2005/04/20 - 2005/04/20
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ソフィさん
従来の美術館と違った運営方針には、アメリカ美術界への強い対抗意識が窺える。
だがここで注目したいのは、新たな美術館を創るに当っての背景となった理念。
1963年ごろ、フランスには「20世紀美術館構想」プロジェクトがあった。
当時国立近代美術館館長ジャン・カスーがル・コルビュジエと共同発案。
現代美術を過去50年の規模で回顧し、大きな足跡を残した作家を本格的に紹介する一方、現代作家にも実験的な発表の場を与えようとしたものだ。
美術館は単に過去の伝統の収蔵・展示するだけではなく、現存作家の創造の場としても開かれていなければならない。
これは、ルーヴル後の1818年、リュクサンブール美術館が開館して以来、フランスの美術館の根幹をなしてきた伝統的理念の一つでもあるが、「20世紀美術館構想」はまさしく、この伝統的理念を体現しようとしたプロジェクトだった。
この構想は1965年、ル・コルビュジエの死去により頓挫する。
しかし、その12年後に「20世紀美術館構想」の想いはポンピドゥ・センターの開館によって実現される。
「20世紀美術館構想」を実現したいという意向が、ポンピドゥ大統領の決断を大きく後押ししたと、考えられる。
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