岡山県倉敷市にある大原美術館にロダンの作品を見に行きました 2017年1月

2017/01/18 - 2017/01/18

岡山県の倉敷市にある大原美術館は倉敷紡績を始めとする大原財閥の総師である大原孫三郎氏(1880～1943)の個人コレクションを収蔵する美術館です。

この美術館には白樺美術館から永久寄託されたロダンの小品が3点が展示されています(このことはパリのロダン美術館で知りました)
それを見に行くことが出来ました。

美術館内の展示は撮影不可でしたので掲載している画像は外部のみです。
その他の収蔵作品も素晴らしいものです、是非足を運ばれることをオススメします。以前に何回か来ているのですが、改めて大原美術館の素晴らしさを感じました。

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パリのロダン美術館(ロダンの自宅兼アトリエが美術館になっています)にはロダンの作品の他に、ジャポニズムのロダンを偲ばせるいくつかの私有物の展示があります。

例えば、ゴッホの「タンギー爺さん」ロダンがこの作品を購入した理由は背景に描かれている日本の浮世絵だと言われています。

ロダンの作品のなかで「ハナコのマスク タイプE」という女性の着色されたマスクがありました。(日本の能面にインスパイアされた作品だと思いました)

それから,葛飾北斎の富獄三十六景のうちの武蔵の国の浮世絵が展示されていました。
(ゴッホも浮世絵の大ファン、大コレクターでありいくつか模写作品があることはご存じでしょう)

ロダン美術館のこの浮世絵は、ロダンの70歳のお祝いに、白樺派(大正時代の文芸活動、武者小路実篤、志賀直哉、柳宗悦、中川一政らが中心メンバーで活動しました)が1910年にプレゼントしています。
ロダンはそのお返しに自分のブロンズ作品を3点送っています。

到着した作品を柳宗悦が横浜港へ荷受けに行っています。その時のレポートが残っています。

送られて来た作品は3点
ゴロツキの首 Ruffian's Head 1885 Bronze 8.8cm
ロダン夫人 Madame Rodin 1882 Bronze 25.3cm
或る小さき影 Little Shadow 1885 Bronze 31.5cm
Permanent deposition from Shirakaba Art Museum
です。

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詳細はロダン美術館訪問記2014年12月の「雨のロダン美術館」をご覧下さい。

https://i.4travel.jp/travelogue/show/10964926

エリア 倉敷(岡山)

JR倉敷駅から南口を出て、
大原美術館へは歩いて10分ぐらいです。

観光用の地図が要所に掲示されています。

倉敷駅南口の写真です。

倉敷駅 駅

倉敷中央通りを南に進みます。

この筋のつぎのスクランブル交差点を斜めに左折すると美観地区に入ります。

美観地区です。
左右にお店が並びます。
20%は東洋の外国人のようでした。

倉敷美観地区 名所・史跡

観光客のためのサービスはいろいろ準備されています。
観光案内所
観光ガイド
車椅子、ベビーカーの貸し出し

写真の左には人力車が待っています。

大原美術館の出口を経て

大原美術館 美術館・博物館

大原美術館の入り口を入って右にチケット売り場と手荷物預けがあります。

美術館の鑑賞は手ぶらがオススメです。

入場料は一般1300円です。
JAFの会員証を見せると100円引きになります。

大原美術館の入り口の左側には
オーギュストロダン(1840～1917)の作品
「洗礼者ヨハネ」

大原孫三郎は美術品の購入は親友の児島虎次郎(1881～1943)に任せていました。
この「洗礼者ヨハネ」と右側の「カレーの市民」は、ロダンの死後5年の1922年に児島虎次郎がロダン美術館と交渉し、鋳造させたものです。

右側のロダン作「カレーの市民」
上野の国立西洋美術館にある「カレーの市民」は6人からなる群像です。

そのうちの一体を児島虎次郎は鋳造させたようです。

本館の入り口です。
黒服の上品な紳士が出迎えてくれます。

昼食の後にもう一度入りましたが、入場券の提示で入れてくれました。

本館の最後は小さなミュージアムショップです。写真は次の建物「工芸、東洋館」です。

以前に数回来ていますが、改めて大原美術館の収蔵作品たちのレベルの高さに感銘しました。

今回の訪問はロダンから送られた3点の拝見でした。
写真撮影は禁止でした。
日本に初めて来たロダンの作品はこの3点だそうです。
気になったのは「ロダン夫人」Madame Rodin
という作品でした。
横顔などを見ると若々しい印象です。

ロダン(1840～1917)にはローズという妻がいました。もう一人の女性はカミーユクローデル(1864～1943)です。作品の制作年は1882年です。
クローデルがロダンに弟子入りしたのは彼女が19歳の1883年と言われています。時系列で考えれば、この作品のモデルはクローデルではないことになります。


作品の横顔は若々しく聡明な女性という印象でした。もしかするとモデルは、カミーユクローデルかもと思わせる作品でした。

大原美術館 工芸・東洋館 美術館・博物館

「工芸、東洋館」には
陶磁器で
バーナードリーチ、富本憲吉、河井寛次郎、濱田庄司
工芸で
芹沢銈介、棟方志功
がこれでもかという収蔵数で展示されています。

大原美術館 工芸・東洋館 美術館・博物館

大原美術館の敷地のなかにある「新渓園」

お茶室もあるようです。

新渓園 名所・史跡

「新渓園」の手前につくられた日本庭園

庭園の池には大型の錦鯉がいます。

大原美術館の分館(Annex)です。

前庭には現代彫刻家の作品が並んでいます。
写真の右に
「イサム・ノグチ「山つくり」1982年
中央に
ヘンリームーア「横たわる母と子」1975-76年

大原美術館 分館 美術館・博物館

大原美術館の分館です
右側が入口
手前にヘンリームーアの作品「横たわる母と子」ブロンズ、その左奥にイサム・ノグチの「山つくり」鉄鋼に亜鉛メッキ があります。

「本館」、「工芸、東洋館」、「分館」は同じ敷地の中です。
「児島虎次郎記念館」は離れたアイビースクエアの中にあります。

本館の入り口の写真です。結婚式の写真撮影をしていました。

児島虎次郎記念館は本館から少し離れたアイビースクエアの中にあります。

倉敷川を南に進んで左岸の一本目を左折します。倉敷紡績の工場の跡地に建てられています。

倉敷アイビースクエア 宿・ホテル

ここを左折して児島虎次郎記念館に進みます。

児島虎次郎記念館の入り口です。

美術館の入場券です。
JAFの会員証を提示で100円割引になります。

本館
工芸、東洋館
分館
児島虎次郎記念館
の4ヶ所が見学出来ます。
再入場も出来るようでした。

お目当のロダン作品3点再入場して見直して来ました。

柳宗悦が「白樺」に書いた記述を引用します。彼らにとってロダンからのお礼の品がどれ程の喜びであったか偲ばれますね。
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その夜、5人でその包をあけた時の思いをどうか察して下さい。
3つの銅像を食卓の上において5人で晩の食事を共にした時の事を想像して下さい。兒島（児島喜久雄)と、田中(田中雨村)がすぐ飛んできて、穴のあくのを心配した程兒島が見つめたと言うのもその時です。
有島(有島武郎)と里見(里見弴)とはその晩帝劇に行ってたので、すぐ劇場へ電話をかけて｢ロ（ろ）来（きた）る｣と云う張り紙を出してもらったのもその時です。
翌日、無者(武者小路実篤)の室（いえ）には同人をはじめ14人も集まって、皆悦（よろこ）びあっては、飽くことを知らずに3つの彫刻を見つめました。
今は同人の家を歴訪して、多分園池(園池公致)の室を飾っていると思います。(柳)

｢白樺｣第3巻第2号　1912年3月26日より抜粋
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今回の大原美術館行きは、パリのロダン美術館での宿題を果たした旅でした。

この旅行記へのコメント （6）

• milkさん 2017/03/05 01:07:13

  遅ればせながら...

  norio2bo様
  
  遅ればせながらフォローさせて頂きました。
  
  大原美術館には最近行かれたのですね。
  日本にも沢山ロダンの作品があるようなので、機会があれば見て周りたいと思っていました。
  「ロダン夫人」是非見てみたいですが、岡山に行く機会はいつになる事か...。
  白樺派の文豪たちがロダンの誕生日に浮世絵をプレゼントしたお返しに送られたブロンズ像と言うエピソードにも興味を惹かれます。
  
  
  大原美術館は建物も庭園も素敵ですね。
  ここではイサム・ノグチの作品も見られるのですね。
  彫刻に詳しくなかったので、イサム・ノグチを知ったのも2年前のオランダのクレラー・ミュラー美術館に行った時でした。
  彼は李香蘭こと、山口淑子さんと結婚していた事もあるそうですね。
  
  milk
  
  

  norio2boさん からの返信 2017/03/05 09:02:45

  RE: 遅ればせながら...

  milkさん
  
  倉敷は桜の時期にいかがですか？
  倉敷紡績の大原美術館
  石橋財閥のブリジストン美術館
  松方コレクションの上野の国立西洋美術館
  
  昔のお金持ちは税制の違いもありますが桁外れです。
  画商ではなく直接作家から買っているます。
  印象派はジャポニズムの作家が多くて良い作品が買えたようです。
  
  常設展の方が特別展より良いケースが多いです。
  
  追伸
  Gold聞かせて頂きたいものです。
  

  norio2boさん からの返信 2017/03/18 10:10:49

  RE: 遅ればせながら...

  追伸
  
  milkさん
  
  ニューヨークへイサムノグチをたずねるで3つの旅行記をアップしています。
  そのうちの一つでイサムの母親のレオニーギルモアが卒業したニューヨークにあるエシカルスクールを訪問した時の旅行記です。
  
  http://4travel.jp/travelogue/11067707?fromsmart=1
  
  お時間ある時に見て下さい。
  

  milkさん からの返信 2017/03/18 22:12:06

  RE: RE: 遅ればせながら...

  norio2bo様
  
  早速旅行記を拝見させて頂きました。
  
  イサムノグチは2年前に知ったばかりでまだあまり知識がなかったのですが、ニューヨークに美術館があったのですね。
  
  お母様のレオニーギルモアが通っていらしたエシカルカルチャースクール、事前にアポを取って見学させてもらうなんて！！
  とっても素晴らしい教育方針のようですね。
  生徒が作った作品も素敵です。
  
  あっ、李香蘭と結婚されていたことも書かれていましたね。
  
  norio2boさんはミュージカルも良く見られるのですね。
  渡辺謙さん主演の「王様と私」は2015年でしたっけ？？
  もっと最近のような気がしていました(^_^;)
  この時、ＮＹに見に行こうかと本気で考えたのですが、ついに行かれませんでした。
  
  ＮＹは10年ほど前までは友達が住んでいた事もあって良く行っていました。
  最近ご無沙汰なので、そろそろ行きたいと思っている所です。
  ニューヨークチーズケーキが恋しい...。
  
  10年近くも行っていないと街並みは随分変わっていますね。
  
  milk
  
  
  >
  > milkさん
  >
  > ニューヨークへイサムノグチをたずねるで3つの旅行記をアップしています。
  > そのうちの一つでイサムの母親のレオニーギルモアが卒業したニューヨークにあるエシカルスクールを訪問した時の旅行記です。
  >
  > http://4travel.jp/travelogue/11067707?fromsmart=1
  >
  > お時間ある時に見て下さい。
  >

• たらよろさん 2017/01/28 21:15:23

  大原美術館

  こんにちは、norio2boさん
  
  今年もあっという間に月末！！
  気が付けば、もう2月ですね〜〜早い早い。
  遅ればせながらご挨拶♪
  今年もどうぞよろしくお願いします。
  
  大原美術館って、何気に素晴らしい美術館ですよね。
  いち地方美術館と侮るなかれ。
  素晴らしい作品の数々に私もびっくりしたというか、
  凄く得した気分になったのを覚えています。
  
  まだまだ寒い日が続きます。
  お身体ご自愛くださいね。
  
  たらよろ
  

  norio2boさん からの返信 2017/01/28 21:25:17

  Re: 大原美術館

  たらよろ様
  
  コメントありがとうございます。
  いつも楽しい旅行記拝見しています。
  今年もよろしくお願いいたします。
  
  大原美術館、松平コレクションの上野の西洋美術館、石橋コレクションのブリジストン美術館、、、、日本人の個人コレクターの美術館はどれも良いですね！
  特別展のあと常設展をみると特にそう思います。
  
  バンクーバーにてnorio2bo