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 夜行列車に乗り込んだ。1つのコンパートメントに6人ずつとか。我々4人は2名の一般客と一緒とのこと。とたんに不安になる。えーと、93番・・・。あった、ここ。でも、先客が3名。背の高いジーンズ姿の若い男女。部屋が違うのかしら?また戻ると、男の姿は消えていて、女の子2人になっている。挨拶を交わすと、緊張も少し解けた。男は次の部屋らしい。二人はドイツ語でぺちゃくちゃやってて、時々我々に話しかけるが、理解できず。「英語できる?」たまりかねて聞いたら、一人が少しね、と返事して、やっと会話が始まった。一人はチューリッヒ住まい、もう一人はパリとのこと。我々が、自分たちの写真を撮ろうとしたら、おどけて覗き込むまねをしたので、「じゃあ、一緒に」彼女たちは喜んで加わった。<br /><br /> いつのまにか先ほどの男が出口に立っていて、3人のおしゃべりが続く。「30分だけ、ここにいていいかな?」彼が私に聞いた。フランス国境まであと30分。その間、起きていてくださいと言われていたので、しかたなくOKする。国境で、全員のパスポートのチェックがあるので、全員のが集められ、添乗員の佐々木さんはてんてこ舞い。<br /><br /> 窓ガラスに雨粒が当たりだした。疲れ果てた4人、「国境まだ~?」佐々木さんが来て、「もう国境越えました。」げっそりして縮こまっている我々に気がついて、「もう寝ると、はっきり言ったほうがいいですよ。」4人がさっと立ち上がると、「あ、寝ますか?」と男は出ていき、二人の女の子は手際よくソファーを分解して、たちまち寝台を作っていく。3段ベッドが出来上がり、毛布と枕を分け合う。寝る場所も決め、私は下段。<br /><br /> ベッドにそのまま倒れこむ。ところが、「ベッド」はいやに硬く座席用のでこぼこがあって真上に体を保つことも難しいのだ。しかたなくあっち向いたりこっち向いたり、おまけに蒸し暑さもあって、とても眠れる状態ではなかった。<br /><br />6月2日<br /> 窓の外はもう明るくなり、時計を見たら6時少し前。そーっと起きだし、通路に出た。「おはようございます。」もう半数ほど起きている様子。洗面所ではほとんど水も出ず、顔も洗えなかった。<br /><br /> パリ、東駅着。朝食を取るためホテルに向かう。早朝のパリ、またやってきたなあと思う。エッフェル塔の真下を通って、やがてホテル着。ソフィテル・ド・パリ。簡単な朝食を取る。コーヒーのミルクが欲しくて、「クレーム・シルブプレ」かっこよく言ったのに、ボーイが「ハイ、みるくねー」と日本語で答えた。(――;)<br /><br /> 午後は私とこもちゃんはベルサイユのオプションには行かないので、自由行動。市内観光は、コースが前回と違うので、なかなか楽しめた。ところが、肝心のノートルダム寺院は、周囲をぐるっと回っただけ。友人たちを明日また連れてこよう。<br /><br /> 昼食は日本食レストラン。メニューは味噌汁にご飯、イカなどの刺身、煮物、焼き魚。あまり食欲無し。こもちゃんはお代わりをしてモリモリ食べてる。デザートはさくらんぼ。午後はモンマルトルだろうし、そろそろ自由行動にさせてもらおうかと彼女と話し合う。ここはかなり郊外なので、もう少し一緒に行動して、わかる場所で降ろしてもらうことになった。<br /><br /> モンマルトルの丘。去年のような賑わいもなく、ひっそり。明るい光に満ちたサクレクール寺院の中に入り、のんびり時を過ごした。<br /><br /> バスはモンマルトルを下り、古いパリの町並みを走り、やがてオペラ座近くの免税店に着き、ここで解散。こもちゃんとこれから印象派美術館へ向かう。<br /><br /> 二人で歩き出す。窮屈な団体行動から開放されて、最高の気分。気の向くままに、店のウィンドウを覗きながら行く。私たちが立ち止まって店を覗いていると、つられて通行人も覗き込む。そんなわけで、すぐ小さな人だかりになってしまうのだ。パリの人って、野次馬根性が強いのかしら。雨が降り出した。でもアーケードになっているため、歩道が濡れる心配はない。美術館に着く頃、雨は止んでいた。<br /><br /> 印象派の絵画をたっぷり鑑賞して、疲れると腰を下ろして人々ウォッチング。こっちもなかなか楽しかった。パリジェンヌのお洒落は、さすが。<br /><br /> 外は青空になっていた。チュイルリー公園を歩く。マロニエの木々、緑の芝生、ベンチには日向ぼっこの老人。セーヌ川に出た。水かさが多い。細い路地に入っていって、小さなケーキ屋で夜食用にりんごのタルトを買い、ホテルに戻る。メトロでは一等車に乗ってみた。ここなら、少しは安全かな。<br /><br /> 夕食で、ベルサイユとルーブル・ツァーに行ってた仲間たちと一緒になり、「どうだった?」と聞くと、「それがね~」案の定、駆け足だったらしい。一目散にミロのビーナス目指してわき目もふらずタッタッタ・・。周囲の人々が目を丸くしていたとか。<br /><br /> 食事の後、4人で明日の打ち合わせ。明日の夕食は、ツァーの食事をキャンセルして、自分で選んだレストランへ行くことにしている。女性の添乗員さんに、予約を取るのをお願いした。明日は一日フリー。スリ対策も万全にしなくては。「りりり・・」部屋の電話が鳴る。「レストランの予約が取れました」よかった!<br />

スイス~オランダ? お疲れ夜行列車

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1983/05/29 - 1983/06/07

15517位(同エリア16398件中)

0

1

アーマ

アーマさん

 夜行列車に乗り込んだ。1つのコンパートメントに6人ずつとか。我々4人は2名の一般客と一緒とのこと。とたんに不安になる。えーと、93番・・・。あった、ここ。でも、先客が3名。背の高いジーンズ姿の若い男女。部屋が違うのかしら?また戻ると、男の姿は消えていて、女の子2人になっている。挨拶を交わすと、緊張も少し解けた。男は次の部屋らしい。二人はドイツ語でぺちゃくちゃやってて、時々我々に話しかけるが、理解できず。「英語できる?」たまりかねて聞いたら、一人が少しね、と返事して、やっと会話が始まった。一人はチューリッヒ住まい、もう一人はパリとのこと。我々が、自分たちの写真を撮ろうとしたら、おどけて覗き込むまねをしたので、「じゃあ、一緒に」彼女たちは喜んで加わった。

 いつのまにか先ほどの男が出口に立っていて、3人のおしゃべりが続く。「30分だけ、ここにいていいかな?」彼が私に聞いた。フランス国境まであと30分。その間、起きていてくださいと言われていたので、しかたなくOKする。国境で、全員のパスポートのチェックがあるので、全員のが集められ、添乗員の佐々木さんはてんてこ舞い。

 窓ガラスに雨粒が当たりだした。疲れ果てた4人、「国境まだ~?」佐々木さんが来て、「もう国境越えました。」げっそりして縮こまっている我々に気がついて、「もう寝ると、はっきり言ったほうがいいですよ。」4人がさっと立ち上がると、「あ、寝ますか?」と男は出ていき、二人の女の子は手際よくソファーを分解して、たちまち寝台を作っていく。3段ベッドが出来上がり、毛布と枕を分け合う。寝る場所も決め、私は下段。

 ベッドにそのまま倒れこむ。ところが、「ベッド」はいやに硬く座席用のでこぼこがあって真上に体を保つことも難しいのだ。しかたなくあっち向いたりこっち向いたり、おまけに蒸し暑さもあって、とても眠れる状態ではなかった。

6月2日
 窓の外はもう明るくなり、時計を見たら6時少し前。そーっと起きだし、通路に出た。「おはようございます。」もう半数ほど起きている様子。洗面所ではほとんど水も出ず、顔も洗えなかった。

 パリ、東駅着。朝食を取るためホテルに向かう。早朝のパリ、またやってきたなあと思う。エッフェル塔の真下を通って、やがてホテル着。ソフィテル・ド・パリ。簡単な朝食を取る。コーヒーのミルクが欲しくて、「クレーム・シルブプレ」かっこよく言ったのに、ボーイが「ハイ、みるくねー」と日本語で答えた。(――;)

 午後は私とこもちゃんはベルサイユのオプションには行かないので、自由行動。市内観光は、コースが前回と違うので、なかなか楽しめた。ところが、肝心のノートルダム寺院は、周囲をぐるっと回っただけ。友人たちを明日また連れてこよう。

 昼食は日本食レストラン。メニューは味噌汁にご飯、イカなどの刺身、煮物、焼き魚。あまり食欲無し。こもちゃんはお代わりをしてモリモリ食べてる。デザートはさくらんぼ。午後はモンマルトルだろうし、そろそろ自由行動にさせてもらおうかと彼女と話し合う。ここはかなり郊外なので、もう少し一緒に行動して、わかる場所で降ろしてもらうことになった。

 モンマルトルの丘。去年のような賑わいもなく、ひっそり。明るい光に満ちたサクレクール寺院の中に入り、のんびり時を過ごした。

 バスはモンマルトルを下り、古いパリの町並みを走り、やがてオペラ座近くの免税店に着き、ここで解散。こもちゃんとこれから印象派美術館へ向かう。

 二人で歩き出す。窮屈な団体行動から開放されて、最高の気分。気の向くままに、店のウィンドウを覗きながら行く。私たちが立ち止まって店を覗いていると、つられて通行人も覗き込む。そんなわけで、すぐ小さな人だかりになってしまうのだ。パリの人って、野次馬根性が強いのかしら。雨が降り出した。でもアーケードになっているため、歩道が濡れる心配はない。美術館に着く頃、雨は止んでいた。

 印象派の絵画をたっぷり鑑賞して、疲れると腰を下ろして人々ウォッチング。こっちもなかなか楽しかった。パリジェンヌのお洒落は、さすが。

 外は青空になっていた。チュイルリー公園を歩く。マロニエの木々、緑の芝生、ベンチには日向ぼっこの老人。セーヌ川に出た。水かさが多い。細い路地に入っていって、小さなケーキ屋で夜食用にりんごのタルトを買い、ホテルに戻る。メトロでは一等車に乗ってみた。ここなら、少しは安全かな。

 夕食で、ベルサイユとルーブル・ツァーに行ってた仲間たちと一緒になり、「どうだった?」と聞くと、「それがね~」案の定、駆け足だったらしい。一目散にミロのビーナス目指してわき目もふらずタッタッタ・・。周囲の人々が目を丸くしていたとか。

 食事の後、4人で明日の打ち合わせ。明日の夕食は、ツァーの食事をキャンセルして、自分で選んだレストランへ行くことにしている。女性の添乗員さんに、予約を取るのをお願いした。明日は一日フリー。スリ対策も万全にしなくては。「りりり・・」部屋の電話が鳴る。「レストランの予約が取れました」よかった!

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  • パリ行きの夜行列車を待つ私と仲間たち。

    パリ行きの夜行列車を待つ私と仲間たち。

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