2012/09/15 - 2012/09/15
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これまで遠くて行く気になれなかった九州。たった三日間ですが、初めて旅することになりました。サンキューパスという武器を片手に、長崎、熊本、大分と九州北部を巡っていきます。一日目の目的地は長崎。どことなく香港的なオシャレ感漂うこの港町を、一日かけて隅々まで観光したいと思います。
*** 情報は2012年9月のもの
== SUNQパスで行く九州 シリーズ一覧==
① 長崎「全部入り」観光 (軍艦島、グラバー園、平和公園) <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10718904/
② 雲仙経由熊本行き (普賢岳登山、有明海、熊本城)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10718279/
③ 九州横断バスの旅 (阿蘇山登山、九重夢大吊橋、湯布院)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10719183/
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[目次]
九州観光攻略法
(九州内の移動、SUNQパス、九州への移動)
長崎への道
軍艦島クルーズ
グラバー園
街歩き - 異国情緒ルート
浦上エリア - 原爆関連施設
稲佐山の夜景
費用、GPSログ
まとめ -
[九州観光攻略法]
九州旅行というのは、何かと高くつきます。まず、現地まで移動するのが大変。また8県もあるため、九州内の移動も高くつきます。でも、全県行く必要はありません。るるぶ九州をざっと見たところ、私が行きたいスポットがあるのは、長崎、熊本、大分の3県だけ。その他の県はなかったことにして旅すれば、比較的安くつきます。いわゆる、集中と選択です。
==九州内の移動==
最初に九州内の移動について見ていきます。3日間以上旅行するのであれば、「乗り放題」系のチケットが断然お得です。現在、販売されているのは主に三種類。
- JRの青春18きっぷ
5日分11500円でJR普通列車乗り放題。使用期間限定。
- 九州満喫きっぷ - 3日分10500円。
九州内のJR普通列車およびローカル私鉄・地下鉄の大半が乗り放題
- SUNQパス(サンキューパス)
九州の高速バス・市バス乗り放題。
さて、どれがいいでしょう。九州の鉄道はあまり接続がよくないので、高速バスが便利そうです。ということで、サンキューパスを軸にして旅程を組み立てたいと思います。このチケットは、高速バスだけでなく、市バスや一部フェリーにも使えます。
九州満喫きっぷ:
http://www.jrkyushu.co.jp/tabi/mankitsu/index.jsp
地図: SUNQパスが使えるバス路線。 -
==SUNQパス==
サンキューパスには、期間と利用範囲の違う3種類のチケットが用意されています。
1. 全九州 + 下関 4日間 14000円
2. 全九州 + 下関 3日間 10000円
3. 九州北部5県 + 下関 3日間 8000円
今回、私は九州北部にしか行かないので、一番安い8000円のもので十分でしょう。問題は、3日間でもとがとれるかどうか。サンキューパスは18きっぷと違い、連続した3日間で使いきらなくてはなりません。
SUNQパス - http://www.sunqpass.jp/ -
==九州への移動==
続いて九州への移動です。新幹線は速くて便利ですが、やはり高くつきます。新大阪-博多で14080円。次に飛行機ですが、最近、LCCの登場により、激安ルートがちらほら出てきました。一番よさそうなのが、ピーチ航空の関空-長崎便。安い時は、すべて込みで約4000円(+空港への交通費)で行けます。(2012年9月当時は、2340円+交通費)。直前の予約だと安くないので、前もって旅程を立てられる人向けです。
最後に高速バスです。競争激しい高速バスの世界ですが、九州路線に限っては、やや高どまりの傾向があります。例えば、大阪-長崎だと一万円のバスしかありません。ただ、博多行きならそこそこ安く、大阪発で4500円を割り込んでいます(当時は3500円以下)。東京からだと、8000-9000円ほど。博多から先はサンキューパスを使えばいいのだから、それで十分。今回、私は行きも帰りも高速夜行バスに乗りました。本数が多く、前日予約でも同じ値段の高速バスは、何かと融通が利きます。
ピーチ航空: http://www.flypeach.com/ -
[長崎への道]
戦略が決まったところで、早速出発。夜行バス(3700円)に乗り、京都から博多まで移動します。朝6:45AM、博多駅に到着。すぐに博多バスセンター(写真)まで歩き、サンキューパスを購入します。ついでに、朝7:09AM発の長崎直行バスも予約。本数は多いので、一本くらい遅れても問題ありません。この売場では、九州内を走る各高速バス路線の時刻表が手に入ります。
博多-長崎バス(九州号) 2500円。一日10本。
http://www.keneibus.jp/highway/fukuoka/ -
2時間半ほどバスに乗り、9時40分、長崎駅に到着です。長崎市はみどころが多い町ですが、私に与えられた時間はたったの一日。急いで観光を開始します。まずは、市バス(150円)に乗り、グラバー園へ。
長崎市バス: もちろん、サンキューパスが使えます。
http://www.nagasaki-bus.co.jp/bus/index.html
写真: 長崎駅。構内に大きな観光案内所あり。 -
[軍艦島クルーズ]
10分ほどで、グラバー園前のバス停に到着。バスを降りた後、なんとなく海側に目を向けると、すぐ近くの船着場に観光船らしきフェリーが停泊しているのに気づきました。あれっ、ひょっとしてこれ軍艦島クルーズの船なのかな..。気になったので乗り場まで行ってみると、やはりそうでした。
写真: 常盤桟橋。 -
軍艦島は長崎近海に浮かぶ無人の小島。以前は海底炭鉱に使われ、多くの人が住んでいました。すでに廃坑から40年が経ち、今では廃墟同然となっています。その無人島に上陸して「廃墟」観光するのが、昨今人気の軍艦島ツアーです。
運行会社は4つあり、出港場所は微妙に違います。そのうち最大手と思われる「やまさ海運」のツアーは9時と1時の出発。私は当初、この会社の1時の便に乗るつもりでした。しかし、今から30分後に出発する軍艦島コンシェルジュのほうが、どう考えても都合がいい。結局、チケット(平日料金 - 3600円 + 入場料300円)を購入し、先に軍艦島を観光することにしました。
軍艦島コンシェルジュ 10:40AM、2PM 3900円/4200円
http://www.gunkanjima-concierge.com/
やまさ海運 9AM, 1PM 4300円。
http://www.gunkan-jima.net/
シーマン商会 10:30AM, 1:50PM 4200円
http://seaman.jp/
高島海上交通 9AM, 2PM 4300円
http://www.takashima-kaijou.jp/ -
受付を済ませた後、すぐに乗船。出港までの30分間、船内で紹介DVDを見ながら、軽いレクチャーを受けます。席は自由席で、中に座っても、甲板のテラス(写真)に座ってもOK。
10:40AM、定時に出発。出港と同時にほとんどの人が眺めのいいテラス席に移動していきました。ガイド役の男性は船内でDVDを流しながら解説を続けますが、それはテラスのスピーカーからも聞こえるので問題なし。 -
軍艦島があるのは、長崎港から南西19キロの沖合い。船は、こんなルートを通って移動していきます。黄色い点は、右から、フェリーターミナル、三菱造船所第二バース、ながさき女神大橋、三菱造船所、伊王島+沖ノ島、伊王島大橋、高島、中之島(火葬場跡)、軍艦島。途中、2つの橋をくぐり、2つの島と2つの造船所を通過していきます。片道約35分。
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出港してすぐ、三菱重工の長崎造船所を右側に見ながら航行。戦時中、ここの第二バースでは、戦艦「武蔵」の建造が行われていました。少し進むと、さらに大きな三菱の造船所が左に見えてきます。船から見える島や施設に関しては、ガイドの男性が随時説明してくれます。
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長崎湾内を南西に進み、沖ノ島(写真)を通過。2012年3月に伊王島大橋が開通するまで、この島への唯一のアクセスは船でした。さすがは長崎、こんな離島にも立派な教会があります。
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橋の下をくぐり、さらに南下。高島を通過し、ついに軍艦島が見えてきました。軍艦島というのは通称で、正式には端島(はしま)という名前です。
こうやって写真で見ると孤島のように見えますが、3キロ手前の高島には今も人が住んでいます。当時は、高島から海底ケーブルで電力の供給を受けていました。また、すぐ近くにも中之島という小島があり、かつては軍艦島住民の火葬場として使われていました。
軍艦島 wiki:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%AF%E5%B3%B6_%28%E9%95%B7%E5%B4%8E%E7%9C%8C%29 -
出港から約35分、軍艦島に到着です。いきなり上陸することはせず、ぐるっと島の回りを反時計回りに一周しながら島を見学します。この周囲わずか1.2キロの島には、炭坑の労働者とその家族が暮らしていました。最盛期で5000人以上。香港の高層団地なみの人口密度です。
軍艦島を見て、香港の九龍城を連想してしまうのは、私だけではないはずです。あちらは違法建築のスラムで、こちらは合法ながらむちゃくちゃな集積度。そして、今も現役の廃墟です。 -
これは島の裏側。軍艦島は島全体が堤防で囲まれています。中には70ほどの建物が所狭しと並び、学校、商店、病院はもちろん、映画館やパチンコなどの娯楽施設までありました。
この後、島を少し離れて、本当に軍艦っぽく見える位置まで移動。思う存分写真を撮った後、島の反対側に戻りました。 -
20分ほどかけて一周した後、桟橋から島に上陸します。このツアー、上陸にはいろいろな条件がつけられており、風が強かったり、波が高かったりすると上陸できません。こればかりは運任せ。やまさ海運では、毎月何回上陸できたかという「上陸率」の統計をウェブで公開しています。それによると、2011年のデータで、一番高い10月が98%、一番低い4月が68%。予想以上に、欠航や未上陸が多いようです。
上陸実績 - http://www.gunkan-jima.net/wp-content/uploads/graph.pdf -
上陸後は、整備された通路に沿って島を見学していきます。最初の広場でストップし、北側に見えている小中学校(写真)について説明を受けます。7階建ての校舎はもういつ崩れてもおかしくない状況で、手前の体育館はすでに屋根が落ちています。この島には高校がないため、学生は高島や長崎の高校まで船で通ったそうです。
一般的にマンションなどの鉄筋コンクリートの寿命は40年と言われています。でも、まわりに築40年以上のマンションなんて、いくらでもありますよね。寿命何年なんて、建て替え業者の脅しだと思ってました。でも、ずっと放っておくと、いつかはこうなってしまうようです。この建物で築54年くらい。閉山から数えて38年。 -
見学通路を進み、赤レンガの建物の前へ。ここには島の中枢である総合事務所や炭坑への入り口、炭鉱マンの共同浴場などがありました。ここから地下に伸びる炭坑の深さは最大1000メートル。島内に所狭しと並んだアパート群が、作業員の多さを物語っています。
写真のように、主要ポイントに着くと、ガイドはツアー客を集めて説明を始めます。スタッフの女性が掲げているのは当時の写真。ここでは、ヘルメットとヘッドライトをつけた「炭坑員コスプレ」で記念撮影もできます。 -
さらに歩いて、最後の広場へ。正面奥に見えるのが、日本で最初に建てられた鉄筋コンクリートの建物。30号棟と呼ばれる集合住宅です。1916年(大正5年)建設ということは、あと4年で百周年です。
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30号棟は7階建ての建物。内部はこうなっています。中央部が吹き抜けになっており、それを廊下と六畳一間の部屋が囲います。右下にあるのが共同トイレ。当時は最先端の建物だったかもしれませんが、スペック的には西成の安ビジネスホテルと同程度です。
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ここで見学は終了。各自船に戻ります。正味の上陸時間は50分ほど。上陸ツアーを謳いながら、実際に見学できるのは、島のわずか一部分。数々の廃墟を体験してきた私にとって、当然物足りない内容でした。
長崎市が軍艦島を一般向けに開放したのは、ほんの3年半前の話。それ以前は、一部の廃墟マニアたちが船をチャーターして勝手に上陸していました。文字通り、リスクをとっての廃墟めぐりです。一方、このツアーの内容は、安全第一の遺跡見学レベル。誰でも参加できる反面、全く自由度がありません。私もこっそり抜け出して、建物の中に入って行きたい! でもフェリーのスタッフが3人も4人もいるので、とてもそんなことできません。 -
ツアーを振り返ると、 出港前レクチャー(船内、30分)、往路(35分)、島一周(20分)、上陸(50分)、復路(35分)。合計、2時間50分の内容でした。結構、時間食っちゃいましたね。
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[グラバー園]
時刻は1時過ぎ。これから日没まで、まだまだ観光が続きます。まずは、船着場のすぐ近くにあるグラバー園へ。旧香港上海銀行の建物と、ガソリンスタンドの間の道を進み、土産物屋が並ぶ坂を登ったところに、グラバー園の入口があります。
写真中央の建物が、旧香港上海銀行長崎支店。1904年竣工の石造りの建物です。さっきの軍艦島30号棟より12年前に建てられました。現在は修理工事を経て、記念館として公開されています。 -
グラバー園のある南山手は、かつては外国人居留地として多くの洋館が建っていました。その一部を公園として整備したのが、このグラバー園。中では、グラバー邸(赤い点)、オルト邸、リンガー邸を中心に、9つの建物が見学できます。入場料は600円。 サンキューパスを提示すれば100円引き。
まずは動く歩道(黄色い線)で公園の上部まで行きます。グラバー園は丘の斜面にあるため、上から下へと見学していくのが一般的です。 -
園内にある洋館をひとつづつ見学していきます。しかし、何でしょうこの既視感。以前、来たことがあるような...。それもそのはず、公園のコンセプトが愛知県の犬山明治村にそっくりなのです。スケール的には明治村の1/5くらい。
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いくつかの洋風木造建築を見学した後、最後にグラバー邸へ。この建物は、現存する日本最古の木造洋風住宅とされています。ところで、この日は遠足で来ている小中学生をたくさん見かけました。長崎はグラバー園、教会、原爆関連の施設など、健全な見どころが多いので、遠足には最適なのです。
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グラバー邸の中に入り、豪華なダイニングや寝室、応接間などを見学。こんな感じでサクッと見学終了しました。正直、あんまり興味ないかな。
この家の家主だったトーマス・グラバーはスコットランド出身の商人で、幅広い分野で才能を発揮し、幕末から明治初期にかけて日本の発展に大きく貢献しました。武器の輸入に造船、炭坑、蒸気機関車の運行など。坂本龍馬や三菱の岩崎弥之助などと同時代に生き、お互いに交流もありました。 -
このグラバー園は、小さいながらも長崎を代表する観光スポット。より規模の大きな明治村より、ずっと有名で印象的なのはなぜでしょう。ひとつは公園から海が見えること。景色のいい観光地は、そのイメージが強化されます。もう一つは、グラバーという個人の歴史がこの公園および長崎に深く結びついていること。この公園にいるだけで、幕末の空気に触れた気になれます。
写真: 旧三菱第二ドッグハウスからの眺め。 -
[街歩き - 異国情緒ルート]
グラバー園の見学を終えた後、南山手(グラバー園) -> 東山手(オランダ坂) -> 唐人屋敷跡 -> 中華街というルートを歩いて移動しました。それぞれのエリアに散策ルートがあるのですが、面倒くさいので一気に歩いたわけです。名付けて、異国情緒ルート。
地図: 青い線 - 歩行ルート。黄色い点 - 青い線に沿って左から、大浦天主堂、エスカレーター、東山手洋風住宅群、東山手甲十三番館、オランダ坂、土神堂(唐人屋敷跡)、新地中華街。水色の点 - 下から、グラバー園、孔子廟博物館、海星学園、活水女子大学。 -
最初はグラバー園の前にある大浦天主堂からスタート。この建物は、現存する日本最古の木造教会(since 1864)で、もともとは殉教した26人の聖人たちのために建てられました。歴史的価値があるため、入場料(300円)を払って見学します。内部の撮影は禁止。
私にとって、教会自体さほど珍しいものではありません。中米で散々見てきたし。ただ、日本人大工が建てたというところに面白みを感じます。中を覗くと遠足の中学生が椅子で休憩していました。すっかり観光スポットになっているため、日々のミサは別の場所で行われます。 -
教会のあと、東側にある祈念坂を登っていくと、見晴らしのいい場所を経て、公共のエスカレーター(写真)に到着します。どこか香港島のヒルサイド・エスカレーターを彷彿とさせますが、そんなロマンチックなものではありません。文字通り、ただの住民用エスカレーター。
この辺りからは、お隣の東山手の町並みがよく見えます。黄色い点は、左から活水女子大学(赤い屋根)、海星学園(水色の屋根)。長崎には、今もミッション系の学校が多く残っています。 -
エスカレーターを下り、道路を少し歩いた後、東山手の丘を登っていきます。この辺りの石畳の道はオランダ坂と呼ばれており、かつては洋館が立ち並ぶ外国人居留地でした。坂の途中に、複数の洋館が保存された「東山手洋風住宅群」への入り口があります。
明治初期の人達にとって、外人 = オランダ人。タイ人が西洋人をファラン(フランス人)と呼ぶように、当時、外国人といえば、オランダ人でした。
写真: 黄色い点がエスカレーターの入り口。そのとなりの大きな建物が、大浦小学校。 -
外国人居留地にある坂道は、たいていオランダ坂と呼ばれています。その中で一番有名な「オランダ坂」が、この活水女子大学に続く坂(写真)。ルート上だと、東山手甲十三番館に立ち寄ってから行くと近道です。ここから先、坂を下らず、東に続く坂道を登っていきます。
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坂を登り切った後、今度は民家の密集したエリアを下っていきます。先ほどまでの殺風景なオランダ坂と違い、こちらは生活臭溢れる生活通路。散策的には、こっちのほうが面白いのは言うまでもありません。
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さらに歩くと、かつて中国人貿易商たちの移住区だった唐人屋敷跡エリアに入ります。ここには中国スタイルの廟が4つ。四角形を描くように回れます。町自体に中国っぽさはありませんが、一部のお店が中華風の看板を構えています。
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その後、唐人屋敷通りを400メートルほど港の方に歩き、長崎新地中華街に到着です。ここが、私の考えた異国情緒ルートの終点。グラバー園からここまで、アップダウンの多い長崎らしい道でした。
この長崎新地中華街は、日本三大中華街の一つにカウントされています。ただ、横浜や神戸のものと比べ、かなり小規模。200メートル四方ほどのエリアに約40軒の中華料理店が並びます。 -
到着した時、時刻は3時半過ぎ。ちょうど昼休みの時間で、開いているお店は2,3軒だけでした。ここの名物は、もちろん、ちゃんぽんと皿うどん。ベタに長崎ちゃんぽん(840円)を注文して、遅めのランチをとることにします。気になる味ですが、リンガーハットのものとは違い、ややタンメン風の味付けでした。このこぢんまりとした中華街も、毎年旧正月の時期にはランタンフェスティバルで盛り上がります。
長崎ランタンフェスティバル:
http://www.nagasaki-lantern.com/ -
[浦上エリア - 原爆関連施設]
これで、長崎駅から南側の観光は終了。今度は、北部の浦上(うらかみ)エリアまで移動していきます。バスでも行けますが、せっかくなので路面電車に乗車(一律120円)。中華街最寄りの築町駅から浦上地区までは、乗り換えなしで行けます。なお、この路面電車にサンキューパスは使えません。 -
20分ほど路面電車に乗り、松山町駅で下車。 このエリアには、原爆関係の施設と大きな教会がひとつあります。まずは、夕方5時には閉まってしまう浦上天主堂へ。さっきの教会は大浦、今度は浦上。まぎらわしいですね。
駅から歩いて数分、小高い丘の上にある浦上天主堂に到着です。この天主堂は信者のとても多い教会で、長崎を代表する教会といってもいいでしょう。この教会は二度の大きな苦難を乗り越えてきました。一度目は、明治初期の大規模なキリスト教弾圧。二度目は終戦直前の原爆投下。爆心地のすぐそばにあったため、教会の建物は爆風で大きく破壊されてしまいました。周辺に住んでいた信者8000人も大半が死亡。とても残酷で悲しい歴史を背負っています。内部の見学は無料ですが、やはり写真撮影は禁止です -
少し駅の方に戻り、長崎原爆資料館を見学(200円 -> 160円)。広島のものと比べ規模は小さいですが、内容は充実しています。
原爆資料館: http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/peace/japanese/abm/ -
中には、被爆した浦上天主堂の壁のレプリカが展示されていました。この側壁部分だけは原爆投下後も崩れ落ちずに残ったため、原爆被害のシンボルのような扱いを受けてきました。広島で言えば原爆ドーム的な位置づけ。当時の写真を見ると、確かに一部の壁だけが残っていて、マカオの聖ポール天主堂のような状態でした。
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これが実物大のプルトニウム爆弾、通称ファットマン。長さ3.25メートル、重さ4.5トン。1945年8月9日11時2分、この原爆が長崎に投下され、7万人を超える命が奪われました。
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資料館を出て、すぐ隣にある追悼平和祈念館へ(無料)。こちらは、原爆死没者の追悼を目的に建てられた施設で、水の張られた屋上の下が追悼空間(写真)となっています。中には12本のガラス柱が並び、その奥に、原爆死没者の名簿が収められています。
広島の祈念館もそうでしたが、こちらもコンペで募集したかのような洗練されたデザインになっています。お墓がパーソナルな追悼空間とすれば、こちらは平和を願うユニバーサルな追悼空間。やや教会的で西洋風な感じがするのは気のせいでしょうか。
追悼平和祈念館: http://www.peace-nagasaki.go.jp/ -
資料館のすぐ下は、原爆投下地点を記念した公園になっています。この場所は、長崎駅から見て3キロほど北の場所。原爆はここから500メートルほど上空で炸裂しました。写真は原爆投下中心地碑。この公園にも、浦上天主堂遺壁の一部(オリジナル)が保存されています。
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最後に、北側にある道路を渡って長崎平和公園へ。入ってすぐの場所に、平和の泉(写真)と各国から送られた銅像が並んでいます。噴水から記念碑まで一直線に視線が伸びるデザインは、広島の平和記念公園と同じ。先ほどの祈念館といいこの噴水といい、やたら水にこだわっています。それはもちろん、原爆投下後、多くの被爆者が喉の乾きを訴え、水を求めながら死んでいったことに由来しています。
長崎平和公園: http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/kouen/heiwa/heiwatop.html -
公園を奥まで進むと、おなじみの平和祈念像が出てきます。この外人風の像が原爆とどう関係あるのか、多くの人にとって謎でしょう。ガイドブックによると、長崎出身の彫刻家・北村西望氏による作品で、天を指した右手は原爆の脅威を、水平に伸ばした左手は平和を表現しています。
この銅像前の広場が、毎年8月9日に行われる平和祈念式典の会場になります。 -
平和祈念像の高さは約10メートル。ダビデ像のような濃い顔を想像していましたが、近くで見ると、さえないオッサン風でした。ちょっと菅直人似。何の予備知識もなしに見ると、風呂あがりの男性に見えなくもありません。カプセルサウナの入り口に置いてあっても違和感なし(あくまでイメージです)。
これで、浦上地区の観光も制覇。この後、バスで長崎駅まで戻ります。 -
[稲佐山の夜景]
日中の観光を終え、残すは夜景見学のみ。長崎には、1000万ドルの夜景を謳う展望ポイントがあります。場所は、中心部から見て北西側にある稲佐山(いなさやま)。標高は東京タワーと同じ333メートル。アクセスは、駅前からロープウェイの淵神社駅まで無料循環バス(観光案内所で整理券配布)が出ているので、それに乗ります。7PMから9PMの間に4本。 私は7:17PMのバスに乗り、10分ほどでロープウェイ乗り場に到着しました。
写真: 黄色い点が稲佐山の展望台。写真はグラバー園からの眺め。 -
そこから、15-20分間隔で運行されるロープウェイ(往復1200円)に乗り、5分ほどで上の稲佐岳駅へ。そこから展望台まで少し歩きます。
そして、これが1000万ドルの夜景。長崎には港があり、丘や坂も多いため夜景は大変見栄えがします。この立体感のある眺めは、夜景の本家である香港と比べても遜色なし。ただ、こちらに高層ビルはありません。
写真: 真中の明るいところが、長崎フェリーターミナルと浜町の繁華街、左端に見切れているあたりが長崎駅。
長崎ロープウェイ http://www.nagasaki-ropeway.jp/ -
聞くところによると、長崎の夜景は、日本三大夜景のひとつとか。ちょっと怪しいので調べてみると、本当にそうでした。残り2つは、函館と神戸。函館の方は、誰も文句無いでしょう。15分ほど対岸の景色を眺めて、展望台をあとにしました。
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[繁華街 - 浜町]
駅まで戻った後、歩いて浜町(はまのまち)へ。ここが長崎で最も賑やかなエリアで、浜町アーケードを中心に繁華街が広がっています。遅い時間に来たので、すでに人通りは少なめ。
アーケードには、「熱烈歓迎」の大きな看板が掲げられていました。この春、14年ぶりに上海と長崎を結ぶ定期船が復活したため、地元では中国人観光客に大きな期待を寄せているのです。この船はハウステンボスの関連会社が運行するフェリーで、運行時間26時間、長距離クルーズなのにシート席(1万円)があるとうニュータイプの定期船。地元商店街にとっては朗報でしたが、領土問題の煽りを受け現在運休しています。
オーシャンローズ: http://htbc.co.jp/ -
午後9時半。そろそろホテルを探さなくては。直前に決めた旅行のため、ホテルの予約は取っていません。取っていれば、ネットで4000円前後の駅前ビジネスホテルが予約できたはずです。時間も遅いので、今日はネットカフェ(12時間 2000円)で我慢。こんな場所でもぐっすり眠れてしまうのが、私の偉いところです。
写真: 畳のペア席。ソファーベットの背もたれと肘掛けを倒せば、ベットになります。 -
[費用、GPSログ]
これが、今日のGPSログ。長崎市の北から南まで。離島と展望台にも行きました。かかった費用は、こんな感じ。夜行バスとサンキューパス(8000円)、食費は除く。
博多-長崎 バス 2500円
市バス 2回 300円くらい
路面電車 120円
軍艦島クルーズ 3900円
グラバー園 600 -> 500円
大浦天主堂 300円
平和資料館 200 -> 160円
ロープウェイ 1200円
ネットカフェ 2000円
合計11120円。 サンキューパスでカバーされた分(2940円)を差し引くと8180円。軍艦島クルーズの費用が約半分を占めています。
地図: 黄色い点は下から、グラバー園、軍艦島クルーズ乗船地点、オランダ坂、中華街、浜町、長崎駅、稲佐山展望台、平和公園。 -
[まとめ]
なんだかんだで、行きたい場所、一日で全部回りました。内容的にもバラエティ豊かで満足の内容です。長崎は、実にコンパクトで観光しやすい町。旅行記中に何度か触れましたが、「香港的」に観光できます。あえて難を言えば、コンパクトすぎて、サンキューパスを使う機会があまりないこと。でも、それは残り2日間で挽回するつもりです。 -
[リンク集]
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==西日本旅行記==
屋久島と山ガール、そしてヤバ過ぎる雨の日 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10690816/
山陽本線 名所名物つまみ食い 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10697556/
西日本 ジグザグ海の道 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10707470/
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