2009/05/09 - 2009/05/09
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鯨の味噌汁さん
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イングランドとスコットランドの国境には、両国の国旗が、国道の両側に立っていた。
エジンバラまで走り、3日間で約1200キロ走ったクルマを、奇跡的に無傷で返却。
で、同時に、「ネス湖バスツアー」を予約してしまう。ひとり35ポンドである。
個人旅行を旨とする鯨が、今回なにゆえ、節を屈して、ツアーに参加したのか、というと。
3日間で1200キロ、初めての国を運転したので、クタクタになってしまったのである。
配偶者によると、ベッドの中でも、カタコト英語でうなされていたらしい。
われなが、なんていじらしい男であろうか。
であるから、
「体制に迎合し、ツアーに参加した」
などと、全共闘みたいなことを、鯨にゆってはいけない。
ムチャはしてもいいが、無理はしない、というのが、鯨の旅のモットーなのである。
ちなみに、オネダンは一人35ポンド、クルーズ大は別で12ポンド。
うむむ。おいしい夕食一回分、という感じのオネダンである。
これは、エジンバラ駅のインフォメーションで申し込んだのであるが。
フツーのホテルで頼めば、前日でも手配は可能だと思われる。
エジンバラからのネス湖ツアーというのは、毎日出ているからね。
- 同行者
- カップル・夫婦
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- 観光バス
- 航空会社
- ANA
-
さてさて。
どないなもんかいな、と参加してみた、バスツアーであるが。
これが、なかなか、よろしかった。
みな個人参加らしく、総勢40人ほどの「即席団体」である。
内訳は、ヨーロッパ系40%、インド系50%、東アジア系10%。
日本人は鯨たちだけである。
一見して、インド人・中国人が多い。
彼らが遠いアジアから来ているのか、それともロンドンから休暇で来ているのかはわからない。
両国とも、かつての「帝国主義・インテリヤクザ・ほとんど極道イギリス組」に、ヒドイ目にあわされている。
インドは植民地にされちまったし、中国に至っては言いがかりをつけられ、戦争に引っ張り込まれ、コテンパンにやられた上に香港を取られてしまった。
ゴロツキもかくはあらんや。
おそらくたぶん。
当時のアジアにおいて「極道イギリス組」の評判は最悪だったであろう。
どの国も、
「あの国と付き合うと、身ぐるみはがされるわよ。コワイのよ。ちかづいちゃダメよ」
くらいに、思っていたはずである。
が、それから幾星霜。
インド・中国は世界の大国に育ち、オカネをたくさん持って、イギリスに観光旅行にやってきているのだから、国力、なんちゅーのは、つくづく分からんもんなのである。
さて。
ネス湖に入る前、氷河跡の山塊ルートは、まこと、柄の大きい景色である。
スコットランドの北側は、「ハイランド」と呼ばれ、荒々しい自然の残る地なのである。
でもって、映画にもなった「ロブ・ロイ」の故郷でもある。
さらに、「ハリー・ポッター」に出てくる、蒸気機関車のロケ地(ウェストハイランド鉄道)もある。 -
が、無知にして蒙昧たるわれわれ夫婦は、当然のように、その両方とも、見ていない・読んでいない・知らない・のである。
恰幅のよい、歌うように英語を話す中年男性のガイド氏が、
「さぁ、これからハリー・ポッターの映画に出てくる蒸気機関車の横をとおるぜ。
みんな注目してくれ、右側の対岸だ」
(多分そんなコトを)とゆうと、みんな一斉にバスの右側にカメラを向ける。
ワシらもやんないと悪いかなぁ、と思いつつ、配偶者を見る。
が、こやつは、どこでも同じなのであった。
とりあえずは、熟睡しているのてある。
つねにもがもな、なぎさこぐ。
乗物に乗ると、5分で寝てしまうのである。
いちおう、観光バスなんだから、まわりの景色くらいは、見てほしいものであるが。
彼女の脳下垂体にとっては、埼京線もこのバスも、変わらぬものらしい。 -
ネス湖はいかにも「氷河の後にできました」という感じの山峡の湖である。
バスはアーカート城にたどりつく。
お城に入るまでが、ちゃんとお土産物屋さんになっている。
ここで、配偶者は
「職場へ、ギリのオミヤゲを買うのよ」
と意気込んでいる。
何しろネス湖だ。
ネッシーの本場だ。
ネッシー饅頭、ネッシークッキー、ネッシーチョコ、なんでも揃っているに違いない。
が、あにはからんや。饅頭もクッキーも、チョコもないのだった。
Tシャツ、陶器のオキモノ、ぬいぐるみがあるくらい。
そのぬいぐるみも、あんまりかわいくないぞ。
ネス湖は、山塊が続くハイランドの、海に近いところにある。
だから、船に乗ってみると、両岸が近い。
怪物が棲むとゆうには、いささか、狭いのではないか、と思われる。
鯨の近所にある、浦和市民プールより、いくらか広い程度ではないか、と思われる。
よって、ネッシーとは大きめのウナギではないかしら、などとと想像する。
でもって、よくもまぁ、天気がクルクル変わる。
雨、風、空の上を雲が走る。
ネス湖をナニごともなく北上。
湖は狭くなり、細くなり、インバネスの郊外で下船する。
ここでバスに乗り換え。
エジンバラ市内へ戻るのである。 -
途中、ユーメイな「フォースブリッジ」の横を通る。
なるほど、これが世界最古の鉄橋か。
「恐竜橋」とも呼ばれているそうだ。
確かに、大きくて、古めかしくて、恐ろしい。
フォースブリッジ・ザウルス、なーんて名前が、合いそうである。
と、バスに突然「蛍の光」が流れた。スコットランド民謡である。
どうやら、かの地でも「閉店音楽」であるらしい。
スコットランドにいるのであるが、同時に武蔵浦和のパチンコ屋さんにいる気分である。
ガイドのオジサンが、何やら挨拶をした。
と、笑い声と一緒に、拍手が沸いた。
ネッシーを見せたかったのに、残念でしたね、なんてことをしゃべったらしい。
その拍手が全員だったので、どうやら、その日のツアーで英語を解さないのは、鯨夫妻だけであると知れた。 -
バスを降りると、エジンバラの空いっぱいに、見事な虹があらわれた。
エジンバラ城の向こうから立ち上がり、旧市街の上空を横断し、駅をまたぎ、海の方へと続く、美しい虹である。
虹は、もともと「龍」の意味である。
龍は、そもそも、ネッシーみたいなもんであろう。
エジンバラは、ツアーの最後に、大サービスをしてくれたのであった。
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