湖水地方旅行記(ブログ) 一覧に戻る
旅の三日め。<br />この日は、ハワースから西北へクルマで移動し、湖水地方を訪ねることにする。<br />地図をたんねんに読み、進むべき国道に、大きくシルシをつけ、出発する。<br /><br />わが愛車(フォードなんちゃら)には、前述のとおり、堂々カーナビがついているのであるが。<br />何しろ英語なのでサッパリ分からず。<br />使えるのは<br />?今、どこを走っているか<br />?東西南北、どちらに向かっているか<br />くらいのものである。<br /><br />最新式のはずなのであるが、大航海時代の磁石くらいにしか活用できていない。<br /><br />それはともかく。<br /><br />湖水地方で、鯨がやりたかったのが「保存鉄道」への乗車だ。<br />鉄道発祥の地・イギリスでは、かつて、全国に網の目のように鉄道網が敷設されていた。<br />産業革命のお国であるから、石炭やら羊毛やらを、運ばねばならなかったのである。<br />が、日本の事情と同じで、20世紀の後半に、ローカル線は次々と廃線になった。<br />それを、地元のボランティアが中心となって、観光用に復活させているのである。<br />イギリス全土で、そんな保存鉄道が140箇所あるという。<br /><br />というわけで、ウィンダミア湖に近い「レイクサイド鉄道」をひたすら目指す。<br />保存鉄道は、道路標識に「蒸気機関車マーク」が表示される。<br />であるから、近くに来れば、迷うことなくたどりつけるはずである。<br /><br />途中、一面の放牧場に羊が散らばっているところで一休み。<br /><br />お昼過ぎに到着すると、駐車場に、観光バスが一台、止まっていた。<br />駅舎にある食堂に入ると、ツアーのおじいちゃん、おばあちゃんで一杯である。<br />部屋からはみださんばかりに、お年寄りが鈴なりなのであった。<br /><br />で、大騒ぎをしながら、みんな仲良く、ゴハンを食べている。<br />どうやらロンドンからのツアーであるらしい。<br />つまりは「英国版クラブツーリズム」の方々と、いっしょになったのである。<br /><br />夫婦3割、おばあちゃんグループ3割、ジジババ混合2割。<br />間違って迷い込んだ若夫婦1割、ワシら外国人1割、といった感じである。<br />このうち、もっともかしましいのは、もちろん「おばあちゃんグループ」であって、<br /><br />「ロージーのスープ、さめちゃうわよ」<br /><br />「彼女はオシッコに行っちゃったわ」<br /><br />「でねぇ、ウチのヨメがどうしても別居するってきかないのよ」<br /><br />「やだ、これスーザンのおぱんつじゃない、間違ってはいちまったわ」<br /><br />とまぁ、のべつまくなし、ものすごいイキオイでしゃべっているのである。<br />それぞれの会話を楽しんでいる、というよりは、それぞれ勝手にやってます私ら、といった風情である。<br />イギリスも日本も、ツアーの主役は女性なのである。<br /><br />多くの保存鉄道がそうであるように、ここもまた、蒸気機関車だ。<br />で、駅には「きかんしゃトーマス」のバッジなんぞも売っている。<br />やってきた機関車は、なるほど、100年ほど前の、伝統的なスタイルだ。<br />すると、それまでおばあちゃんたちの前に、なすすべもなくボーゼンとしていたおじいちゃんたちが、わっと集まって記念撮影を始める。<br />イギリス版・鉄ちゃんは、やっぱり男性なのであった。<br /><br />湖水地方は、どの町が美しい、という感じではない。<br />どこを切り取っても、しっとり、オツユたっぷり、の風景が広がっている。<br />ピーター・ラビットの記念館とか、詩人ワーズワースのゆかりの地、なーんてのもあるけど。<br />日本でいえば、富士五湖の雰囲気に近い。<br />バスツアー、ハイカー、バックパッカー、それにキャンピングカーで来る人も多い。<br />年配の方のハイカーも多い。ここらへんは日本と一緒である。<br /><br />いいなぁ、いいなぁ、と走り回っているうちに、例によって道に迷ってしまう。<br />今、どこを走っているのか、わからなくなる。<br /><br />しかし、迷ったっていいじゃない。<br />この景色の中を、走れる幸せを優先しよう。<br />迷って日が暮れたら、B&amp;Bに泊まればいいんだからね。<br /><br />二人で景色のいい場所を選びながら、少しずつ移動。<br />夕方、湖水地方を抜け、カーライルの町にたどりつく。

湖水地方の保存鉄道に乗ってみる

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2009/05/07 - 2009/05/07

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鯨の味噌汁

鯨の味噌汁さん

旅の三日め。
この日は、ハワースから西北へクルマで移動し、湖水地方を訪ねることにする。
地図をたんねんに読み、進むべき国道に、大きくシルシをつけ、出発する。

わが愛車(フォードなんちゃら)には、前述のとおり、堂々カーナビがついているのであるが。
何しろ英語なのでサッパリ分からず。
使えるのは
?今、どこを走っているか
?東西南北、どちらに向かっているか
くらいのものである。

最新式のはずなのであるが、大航海時代の磁石くらいにしか活用できていない。

それはともかく。

湖水地方で、鯨がやりたかったのが「保存鉄道」への乗車だ。
鉄道発祥の地・イギリスでは、かつて、全国に網の目のように鉄道網が敷設されていた。
産業革命のお国であるから、石炭やら羊毛やらを、運ばねばならなかったのである。
が、日本の事情と同じで、20世紀の後半に、ローカル線は次々と廃線になった。
それを、地元のボランティアが中心となって、観光用に復活させているのである。
イギリス全土で、そんな保存鉄道が140箇所あるという。

というわけで、ウィンダミア湖に近い「レイクサイド鉄道」をひたすら目指す。
保存鉄道は、道路標識に「蒸気機関車マーク」が表示される。
であるから、近くに来れば、迷うことなくたどりつけるはずである。

途中、一面の放牧場に羊が散らばっているところで一休み。

お昼過ぎに到着すると、駐車場に、観光バスが一台、止まっていた。
駅舎にある食堂に入ると、ツアーのおじいちゃん、おばあちゃんで一杯である。
部屋からはみださんばかりに、お年寄りが鈴なりなのであった。

で、大騒ぎをしながら、みんな仲良く、ゴハンを食べている。
どうやらロンドンからのツアーであるらしい。
つまりは「英国版クラブツーリズム」の方々と、いっしょになったのである。

夫婦3割、おばあちゃんグループ3割、ジジババ混合2割。
間違って迷い込んだ若夫婦1割、ワシら外国人1割、といった感じである。
このうち、もっともかしましいのは、もちろん「おばあちゃんグループ」であって、

「ロージーのスープ、さめちゃうわよ」

「彼女はオシッコに行っちゃったわ」

「でねぇ、ウチのヨメがどうしても別居するってきかないのよ」

「やだ、これスーザンのおぱんつじゃない、間違ってはいちまったわ」

とまぁ、のべつまくなし、ものすごいイキオイでしゃべっているのである。
それぞれの会話を楽しんでいる、というよりは、それぞれ勝手にやってます私ら、といった風情である。
イギリスも日本も、ツアーの主役は女性なのである。

多くの保存鉄道がそうであるように、ここもまた、蒸気機関車だ。
で、駅には「きかんしゃトーマス」のバッジなんぞも売っている。
やってきた機関車は、なるほど、100年ほど前の、伝統的なスタイルだ。
すると、それまでおばあちゃんたちの前に、なすすべもなくボーゼンとしていたおじいちゃんたちが、わっと集まって記念撮影を始める。
イギリス版・鉄ちゃんは、やっぱり男性なのであった。

湖水地方は、どの町が美しい、という感じではない。
どこを切り取っても、しっとり、オツユたっぷり、の風景が広がっている。
ピーター・ラビットの記念館とか、詩人ワーズワースのゆかりの地、なーんてのもあるけど。
日本でいえば、富士五湖の雰囲気に近い。
バスツアー、ハイカー、バックパッカー、それにキャンピングカーで来る人も多い。
年配の方のハイカーも多い。ここらへんは日本と一緒である。

いいなぁ、いいなぁ、と走り回っているうちに、例によって道に迷ってしまう。
今、どこを走っているのか、わからなくなる。

しかし、迷ったっていいじゃない。
この景色の中を、走れる幸せを優先しよう。
迷って日が暮れたら、B&Bに泊まればいいんだからね。

二人で景色のいい場所を選びながら、少しずつ移動。
夕方、湖水地方を抜け、カーライルの町にたどりつく。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
鉄道 レンタカー
航空会社
ANA

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