クルナ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
12月21日(月)<br /><br />さぁ、いよいよ待望のシュンドルボン国立公園、世界自然遺産だ。歌に歌っていたカワウソに会える!<br />「カワウソ、日本にはいないんですか?」「ニホンカワウソがいたんだけど、絶滅しちゃったんだよ」「シュンドルボンのカワウソ、テレビで見ました」と誰かが言った。「ポストマンででしょ、私も見たよ」「ポストマンですか、あの取材、私が手伝っていたんです」とサデク君。「あれに出てたの?覚えていないな」<br />「あの番組は小笠原さんって元青年海外協力隊の方が、知人を探すのがテーマでした」「そう、あの小笠原さんがやっている『アンシャンテ』って駒ヶ根のレストランに行ったことがあるよ。駒ヶ根に青年海外協力隊の研修施設があってね。そこへ行った時寄ったんだけど、小笠原さんのベンガル料理が美味しかったから、今回も期待してきたんだよ」そして取材の裏話をいろいろ聞かせてもらった。「ううん、テレビにはそんなの写っていなかったよ」<br /><br /><br />バスはモングラに向かう。道にそって、海老の養殖場がつづく。養殖場の水面から水蒸気が吹き上げるように立ち上る。その湧き上がった水蒸気であたりは霧に包まれている。道路を囲むように生い茂った木々がアーチを描き、そこに行く人々も車も霧の中に消えていく、なんとも幻想的な風景である。<br /><br /><br />30年ほど前、日本に輸入される熱帯海老のベスト10にバングラデシュが入っていた。その後、海老は養殖に切り替わり、高雄、タイ、ベトナム、フィリピンと変遷している。おそらくこの養殖場もマングローブを切り開いて作られたものだろう。冷凍工場だという大きな建物もあった。<br /><br />モグラの港に着いた。モグラ港は以前はチッタゴンより栄えた港であったが、水深が浅くなり、大きな船舶の航行ができなくなり、小さな船舶だけが往来している。浚渫して大型船の航行を可能にしたいと言う計画があがっているそうだ。<br />「魚!」とTさんが叫んだ。「魚?どこ?」「いまそこをはねた。ほらあそこのうねりのあるところ」「ボラかな??」と言いながら水面を見ていると、大きなヨコ腹が水面にあがり、うねりと共に沈んだ。「魚じゃないよ」というと、まわりの人たちが「ドルフィンだ」と教えた。ドルフィン、川イルカだ。ほほう、これはまたラッキー!!<br /><br />はしけに乗って、クルージング船まで行く。若いスタッフがてきぱきとわたし達を本船に引き上げてくれた。クルージング船は観光船みたいに大きいが、今日はこの船は私たち9人の貸しきり。というのはこのクルージング船はベンガルツアーの所有なのだ。1階は厨房やレストラン、2階は船室、そして船上は椅子のあるデッキ。船室は40人宿泊可能。「いいね、予定変更して、これでダカまで帰ろうよ」と私。船には「Discover today、think tomorrow」と書いてある。この文字、この言葉、どっかで見たなぁ。「この船ショドルガートに停泊していなかった?」と聞くが「違う、いつもここにいる」という返事。どこで見たんだろう??<br /><br />船はゆっくりと川をさかのぼっていく。両岸には田園風景が広がる。岸の人は大人も子どもも私たちに手を振ってくれる。色づいた稲、黄金のベンガルとはこういう景色をさすんだろう。引き潮なので、土手の下の方まで現れている。<br /><br /><br />途中から船の右後方に漁船がついて来るのに気がついた。ほどなくしてNさんが手招きして、「どうも後の船にカワウソが乗っているみたい。き〜き〜とう声が聞こえる」という。そこで船尾まで行って覗き込むと、漁船の男たちが、前の檻を指差す。覆いをかけてあるからカワウソの姿は見えないが、あの中にカワウソがいるようだ。キ〜キ〜という動物の声も聞こえる。漁船はロープで船につながれ、定置点まで、一緒に上っていくらしい。船尾の左側にもボートがつながれている。<br /><br /><br />カワウソ漁は引き潮のときがベスト。漁は4人一組で行う。紐をつけた2匹のカワウソを使い、魚を網に追い込んでいく、追い込み漁だ。4人の人間ととカワウソの息が合わなければだめ。カワウソは番で飼う。野生のカワウソを慣らすのは大変なので、代々子どもをとって育て、仕込んでいる。仕込みに1年はかかるそう。伝統漁とはいえ、最近では廃れ、やっているところは2軒ぐらいしかないそうだ。伝統漁なのだから、観光としてでも生き残っていけたらいい。カワウソは一回に1kgくらいの魚を食べるそうだ。でも真ん丸い目がとってもかわいい。今回は子どものカワウソもいるので3匹が仕事をする。<br /><br />今日のハイライトはこれ!つながれていたボートに乗り移り、漁船のすぐ傍まで行って漁を見る。3台のカメラを構え、やたらとシャッターを切る。瞬く間にフィルムが終わる。すばやくフィルムを代える。カワウソだけで、10本使っちゃったよ。これが本目だったからだけど、こんなに撮っても、気に入ったのがあるかどうか。<br /><br />手漕ぎのボートにのったまま、マングローブの中を行く。鳥がいても、大きな声を出さないで、目で合図して、と言われる。見つければすぐ大きな声を出す私には大変なことだ。Kingfisherがずいぶんいる。シュンドルボンはとってもいいところだ。喧騒のバングラデシュとは思えない自然環境だ。ダカからクルージングでここだけ目当てにきてもいいね。シュンドルボンとは「美しい森」の意味だと勝手に思い込んでいたら、シュンドルの木が多いところから、そう呼ばれるようになったという。「どれがシュンドルの木?」「あれです」なるほどいっぱいある。<br /><br />クルージング船に戻る前に、近くの村を訪ねた。もぅ1ケ所、急なはしごを上り、森林警備の事務所を訪ねた。森林警備の事務所はシュンドルボンに82ケ所あるが、シュンドルボンは広いので、これでも監視が行き届かず、密漁が後をたたないという。1事務所、4人で行動している。シュンドルボンの面積は6000k?。「国家財政が許せば、人間はいるんだし、雇用の場も増えるし、管理も行き届くようになるんだろうにね」<br /><br />冗談だったんだろうけど、はじめ森林警備員に護衛してもらうんだと、サデク君が言った。「何を護衛するの?」「トラからみなさんを守るためです」絶滅危惧種のベンガルトラにお目にかかれるとはだれも思っていない。「あら、こんなじいさん、ばあさんより、トラの方が大事ですよ。ねね、知ってる?日本語で酔っ払いのことをトラになるっていうんだよ。この中には大トラが多いから、ベンガルトラの方がびっくりして逃げちゃうよ」<br /><br />昼食は船上。これがまた美味しかった。船はモグラに引き返す。満ち潮になってきたみたいで、岸の土手が隠れている。船上で船のスタッフ15人に挨拶。ありがとう、たのしかったよ。<br /><br />バスに乗りバーゲルハットに行く。ここは世界遺産。60ものドームを持つと言うシャイト コンブット モスク。レンガ造りの列柱はきれいだ。列柱の美しいモスクはなんといってもアルハンブラ、そして木造の柱のウズベキスタンのウジャモスクを思い浮かべる。この列柱をどう処理したら効果的に、美しく撮れたかな、と思い出しながら思案している。<br />                             <br />副イマームがアザーンを唱えてくれた。ついでなので、「ラ イッラハ・・」も唱えてもらった。繰り返してくれたので、その抑揚を覚えるために私も声を出して復唱した。けっこう明るい調子。ついでイマームがコーランの一説を唱えてくれた。大きな声ではなく、お腹の中から訴えるような響き、内容はわからなくてもなんとも美しく荘厳に聞こえる。サデク君もアラビア語なので内容は分からないと言った。<br /><br />聖人の墓所の前は大きな池だ。池の前では空のポリ容器が売られている。この池の水は霊験あらたかなので、参拝客がその水を汲んで帰るのだという。ルルドの泉だねぇ。伝説によると、この池にはもともと6000頭の馬が住んでいた。いまもこの池にはワニがいるが、人々はワニは馬だと信じている。64歳になるワニがいて、ときどき陸に上がってきて日向ぼっこをする、人々が背中をなでたりしているが、ワニは上がっているときは寝ているので、触っても怒らない。ワニに会えたらラッキーなのだという。なんかお話っぽい。眉唾で聞いて、もう一つのモスクへ歩いていると、男性が、ワニが岸に出てきている、と教えてくれた。岸に行くと、大きなクロコダイルが寝ている。お話じゃなかったんだ。牙はもう曲がってしまって、乱杭歯状。背中を触ってみた。生きているワニに触るなんて初めてだ。思いのほかやわらかい。めったに合えないワニにも会えたし、今回の旅はラッキーずくめだねぇ。<br /><br />クルナへの帰り、バスがゆっくりと走る。なんとサデク君は、私がバングラデシュの夕日を撮りたいと言ったことを覚えてくれていて、夕日のチャンスを狙っていてくれたのだった。橋のたもとで、これ以降は川に落ちる夕日は見られないからとバスを止めた。私も毎日の経験から夕日は6時10分ごろになりそうだと、外に出て待つことにした。目の前は魚の養殖場、その魚を狙って、タカが飛んでくる。水面ぎりぎりに舞い降りて足でつかんでいく。鵜もむれをなして、横切っていく。ちょっと遠い向こうの並木道を人々が歩いていく。あれを入れて夕日を撮ったらどうか、と言われたが、この暗さでは人物は浮き上がらないと、夕日だけに焦点をあわせた。水面に夕日の赤い光が映る。しかし光を失うと水平線のガスに太陽はかすんでしまった。でもサデク君の心遣いに感謝。<br /><br />通りには海老の像がある。ホテルが経営しているレストランで、今日は大きな海老を食べながら、Hさんが「ぷりぷりの海老を期待していたんだけど・・」と言う。「調理の仕方が悪いんじゃない、加熱しすぎだよ」ところで、こんな大きな海老、現地の人は食べているんだろうか。大分前ではあるけれど、ネグロスの海老養殖場で働いている人たちは、頭しか食べられなかった。身は輸出だったんだ。食べていないとすると調理の仕方は分からないよね。<br /><br />食後には紅茶かコーヒーが出る。お茶の文化圏だからと安心して来たのだが、しかも元インドなんだから、と思ったが、マサラティがない。ティはすべてミルクティ。イギリスの影響かしらね。しかもティバッグ使用だ。ミルクは粉ミルクを溶いたものだ。バングラデシュは一部ビルマと接しているが、後はすべてインドに囲まれている。もっと食文化はインドに近いと思っていたのだが、ちょっと意に反した。ヨーグルトも乳製品もあまり使わないみたいだ。ピクルスも少ない。そういう意味ではネパールの方がインドの影響が強いかな。<br />

バングラデシュへ6

5いいね!

2009/12/16 - 2009/12/25

36位(同エリア41件中)

0

20

buchijoyce

buchijoyceさん

12月21日(月)

さぁ、いよいよ待望のシュンドルボン国立公園、世界自然遺産だ。歌に歌っていたカワウソに会える!
「カワウソ、日本にはいないんですか?」「ニホンカワウソがいたんだけど、絶滅しちゃったんだよ」「シュンドルボンのカワウソ、テレビで見ました」と誰かが言った。「ポストマンででしょ、私も見たよ」「ポストマンですか、あの取材、私が手伝っていたんです」とサデク君。「あれに出てたの?覚えていないな」
「あの番組は小笠原さんって元青年海外協力隊の方が、知人を探すのがテーマでした」「そう、あの小笠原さんがやっている『アンシャンテ』って駒ヶ根のレストランに行ったことがあるよ。駒ヶ根に青年海外協力隊の研修施設があってね。そこへ行った時寄ったんだけど、小笠原さんのベンガル料理が美味しかったから、今回も期待してきたんだよ」そして取材の裏話をいろいろ聞かせてもらった。「ううん、テレビにはそんなの写っていなかったよ」


バスはモングラに向かう。道にそって、海老の養殖場がつづく。養殖場の水面から水蒸気が吹き上げるように立ち上る。その湧き上がった水蒸気であたりは霧に包まれている。道路を囲むように生い茂った木々がアーチを描き、そこに行く人々も車も霧の中に消えていく、なんとも幻想的な風景である。


30年ほど前、日本に輸入される熱帯海老のベスト10にバングラデシュが入っていた。その後、海老は養殖に切り替わり、高雄、タイ、ベトナム、フィリピンと変遷している。おそらくこの養殖場もマングローブを切り開いて作られたものだろう。冷凍工場だという大きな建物もあった。

モグラの港に着いた。モグラ港は以前はチッタゴンより栄えた港であったが、水深が浅くなり、大きな船舶の航行ができなくなり、小さな船舶だけが往来している。浚渫して大型船の航行を可能にしたいと言う計画があがっているそうだ。
「魚!」とTさんが叫んだ。「魚?どこ?」「いまそこをはねた。ほらあそこのうねりのあるところ」「ボラかな??」と言いながら水面を見ていると、大きなヨコ腹が水面にあがり、うねりと共に沈んだ。「魚じゃないよ」というと、まわりの人たちが「ドルフィンだ」と教えた。ドルフィン、川イルカだ。ほほう、これはまたラッキー!!

はしけに乗って、クルージング船まで行く。若いスタッフがてきぱきとわたし達を本船に引き上げてくれた。クルージング船は観光船みたいに大きいが、今日はこの船は私たち9人の貸しきり。というのはこのクルージング船はベンガルツアーの所有なのだ。1階は厨房やレストラン、2階は船室、そして船上は椅子のあるデッキ。船室は40人宿泊可能。「いいね、予定変更して、これでダカまで帰ろうよ」と私。船には「Discover today、think tomorrow」と書いてある。この文字、この言葉、どっかで見たなぁ。「この船ショドルガートに停泊していなかった?」と聞くが「違う、いつもここにいる」という返事。どこで見たんだろう??

船はゆっくりと川をさかのぼっていく。両岸には田園風景が広がる。岸の人は大人も子どもも私たちに手を振ってくれる。色づいた稲、黄金のベンガルとはこういう景色をさすんだろう。引き潮なので、土手の下の方まで現れている。


途中から船の右後方に漁船がついて来るのに気がついた。ほどなくしてNさんが手招きして、「どうも後の船にカワウソが乗っているみたい。き〜き〜とう声が聞こえる」という。そこで船尾まで行って覗き込むと、漁船の男たちが、前の檻を指差す。覆いをかけてあるからカワウソの姿は見えないが、あの中にカワウソがいるようだ。キ〜キ〜という動物の声も聞こえる。漁船はロープで船につながれ、定置点まで、一緒に上っていくらしい。船尾の左側にもボートがつながれている。


カワウソ漁は引き潮のときがベスト。漁は4人一組で行う。紐をつけた2匹のカワウソを使い、魚を網に追い込んでいく、追い込み漁だ。4人の人間ととカワウソの息が合わなければだめ。カワウソは番で飼う。野生のカワウソを慣らすのは大変なので、代々子どもをとって育て、仕込んでいる。仕込みに1年はかかるそう。伝統漁とはいえ、最近では廃れ、やっているところは2軒ぐらいしかないそうだ。伝統漁なのだから、観光としてでも生き残っていけたらいい。カワウソは一回に1kgくらいの魚を食べるそうだ。でも真ん丸い目がとってもかわいい。今回は子どものカワウソもいるので3匹が仕事をする。

今日のハイライトはこれ!つながれていたボートに乗り移り、漁船のすぐ傍まで行って漁を見る。3台のカメラを構え、やたらとシャッターを切る。瞬く間にフィルムが終わる。すばやくフィルムを代える。カワウソだけで、10本使っちゃったよ。これが本目だったからだけど、こんなに撮っても、気に入ったのがあるかどうか。

手漕ぎのボートにのったまま、マングローブの中を行く。鳥がいても、大きな声を出さないで、目で合図して、と言われる。見つければすぐ大きな声を出す私には大変なことだ。Kingfisherがずいぶんいる。シュンドルボンはとってもいいところだ。喧騒のバングラデシュとは思えない自然環境だ。ダカからクルージングでここだけ目当てにきてもいいね。シュンドルボンとは「美しい森」の意味だと勝手に思い込んでいたら、シュンドルの木が多いところから、そう呼ばれるようになったという。「どれがシュンドルの木?」「あれです」なるほどいっぱいある。

クルージング船に戻る前に、近くの村を訪ねた。もぅ1ケ所、急なはしごを上り、森林警備の事務所を訪ねた。森林警備の事務所はシュンドルボンに82ケ所あるが、シュンドルボンは広いので、これでも監視が行き届かず、密漁が後をたたないという。1事務所、4人で行動している。シュンドルボンの面積は6000k?。「国家財政が許せば、人間はいるんだし、雇用の場も増えるし、管理も行き届くようになるんだろうにね」

冗談だったんだろうけど、はじめ森林警備員に護衛してもらうんだと、サデク君が言った。「何を護衛するの?」「トラからみなさんを守るためです」絶滅危惧種のベンガルトラにお目にかかれるとはだれも思っていない。「あら、こんなじいさん、ばあさんより、トラの方が大事ですよ。ねね、知ってる?日本語で酔っ払いのことをトラになるっていうんだよ。この中には大トラが多いから、ベンガルトラの方がびっくりして逃げちゃうよ」

昼食は船上。これがまた美味しかった。船はモグラに引き返す。満ち潮になってきたみたいで、岸の土手が隠れている。船上で船のスタッフ15人に挨拶。ありがとう、たのしかったよ。

バスに乗りバーゲルハットに行く。ここは世界遺産。60ものドームを持つと言うシャイト コンブット モスク。レンガ造りの列柱はきれいだ。列柱の美しいモスクはなんといってもアルハンブラ、そして木造の柱のウズベキスタンのウジャモスクを思い浮かべる。この列柱をどう処理したら効果的に、美しく撮れたかな、と思い出しながら思案している。
                             
副イマームがアザーンを唱えてくれた。ついでなので、「ラ イッラハ・・」も唱えてもらった。繰り返してくれたので、その抑揚を覚えるために私も声を出して復唱した。けっこう明るい調子。ついでイマームがコーランの一説を唱えてくれた。大きな声ではなく、お腹の中から訴えるような響き、内容はわからなくてもなんとも美しく荘厳に聞こえる。サデク君もアラビア語なので内容は分からないと言った。

聖人の墓所の前は大きな池だ。池の前では空のポリ容器が売られている。この池の水は霊験あらたかなので、参拝客がその水を汲んで帰るのだという。ルルドの泉だねぇ。伝説によると、この池にはもともと6000頭の馬が住んでいた。いまもこの池にはワニがいるが、人々はワニは馬だと信じている。64歳になるワニがいて、ときどき陸に上がってきて日向ぼっこをする、人々が背中をなでたりしているが、ワニは上がっているときは寝ているので、触っても怒らない。ワニに会えたらラッキーなのだという。なんかお話っぽい。眉唾で聞いて、もう一つのモスクへ歩いていると、男性が、ワニが岸に出てきている、と教えてくれた。岸に行くと、大きなクロコダイルが寝ている。お話じゃなかったんだ。牙はもう曲がってしまって、乱杭歯状。背中を触ってみた。生きているワニに触るなんて初めてだ。思いのほかやわらかい。めったに合えないワニにも会えたし、今回の旅はラッキーずくめだねぇ。

クルナへの帰り、バスがゆっくりと走る。なんとサデク君は、私がバングラデシュの夕日を撮りたいと言ったことを覚えてくれていて、夕日のチャンスを狙っていてくれたのだった。橋のたもとで、これ以降は川に落ちる夕日は見られないからとバスを止めた。私も毎日の経験から夕日は6時10分ごろになりそうだと、外に出て待つことにした。目の前は魚の養殖場、その魚を狙って、タカが飛んでくる。水面ぎりぎりに舞い降りて足でつかんでいく。鵜もむれをなして、横切っていく。ちょっと遠い向こうの並木道を人々が歩いていく。あれを入れて夕日を撮ったらどうか、と言われたが、この暗さでは人物は浮き上がらないと、夕日だけに焦点をあわせた。水面に夕日の赤い光が映る。しかし光を失うと水平線のガスに太陽はかすんでしまった。でもサデク君の心遣いに感謝。

通りには海老の像がある。ホテルが経営しているレストランで、今日は大きな海老を食べながら、Hさんが「ぷりぷりの海老を期待していたんだけど・・」と言う。「調理の仕方が悪いんじゃない、加熱しすぎだよ」ところで、こんな大きな海老、現地の人は食べているんだろうか。大分前ではあるけれど、ネグロスの海老養殖場で働いている人たちは、頭しか食べられなかった。身は輸出だったんだ。食べていないとすると調理の仕方は分からないよね。

食後には紅茶かコーヒーが出る。お茶の文化圏だからと安心して来たのだが、しかも元インドなんだから、と思ったが、マサラティがない。ティはすべてミルクティ。イギリスの影響かしらね。しかもティバッグ使用だ。ミルクは粉ミルクを溶いたものだ。バングラデシュは一部ビルマと接しているが、後はすべてインドに囲まれている。もっと食文化はインドに近いと思っていたのだが、ちょっと意に反した。ヨーグルトも乳製品もあまり使わないみたいだ。ピクルスも少ない。そういう意味ではネパールの方がインドの影響が強いかな。

PR

この旅行記のタグ

5いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

バングラデシュで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
バングラデシュ最安 501円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

バングラデシュの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

PAGE TOP