片瀬貴文のスイス写真集【529】スロー・トラベルのすすめ

2006/08/02 - 2006/08/02

2006年8月2日（水）

スイス料理店で、名物料理「ラクレット」に満足したわれわれは、今度はスネガ・パラダイスを目指した。

元来た道を、引き返す。
駅前には、一台の馬車と二台の電気自動車が、客を迎えていた。

昨日の雨天がうそのように、今日は晴れ上がっている。
今日やってきた人は、マッターホルンの晴れ姿に、到着してすぐにお目にかかることが出来るだろう。

歩く途中のレストランの表に立つメニュー表に、日本語が書いてある。
なかなか達筆なのは、ここに日本人が働いている証拠なのかも知れない。

右に曲がり、ゴルナーグラート行きのケーブル駅を通り過ぎてしばらくケーブルの盛り土に沿って歩く。
盛り土をカバーしている石積みに、妙な突起が見られる、なぜだろう。

ケーブルの線路がグングン高くなり、下をくぐれるようになって、ガードがある。
ガードをくぐり抜ければ、静かな町並みがあった。

振り向けば、マッターホルンが堂々と雲を吐いている。
見るたびに雲の形が変わっているのは、風があるからだろう。

私が、あちこちキョロキョロしながら歩くものだから、つい仲間から遅れてしまう。
だが私は、この景色をこの光線で見ることは二度とないと思い、つい足を止めて見とれてしまうのだ。

日本人の旅行は、目的地を目指すだけで、そこまでの途中を楽しまないのではないだろうか。

旅の楽しみは、途中にもたくさんあることを、皆に知って欲しい。
流行の言葉を使えば、「スロー・トラベル」だろうか。

スイス写真集のうち、7月28日「チューリッヒまで」、7月30日「氷河特急」、8月1日「カンデルシュテーク」までの記事は、「片瀬貴文さんの旅行記」
http://4travel.jp/traveler/takafumi/
をご覧ください。

エリア ツェルマット(スイス)

駅前には
到着客を待つ馬車がいる

日本語を書いた
レストランのメニュー看板

ゴルナーグラート登山鉄道
盛り土の石積みに目立つ
不思議な突起

屋根の隙間から
マッターホルンが覗いている

花に囲まれたレストラン