京都国立博物館

2003/07/17 - 2008/11/08

　京都市東山区にある京都国立博物館は明治30年（1897年）5月に開館した。この時に東京上野にあった帝国博物館から分家するような形で京都と奈良にも帝国博物館が設置された。京都国立博物館は、主に平安時代から江戸時代にかけての京都の文化を中心とした文化財を、収集・保管・展示するとともに、文化財に関する研究、普及活動を行っている。
　旧館の建物はレンガ造りで立派であるが、中の展示品はこれはと思うものはほんの数点しか見当たらない。平安時代から江戸時代にかけての京都の文化財といえば、主なものは神社仏閣が所有しているから、委託保管されたものや訳あって収蔵された曰付きのものが多いのだろう。そうでなければ発掘品ででもなければこれはと思うものはない。
　弥生時代の青銅器がおよそ100点近く展示されていたが、国宝はなく、たった1点だけが重文指定だったので驚いてしまった。そのことを質問すると学芸員に電話を繋いでくれた。こちらは工学博士と名乗っているのであるから、大抵の博物館では学芸員が出て来て説明してくれるが、どうやらここはそうではなかった。ついついきつく、「上野の東博には弥生時代の青銅器がこれよりも沢山展示されているが、国宝でなくても重文がほとんどなのに、どうしてここの博物館には1つしか重文がなく、他は何でも鑑定団に出したら2,000円と言われそうなものまで混じっているのか？」「それは東博から引き継いだものがそうだったということで‥‥。」「是じゃ国立博物館とは‥」そこまで言うと電話の学芸員は鳴き声になっていた。可哀相なことをしたと思ったが電話ではこういうこともある。やはりフェイストーフェイスでないと話は伝わらないものだ。
（表紙写真は京都国立博物館表門）

エリア 東山・祇園・北白川(京都)

• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線

京都国立博物館表門（重文）。明治28年（1895年）に竣工。

京都国立博物館旧館（旧帝国京都博物館本館）。明治28年（1895年）に竣工。

噴水。

京都国立博物館旧館（旧帝国京都博物館本館）。