南イタリア周遊の旅（2）ローマから夜行寝台列車でシチリアのシラクーサへ。

1995/10/02 - 1995/11/07

ローマ最後の夜はテルミニ駅傍の中華料理店へ。中国語版のテレサ・テンを聞きながら酸辛湯をすすっていると妙な気分に浸れます。シチリア行きの列車はほぼ定刻に到着。いつもながらの駅でのイタリア人の濃厚なお別れを眺めながら日本の別れの情景との違いを感じます。テルミニを出てすぐに寝てしまいましたが暑くて目覚めるとナポリでした。「アックア！アックアミネラーレ！」「カッフェ！ソロカッフェ！」プラットフォームを大声で歩く売り子の声が聞こえます。子供のころ夜行列車で出掛けると深夜の駅で弁当を売り歩く光景を見たことを思い出しました。日本の列車は早く到着することばかり考えていろいろな物を捨ててきてしまったと思います。次に目覚めたときはレッジョ・カーラブリア、シチリアへ渡るフェリーに列車を積み込んでいるところでした。何度も列車は進行とバックを繰り返し細切れにされてフェリーに乗り、同じ繰り返しで繋げられていきます。何度乗ってもこの路線は旅情を感じさせられます。そして二度目のシチリアの旅が始まります。

エリア シラクーサ(イタリア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 3.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 50万円 - 100万円
• 交通手段: 鉄道 船
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

シラクーサには午前９時に到着です。メッシーナで別れたパレルモ行きも同じ頃に到着しているはずです。駅に荷物預かりが無かったので駅前のアレトゥーサというホテルにチェックインしました。シラクーサで有名な泉の名前だったせいかもしれません。

海岸沿いにあるアレトゥーサの泉。ここから真水が湧いています。パピルスが生い茂りアフリカが近いことを感じます。真水でも大丈夫なのでしょうか？ボラがたくさんいました。ボラ⇒カラスミ⇒ボッタルガ！

１２時過ぎに目当てのトラットリア「La Foglia」に行ってみると店の主人が「30分くらい時間がかかるよ。」との事。理由は30分経って分かりました。実際に調理する奥さんと娘さんの到着です。それまでアンジェリカというロゼワインとスパークリングウォーターとレモンを絞ったものを飲んで待ちました。シラクーサの乾燥した昼下がりにはもってこいの飲み物でした。料理はきのこスープとサラダ、メインのグリルはイワシにカジキにイカに小エビ、絶品だったのはシラスのミンチ。値段は少々高いけれど素朴ながら素材を生かした美味しい店でした。

駅からは離れていますが旧市街は静けさに包まれたバロックの街並みでした。一瞬こっちでホテルを探しても良かったと思いました。プーリアのレッチェとマテーラを併せたような雰囲気を感じました。マテーラを例に挙げたのは傷みが多いということです。

とても美しいプロムナードです。夕方になると町中の人が集まって来ます。そうここはｼﾞｮｾﾞｯﾍﾟ･ﾄﾙﾅﾄｰﾚ監督の映画「マレーナ」の舞台なった町です。

駅側の新市街と旧市街の間には小さな港があります。

こんな雰囲気です。

旧市街には立派な建物がたくさん残っています。

ギリシャの衛星都市として栄え、ローマから中世までも繁栄していたのであろうことが窺えます。

プロムナードはごご涼しくなると人が増えてきます。

のんびりした時間が流れています。

ラリーが開催されていました。

ディオニソスの耳と呼ばれる洞窟です。

10月とは思えない日差しのギリシャ劇場です。

かわいらしい女の子たちでした。

一人旅は暇なのでスケッチする時間がたくさんあります。ドイツ人の旅行者から「売ってくれない？」と言われました。「これ日記帳なんだよ。」と断りましたがいくらで買おうとしたのでしょう？

暑い遺跡から海岸沿いに戻ります。夕暮れ時は賑やかな海岸沿いのプロムナードです。

家族連れの多いこんな時間帯は一人旅している自分のことをいろいろ考えてしまいます。

海岸の突端から遊覧ボートが出ていました。夕方の最終便です。夕暮れのシラクーサ旧市街はとても美しかったです。

港にはマルタ行きのボートの看板がありました。週に一便の水中翼船のようでしたが、いつかマルタへ船で渡りたいと漠然と思いました。その願いが叶うまで10年近くの歳月が必要でした。