2007/06/01 - 2007/06/10
13460位(同エリア17113件中)
きっちーさん
蒸し暑い午後の日差し。
首筋を伝う汗をぬぐいながら、ゆるい坂道を登ります。
あ〜あ、なんかバテるな。
もう少し涼しいもんだと、思っていたけど・・。
この湿度は、予想外☆
『Musee Gustave Moreau』
そう掲げた標識をたよりに、旗を探します。
パリの古い建物には、けばけばしい看板の類がほとんど見当たりません。
かわりに、遠くからでも施設を発見する目印になるのが、旗。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- キャセイパシフィック航空
-
とはいえ、看板がわりのその旗も、ちっこい場合もあるので要注意。
メトロの階段と、アスファルトと石畳で、くたびれきった足を引きずりながら、だらだらと進む前方に、見えてきました。
モロー美術館です。 -
玄関のチケットボックスを、ミュージアムパスでスルーし、木製の古い階段をのぼります。
2Fは壁じゅう額だらけの居間と、書斎。
ここがモローの居住空間だったのかな?
お母さんと2人暮らし、だったんじゃなかったけ?
せまくない? -
オオッ!
ジャポニズムーっ。
おみやの団扇みたいなちゃっちーモノでしたが、モローんちに飾ってあるとなんか価値がありそうに見えてしまうわ(笑)。 -
アツっアツっ!
クーラー効いてないな、ココ。
汗、とまんないじゃん。
しけっぽい姿でヨロヨロと、小さな階段をあがって上の階へでると・・。
すっげ!
なにこれ!
ホントに美術館みたいっ。 -
まあ『モロー美術館』なんですけどー。
-
ドラクロワ記念館がショボかったから、ここも個人住宅をちょっと公開しているだけの、小作品ばっかの名ばかり美術館かもしれないなあ〜と、危惧していたのでうれしい驚きです。
-
全体的に未完成作品だったり、抽象的すぎて何が描いてあるのか分からないものも混じってはいるのですが、モローはスゴイわ。
ガッコの先生やっただけの事はあります。 -
画家の寄贈品って、税金対策みたいなイメージがあるのですが〜。
さすがプロ。
節税だったとしても、うまいよなあ。
惚れ惚れ〜。 -
よーくみると、大きい絵にはツギハギがあります。
「描き直したのかな・・・?」
じっと目を凝らしてもX線ではないので見えないのですが。
よく考えてみたら、絵を継ぎ足してるんじゃなくて、カンヴァスを組み合わせて、大きい画面をつくってるのでした。
はじめから大きいサイズの布を張るのなんて、難しいですよね。 -
この通り。
モロー美術館はガラガラ。
貸しきり貸しきり。
いちおう警備員を兼ねているらしい、係りのおじさんも暇そうに階段の手摺りに、寄りかかっています。
椅子があるのに、立っているところが、律儀そうな雰囲気です。
「エクスキューズモワ、キャナアイ、テイクア、ノーフラッシュフォト〜?」
係りのおじさん
「ノーフラッシュ、オーケー」
背筋を正します。
いやフツーにしてて下さい。
-
ルーヴルのようなメガミュージアムも見ごたえがありますが、このモロー美術館のように、ハコはミニマムですがきっちり作品が楽しめる美術館も、なかなかイイものです。
小さい美術館って外見同様、なかはあんまし大したことがない場所もあるので、ここはけっこう当たりかも!
ただ、スペースが狭いので、壁中絵だらけ。
余白の美ってのが無いぞ。
目がチカチカしてきます。 -
神話と聖書。
存在そのものが神秘的なモチーフや、存在しない太古の世界、その場面を時に緻密に、時に砕かれたような色で表現するモローの作風は、別世界の歴史書を眺めるような、不思議な感覚です。 -
モノクロの天使。
-
ケンタウロス。
射手座のせいか、ケンタウロスの絵はなぜか好きです(笑)。 -
ギリシャ神話の神々。
これはプロメテウスかな?
人間に火を与えた罰として、ゼウスによって山につながれたプロメテウスは、鳥に臓器を啄ばまれ続ける、残酷系物語。最後は助かるんですけど。
ギリシャ神話の面白いところは、神ゆえの正当性が説かれないというコト。
大神ゼウスも、浮気オトコの器量の狭〜いエピソードが、けっこう登場します。
神様たちなりに右往左往する物語は、妙に庶民的。
話を戻すと、プロメテウスは神様なので、死にません。
どんなに傷を負っても翌朝には完治してしまいます。
永遠の拷問ですよね。おっかねー。
この絵では、ハゲタカ(?)に肝臓を喰われてる最中の、プロメテウスを描いてはいるものの、その表情は思慮深げで、苦痛すら感じさせない彼の視線の先を、見てみたくなります。 -
ほかにも、ギリシャ神話を読むと楽しく見れる絵がけっこうありました。
-
そう考えると、モローの絵って挿絵っぽい?
-
イカン。
妄想が頭から出て行かなくなったぞっ。 -
モローの絵で、ギリシャ神話の本を作って欲しいっ!!
・・・いや、妄想なんですけど・・。
読んでみたい・・。 -
これだって、レダの白鳥でしょ?
人妻を白鳥に化けたゼウスが、籠絡しちゃうってやつ。
だいたいそろっちゃってるんじゃありません?
やろうと思えばできそうなので、絵本系の出版社のみなさん、よろしくお願いしまーす。 -
さあ!
いよいよお待ちかね!
楽しみにしてんのは、私だけでしょうが。
ギュスターヴ・モローの代表作、サロメの『出現』のシリーズです!! -
キリストに洗礼を与えた預言者として聖書に登場する、ヨハネ。
体制批判を声高らかにやらかしていたヨハネは、牢屋へぶち込まれてしまいます。
捕まえてはみたものの、民衆の支持があついヨハネに手をかけられずにいる国王。
義理の娘である王女サロメは、舞踏の『正当な』ほうびとして、ヨハネの断首を要求します。
聖書の記述では、殉教の一例のような、さらっと触れられていて、そんな大した扱いではないのですが。
それをドラマティックにそしてびみょーにエロっぽく描いてみせたのが、世紀末の文豪オスカー・ワイルド。
サロメがヨハネをかき口説くせりふは、愛の告白にしてはかなりキテいて、読んでいてドキドキしちゃいます。
オンナの口説き方じゃなくて、オトコの口説き方だよなー。こんなコト絶対いわねーぞ。
二次創作ではあるのですが、聖書を超える名作だと思っています。 -
さらに!
とどめのようにぶつけられたのが、スティーヴン・バーコフ演出の舞台『サロメ』!!
NHK教育で放送されたのを観たんですが・・・。
スゴイっすよ。
能の動きを参考に、パントマイムなんかも駆使した舞台で、いままで観てきた中であの舞台を超えるものには出会っていません。
宮本亜門が、バーコフの演出でカフカの『変身』をやっていましたが、あれもなかなか良かったです。
すっげー体当たりで、最後の方「亜門よくやった・・!役者だよ、役者魂を見せたよ、アンタ」って、駅のベンチで潰れている酔っ払いの寝言みたいな感想が、率直に胸に湧きました(笑)。
DVD化しないかなー。
また来日してくれたら今度は生で観たい舞台です。 -
モローのサロメ(『出現』)は、ワイルドの甘美でセクシーな雰囲気はなく、映画のクライマックスのような劇的で緊張感のある描写です。
-
しつこく撮ってみたりして(笑)。
洗礼者ヨハネも、いっけん神聖に見える表現で描かれますが、どこかグロテスク。
挑むように睨みつける若いサロメに、対峙するように浮かぶ首は、先を阻む大きな壁のように見えます。
モローもワイルドも『男女の対立軸』を扱った作品を、美しく描き上げますが、同じ素材を使ってもワイルドの退廃的な匂いは、モローの作品にはありません。 -
ヌードでもエロくないモローと、服きてんのにエッチなワイルドって感じかな。
こちらは、また別の『サロメ』。
似たようなのをしつっこく描くのが、センセーの特徴?
『出現』のシリーズで一番好きなのは、『水彩画の奇跡』とまでよばれた、賛辞そのまんま水彩で描かれた『出現』。
ルーヴルに所蔵されてると聞いていますが、そーいや見かけなかったな? -
こんだけモローの作品をなまで拝めて、大満足。
それなのに、水彩の『出現』みたさに、
「また行ってくっカナ、ルーヴル」
なーんて、欲がでちゃうのですから、人間は罪深い・・。
イヤ、ワタクシ欲深い。 -
階段をおりて、3Fのアトリエにもどります。
出窓の前に置かれた小さな椅子に腰掛けて、ぼんやりひと休みしていると、気がつけばそれは出窓ではなく、モローの下絵のショーケースなのでした。
こんな所に収納が!
4Fの下絵は部屋の中央なので、見逃しようがないですが、ココはわかりにくいかも。
鍵もかかっていないので自由閲覧のようです。
大画家モローが、ひとつ仕上げるために、くどいくらいデッサンを重ねていたかが伝わってきます。
ピカソもそうですが、見えないトコで努力してんのは、天才も然りってやつですネ。
デッサンのほかにも、館内には各国の言葉で書かれた(もちろん日本語も)、案内プレートがおかれていて、解説を見ながらゆったりまわれるように配慮されています。
この美術館はイイですよー。
おすすめ! -
2Fへおり、生活感のあるスペースを抜けて、モロー美術館を後にします。
あ〜あ。
今日まわる予定の場所はすべて終わっちゃったな・・。
これから、どーすべ。 -
NEXT旅行記は・・・。
ルパン、ルパーン!!←ルパンルパンの会?(*注)
「ゴメンね、ルパ〜ン。悪く思わないでね」
「女が絡むとすーぐコレだ!ホントに懲りねぇな、おまえは」
「・・無駄だ、次元。こやつの病気は死ぬまで治らん」
「まて〜い御用だ!ルパン!今日こそ神妙にお縄につけぇ〜」
「ほほほ〜ぉん。あらま、とっつあん、生きてたの。そんじゃいつものいきますか。ずらかれ〜っ!」
(フォーエバー山田康雄派。無論赤ジャケ)
で、お馴染みのルーヴル美術館!
え?
カンケイないじゃんって?
だって昨日、ビデオとり忘れて夏休みスペシャル『ルパン三世』みれなかったんだもーん!
しくしくしく(泣)。
くそう!
こーなったら、気分だけでもルパンでしょってコトで。
『ルーヴル再訪』
また会おうぜ!
(*注)ルパンルパンの会・・・「ルパン三世のテーマ」の歌詞のうち、「ルパンザサード」の部分を他の言葉と勘違いしていた人のための会としてWeb運営していた。諸事情により2007年11月いっぱいをもって閉鎖となる。
どんな事情?
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