにあっる上杉氏所縁の出雲山多聞寺へと向かったが、あまりの暑さに、階段を登る元気が無く諦めた。
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そして、出雲崎の象徴である良寛堂までやって来た。そこは、良寛の生家である橘屋の屋敷があったそうだ。良寛堂は、まるで日本海に浮かぶように建っていた。
良寛堂 名所・史跡
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その先に、石井神社と言う社があった。大国主命所縁の社だそうだ。良寛の実家である橘屋山本家が三百年以上神事を司っているとのことである。石段脇に鎮座していたのは、住吉神社である。
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その社から少し歩くと、旅人宿大崎屋跡と書かれた説明板が立っていた。芭蕉が奥の細道の途中で逗留した大崎屋のあった場所で、有名な「荒海や佐渡によこたふ天河」は、ここで詠まれたものらしい。木造の古い町屋が建っていたのが印象的であった。
※現在、街並みが大きく変わり、写真の建物や史跡案内板はありません。芭蕉が名句を詠んだ宿 by 旅猫さん大崎屋跡 名所・史跡
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その先にあった丁字路は、かつて公卿小路と呼ばれた場所である。江戸の初め、流刑となった三人の公卿が、ここから船場へ出て、佐渡へと向かったそうである。現在、当時の面影はまったくない。
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公卿小路跡を過ぎると、板塀に囲まれた屋敷跡のような場所があった。そこには説明板があり、廻船問屋熊木屋跡とある。幕末、勤王家頼山陽の息子である頼三樹三郎が訪れたそうだ。今は、空き地となっていた。
※2025年現在、塀などが新しくなり、樹々も伐採されています。また、写真奥に見えている建物は、ゲストハウスと『北国街道妻入り会館』と言う観光施設となっています。 -
その近くには、堀部安兵衛住居跡もあった。堀部安兵衛は、各地に足跡があるが、ここもそのひとつであり、当時は浪人中だったらしい。
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ぶらりと歩いていると、ノウゼンカズラが咲く民家があった。その花の色は、夏の印象を強く感じる。
※写真の建物は、現在、大きく修繕され、樹も伐採されています。 -
良寛が出家した言う光照寺に立ち寄る。良寛は、名主橘屋に生まれ、その跡取りとなるべく名主見習いを始めたが、18歳の時、突然この寺で剃髪したそうである。
光照寺 寺・神社・教会
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光照寺の近くで、地元のお年寄りに出会った。とても絵になったので写真を撮らせていただいた。この後、私のいるほうへ来られたので道を譲ったところ、恐縮するほどお礼を言われてしまった。長い時間を掛け、ゆっくりと散策することが多いので、地元の方と話すことは度々ある。これも、旅の良い思い出となる。
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街外れの坂下には、出雲崎代官所跡があった。江戸初期から幕府直轄領であった出雲崎には代官所が置かれいたのだが、場所は時代によって変わっていたそうである。最後の代官所が置かれていたこの場所には、現在、石碑が建っている。案内板には、出雲崎の代官には名代官が多かったと書いてあった。
出雲崎代官所跡 名所・史跡
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代官所跡から海の方へと向かうと、石油産業発祥地記念公園があった。出雲崎では、石油が産出されていたそうで、その歴史は、688年に天智天皇に『燃える水』と『燃える土』が献上されたと日本書紀に記載があるほどに古い。この場所は、明治時代に掘削された国内初の油田の跡だそうだ。
石油産業発祥地記念公園 公園・植物園
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公園からすぐのところにあった『越後出雲崎天領の里』には、『出雲崎石油記念館』と『天領出雲崎時代館』があり、石油記念館のほうは、小さいながらも興味深い展示が多かった。時代館のほうは、時間が無く、さっとしか見学できなかったが、そこそこ面白かった。
天領出雲崎時代館 美術館・博物館
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バスの時間が近付いて来たので、戻ることにする。出雲崎は、高い建物がまったく無いので、個人的にとても気に入った。まだ古い民家も残り、街歩きも楽しかった。
※現在、建て替えなどが進み、街並みは大きく変わっています。 -
戻る途中、御用小路と言う路地を見つけた。荷揚げされた佐渡の金銀は、ここで隊列を整え、江戸へ向かったそうだ。そのため、この小路は別名金銀小路と呼ばれたそうである。しかし、その狭い路地を目の前にすると、幕府の御用行列が出立を待っていたという情景は想像出来ない。
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その小路を通り、出雲崎漁港に出た。漁港という場所は、ついふらりと立ち寄ってしまう。船も水も苦手なのにである。
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出雲崎には路地が多い。どの道も魅力的で、ふらりと入りたくなる。しかし、今回は時間が無いので我慢する。
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良寛堂まで戻り、そこ前にあったバス停でバスを待つ。日本海を背にして建つ御堂は印象的である。近くにあったマンホールに描かれていたのは、油田であった。
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バスで出雲崎駅へ戻ると、先に上り列車がやって来る。この後、柏崎駅へ向かうのだが、避暑と時間潰しを兼ねて乗ることにする。その列車でふたつ先の小島谷駅まで行き、下りの柏崎行に乗り換えることにしたのだ。
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小島谷駅には、12時55分に到着。ホームには、紫陽花の花がたくさん咲いていた。4分の待ち合わせで、柏崎行がやって来た。そして、40分余りで柏崎駅に到着。乗り換え時間を利用して駅前を散策したが、あまりに暑く、すぐに駅舎に戻った。
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普通列車が2時間半も無かったので、14時22分発の特急『北越6号』で柿崎駅へと向かう。予定では、ここから熊谷行の臨時快速『マリンブルーくじらなみ号』に乗ることにしていたのだが、無粋な駅舎で待つのもつまらないので、先に出る14時51分発の普通列車で青海川駅まで行くことにした。柿崎駅から三つ目の青海川駅は、日本海に面している。ホームのすぐ下が海岸という近さである。
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しばらく待つと、快速『マリンブルーくじらなみ号』がやって来た。この列車は、越後の海水浴場と高崎線沿線を結ぶ夏休み限定の列車である。乗り換え無しで上越国境を越えることが出来るため、青春18きっぷ利用者にはありがたい列車なのだ。
※快速『マリンブルーくじらなみ号』は、現在運転されていません。 -
青海川駅を15時26分に発車し、信越本線から上越線へと入り、田園風景の中を上越国境を目指す。車窓には、緑一面の田んぼが続いている。終点の熊谷駅までは4時間足らずの列車の旅。心地よい揺れにいつしか眠ってしまい、目が覚めた時には高崎線を走っていた。そろそろ、会津と越後を巡った旅もお終いである。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- spitfirebuzz90さん 2011/09/23 21:33:05
- 夏子の酒 って 知っていますか?
- 旅猫さんへ
こんばんは ご無沙汰しております。
小島谷駅。お酒好きな? 旅猫さんなら 御存知だと?
思いますが ここ小島谷駅一帯は ドラマ 夏子の酒の
舞台になった場所でして 私も 訪れたいと思った場所
ながら 未だに出掛けるチャンスがない状況です。
(ここ 小島谷にある 久須美酒造 さんという酒蔵が
舞台になりました。当時、夏子の酒 というお酒が
発売されたんですよ。 今でも 売っているのかな?)
すみません、ちょっと 懐かしさが込み上げてきたものですから。
また お邪魔させて頂きますね。
- 旅猫さん からの返信 2011/10/01 09:36:53
- RE: 夏子の酒 って 知っていますか?
- spitfirebuzz90さん、こんにちは!
こちらこそ、ご無沙汰しております。
お返事が遅くなりごめんなさい。
「夏子の酒」は名前だけ知っています。
ドラマは見ていないのですが、当時、結構話題になっていましたよね。
売っているのも見かけましたが、最近は見かけないような。
小島谷駅が最寄駅だったのですね。
時間があれば寄りたかったなぁ。
旅猫
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- あららーさん 2011/08/31 23:16:05
- 出雲崎って、歴史のある町だったんですね。
- 旅猫さん、はじめまして。
出雲崎の旅行記、とても興味深く拝見しました。
実は、私も2度ほど出雲崎には行ってるんですが
「ジェロさんの歌と良寛さんゆかりの地」ぐらいしか知らなくて、
車で行ったのと、1度目は雨だったのもあり、良寛記念館・良寛堂・道の駅
ぐらいしか立ち寄らなかったです。
旅行記拝見して、とても勉強になりました。
列車でのんびりと巡る旅も良いもんだな・・・と旅行記を拝見して思いました。
車だと、時間を気にせず散策できるというメリットもありますが。
また出雲崎に行く機会もあると思うので、また違った視点で
出雲崎の町を散策したいと思います。
- 旅猫さん からの返信 2011/09/03 10:17:03
- RE: 出雲崎って、歴史のある町だったんですね。
- あららーさん、はじめましてこんにちは。
出雲崎の旅行記を読んでいただきありがとうございます!
雨が降ると、歩くのは憂鬱ですからね。
車だと、降りるのも面倒になってしまいますしね。
鉄道&路線バスの旅だと、降りなければならないので、雨が降ろうが何だろうがとりあえず歩くみたいな(笑)
でも、列車の旅はそれなりに魅力があっていいものです。
ぜひ、体験してみてください。
一度訪れた場所でも、季節や天候で感じ方が違ってきますからね。
それに、年齢とともに、視点も変わってきますから。
出雲崎、次回はのんびり散策してみてください!
旅猫
-
- ガブリエラさん 2011/08/23 09:44:58
- 弥彦駅、素敵ですね♪
- 旅猫さん☆
おはようございます!
第3弾、登場ですね!
実は、昨日10年以上つれそったPCがとうとう壊れてしまい、新PCを購入しました。今までと違い、旅行記を見せていただくのがスムーズで、TVの旅番組のように感じられます。
旅猫さんの綺麗なお写真だと、ナレーターが聞こえてきそうです♪
弥彦駅の駅舎、素敵ですね。
趣のある風景、行ってみたくなります。
またコメントの続き、楽しみにまってますね!
ガブリエラ
- 旅猫さん からの返信 2011/08/23 23:05:03
- RE: 弥彦駅、素敵ですね♪
- ガブリエラさん、こんばんは!
書き込みありがとうございます。
PCがお亡くなりになりましたか。。。
私も昨年旅立ちました(笑)
ようやく三部作の完成が見えてきました。
写真を選び、コメントを付けていくのは結構大変ですね。
> 旅猫さんの綺麗なお写真だと、ナレーターが聞こえてきそうです♪
でも、こんなコメントをいただくと、旅行記を書くパワーがみなぎってきます(^^)
弥彦駅の駅舎は神社風のデザインですが、近くの弥彦神社はもっと素敵ですよ!
http://4travel.jp/traveler/tabineko_j/album/10158680/
厳かな雰囲気が漂い、身が引き締まる感じでした。
旅猫
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旅行記グループ 只見線と出雲崎の旅
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