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弘前の町は古くから津軽地方の教育や軍、商業の中心地として栄えていたこともあり、古い洋館が町の中心に散在しています。教会、煉瓦倉庫、学校、軍の施設、そしてここで紹介する銀行など、魅力的な近代建築が数多く残っていて、近代建築ファンには必見の町です。

弘前の近代建築を訪ねて~銀行編~

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2008/05/10 - 2008/05/10

1103位(同エリア1550件中)

旅行記グループ 近代建築散歩(東北エリア)

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ぬいぬい

ぬいぬいさん

弘前の町は古くから津軽地方の教育や軍、商業の中心地として栄えていたこともあり、古い洋館が町の中心に散在しています。教会、煉瓦倉庫、学校、軍の施設、そしてここで紹介する銀行など、魅力的な近代建築が数多く残っていて、近代建築ファンには必見の町です。

同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス
  • 弘前が生んだ近代建築の名匠の誉れ高い、堀江佐吉がそれまでに彼が修得したすべての技法と精力を投入した建造物がこの旧第五十九銀行本店本館です。

    弘前が生んだ近代建築の名匠の誉れ高い、堀江佐吉がそれまでに彼が修得したすべての技法と精力を投入した建造物がこの旧第五十九銀行本店本館です。

  • この建物は明治37年11月19日、弘前市親方町19番地に、第五十九銀行本店として完成しました。時に堀江佐吉、59歳の時でした。

    この建物は明治37年11月19日、弘前市親方町19番地に、第五十九銀行本店として完成しました。時に堀江佐吉、59歳の時でした。

  • 当時の銀行頭取から、「貴方の好きな様に造ってください。何も言いませんから」の一言に感動した佐吉は、これまでの経験を生かし、かつ今までにない自由な構想をもって設計を行いました。

    当時の銀行頭取から、「貴方の好きな様に造ってください。何も言いませんから」の一言に感動した佐吉は、これまでの経験を生かし、かつ今までにない自由な構想をもって設計を行いました。

  • 外観はルネッサンス様式のこの建物、一見石造りにもえますが、実は木造2階建なんです。防火対応のために、内側は土蔵作りの技法を採用し、塔屋には展望台兼用の装飾搭を置いています。

    外観はルネッサンス様式のこの建物、一見石造りにもえますが、実は木造2階建なんです。防火対応のために、内側は土蔵作りの技法を採用し、塔屋には展望台兼用の装飾搭を置いています。

  • 使用した木材は佐吉自らが山中を歩いて、探し回った青森産のヒバとケヤキを使っていて、完成までに2年半の歳月を要したそうですから、当時の佐吉の入れ込みようがうかがえます。

    使用した木材は佐吉自らが山中を歩いて、探し回った青森産のヒバとケヤキを使っていて、完成までに2年半の歳月を要したそうですから、当時の佐吉の入れ込みようがうかがえます。

  • ドアを入ると、青森産けやきの長いカウンター、茶色く光るケヤキ柱、漆喰壁、漆喰装飾の施された高い天井、典型的な銀行の営業室の造りになっています。<br />

    ドアを入ると、青森産けやきの長いカウンター、茶色く光るケヤキ柱、漆喰壁、漆喰装飾の施された高い天井、典型的な銀行の営業室の造りになっています。

  • 1階は銀行発足当時の貴重な資料や日本の貨幣等が展示されています。<br /><br />

    1階は銀行発足当時の貴重な資料や日本の貨幣等が展示されています。

  • 洋館の見せ場はいろいろありますが、まずは天井の漆喰装飾もその一つですね。

    洋館の見せ場はいろいろありますが、まずは天井の漆喰装飾もその一つですね。

  • もう一つ階段も絶対はずせない場所で、この曲がり階段は 大株主だけが使うことができる貴賓階段です。

    もう一つ階段も絶対はずせない場所で、この曲がり階段は 大株主だけが使うことができる貴賓階段です。

  • 素材は青森産のケヤキで、昭和29年頃一度にとり外されましたが、昭和59年の保存修理工事で復元されました。 <br />

    素材は青森産のケヤキで、昭和29年頃一度にとり外されましたが、昭和59年の保存修理工事で復元されました。 

  • 茶色く光る円柱と、それに続く天井の漆喰装飾なかなか見事ですね。

    茶色く光る円柱と、それに続く天井の漆喰装飾なかなか見事ですね。

  • レースのカーテンから入る間接的な光 なかなかいい雰囲気です。

    レースのカーテンから入る間接的な光 なかなかいい雰囲気です。

  • 何の変哲もない格子のはまった上げ下げ窓、実は漆喰塗りの土戸防火戸で閉じられるように工夫されていて、防火二重窓になっています。まさに洋風蔵作りといった感じですね。<br />

    何の変哲もない格子のはまった上げ下げ窓、実は漆喰塗りの土戸防火戸で閉じられるように工夫されていて、防火二重窓になっています。まさに洋風蔵作りといった感じですね。

  • 2階は大・小の会議室になっています。

    2階は大・小の会議室になっています。

  • こちらは小会議室。天井の壁紙変わったものを使っています。

    こちらは小会議室。天井の壁紙変わったものを使っています。

  • 一階の説明を受けた際に、「2階の天井をよく見てくださいね。」と言われ何があるのか見るとこれっ?<br />金唐革紙と言う貴重な壁紙だそうです。 

    一階の説明を受けた際に、「2階の天井をよく見てくださいね。」と言われ何があるのか見るとこれっ?
    金唐革紙と言う貴重な壁紙だそうです。 

  • 過去には国会議事堂の貴族院書記官室等に使用されていましたが 今ではこの青森銀行記念館と 日本郵船小樽支店、湯島の岩崎家住宅の壁にしか使われていないようです。

    過去には国会議事堂の貴族院書記官室等に使用されていましたが 今ではこの青森銀行記念館と 日本郵船小樽支店、湯島の岩崎家住宅の壁にしか使われていないようです。

  • 塔屋の展望台に上がる階段。ここから上は非公開で上がれません。

    塔屋の展望台に上がる階段。ここから上は非公開で上がれません。

  • この窓も今日のお気に入りの一つです。

    この窓も今日のお気に入りの一つです。

  • 織り上げ天井の照明器具の漆喰装飾も見事です。

    織り上げ天井の照明器具の漆喰装飾も見事です。

  • 裏側にもケヤキの立派な階段が付いています。表の貴賓用と違って、こちらが一般人の使用できる階段だったのでしょうか?

    裏側にもケヤキの立派な階段が付いています。表の貴賓用と違って、こちらが一般人の使用できる階段だったのでしょうか?

  • 内部のドアは青森産のヒバ材を使っています。

    内部のドアは青森産のヒバ材を使っています。

  • どこを見ても、名匠堀江佐吉の集大成だけあって重厚感がありますね。

    どこを見ても、名匠堀江佐吉の集大成だけあって重厚感がありますね。

  • この建物も移築されたもののようで、1965年に隣にある青森銀行弘前支店新築のため、建物を90度回転して今の位置に50メートル移動したそうです。

    この建物も移築されたもののようで、1965年に隣にある青森銀行弘前支店新築のため、建物を90度回転して今の位置に50メートル移動したそうです。

  • 外壁は一見「下見板」に見えますが、実際は下地板の上に240ミリ角、厚さ20ミリの素焼きの瓦を張り詰め、その上に漆喰を約45ミリ程塗り重ねると言う工法を使っています。<br /><br />

    外壁は一見「下見板」に見えますが、実際は下地板の上に240ミリ角、厚さ20ミリの素焼きの瓦を張り詰め、その上に漆喰を約45ミリ程塗り重ねると言う工法を使っています。

  • これは実に独創的で東奥のルネサンス建築といわれています。<br />

    これは実に独創的で東奥のルネサンス建築といわれています。

  • 次に向かったのは百石町展示館。この建物は、明治13年(1880年)に1000戸を以上の家屋を焼失したという大惨事の弘前 大火を教訓に、「燃えない建物を」と、明治16年(1883年)、宮本甚兵衛が土蔵造りの 「角三呉服店」として新築しました。<br />

    次に向かったのは百石町展示館。この建物は、明治13年(1880年)に1000戸を以上の家屋を焼失したという大惨事の弘前 大火を教訓に、「燃えない建物を」と、明治16年(1883年)、宮本甚兵衛が土蔵造りの 「角三呉服店」として新築しました。

  • 土蔵造りの呉服店だったこの建物が、銀行の業務として使われるようになったのは、大正6年(1917年)のこと。<br /><br />

    土蔵造りの呉服店だったこの建物が、銀行の業務として使われるようになったのは、大正6年(1917年)のこと。

  • 津軽銀行が建物を譲り受け、当時の呉服店によく見られる入り口開放部分の一部を残して壁面にし、下屋を取り除いて 窓に鉄扉を取り付けるなど、必要最小限の改装を加え、銀行本店として営業を開始しました。

    津軽銀行が建物を譲り受け、当時の呉服店によく見られる入り口開放部分の一部を残して壁面にし、下屋を取り除いて 窓に鉄扉を取り付けるなど、必要最小限の改装を加え、銀行本店として営業を開始しました。

  • 昭和18年に青森銀行と合併後もそのまま銀行の支店として使用され、平成13年に支店の閉鎖に伴い弘前市に寄贈され、約3億の費用をかけて改修され、平成16年4月から百石町展示館として公開されています。<br />

    昭和18年に青森銀行と合併後もそのまま銀行の支店として使用され、平成13年に支店の閉鎖に伴い弘前市に寄贈され、約3億の費用をかけて改修され、平成16年4月から百石町展示館として公開されています。

  • 土蔵の名残の窓もこんなきれいに修復されています。

    土蔵の名残の窓もこんなきれいに修復されています。

  • 左右に残る赤煉瓦の壁と漆喰の真っ白な壁とのコントラストがきれいです。

    左右に残る赤煉瓦の壁と漆喰の真っ白な壁とのコントラストがきれいです。

  • 銀行業務を行なっていた頃のカウンターはそのまま残されています。なかなか重厚感がありますね。でも天井は改修の際に低くなったのか、もともと低かったのかは定かではありませんがちょっと圧迫感があります。

    銀行業務を行なっていた頃のカウンターはそのまま残されています。なかなか重厚感がありますね。でも天井は改修の際に低くなったのか、もともと低かったのかは定かではありませんがちょっと圧迫感があります。

  • これが弘前市内に残る最古の近代建築だそうです。

    これが弘前市内に残る最古の近代建築だそうです。

  • これは大正13年創業の弘前無尽株式会社の本社ビルとして建てられたもので、弘前市内では2番目に古い(現存最古)の鉄筋コンクリート建造物です。設計は当時の青森工業学校長 大竹巽氏によるもので、アールデコ調のデザインになっています。無尽は現在の相互銀行的役割だった金融機関の一種です。

    これは大正13年創業の弘前無尽株式会社の本社ビルとして建てられたもので、弘前市内では2番目に古い(現存最古)の鉄筋コンクリート建造物です。設計は当時の青森工業学校長 大竹巽氏によるもので、アールデコ調のデザインになっています。無尽は現在の相互銀行的役割だった金融機関の一種です。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • たらよろさん 2008/05/29 23:08:26
    旧第五十九銀行本店本館
    こんばんわ〜〜
    とても銀行とは思えないこの建物。
    壁紙がとっても気になりました。。。
    さらっとしているのかしら?
    それともざらついた感じなのかしら?
    どちらにしても素晴らしい建物に圧倒されてしまいました。

      たらよろ

    ぬいぬい

    ぬいぬいさん からの返信 2008/05/30 13:46:25
    模様が浮き出たざらついた紙でした
    たらよろさん  こんにちは

    金唐皮紙 ヨーロッパが発祥の壁紙で、字の通りヨーロッパでは皮を薄く伸ばして模様を描いて壁紙にしていたそうで、模様が浮き出たようなちょっとざらついていました。
    小樽の日本郵船とここと岩崎邸しかないとの事でしたが、先週行った古河邸にもしっかり貼っていました。

    でも貴重なもののようですよ。

    ツーリスト今中

    ツーリスト今中さん からの返信 2008/05/30 19:25:38
    金唐革紙(*^^)v
    お邪魔します!

    金唐革紙!岩崎邸で見ましたが
    それを模した?もののしおりを
    買い求めました。

    日本の工芸技術に日本人として
    誇りを思った時でした。

    弘前にも数々の歴史的建造物があるんですね。
    ぬいぬいさんのお蔭で居ながらにして
    建物ウオッチングです!
    いつもありがとうございます。

    ぬいぬい

    ぬいぬいさん からの返信 2008/06/01 23:28:05
    へえ〜金唐革紙のしおりなんてあるんですか?
    金唐革紙でつくったしおり 売ってるんですか?
    見てみたい。

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