2009/12/23 - 2010/01/02
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ヌールッディーンさん
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台北からMRTで約40分前後で淡水に行くことができます。淡水はかつては台湾の4大港の一つだった淡水港があったところですが、淡水河の水深が浅くなったため衰退しました。衰退したおかげもあって比較的古い遺跡が残っており、現在は台北からの週末観光などで人が沢山来ています。
淡水と言えば、スペインが築いた砦・紅毛城が何と言っても有名ですが、ここではそれは割愛し、日本のガイドブックには載っていない清朝時代の植民地様式の建築を紹介します。場所はMRT駅から淡江中学・真理大学や紅毛城に行く途中で、それらの少し手前にあるので、行くのは難しくありません。
なお、淡水は過去に7つの国による統治を経験してきたそうですが、毎年それらの国が統治していた時代にスポットを当てて展示をしているそうです。私が訪問したときは運よく(?)日本統治時代の展示が行われていました。(たぶん、台湾の年度は9月で変わるので、2010年9月からは中華民国の展示に変わるのではないでしょうか?)
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小白宮の入口。
小白宮とは「小さなホワイトハウス」という意味らしいです。
門のすぐ向こうに見える大きなポルティコに囲まれた邸宅が小白宮です。 -
小白宮の模型。
ここでは東南アジアにおける植民地様式の建築についてわかりやすくまとまった解説がなされており、非常に参考になりました(このブログで紹介する所以です)。
以下、それらの解説の内容を写真で解説していきたいと思います。
特徴として挙げられているのは、「立地」「平面」「ファサード」「屋根」「基礎(土台)」「窓」「庭」の7項目挙げられています。
この模型では「平面」の特徴が見て取れます。「平面」の特徴は「左右対称の平面が採用されることが多い」ということで、この建物も本体部分はほぼ左右対称となっています。
また、建物が幅の広い屋根つきの回廊で囲まれており、建築の面積に比してこの回廊の面積が非常に大きいことが目立った特徴となっています。
これは暑い土地における日除けであり、建物本体を強い日差しが入りにくいようにするためのものだそうです。
こうしたポルティコは地中海世界ではよく見られるもので、中東では外向きではなく中庭に向けてこれと同じような日除けの工夫がなされているものがあるので、それと同じようなものかな、という気がしました。
恐らく、ヨーロッパの人びとが東南アジアという熱帯に足を踏み入れたとき、地中海世界の建築様式を参考にして考えられたものなのだろう、と個人的には想像しています。(今後、これらの関係を調べたいところです。) -
建物の背面にはスタッフのための棟があり(建物模型の写真の上方の出っ張った部分)、彼らは建物本体に入らなくても食事を給仕できるようになっていました。この小さなドアから食事等を給仕していたそうです。
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植民地建築の特徴の一つは「立地」です。
大抵の植民地建築は、港や川の近くに岸に並行して建てられ、眺めが良くなっています。
そうすることで家主は船が港に入る様子を見ることができるのです。 -
植民地建築の特徴である「屋根つきの広い回廊(ポルティコ)」。
これで夏も涼しくて快適なことでしょう。
私が行ったときは冬だったので結構寒かったですが…。
なお、淡水は冬は台北よりも風などの関係もあるのか、少し寒いようで、現地の友人たちは温かい格好をしていくようしきりに薦めてくれましたが、その薦めに従って正解でした。冬に淡水に行かれる方は台北よりは少し温かい服装を準備していった方がよいと思います。 -
植民地建築の特徴の一つは「土台」にもあります。
レンガ造か石造の土台で地面から建物が持ち上げられており、その土台には階段が設けられているのも特徴です。 -
植民地建築の特徴は「窓」にもあります。
窓の位置は大抵、回廊のアーチと呼応しており(同じ位置にあり)、上下開きの窓にブラインドが取り付けられていることが多いとのことです。
位置がアーチと呼応しているのは外の様子が見えるという特徴とも関係しているのでしょう。
なお、ここの窓は上下開きではないですが、ブラインドはついています。 -
植民地建築の特徴は「屋根」にもあります。
煙突がある「四坡式」という4方に傾斜した屋根であることが多いそうです。
この写真では煙突は見えませんが、実は後ろ側についています。もちろん、4方に傾斜した屋根になっています。
このほか、写真つきでは解説できなかった植民地建築の特徴について以下で触れておきます。
「ファサード(正面)」は宗主国の建築様式の影響が強く、一般的には18から19世紀のイギリスの邸宅の様式であることが多いようです。
小白宮では建物の背面に比較的広い庭があります。植民地様式建築では「庭」には特徴があって、広い庭と芝生はレクリエーションや宴会のためにデザインされているそうです。この建物の庭には清仏戦争の際の砲弾の後が残っており、地面がへこんでいました。
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