揚屋としての江戸時代の貴重な建物と多くの美術品を堪能しました。2階の建物は特別公開の期間の見学のみで予約制です。
- 5.0
- 旅行時期:2023/10(約2年前)
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by hijunoさん(非公開)
京都駅周辺 クチコミ:24件
京都の島原は花街だったところですが、角屋は揚屋として太夫や芸妓を呼び、宴会を催す料亭、料理屋のような場所で、当時の文化人などが集う文芸活動が行われれているサロンのような場所でもありました。揚屋の建築としては唯一残っている建物です。現在、江戸時代の島原の遺構としては、置屋だった輪違屋と島原の入り口の島原大門とこちらの角屋のみが残っています。ガイド案内の方がとても丁寧に説明をしてくれます。まず二階から案内されましたが、こちらは撮影が禁止でした。それぞれの部屋も大きく、大宴会の様子が偲ばれます。あちこちに細かな工夫やお洒落な装飾がありました。障子の木の組みも、曲がったものや継ぎ足したものも、もとある木材の周りを削って作ったものだそうで、今では考えられないような高い技術で驚きます。壁の色も部屋により異なっていました。
また部屋ごとに特徴があり、丸山応挙や与謝蕪村、池大雅など著名な人物の作品も多くありました。青貝の間では中国風の雰囲気で、青貝をふんだんに使った豪華な部屋でした。床の間の柱には新選組がつけたといわれる刀傷が痛々しく残っていました。お出入り禁止になっていた新選組が見回りという名目で入り、いやがらせにつけた刀傷といわれています。新選組の芹沢鴨が暗殺される前に、角屋で酔いつぶれ、かごで帰っていったそうです。そのほか、角屋には幕末の志士たち、坂本龍馬、久坂玄瑞や西郷隆盛も訪れており、1階の台所には西郷隆盛が使用したといわれる大きなタライが残されていました。この西郷隆盛のタライがあることで、第二次世界大戦の際に建物を壊すことから免れた逸話もあるそうです。1階には臥竜松の庭があり、網代の天井が美しい間や梁が立派な大きな台所もあります。また、1階では呉春などの作品も展示しており、見どころ満載でした。
1階と2階の展示を合わせて1800円ですが、その価値が十分にあると思いました。
年に二回の期間の開館ですが、2階の見学は予約が必要です。2階の建物見学は特にお勧めです。
- 施設の満足度
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5.0
- 利用した際の同行者:
- 一人旅
- 見ごたえ:
- 5.0
クチコミ投稿日:2023/10/26
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