北海道＆東日本パスで行く　その2　本州～北海道を結ぶ 日本最後の定期夜行急行はまなす　201レ・202レ乗車記　2014年9月

2014/09/08 - 2014/09/11

今回『北海道＆東日本パス』を利用して東北・北海道を旅して来ました。
日本で最後の定期夜行急行列車はまなすに乗車しました。

9/8　急行はまなす（201レ）青森→（車中泊）9/9　→東室蘭
9/10　急行はまなす（202レ）札幌→（車中泊）9/11　→青森



北海道＆東日本パスで行く　その1　埼玉から青森まで普通列車乗り継ぎ
http://4travel.jp/travelogue/10932121

北海道＆東日本パスで行く　その3　King Of秘境駅に行ってみた　JR北海道・室蘭本線小幌駅
http://4travel.jp/travelogue/10944447

北海道＆東日本パスで行く　その4　青森発秋田行・五能線経由『快速リゾートしらかみ2号』乗車記　
http://4travel.jp/travelogue/10944467

北海道＆東日本パスで行く　その5　秘境駅・峠駅と白河ラーメンとアウシュヴィッツ平和博物館訪問　
http://4travel.jp/travelogue/10932192

北海道＆東日本パスで行く　その6　旅の打ち上げは『天馬』の宇都宮餃子
http://4travel.jp/travelogue/10932197

エリア 札幌(北海道)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 旅行の手配内容: 個別手配

旅と鉄道の『続・夜行列車の冒険』を読んでから一度は乗りたいと考えていた夜行急行列車はまなす…今回は下り201レと上り202レの両列車に乗ってみることにした。

埼玉から青森までの普通列車乗り継ぎを終えてから青森まちなか温泉で一汗流してつかの間の休息後、22時前に再び青森駅に戻って来た。

青森駅3番線ホームに下りるとすでに札幌行き急行はまなすは入線済み。先頭の機関車前では撮影する人が多い。この日函館までは津軽海峡線用電気機関車・ED79-7が牽引する。

このED79・0番台はJR北海道が唯一所有する電気機関車で函館運転所所属。

201レ急行はまなす　青森2218発→札幌0607着（翌日）

この日（9/8）の編成は…

↑ED79-7（青森函館）
　1号車　ハネ（B寝台）スハネフ14-551
　2号車　ハネ（B寝台）オハネフ25-3
　3号車　ハザ（自由席）　スハフ14-551
　4号車　ハザシ（指定席）オハ14-504
　5号車　ハザシ（指定席・ドリームカー）オハ14-507
　6号車　ハザシ（指定席・ドリームカー）オハ14-505
　7号車　ハザ（自由席）スハフ14-508
↓DD51-1142（函館札幌）

※函館〜札幌間逆編成

1〜2号車は2段式のB寝台車。

日本でも数少なくなった2段式客車B寝台車…国鉄時代を色濃く残す車両のひとつです。

この寝台車を利用するには急行券の他に寝台料金￥6,480が必要（上下段同額）下段はほぼ埋まり、上段も半分位埋まりなかなかの乗車率。

本来4号車にはカーペット車（指定席扱い)が連結されているのだがこの日は車両検査のため不連結…指定席購入時カーペット車は発売抑止がかかっていると言われた理由はこれだったのか。代わりの車両（指定席）は自由席と同じ車両（さすがに床下電源のないオハを使用）であった。そのため他の指定席（5・6号車）はほぼ満席なのにこの車両だけはご覧の乗車率…

増結時の指定席もこのアコモなので購入時は注意が必要。

2両の自由席は2席をひとりで利用出来る位の乗車率…自由席利用の急行料金は￥1,300。差額￥320（閑散期適用・閑散期以外は￥520）と安価で座席が確保出来るのも急行列車の良い所である。

この日利用したのは5号車（オハ14-507）の指定席（ドリームカー）　JR北海道＆東日本パスに急行券・指定席券￥1,620(閑散期）で利用出来る。

指定された5号車12番B席（禁煙）に着席。指定券は札幌までとなっているが東室蘭で下車する旨検札の際に申告…万が一乗り越したら車掌までひと声掛けて下さいとの事。

以前、石勝線の急行まりもに連結されていたこのドリームカーの座席はグリーン車に準ずるグレード。急行料金に￥320（閑散期）の追加で良いなら自由席よりやはりこちらを選ぶでしょう。

2218定刻で青森駅を発車…ハイケンスのセレナーデのチャイムが流れてから車内・停車駅の案内放送が入る。

201レ　はまなすの停車駅

函館　　0044（0123発）
長万部　0307
東室蘭　0417
苫小牧　0501
南千歳　0524
千歳　　0530
新札幌　0555
札幌　　0607

B寝台と指定席は減灯されるが自由席は明るいまま…B寝台以外は常に車内放送が入ります。

発車後は5号車車端部にあるミニラウンジに陣取る。ここで静岡から来た男性と青森のりんご農家の女性と話が弾む…旅は一期一会である。結局ここで函館到着まで過ごしてしまった。

津軽今別で上野行寝台特急カシオペアと行き違い
2305頃　青函トンネルに入る
2318頃　竜飛海底駅通過
2335頃　吉岡海底駅通過
2348頃　青函トンネルを出て、北の大地へ

定刻0044に函館到着。ここで機関車の付け替え作業が行われる。函館でのこの作業は乗車中での最大のイベント…深夜の割にカメラを手にした人でホームは賑わう。

暗闇の中ヘッドライトを照らし、DD51がやって来た。

連結前に一旦停止。ピョ！と汽笛を鳴らし、ゆっくりゆっくりと客車に近づいて行く…

ガシャン…はい、連結完了！

函館運転所所属のDD51-1142が函館〜札幌間を担当する。北斗星・カシオペア・トワイライトエクスプレスだとDD51の重連となるのだがはまなすは単機で牽引となる。

このDD51も北海道内で数が減ってきている機関車…北海道新幹線開業後の動向が気になります。

ここ函館からは列車は逆編成となり7号車（自由席）が先頭になります。

停車時間が39分と長いので駅前のコンビニへ買い出しも可能です（ちゃんと改札口で駅員さんに切符の提示をして許可をもらうようにしてください）

定刻0123函館発車。すでに寝ている乗客が多く座席の回転は困難…というか無理だ。下車予定の東室蘭までは約3時間…座席は逆向きのままで少し眠る事にする。

はっと目が覚めると時刻は0345頃…すでに長万部を出ており、東室蘭まではあと約30分。指定席での車掌さんの声掛けはないようだ。

9月上旬とはいえ北海道の朝は早く、すでに外は白み始めている。0415に東室蘭に到着。ここで下車したのは自分も含めて3人だった。B寝台車のドアから顔を出していた男性の顔に見覚えがある…思いだした！前日郡山〜福島間の1135Mで自分の前に座っていた人だ(笑)

ここで長万部行き始発列車を待ち、いよいよ秘境駅・小幌への訪問だ。

札幌で1泊後、9月10日の未明…白老地区での記録的集中豪雨で朝から室蘭本線は運休状態。北海道に住む知人宅がまさに白老周辺で途中苫小牧で立ち往生する（知人に車で迎えに来てもらい事なきを得る）

室蘭本線・萩野駅周辺の橋脚ギリギリまで水が上がっているのを移動中の車から見て思ったのは…今夜のはまなすはウヤ（運休）になるのかという不安。

15時頃にJR北海道のHPを見るとこの日の本州方面はカシオペアはウヤ（運休）で北斗星は函館始発（札幌〜苫小牧は臨時列車・苫小牧〜函館は代行バス）はまなすは通常通りの運行という案内で一安心する。

再び知人に苫小牧まで車で送ってもらい札幌まで戻って来た。出発まで2時間あったので狸小路のみよしのにて『餃子カレー』で夕食。

少し早いが2120頃には4番ホームに上がる。

発車40分前だが、3号車と7号車の自由席乗車口にはすでに10人位の列が出来ている。苫小牧から先の最終列車とあり短距離利用客も多い。

この日利用したのは6号車（オハ14-510）の指定席（ドリームカー）　JR北海道＆東日本パスに急行券・指定席券￥1,620(閑散期・閑散期以外は￥1,820）で利用出来る。

最後まで粘ったもののやはりはまなすカーペット車の指定券は取れなかった…

2145頃・4番ホームに急行はまなす入線。

今夜函館まではまなすを牽引するのは函館運転所所属のDD51-1083。

このDD51も北斗星やはまなす等、運転当初は国鉄時代の塗装であったものの北斗星色に塗り替えられ優等列車牽引機関車に相応しい姿となった。

グリーンの客車のトワイライトエクスプレスに合わせた塗装のDD51はついに実現しなかった…

202レ急行はまなす　青森行

202レ急行はまなす　札幌2220発→青森着0539（翌日）

この日（9/10）の編成は…

↑DD51-1083（札幌函館）
　1号車　ハネ（B寝台）スハネフ14-552
　2号車　ハネ（B寝台）オハネ24-503
　3号車　ハザ（自由席）　スハフ14-557
　4号車　ハザシ（指定席・カーペット車）オハ14-515
　5号車　ハザシ（指定席・ドリームカー）オハ14-508
　6号車　ハザシ（指定席・ドリームカー）オハ14-510
　7号車　ハザ（自由席）スハフ14-501
↓ED79-7（函館青森）※9/8　201レと同じカマ（機関車）

※函館〜青森間逆編成

B寝台はとても楽なのだが急行料金にプラスされる寝台料金￥6,480はバシェットトラベラーにとっては高いなぁ〜

4号車はまなすカーペット車。今回ここを押さえることが出来なかった…無念。

このカーペット車の料金は指定席（ドリームカー）と同じ！で超乗り得なのだがそのためなかなか指定券が取れない。しかもマルス発券で慣れていない係員に当たると延々座席照会すら出来ない…

まず1か月前の10時打ちしないと確保は難しい。女性専用席の設定もあるので女性の方はそちらも確認されると良いと思う。

発車前に洗面（お湯出ます）を済ませておき眠る態勢作りに入る。

このくずもの入れのデザインも国鉄時代の車両を思わせます。

指定された6号車1番A席（禁煙）に着席。検札に来た車掌さん（函館車掌区）は旅と鉄道の『続・夜行列車の冒険』のはまなす旅行記に登場されていた方だった。

車内（6号車）には海外からの旅行者が目立つ…手にはジャパンレールパス。

今夜の寝床…座席をフルリクライニングさせるとこの位倒れます。フットレストも付いており快適に過ごせます。

自由席の料金に数百円足してこのドリームカーを利用されるのをお勧めします。

この収納式ミニテーブルは国鉄時代の特急・急行列車のグリーン車に付いていたものと同じ。南千歳以降の記憶がない…


202レ　はまなすの停車駅

新札幌　2211
千歳　　2236
南千歳　2240
苫小牧　2303
登別　　2334
東室蘭　2350
伊達紋別　0017
長万部　0103
函館　　0252（0322発）
青森　　0539

ふと目を覚ますと列車は仁山を通過中…外は強い雨が降っているようだ。ほぼ定刻0250頃通過駅の五稜郭で列車が停止。暫くしてから案内放送が入り落雷による函館駅構内信号トラブルが発生との事。詳しい情報が入らない中時間が過ぎ結局70分遅れで動き出し函館0400着。

直ぐに機関車の付け替えが行われる…函館での機関車付け替え作業は最低6分必要との事。函館44分遅れの0406に発車。

函館〜青森間は函館運転所所属のED79-7へバトンタッチ。ここから列車は逆編成となり座席回転が必要だが…やはり回転させるのは困難で逆向きのまま。

函館出発後、青森から先の乗り換えに関しての聞き取りが車掌さんにより行われる。客数等確認後に運転指令へ報告をして判断待ちというところであろうか。

本来ならば江差線内は暗くて景色も望めなかったところであるが列車が遅れているため東の空が明るくなり始め、遠く函館山が確認出来た。木古内を通過して北海道ともお別れである。

0456頃青函トンネルに入る。これに合わせて一番後ろの車両へ移動してそこでトンネル通過の時間を過ごす事にする。

0510頃　吉岡海底駅通過（写真）

その後トワイライトエクスプレスとすれ違う…あちらも遅れているようだ。

0516頃　青函トンネル海面下240M地点通過

その後北斗星とすれ違う…

0526頃　竜飛海底駅を通過（写真）

一緒に最後部にいた男性は昨夜のカシオペア（札幌〜上野）に乘る予定だったのだが集中豪雨の影響でウヤ（運休）となり、はまなすB寝台〜はやぶさ4号グランクラスへの変更となったとの事。でもこのはまなすも遅れており新青森0617発はやぶさ4号に乘れるか心配されていた。

0536頃　青函トンネルを抜けて本州側へ。

この辺りはすでに北海道新幹線運行に向けて３線軌条化されている。

津軽今別付近に出来る北海道新幹線の新駅（仮）奥津軽駅が建設中。

中小国手前で北海道新幹線の高架から離れていく。

乗り継ぎのお客向けの放送が入る…

・新青森0617発はやぶさ4号利用者は0649発はやぶさ8号に振替
・青森0543発つがる2号への乗り継ぎは不可となり秋田までの旅客は青森駅到着時に駅員に申し出る事（これは予想だが新青森からはやぶさ4号で盛岡乗り換えこまち95号で秋田か？）
・普通列車に関しては一番近い接続の案内

0600頃蟹田で運転停車。機関士が交代する。朝方の下り（北海道方面）は貨物列車も多く、単線の津軽線では行き違いにより更に遅れが増していく…

定刻0539から55分遅れの0634に終着青森に到着。新幹線への乗り継ぎ客は0630発の新青森行4632Mが待ち合わせしているホームに一目散に移動して行く。

自分は0802発快速リゾートしらかみ2号への乗り継ぎなので時間に余裕あり。機関車等の写真を撮ってから移動開始する…朝食は古川市塲ののっけ丼にしようか。

日本最後の定期夜行急行列車はまなす…北海道新幹線開業に伴うその後の去就がとても気になる。少しでも長く走って欲しいと思いつつ改札口へと向かった。