2008/03/08 - 2008/03/08
226位(同エリア899件中)
ぶどう畑さん
2008年3月8日~3月15日、ドイツのドレスデンとチェコのプラハ、2つの古都を巡ってきました。
ドレスデンに足を向けさせたのは、ダイムラー・クライスラー社のカレンダーでした。カレンダーをめくった時に現れた、荘厳な街のたたずまいに、「世の中にはこんな所があるんだ!」と衝撃を受け、一目で魅了されてしまったのです。それでこの旅の重点をドレスデンに置き、5泊。郊外のマイセンなども観光しました。
バロックの都を満喫後、列車でプラハへ移動。プラハは1998年に訪れたことがあります。“古都”の雰囲気にいたく感動して、以来「また行きたい!」と思い続け、10年を期に再訪を思い立ちました。1998年に4泊してじっくり観光したので、この旅では1泊にしましたが、懐かしい景色を充分に楽しんできました!期せずして、旧市街広場にイースターの屋台が並び、にぎやかな雰囲気だったのも嬉しかったです。
まずは、飛行機が遅れてドキドキ、ハラハラで始まった、旅の初日から。
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空
-
2008.3.8(土)成田〜フランクフルト〜ドレスデン
フランクフルトでの乗り継ぎが1時間しかないのに、飛行機は1時間以上遅れて成田を飛び立ちました。それでもどうにか、ドレスデン行き飛行機に乗れたものの、荷物は出て来なかった…。
そんなアクシデントが、意外な出会いに結びつきました。ドレスデン空港で出会った日本人の親娘連れの方は、なんと、チケットを予約してあったバレエ“ジゼル”の主役を演じるバレリーナの家族でした!
ドレスデンでの宿“アパートホテル・ミュンツガッセ”は、フラウエン教会の真ん前という抜群のロケーション!到着早々、夜景も堪能して大満足!!ハラハラしたことなどいつの間にか忘れ、幸せな気分で1日を締めくくることができました! -
天気に恵まれ、快晴の空のもと、成田エクスプレスで空港へ向かう。今回、フランクフルトまでANAのオペレーションのフライトを利用するため、出発時刻は12:30。もう少し遅い電車でもよいのだが、空港でのんびり買い物でもしようと早い電車に乗った。
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9:58には成田空港駅に到着し、宅配しておいた荷物を受け取って、チェックインの手続き。フランクフルトでの乗り継ぎ時間が1時間と短いので、預ける荷物の乗り継ぎが心配。念のため、カウンターのオネエサンに「大丈夫ですよね?」言ってみる。が、「大丈夫です!お荷物はドレスデンの受け取りになります。」ノーテンキな言い方に、再度説明するのも面倒になり、カウンターを離れる。
出国審査もサクサク済み、ANAのボーディングゲートを確認する。ゲートは出国審査を出てすぐだった。成田空港のお楽しみ“あんま椅子”は見当たらず、時間もたっぷりあるし、ルフトハンザのフライトで利用する第3サテライトへ向かう。
その途中で、ユーロとチェココルナに両替しようと思ったら、チェココルナへの両替ができなかった…。チェコはEUに加盟したものの、いまだコルナを使っている。でも、空港内の銀行で両替できるに違いないと思い込んでいたのは失敗…。
第3サテライトのあんま椅子に2回座って体をほぐし、ジバンシーの香水“グラン・サンボン”を探してるうち、ボーディングの時間は近づいてくる。なんか小腹空いたなー。時計とにらめっこで、フードコートでうどんをすすってゲートの列に並んだ。 -
乗り込んだ飛行機は、時間になっても出発しなかった。そのうち、「ボーディングの手続きをされていないお客様がいらっしゃいますので、出発が少々遅れます」アナウンスが入る。ゲゲッ!迷惑なヤツ。
しばらくして、「お客様がボーディングをキャンセルされることになりましたので、荷物を降ろす作業をする予定でございます」ゲゲゲッ!!“予定”ってなに、予定ってぇぇぇ。その人の荷物、簡単に見つかるわけないじゃん。フランクフルトでの乗り継ぎ時間が1時間しかないんだから、やめてくれ!
ついには、「お客様の荷物を降ろす作業をしております。お急ぎのところお待たせして申し訳ありません」ゲゲゲゲゲッ!!!
ようやく動き出しても、滑走路が混んでいるのか、一向に飛び立たなくてイライラ。12:30の予定を1時間10分も過ぎ、やっと離陸した。 -
フランクフルトへは、これまでにルフトハンザで10回は飛んでいる。たいてい予定より早く到着するし、ANAも遅れを取り戻すため、頑張ってくれるだろう。自分に言い聞かせていると、機長のアナウンスが入る。フランクフルト到着17:10を予定しているとのこと。ドレスデン行きは17:35発で、ボーディング締め切りは17:00。かなり厳しい。
特に心配なのは、フランクフルト空港の駐機場。ゲートから直接乗れるならいいのだが、ドレスデン行きの飛行機はきっと小さくて、駐機場まで、バスでの移動になりそうな予感がヒシヒシ。ドレスデンへ乗り継ぐ人が、この飛行機に何人も乗っていればどうにかなるかもしれない。けど、私1人だったら置いてかれる可能性は高い。アパートホテルにチェックインできるのが21時までだから、場合によっては、今夜泊る所を探さなければならないってこと?
ドレスデンは大型ホテルが多く、宿泊料金も高いなか、このアパートホテルは超お得値で、ロケーションバッチリ。あらかじめ相談すれば、遅くの到着も可能ということだったが、当日いきなりはどうかなぁ。ドレスデン行きの次の便って20時頃だったっけ?
飲み物をサーブに来た若いスチュワーデスさんに、まず、フランクフルトでの乗り継ぎ時間が心配なことを伝えて、どうしたらいいかを聞く。すぐに的確な返事が返ってくると思ったら、新人だったらしく「聞いて参りますので、ちょっとお待ち下さい。」の答え。ガクッ…。乗り継げなかった場合も考えて、次の便の時間を調べてもらえるようお願いする。
スチュワーデスさんは忙しい時間帯。返事を聞く前に機内食が出てくる。シーフードカレーは、日本人好みの味で二重丸!離陸前にうどんを食べたとは思えない食欲で平らげる。
映画を見ていると、スチュワーデスさんがやってきた。フランクフルト空港に着いたら、飛行機を降りた所に係員がいるので、ドレスデンに乗り継ぐ旨を告げて欲しいとのこと。だが、その先を言ってくれない。
そして、ドレスデン行きは、土曜日は20時台の便がなく、次は21:55発の22:55着だった。かなりショック。どうしよう、1時間遅れならともかく、事務所の人に待ってもらえる時間じゃないよー。こんなこともあろうかと、一応、ヒルトンの会員カードは持ってきたけど、満室という可能性は無きにしもあらず。ホテルを紹介してくれる所、ドレスデンの空港にあるよね。でも、夜遅くまでやってるのかな…。
もし、不便な場所のホテルになりそうだったら、いっそ、マイセンにして、初日にマイセンを観光したらいいかも!…う〜ん、そうなると、日曜日のミサで少年合唱団の歌声が聞けなくなってしまう…。あっ、次の便が満席だったら、フランクフルトに1泊しなければならないってこともあるのか。この場合も、ミサはあきらめることになりそうだ。
いろんなケースを想定して、シュミレーションしておくのは悪くない。心の準備のため、あれこれ考える。
じゃあ、フランクフルトに着いたらすぐ、電車でドレスデンに移動するのはどう?おぉ、いい考え!確か、ドレスデンまで4時間くらいだったような。でも…、荷物は空港に着いてしまうのか。翌日、荷物を取り行かなければならないのは時間のロス。これもダメだぁ。やっぱり、予定通りに乗り継ぐのが一番。
今回、10:30発、17:15着のルフトハンザ便にすることも考えた。その場合、6時頃に家を出なければならず、一方、ANAなら2時間遅く家を出ても、18:35着。冬の朝は辛い。この魅力に負けた。あ〜ぁ、辛くても、ルフトにしておけばよかった…。 -
手荷物には、万が一、荷物が乗り継げなかった場合とロストバゲージを考え、とりあえず必要と思われるものは入っている。だから、翌日の観光には困らない。ドレスデンのガイドブックのコピー、洗面道具、薬、デジカメの電池充電器にSDカード、コートもキャリーケースに押し込んで預けたりせず、手袋、帽子もある。
事務所に一報を入れて、待ってもらえることが確認できればさらに安心。フロントが落ち着く時間を見計らい、機内電話を使おうとしたら、電波がつながらなかった…。シベリア上空はつながりにくいと、通りがかったベテランそうなスチュワーデスさんが教えてくれる。そりゃそーだ。
到着が早まるかもしれないし、考えるのはヨーロッパが近くなってからだ。焦ってもどうにもならない。フランクフルトまでの長い時間をずっとモンモンとするのは止めよう。思いながらも、“予定通りがベスト”だから、やっぱりモンモン。
モスクワ上空も過ぎ、さっきのベテランっぽいスチュワーデスさんを呼びとめ、飛行は順調かどうか尋ねる。「何かお困りですか?」と聞かれて、事情を話すと、「ただいま、16:40到着を予定しております。」という返事。よかったー!
加えて、飛行機を降りた所に地上係員がいると教えてくれた。けれど、相変わらずその人がどうしてくれるのかわからない。ま、ほぼ予定通りだから大丈夫でしょ。
ところが、世の中そう甘くはなかった。到着時刻は16:50に変更になった。ビミョー。 -
フランクフルト空港に着陸し、シートベルト着用のサインが消えると同時に立ち上がる。カバンを抱えて通路を歩き出すと、スチュワーデスさんに先導されている人がいた。これ幸いと後ろについて行く。その人は、ブリュッセルへの乗り継ぎで、見せてくれたチケットにはボーディングの締め切り時間が16:50と書かれていた。
もう1人、ドアの近くで待っていた人はハンブルクへ行くという。彼女のボーディングは17:30まで。私に比べれば、余裕。
ドアが開いて、ブリッジを突進。カードを持った人を見つけ、ドレスデンと告げると、日本語ができないためか、ただ通路の先を指差される。少し広くなった場所へ行くものの、誰もいない。待ってた挙句、乗り継げなかったら…。急げばまだ間に合う。ハンブルクへ行く彼女と一緒に、パスポート・コントロールへ走る。
パスポート・コントロールには少し列ができていたが、絶望的なほどでなく、わりとすぐ、順番が来る。早く手続きしてー!思ってるのに、税関員は彼の机の左隅を見て「お、シュトゥットガルトが。」とか言っている。そして、隣りの税関員も、どれどれと彼の机の上を覗き込む。何か画面を見ているような感じ。ワンセグで、サッカーなんか見てたら許せないー。
「スミマセン!時間がないんです。」「え、シュトゥットガルトへ行くの?」「いいえ。」「じゃあ、どこ?」「ドレスデンです。」「ふ〜ん、ドレースデン。」税関員は、わざとノロノロ手続きをする。ドイツ語で、“ドレースデン”と発音するのがわかったのは収穫だけど、ム・カ・ツ・ク! -
フランクフルトは8年ぶりというハンブルクへ行く彼女を待って、ターミナルAへ進もうとしたら、手荷物検査所があった。最近、ドイツの手荷物検査は厳しい。すぐさま時計やベルトをはずし、足踏みして待つ。
ここで一難去って、また一難。中東っぽい顔立ちをした列の前の男の荷物が多い上、やたらポケットにモノを入れている。挙句、手荷物から出てきたのは、ナント、手榴弾!オモチャだったらしいが、係員も苦笑い。空港でそういう悪い冗談はやめてくれよぉ、モハメッド。
もう彼女を待ってられない。「ゴメンナサイ、お先に!」駆け出した。あとはボーディングゲートに向かうだけ。ところが、試練はまだまだ続く。ターミナルAに行くには、長〜い地下トンネルが待っていた。すでに足はガクガクで走れず、「スミマセン!」を連発しながら、動く歩道を急ぎ足。
幸い、地下トンネルを出たところからゲートはすぐ。最後の力を振り絞って走って行くと、地上係員の人がホッとした感じでニッコリしつつも、急かすように早口で「下にバスが待っています!」と促す。思った通り、駐機場は離れているようだ。
間に合ったー!空席を見つけてヨロヨロと座りこむ。もう汗びっしょり。ほどなく、バスは発車した。 -
バスはターミナルからどんどん離れ、駐機場に停まっていたのは、案の定、小さい飛行機。空席が多いようで、3人掛けに1人で座る。
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とにかく乗り継げた。アパートホテルにチェックインできる!心配はすっかり取り除かれたと、大きく安堵した時、ハッと気づく。人間の乗り継ぎがやっとなのに、荷物は乗り継げるのか?
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予定の時刻を少し遅れて離陸。フランクフルトの上空には雲が広がっていた。雲海の向こうの夕焼けがきれいだ。
飲み物がサーブされ、一気に飲み干す。カラカラのノドにジュースが嬉しい。ドレスデンまでは1時間の飛行のため、飲み物はすぐに片付けられ、やがて高度が下がり出す。キラキラと輝く街の明かりを眺めながら、18時半過ぎ、ドレスデン到着。 -
ターンテーブルはすぐに回り出した。あそこで荷物を待っている女性は日本人かしら?思いつつも話しかけられずにいたら、椅子に座っていた女性を振り返って、「お母さん」と呼びかける声が聞こえた。日本人だ!
「成田からですか?」声をかける。「ええ。」「乗り継げてよかったですね。ホテルの受付が21時までなので、あの飛行機に乗れなかったらどうしようって思いました。」ストレスから解放され、見ず知らずの人に話してしまう。
「ホテルはどちらですか?」今度は、彼女から聞いてきた。「フラウエン教会のそばです。あなたは?」「妹がドレスデンに住んでいるんです。」おやまぁ、うらやましい!「ホテルまではどうやって?」「電車でノイシュタットへ行こうと思ってるんです。朝食がついてないので、駅でパンとか水を買って、そこからは、タクシーかな。」「ノイシュタットって新市街のことですよね。よかったら、タクシーに一緒に乗って行きません?妹の家は、新市街なんです。」誘ってくれる。
なーんて親切なの!嬉しいけど、どうしようかな。明日は日曜でスーパーは休み。パンは飛行機で出たのを食べるとして、ハンブルクのように水がまずいってこともあるから、水だけは買いたい。「あ、そうか。空港で買っていけばいいんだ。」言ってるうち、ターンテーブルが止まった。私たちの荷物は出てこなかった。
すると、「ダメだ。手続きに行きましょう。」歩き出し、空港の係員に手続きの場所を聞く彼女。こういうことには慣れているよう。ついて行く。
荷物が出てこなかった人は、ほかにも数人。手続きの終わった日本人の男性が「荷物は次の便で来て、今夜中にホテルに届けてくれるそうです。」教えてくれた。アパートホテルの私はどちらにしても、今夜、荷物は受け取れない。
「次の便って、何時なんだろう?」と彼女。「22:55着です。」「えっ?じゃあ、もし乗り継げなかったら、フランクフルトで5時間も待ってなければならなかったんだ。」「そうなんですよ。その時間じゃ、アパートにチェックインできないので、空港の案内所でホテル探すことになるのかと気をもみました。」と話すと、「こういう場合は、航空会社がホテルを手配してくれますよ。」あぁ、そうかも。
こんな会話をしているうち、彼女の番が来た。スーツケースの形や色、届け先住所を聞かれている。ひと通り手続きが済むと、「寝巻きもあるかもしれませんよ。」係りに人に聞いてくれ、Tシャツが入っている洗面道具一式を貰ってくれた。やっぱり慣れてる。
次は私の番。なんて説明をすればいいのかドキドキしてたら、スーツケースの写真がカタログのごとく並んでいるものが用意されていて、同じような形の物を指差すだけで済んだ。一応、特徴としてホイールに赤い十字があることを伝える。今夜中に届けてもらえるのは、ホテルだけのようだ。彼女も私も、配達は翌朝と言われた。 -
空港の売店で水を買って、乗り込んだタクシーの中、「バレエを見に来たんです。」とのお母さんの言葉に耳を疑う。荷物の手続きをしている間に聞いた話では、3泊だけで日本に帰ると言っていた。バレエのためにとんぼ返り???
さらに、「娘が主役で踊るんです。」と続く。またまたビックリ!「明日のジゼルですか?私も見に行くんですが。」「そう、ジゼルです。衣装も娘が手がけたんです。」
ジゼルは、ドレスデンの有名なオペラ座“ゼンパーオペラ”で上演される。バレエを見るのは4回目のバレエ素人には、“凄い”ってことはわかっても、どのくらい凄いのか想像がつかない。
それに、本当のところは、オペラの“ドン・ジョパンニ”を見たかった。でも、ドン・ジョバンニは上演時間が長いため、帰りが夜遅くなってしまう。それが気がかりで決めかねていた12月初旬、空席状況をチェックしていた画面から、どんどん席がなくなっていった。
一方、“ジゼル”は席が選び放題で、しかも初演は開演時間が早い。加えて、オペラに比べてチケットも安かった。ジゼルはよく目にする演目だし、“初演”って特別なのかも。バレエもいいな。理由がそんなだから、ただ「凄いですねー!」と答えるのみ。
娘さんは、以前はアムステルダムの国立バレエ団に所属していたが、ドレスデンに移籍する舞台監督に引っ張られて来たという。実力は相当なのだろう。
タクシーの前の席から、「ドレスデンには何泊するんですか?」お姉さんが話しかけてきた。「5泊です。それから、電車でプラハに移動して、プラハに1泊して帰ります。」答えると、「ドレスデンに5泊で、プラハは1泊?」今度は私が驚かれる番。
ドレスデン5泊って、そんなに不思議かなぁ。見所いっぱいある気がするんだけど。「ドレスデン郊外のモーリッツブルク城やマイセンへ行こうと思ってます。プラハは10年前に4泊したので、今回は1泊です。」ちょっと言い訳口調。
そんな会話をしているうち、新市街に来た。「じゃあ明日、劇場で!」広い劇場、もう会うことはないだろう。思ったけれど、「今日はどうもありがとうございました。また明日!」と別れた。
これからタクシーは、エルベ川に架かる橋を渡ると思われる。旧市街の夜景が見えるかもしれない。道の周りに気を配る。ほどなく、期待通り、右手に旧市街が見えてきた。わぁ、きれい!!そこからアパートホテルはすぐだった。 -
19:40、タクシーを降りたはいいが、レセプションの場所がわからずウロウロしていると、事務所の人どこからか現れ、声をかけてくれた。
「あれ、荷物はそれだけですか?」「えぇ、日本からの飛行機が遅れて、私は乗り継げたけど荷物が…。」「それは大変でしたね。」「明朝、荷物を届けてくれることになっています。」と言うと、受け取って部屋に届けてくれることになった。 -
話しながらレストランの並ぶ通りに出て、少し先の建物の404号室に案内される。
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部屋の扉を開けると、左側に大きなバスルーム、小さなキッチン、細い廊下の突き当りがベッドルームになっていた。
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ベッドは大きくて申し分なし!
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窓側には小さいテーブルが置かれ、サイドボードの上にはテレビ。
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モダンな棚もある。
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この部屋が1泊65ユーロとは信じられな〜い!思わず、「ゴージャス!」声を上げる。
案内してくれたオネエサンは嬉しそうに、「チェックインは21時までですが、レセプションは23時まで人がいるので、何かあったら電話を下さい。あと、このバインダーにいろいろ書いてあります。」と説明して、事務所に帰っていった。 -
早速、気になる窓からの眺めをチェック。
すごーい!フラウエン教会が目の前。
部屋からフラウエン教会を眺められるって、ウソみたい!!な〜んていい場所にホテルを取ったんだろう。ひたすら感激! -
続いて、部屋をじっくりチェック。バスタブは、お湯を張るのがもったいないくらい大きい。
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キッチンには食器や鍋のほか、塩や砂糖などの調味料もあった。
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ベッドルームのモダンな棚にはたくさんのグラスが並び、パーティーが開けそう。飛行機が遅れてハラハラしたことなど、どこかへ吹き飛んでしまった。
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鐘の音が聞こえ、まだ20時であることに気づく。土曜の夜、アパートの回りはにぎわっている。夜景を見に行こう!カメラを持って出かける。
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レストランが並んでいる短い通り“ミュンツガッセ”のテラス席は、冬だというのにお客さんがいっぱい。
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そのミュンツガッセを川の方向へ行き、通りを跨いでいる石の橋の上に人の姿を見つける。早速、階段を上がると、そこは広〜い遊歩道になっていた。“ブリュールのテラス”に違いない。
ブリュールのテラスは、かつては要塞だった。そこに、1739年、当時権力を振るっていた伯爵ブリュールがバロックの宮殿を建てていったそうだ。地下には要塞の名残があるらしいが、今はエルベ川を望む、優雅なプロムナードとなっている。 -
テラスからエルベ川はすぐ。橋の灯りが川面に揺らめいていた。
来た道を振り返れば、ミュンツガッセの建物の向こう、ライトアップされたフラウエン教会のクーポラ。
アパートのホームページの写真が、ここから撮ったものとわかる。 -
目を転じれば、プロムナード沿い、光に浮かび上がる荘厳な建物。
胸が躍る。 -
グレーの塔は、カトリック旧宮廷教会に違いない。
逸る気持ちを抑え、テラスを歩いて行くと、教会前に広場があり、広場を取り囲むようにライトアップされた立派な建物が。 -
そのさまは、感動!のひとこと。ドレスデンに来て、よかったー!
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そして、広場からフラウエン教会方向に続く壁は、ザクセンの君主の騎馬像などがマイセンのタイルに描かれた“君主の行列”と呼ばれるものだった。
到着日に、これまで見れるとは思わなかった! -
コートをはおらず、カーディガンだけで出かけてきたけれど、思ったほど寒くない。夜の散歩を楽しむ。
“君主の行列”の前の路地を行くと、左手にヒルトンが見えてくる。 -
ヒルトン向かいのビルの1階と地下は、小さいショッピングセンターになっていた。
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20時を過ぎた時間、ほとんどの店は閉まっていたが、ドレスデン近くのエルツ山地の木の人形や飾りを置く店は営業中。
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エルツのおもちゃはドイツのクリスマスに欠かせないことから、店内はクリスマスの雰囲気。エルツ山地の近くまで来たのだから、人形の胴体の部分にお香を入れると口から煙が出る人形“ラウフマン(スモーカー)”をぜひ買って帰りたい。
早速、チェックする。 -
ショッピングセンターを出ると、アパートはすぐ。
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フラウエン教会前の少し先、部屋の窓から見えたクリーム色の建物、レストランとカフェが入っている “コーゼルパレ”を眺め、30分の散策終了!
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404号室は手前に壁があって、エレベータを降りた場所から部屋のドアが見えない。
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建物周りは物騒ではないけれど、アパートのフロアに誰でも入れるから、緊張して廊下を進み、鍵をそそくさと開けて、部屋に入った。
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今夜は荷ほどきする荷物もないため、まずはお風呂に入って旅の疲れを癒す。
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それから、窓を少しすかして教会の鐘の音を聞きながら、ガイドブック情報を確認。
あのショッピングセンターはQFだった。世界一美しい牛乳屋“プフント・モルケライ”の支店が入っているはず。滞在中、また行ってみよう。 -
22時半、お泊りセットに入っていたXLのデカTシャツを着てベッドに入る。ちょっと寒いな。オイル・ヒーターをつける。
今日は凄い1日だった。飛行機が遅れてハラハラして、バレリーナの家族に出会って、夜景に感動して…。ホントーにいろいろあった。
でも、今はフラウエン教会が窓から見えるドレスデンのアパートにいる。荷物のことが気になりつつも、幸せな気分で眠りについた。
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この旅行記へのコメント (9)
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- ボーやさん 2011/05/18 23:47:13
- ミュンツ・ガッセのアパートホテル
- ぶどう畑さん、こんばんは。
地球の歩き方BBSからリンクを辿ってこちらにお邪魔しました。
このホテル、ぶどう畑さんのご旅行の丁度1年前に私達夫婦が泊まったホテルと思われるので、懐かしくてコメント書いています。
私達の部屋は寝室と居間が別だったので、もう少し広いタイプの部屋だったのかも知れません。
ここを選んだのは、勿論安い(445ユーロ/7泊)事が理由ですが、Semper Oper で R.Strauss の10演目連続上演企画があり、全部は行けませんでしたが、連続7演目を観て帰るのが目的での訪ドレスデンでしたので、ロケーションも重要ポイントでした。
我が家の旅行は、低コストをモットーとしているので、アパートホテルでは食事は自炊となります。
ドレスデンにも、ドイツのその他の街で見掛けるスーパーチェーンが幾つもあり(Kaufland, Lidl, ALDI, etc.)、スーパー遊びも楽しめました。1ユーロしかしない、カチンカチンに凍ったアプフェルシュトゥルーデルは強く印象に残っています。かみさんと「殺人の凶器になるね」と冗談を言い合った事を思い出します。週末の、フローマルクトや、平日は駐車場に使っている広場に立つ市も、暇潰しには楽しく、お城の形のまな板や、古いコーヒーミルなどを買い込みました。
一週間も居ましたが、夜の予定はビッシリ詰まっていたのと、ドレスデン市内の公共交通機関の一週間券(17ユーロ)を購入し、州立の美術館・博物館の1年会員券(20ユーロ)で、入る事のできる施設は軒並み入って見ていた為、時間が足りなくなり、モーリッツブルクやマイセンには行きませんでしたので、次回再訪する機会があれば、是非、もう少し郊外まで足を伸ばして見ようと思っています。
***
この旅行記の次の南ドイツの旅も見せて頂く予定です。
- ぶどう畑さん からの返信 2011/05/19 17:16:29
- RE: ミュンツ・ガッセのアパートホテル
- ボーやさん
書き込みありがとうございました!
あのアパートでは自炊らしき自炊はしませんでしたが、あの値段であのロケーション。感謝感激でした。
私が行った時は、広場が工事中だったためか、市には出会えず残念です…。
モーリッツブルクは、お城の周りの景色が良い以外、何もないと言えば何もない所なので、好き好きとは思います。
自然を楽しみたいならお薦めですよ!
-
- ペコリーノさん 2010/11/26 11:11:07
- ドレスデンのアパートホテル
- ぶどう畑さん、はじめまして。
マイセンの旅行記を見させていただいて、ドレスデンのフラウエンキルヒェの目の前のアパートという記述をみて、「え?どこなの?そんなに素敵なところって。」と旅行記をたどってきました。
私も先日ドレスデンを旅行したのですが、あまりに無知で、ぼーっとただ街歩きしたぐらいなので、ぶどう畑さんのしっかりした記録は素晴らしいです。私はドレスデン、マイセンの10%も知らなかったんだ・・・と思わされました。
それにしても、乗り継ぎの大変だったことなど、読んでいて私までハラハラしてしまう文章力、荷物が届かなかった場合の対処など、とても参考になりました。
私も、次にはプラハにも行ってみたいですし、このドレスデンのアパートホテルも利用してみたいです。
ペコリーノ
- ぶどう畑さん からの返信 2010/11/26 20:46:50
- RE: ドレスデンのアパートホテル
- ペコリーノさん
書き込みありがとうございました!
「こんなところもあったのか」「あそこを見落としてた」「またあれが買いたい」が、次の旅行の原動力になる気がします。
また、楽しい旅を計画してくださいね!
-
- ちょんたさん 2010/06/14 09:50:34
- あまりにも似ているもので・・・
- ぶどう畑さん、初めまして。ちょんたと申します。
ぶどう畑さんのこの旅行記の内容が、あまりにも私が行った所と似ているので、思わずコメントしてしまいました。
しかも音楽がお好きなご様子・・・。
フラウエン教会の広場近くのアパートメントを借りられたこと。
マイセンとモーリツブルグ城に行ったことなど。そして私も大好きなプラハも。
どちらも、私が是非もう一度訪れてみたいと思っている都市です!!
私は、知人の車で連れて行ってもらったのですが、こうして「脚」で電車を使って歩くと、もうすっかりそこの住人になったようで、旅の印象が違って見えることでしょうね。
またゆっくりとお邪魔したいと思いますが、先ずは、ご挨拶。
こちらみも是非いらしてみてくださいね。 ちょんた
- ぶどう畑さん からの返信 2010/06/14 21:36:00
- RE: あまりにも似ているもので・・・
- ちょんたさん
こんにちは!書き込みありがとうございます。
私としては、お知り合いがいらっしゃることが、羨ましい限りです。
いろいろ調べて、公共の交通機関を使って行くのは楽しいのですが、行動範囲がやはり狭まります。
海外での車の運転に自信があったら怖いものなしなんですけどね…。
ブログ拝見しましたら、モーリッツブルクに行った日に、モルケライにいらっしゃったようで、ホント、行動が似すぎていてビックリです!
またゆっくり見させていただきま〜す。
-
- Jenioさん 2010/06/06 11:39:23
- 続きを楽しみにしてます!
- ぶどう畑さん、初めまして(^^)
今年の夏に友人とドレスデン→プラハへの旅行を考えているので
ぶどう畑さんの旅行記とても参考になりました。
ドレスデンの重厚な建築 すごく素敵ですね!
ドレスデンからプラハまで、列車での移動を考えていますが
ネットで探してもあまり情報を見つけられなかったので、列車で
行かれたぶどう畑さんのお話をもっと伺いたいです。
お時間がある時にでも、続きの旅行記をぜひお願いします(^o^)
- ぶどう畑さん からの返信 2010/06/06 15:17:05
- RE: 続きを楽しみにしてます!
- Jennyさん
初めまして!ぶどう畑です。
書き込みありがとうございました。
2008年3月とちょっと古いのですが、ボチボチ、アップして行きます。
ドレスデン〜プラハの列車の時間は、ドイツ国鉄のHPから検索できます。
http://reiseauskunft.bahn.de/bin/query.exe/en?rt=1&
私が行った時は、ドレスデンからの電車は、プラハ・ホレショヴィッツ駅という、街中から離れた駅に到着しましたが、今はプラハ本駅(ハルビニ)に列車が乗り入れるようになって、旧市街広場もすぐで、便利になったようですよ。
楽しい旅行になりますように!
- Jenioさん からの返信 2010/06/06 23:57:09
- ありがとうございます(^^)
- ぶどう畑さん、早速のお返事ありがとうございます(^^)
ドイツ国鉄のHPのアドレス、チェックさせて頂きました。
ドレスデンもプラハもたくさん駅名が並んでいて難しいですね(^^;)
いろいろ調べていたら、ドイツよりもチェコの方が鉄道料金が
ずいぶん安いようなので、逆ルートのプラハ→ドレスデンにしようかな
と考え始めてます。
続きの旅行記楽しみにしています。
ありがとうございました(^^)
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