1961年のパリ便り【606】バレーボールで鍛える60歳の現役技師シュッツさん

1961/11/15 - 1961/11/15

1961年11月15日（水）

パリの外郭道路から、南高速道路（オートルート・デュ・シュド）には入り、時速150キロで飛ばした。

オートルート（高速道路）を降りてから国道に入っても、シュッツさんは時速100キロをはるかに超えるスピードで、車を飛ばす。

驚くべきことに、フランスの道路は、街（集落）の中が制限60キロであることを除き、速度は無制限なのだ。
それだけ、道路がよく出来ているのだろう。

彼の年齢は、60歳と聞いて、その元気さにびっくりした。
「もうそろそろリタイアされないのですか?」と訊くと、「私は社会から求められる限り、自分の力があれば、働こうと思っている」

フランス人は、早く務めを終えて、老後の生活をエンジョイすることを楽しみにしている。
この通念を破っての彼の生き方に、フランス人の幅の広さを感じる。

彼の元気の秘訣は、スポーツだそうな。
市がやっているスポーツクラブに入って、毎週2回バレーボールの練習に励んでいる。

このようなクラブがあることも羨ましいが、60歳にしてバレーボールとは驚くべき若さである。

やがて彼の担当現場に着き、「ミーティングのために少し時間が欲しい」という。
私は午後2時まで、自由時間を貰った。

近くにあった田舎レストランに一人ではいって、ゆっくり食事をする。
近くの人が次々に入ってきて、それぞれ楽しそうに飲んだり食べたりしている。

私はその様子を伺いながら、楽しむことにする。

エリア フランス