2017/05/14 - 2017/05/15
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motogenさん
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サガダに到着した。
何と小さくて、そして可愛い町だろう。
停車場となっている小さな広場、1本の坂道、その両側にちょぼちょぼと立つ古びた商店。
これだけの町のようだ。
場末のさびれた温泉街といったところか。
それはさておいて、今夜のねぐらを確保しなくてはならない。
ネット情報で見つけておいた『セントジョセフGH』を探してみよう。
案内板を頼りに半信半疑で石段を登っていくと、大きな建物が現れた。
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ここに違いない。
出てきたお姉さんに、「ここ、ゲストハウス?」と聞くと、
「ここはレストランです。ゲストハウスは、あの上です・・・」
と教えられた。
レストランとゲストハウスは別の建物らしい。 -
ところが庭は複雑で、お姉さんに教えに従って進んでも迷うばかり。
不親切なお姉さんだ。
迷った末に石段を見つけて登っていくと、大きな犬がお迎えにやって来た。
ギョギョ!
でもおとなしい犬で、ほっとする。 -
この白い建物がゲストハウスらしい。
-
部屋は空いていて、パスポートの点検もデポジット金もなしに、サインをしただけですんなりと部屋の鍵を渡された。
2階の部屋だ。
部屋の中を見ていると、おばさんがバスタオルと石鹸、トイレットペイパーを運んできてくれた。 -
綺麗な板張りの部屋だった。
真っ先に探したのはコンセント。
それがなければ充電も、お湯を沸かすこともできない。
コンセントのない部屋が多いらしいが、それを見つけて一安心。
小さなテーブルがあるだけで、あとは何もない簡素な部屋だ。 -
気に入ったのはこの窓だ。
涼しい風が吹き込んできて、、 -
そしてサガダの町と周囲の山々一望できる、素晴らしい景色。
部屋代は1000ペソ(2500円)だった。
800ペソとの情報だったが、値上がりしたのだろう。
やはりフィリピンの部屋代は割高だ。 -
トイレは清潔そうで、便座はあった。
が、貯水艘はあるのに水は出てこない。
バケツに水をためて、それで流すしかない。
でもそれで良しとする。
このバケツを利用して洗濯ができるのだ。
さっそく洗濯を開始して、風の吹く窓に干した。 -
ところが一転、それまでの青空は黒雲に覆われ、怪しい風が窓から侵入してきた。
これはまずい!
洗濯物を部屋の中に移したとたん、大粒の雨が音をたてて打ちつけてきた。
雷鳴までがとどろき始めたではないか。 -
稲妻を眺めながら部屋の中に閉じこもっていると、夕方になって小降りとなった。
腹が減った。
そういえば、今日はろくなものしか食べていない。
『ヨーグルトハウス』に出かけることにした。
旅行記によく登場するレストランだ。 -
『ヨーグルトハウス』は、この坂道のどこかにあるはず。
雨水が流れている坂道を、足を滑らさないように下っていくが、見つからない。
町はこの道しかないはずなのに。 -
諦めて引き返すと、道の反対側にあった。
地味な店で、雨の中では見つけにくい看板が架かっている。ヨーグルト ハウス 地元の料理
-
ドアを押して入ってみると、世界が変わった。
照明が少なく暗い店内だが、安っぽくはない。
それどころか、ある種の高級感がただよっている。
客が数人座っていた。 -
料理を2階に運んでいる店員がいる。
2階にも客がいるようだ。
泊り客なのかも知れない。
メニューを見てスパイシー・チキンカレーを頼み、ヨーグルトも追加すると、 -
赤米の飯に、お椀に盛られたカレーが出てきた。
お椀の中には大きなニンジンがゴロゴロ、そしてこれまた大きな骨付きチキンが、三つも横たわっている。
辛かった。
そして骨付き肉は食べにくかった。
肉を皿の上に引っ張り出し、ホークとスプーンでギコギコしながら食べていたが、途中からは指でちぎって食べた。
嫌いなネギがまぶしてあるが、わがままを言ってはいられない。
辛すぎるスープだけは、少し、ほぼたいらげた。 -
カレーを食べていると、ヨーグルトも出てきた。
『ヨーグルトハウス』の名の通り、各種のヨーグルトがあって、それが店の自慢らしい。
でも味覚が磨かれていない私には、宝の持ち腐れで、たいして美味とは思えなかった。
我が家で作る豆乳ヨーグルトの方が、数段美味いと思った。
カレーが230ベソ、ヨーグルトが100ペソ、合計330ペソ(800円)と高く、ここに再び来ることはないだろう。 -
翌朝は、昨夜の雨が嘘だったように晴れ渡っていた。
どれどれ、朝の散歩がてら、少し通りを歩いてみようか・・
ほんの軽い気持ちで、坂道を下りはじめた。 -
すると目の前を、欧米人カップルと黒いランニングシャツの男が歩いていた。
黒シャツはガイドらしい。 -
これは面白い。
どこに行くのか、ついて行ってみよう。
『ヨーグルトハウス』の前を素通りし、、 -
戸を開け始めた土産物屋を、ちらっとのぞき、、
-
お洒落なレストラン&ゲストハウスを垣間見て、、
-
スタスタと3人の後を追っていく。
写真なんか撮っていると、置いていかれそうになって、あわてて足を速める。 -
しだいに店の数が減り、人家もまばらになってきて、、
-
大きな岩も目立つ場所まで来てしまった。
1kmほども歩いただろう。 -
左側に谷間があった。
欧米人カップルが、ガイドの指差す岩壁を見つめている。
望遠レンズの付い高級カメラを取り出して、写真も撮っている。 -
何があるのか?
じっと目を凝らすと・・・・ -
岩壁に吊るされた棺・・・・
ハンギング・コフィンが見えた。
遥か昔、この地域に住みついた一族には風葬の文化があり、棺を岩壁に吊るしたのだそうだ。
死者が獣に食べられないように、また天国に近づけるように・・・と言われている。
2000年以上も続いたこの風習だが、近年になって禁止され、観光用として一部が残っているだけになってしまった。
ここから見えるハンキング・コフィンは、旅行記の物とは違っている。
もっとすごいハンギング・コフィンが、別の場所にあるはずだ。 -
欧米人たちは先を急ぎ、その背中が小さくなってしまった。
小さな背中が、幹線道路からはずれて左折するのが見えた。
見落としそうな「SUMAGING CAVE」の案内板が出ていた。
そうか、左折すると洞窟があるのか! -
山の中に粗末な土産物屋があり、欧米人たちはガイドに促されて水を買っていた。
洞窟はまだ遠いのだろうか? -
地元民を乗せたジプニーがやってきた。
ということは、この先にも集落がはあるということだ。 -
崖の上に差し掛かった。
ほれぼれするような山々、青い空、拡がる棚田が見渡せる。
山の麓には集落が見える。 -
雑木の根を掘り起こし岩をどけ、原生林に1枚1枚と棚田を作り上げてきた、偉大な先祖を持つ、その子孫たちの暮らす集落だ。
地べたを這いずり回り、天候不順や災害にも負けず、想像もできないような苦労を重ねてきた人々は、今や、こんなに綺麗な家に住み、テレビを見、バイクに乗って生活している。
都会に出て行ったまま、帰って来ない若者も多いだろう。
傍から見れば、のどかで心癒される風景だが、時代の波は、この集落の人々をどう飲み込んでいるのだろう? -
田舎育ちで、畑や山なんて嫌いだった私なのに、今はこんな景色に心を奪われ、作物を育てる生活に、ちょっぴり憧れを感じるようになってしまっている。
ふと、ドラマ『北の国から』のツララの言葉が思い浮かんだ。
「都会の便利なマンション住まいをしてるとね、ふと、ナスやトマトを育ててみたくなるの。」
「隣の人なんかね、植木鉢でトマト作って、毎日水なんか掛けてるの・・・」
「都会に住んでいると、そんなことをしたくなるのね・・」
「嫌だ、嫌だと思っていた百姓仕事なんだけど・・・人間って、不思議ね・・・」 -
崖の上にバンガロー風のゲストハウスがあった。
美しいこの大自然の一望できるが、町まで歩いて30分以上。
どんな人が泊まるのだろうか? -
道だって、こんなドロドロでガクガクな所だってあるのだ。
-
その先にも、こんな建物が立っていた。
欧米人たちはここで一休みしていて、動こうとしない。
一人で先に進むことにした。 -
山の中にリゾート施設があった。
こんな場所に泊まりに来る客は、どんな人たちだ?
私の理解力では、分らないことが多すぎる。 -
山を下っていく。
かなり急な箇所もある。
ついに里に降りてきてしまったようだ。
「SUMAGING CAVE」はどこにあるんだろう?
待っていても、欧米人たちはついてこない。
こりゃ、だめだ。
勇気を出して戻ることにした。
もうへとへとだった。 -
今回の位置関係です。
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この旅行記へのコメント (1)
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- trat baldさん 2017/06/14 07:27:14
- いいねぇ〜、まさにフィリッピン!フィリッピン!
- 突然のスコール、ちょっと名が売れると途端に見かけ取りの店や宿泊施設、最悪な道路インフラ、一歩町を外れると壮大な景観、欧米人ばかりでとんと東洋人を見かけない、全てがフィリッピンの田舎の有様ですね!
Ps.脚の状態は良くなってきてるのかしら、、、、、
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