![パリは再生・進化する<br />「パリの胃袋」と呼ばれた中央市場は古い殻をさっぱりと脱ぎ捨てて、モダンな若者の街レ・アル<br />イノサン墓地は今やランデ=ヴーの名所、イノサンの泉<br />無用の長物になりかけた駅舎が世界一の美術館となったオルセー<br />古い石切り場は何百万体の骸骨が集められてカタコンブ<br />ゴミ捨て場で嫌われ者だったショーモン(禿山)は起伏に富んで緑豊かなビュット=ショ−モン公園<br />南の屠殺所は市内最大の緑地が広がるジョルジュ・ブラッサンス公園<br />そして北の屠殺場は・・・未来志向のヴィレット公園<br /><br />《ヴィレット公園内にあるジェオード》<br />鏡のような水面に配置されているために水に浮かんでいるように見える。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/10/66/650x_10106653.jpg?updated_at=1164013482)
2006/08/19 - 2006/08/19
9492位(同エリア16425件中)
スキピオさん
パリは再生・進化する
「パリの胃袋」と呼ばれた中央市場は古い殻をさっぱりと脱ぎ捨てて、モダンな若者の街レ・アル
イノサン墓地は今やランデ=ヴーの名所、イノサンの泉
無用の長物になりかけた駅舎が世界一の美術館となったオルセー
古い石切り場は何百万体の骸骨が集められてカタコンブ
ゴミ捨て場で嫌われ者だったショーモン(禿山)は起伏に富んで緑豊かなビュット=ショ−モン公園
南の屠殺所は市内最大の緑地が広がるジョルジュ・ブラッサンス公園
そして北の屠殺場は・・・未来志向のヴィレット公園
《ヴィレット公園内にあるジェオード》
鏡のような水面に配置されているために水に浮かんでいるように見える。
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ヴィレット公園の目玉はなんと言ってもジェオードだ。
この巨大な球体の中は、客席が30度に傾斜した映画館だ。座席は全てリクライニングとなっていて、寝そべりながら、巨大な凹状の天井画面を見る(寝そべっていないと恐い)。科学的なドキュメント映画が中心のレパートリーとなっている。
超近代的な映写機により、観客は鳥の目を持ったような錯覚に陥る。鳥瞰は常に人の夢、もちろんパノラマシーンは臨場感あふれるド迫力だ。
《ジェオード》 -
ジェオードの球面は、ステンレスの三角板6433枚に覆われていて、そこに周囲の様々な風景が反射する。写真を撮っているスキピオ夫婦も例外ではない。
《ジェオードの球面》 -
ジェオ−ドの球の大きさは直径36メートル。作者はアドリアン・ファンシルベールで、ヴィレット公園そのものの建築・設計技師でもある。
《ジェオード全体》 -
公園左の南北の運河は「サン=ドニ運河」、公園を横切っているのが「ル−ルク運河」、この運河を船で左に行くとあの有名な「サン=マルタン運河」を経て、地下運河を進み、バスチーユの「パリ=アルスナル・ヨットハ−バ−に出る(ここはセーヌ川と目と鼻の先)。
また運河を右に行くと・・・次の写真です。
公園のメイン道路は横の「ル−ルク回廊」と縦の「ヴィレット回廊」だ。
写真に収めなかったが右寄りにあるル・ゼニットは主にロック・コンサ−ト用のホールで、フランス内外の有名なロックミュージシャンたちがここでコンサートを成功させている(収容能力6千人)。
《ヴィレット公園の地図》ミシュラン(Michelin)のパリ篇に掲載された地図を借用しました(フランス・ミシュランタイヤ社 発行:実業之日本社)。このすばらしいガイドブックの日本語版は発行停止となり、もう店頭で見ることはできません。本当に残念です。 -
この運河の長さは108キロ、これを船に乗って東に進むと、マルヌ川の支流、ル−ルク川に出る。船はこのル−ルク川からマルヌ川、ついでマルヌ運河を経て最終的にはストラスブ−ルのライン河に至る。
つまり、セーヌ川とライン河は運河でつながっているのだ。フランスは運河の国でもある。
《ル−ルク運河》 -
運河の横に立っている二つの赤い建物は〈フォリー〉と呼ばれる。フォリーとは18世紀に流行った豪華な別荘のことで、ここではパラドキシカルにこのシンプルな建物を〈フォリー〉と呼んでいるのかも・・・
手前のフォリーはビデオ・スタジオ、奥はコーヒーショップ。
フォリ−は全部で八つ(地図参照)、すべて真っ赤なホーローで覆われた建物で、滑り台、風見、展望台が付いている。
《ル−ルク運河とフォリー》 -
ジェオ−ドの向こうに見えるのは「産業・科学シティー館」だ。旧屠殺場の競売場の上に建てられはこの館は、宇宙・機械・ロボット・音や光の展示、またプラネタリウムや映画館など、さまざまな分野にわたって、紹介してくれる巨大な建物だ。
《ジェオードと産業・科学シティ−館》 -
もちろん、メリーゴーランドを始め、子供達の遊び道具もたくさんある。
《メリーゴーランド》 -
回転椅子に乗っている人たちはなぜだかみんな幸せそうだ。
《回転椅子》 -
ヴィレット公園のもうひとつの特徴は、ここが音楽芸術の発信地ということだ。
国立音楽専門学校(コンセルヴァトワール)が、ここに移転され、それにともない「シテ・ド・ラ・ミュジック(音楽シティー)」つまり音楽博物館とコンサ−トホ−ル(1200人収容)ができた。
この博物館は面白い。旧コンセルヴァトワ−ルが収集していた楽器(4百点以上)が展示されている。
ちょっと入ってみよう。
《シテ・ド・ラ・ミュジックの入口》 -
ここで博物館へ行く人とコンサートに行く人で別れる。我々は博物館へ。
おっと、展示室入口で貸してくれるヘッドホーンを忘れないように(料金は同じ)。これがないと面白みが半減。「英語?それともフランス語?」日本語はないンだ、としょげないで。このヘッドホーン、説明もさることながら、重要なのは楽器の演奏だ。
それぞれの展示された楽器の前に立つと、それぞれその楽器の音楽が流れる仕組みになっている。まさに至れり尽せり、とはこのことだ。
《シテ・ド・ラ・ミュジック(音楽都市)内、受付のホール》 -
《クラヴサン》
ここでクラヴサン(チェンバロ)の妙なる音色が聞こえて来る。
ピアノもフォルテも出せず、ただひたすら、浜に寄せるさざ波のように、耳に響く心地よさ。これはラモーだろうか。
18世紀、ついにピアノもフォルテも出せる「ピアノ・フォルテ」が発明される。
それは次のコーナーのピアノたち。 -
《弦楽器展示》
近づくとヴィオラの音が・・・ -
《演奏会》
二階の小ホールでは古楽器を使って、ルネッサンス音楽を演奏していた。運がよかったかも・・・ -
《ハープ展示コーナー》
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《オーボエ展示コーナー》
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《管楽器展示コーナー》
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《東洋の楽器展示室》
多分3階だろうと思うが(いくつか階段があったので、思ったよりも広い)、そこに東洋の楽器が展示されていた。もちろん耳に響くのはあの中国風の音楽。 -
《ヴィレット公園出入口》
撮影地点は「パンタン口」、南側の出入り口だ。北側に「ヴィレット口」があり(地図参照)、メトロは Porte de la Vilette 駅(7号線)を使う。
対して、音楽シティー側は5号線の Porte de Pantin 駅が便利だ。
写真中央に見えるのが展覧会、見本市、舞踏・演劇等に使われるまさに多目的な「大展示場 La Grande Halle」で、この建物は、肉牛用の市場だった(1867年建立)のを1983年に改装された。着脱自由な内装で最大1万2千人を収容でき、ロック、ジャズ、クラシック等のコンサート会場としても利用される。
手前の噴水は「獅子の泉 Fontaine aux Lions」だ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- シベックさん 2006/12/26 11:47:30
- ラ・ビレット
- スキピオさん、はじめまして。
パリの旅行記を巡っていて、やってきました。
パリがお好きのようですね!
ラ・ビレット公園の記事に目がとまり、懐かしく拝見しました。
私が行ったのはふた昔も前の完成間もない頃でした。
記事に1票。どうもありがとうございした。
シベック
- スキピオさん からの返信 2006/12/26 21:07:47
- RE: ラ・ビレット
- シベックさん、こんばんは。投票と書き込みありがとう。そうですか、ヴィレットに昔行かれたことがあるのですか。ずいぶん前から工事していましたね。たぶん、僕の写真の風景が完成した姿だと思います。
実はヴィレット公園に関心のある方、シベックさんが初めてです。当たり前ですが、パリと言えば皆さんの興味を惹くのは歴史的なものでしょうから。でも、パリは新・旧のメレンゲですからね。パリ好きにとってはどっちも大切なパリなのです。
ではまた。
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