1961/11/15 - 1961/11/15
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ソフィさん
1961年11月15日(水)
さてフランスの土木業者は、どんな管理システムを持っているのだろうか。
フランスの土木技師は、何を考え、どのように行動しているのだろうか。
今日案内してくれるソレタンシュ社の主任技師シュッツさんとは、初対面である。
「本当に出会えるだろうか」
と心配しながら、約束の時間・場所で待つ。
朝8時、パリの外環道路沿いの、ポルト・ディタリーで、待ち合わせする約束なのだ。
パリの朝8時は、まだ暗い。
濃い霧がかかった雨模様の道路を、まぶしくヘッドライトを点けて、たくさんの車が次々に流れてゆく。
フランスでは、町の中を走るとき、深夜でもヘッドライトの点灯を禁止している。
その代わりに、「フー・ド・ポジション(位置灯)」と称する、小さなライトを点ける。
街の照明が、完備しているのだろう。
町の入口と出口には、町の名前を書いた立派な標識が立てられていて、ここからは町だ。
この標識の間では「ヘッドライトを消せ」「時速60キロに制限せよ」ということである。
しかし霧の濃いときに限り、ヘッドライトを点けてよいことになっている。
厳密に言えば、フォグランプを点けるのだが、フォグランプのない車はヘッドライトを点けている。
フォグランプは黄色で明るく、霧の中では、遠くから車の存在を知らせる機能がある。
心配しながら待っていると、車の流れから一台が方向指示器を点灯しながら、私の前に白い「プジョー404」が停まった。
窓を開けて「ムッシュー・カタセ?」と問いかけてきたのが、シュッツさんだった。
プジョー404は、シトロエンのDSに次ぐ、高級車である。
この車に乗っているのは、かなりポストの高い人と見ていい。
フランスでは、自家用車のグレードによって、ステータスが決まる。
彼はほかの車の邪魔をしないよう、急いで私を助手席に招き入れ、スタートする。
まもなく南オートルート(高速道路)に入り、時速150キロで飛ばしながら、彼はようやく落ち着いて、私に今日の予定を説明し始めた。
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