1961/11/15 - 1961/11/15
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ソフィさん
1961年11月15日(水)
今日、明日と二日間、ソレタンシュ社の主任技師、シュッツさんに案内されて、現場の視察に行く。
本日私に見せようとしているのは、パリの南400キロにあるオービュッソンの、岩の中にモルタルを注入する、鉄道トンネル修繕工事だそうだ。
この工事は、列車が通らない夜中に行われる。
シュッツさん自身は途中に二つ担当の現場があり、それぞれに立ち寄って、打ち合わせの会議をする予定という。
「あなたは夜中まで暇なので、ゆっくりしてください」
ということだった。
彼は自分の仕事をフルにこなしながら、同時に私を案内することになる。
運転手、通訳、案内者、自分の仕事と、一人四役である。
おまけに自家用車を使うものだから、それぞれ100キロ以上離れた一日に三つの担当現場を回ることが可能である。
彼の給料が私の10倍を超えるのは、能率の良さのためなのだと、合点する。
現場にも興味はあるが、彼の仕事振りを見ることに、もっと興味を感じる。
彼が400キロドライブの途中で、現場との打ち合わせ会議を二度すると言うものだから、
「私もその会議に出席させてもらえないか」
と頼んだが、これは秘密会議だからと、断られる。
主任技師なる立場は、技術面だけでなく、経営面まですべての最高責任者ということだ。
ミーティングに立ち会うのは、技師たちだけでなく、労務者の代表たちも含まれているようだ。
「第一線と、最高責任者の間が近いのが、わが社の特徴だ」
シュッツさんは、誇らしげに説明してくれる。
「現場を一番知っているのは労務者で、労務者には現場を深く観察する目と、問題点を解決する知恵がなくてはならない」
「自ら解決できないならば、その情報を上に提案できる力が必要だ」
「われわれ上の責任者は、その情報をより深く理解し、早く応える能力が求められる」
彼は長い経験を持つベテランで、自分の仕事に対する大きな自信があふれている。
フランスの田舎は、どの季節でも美しいが、晩秋の落ち着いた味もいい。
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