2026/09/19 - 2026/09/20
117位(同エリア204件中)
ヌーピーさん
アムステルダムの喧騒を離れ、普通列車で古都デルフトへやってきました。白地に青の濃淡が美しいデルフト焼きと、画家フェルメールが生涯を過ごした街として知られています。旧市街の反対側にはデルフト工科大学があり、若い学生たちの姿も多く見かけました。しかし街の印象はどこまでも穏やかです。人で溢れるアムステルダムと比べると時間の流れがゆっくりしているように感じられます。街中を猛スピードで走る自転車に少し緊張していた私にとって、デルフトの静かな街並みは心地よい休息のようでした。
表紙は、フェルメールの『デルフトの眺望』のモデルになったと言われる場所。
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アムステルダムのスキポール駅から普通列車に揺られ、古都デルフトへやってきました。白地に青の濃淡が美しいデルフト焼きの故郷であり、フェルメールが生涯の多くを過ごした街として知られる場所です。
デルフト駅 駅
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駅を出ると、街のシンボルである旧教会がすぐに目に入ります。実はこの塔、傾き方がピサの斜塔を上回るとも言われています。デルフト特有の軟らかい地盤が原因だそうですが、実際に目の当たりにすると想像以上の傾きで、なかなかの迫力です。
旧教会 寺院・教会
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明日は日曜日で、旧教会は一般見学ができません。そのため、デルフトに到着してまず最初に旧教会へ向かうことにしました。
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デルフトは旧市街自体がコンパクトなので、主な見どころは徒歩で十分に巡ることができます。運河沿いをのんびり歩くだけでも楽しい街です。一方で、ホテルで自転車を借りてサイクリングを楽しむのも良さそうでした。
教会に入場します。 -
旧教会の内部へ足を踏み入れると、見事なステンドグラスから優しい陽光が差し込み、とても明るい空間が広がっていました。
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そして、この旧教会にはフェルメールが眠っています。調べてみると彼は1632年生まれ。日本では江戸時代初期で、我が郷土の偉人の水戸黄門でおなじみの水戸光圀公とほぼ同世代です。フェルメールと水戸黄門。普段はまったく結び付かない二人ですが、同じ時代を生きていたと思うと急に歴史が身近に感じられました(笑)。
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教会内には、フェルメールが残した功績を分かりやすく紹介するパネルも展示されています。世界的な画家でありながら、生涯のほとんどをこのデルフトで過ごしたことを知ると、作品がぐっと身近に感じられました。
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旧教会を出て少し歩くと、フェルメールの名画『デルフトの眺望』のモデルとなった場所があります。街はすっかり近代化され、絵の中に描かれた景色の面影はそれほど残っていません。それでも、フェルメールが作品を描く際に眺めていたであろう場所に立つと、なんとも言えない高揚感を覚えます。
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デルフトの街中は車の往来も少なく、とてものんびりとした雰囲気です。運河沿いの芝生ではカモたちが思い思いにくつろいでいて、街全体に穏やかな時間が流れていました。
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今日の宿泊先は、デルフト駅の目の前に位置する「ソーシャルハブ・デルフト」。
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アサインされたのは運河に面した部屋でした。窓の外には穏やかな水辺の風景が広がり、その向こうを行き交う列車や通行者の姿も眺めることができます。
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ボート競技が盛んなオランダらしく、フィットネスルームにはエルゴメーター(ボート競技用のトレーニングマシン)が用意されていました。面白かったのは、ホテルのエコフレンドリーな取り組みです。シャワーには湯量計が設置されており、お湯を使いすぎると氷の上にいたシロクマが海へ落ちてしまうという可愛らしいイラストが表示されます。もちろん強制力はありませんが、「そろそろシャワーを切り上げようかな」という気持ちになるので、なかなかよく考えられた仕組みだと感心しました。
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滞在中にSNSで、このホテルの10階からデルフトの街並みを一望できるという投稿を見かけました。気になったので、チェックアウト後に見学させてもらうことに。そこからの眺めは期待以上でした。旧教会と新教会の塔が美しく並び、その向こうにデルフトの街並みが広がっています。今回は運河側の部屋も十分素敵でしたが、次回宿泊する機会があれば、ぜひこの景色が見える高層階の部屋をリクエストしたいところです。
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街のコンビニ「SPAR」に立ち寄ると、小分けのチーズやハムがずらりと並んでいました。量も手頃で、一人旅にはありがたい品揃えです。長旅の疲れもあったので、この日の夕食はホテルでのんびりと済ませることに。運河の見える部屋でオランダのチーズやハムを味わいながら過ごす時間も、なかなか贅沢なものでした。
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千切りレタスにハム、ピクルスの酸味が効いたポテトサラダ、そして熟成控えめでマイルドなオランダ産ゴーダチーズを薄切りのパンに挟んでみました。シンプルな組み合わせですが、素材の良さが際立ちます。特にゴーダチーズの優しいコクが印象的で、旅先の即席サンドイッチとは思えない仕上がりです。運河を眺めながら頬張るその味は格別で、自分で用意したとは思えないほど大満足の夕食になりました。
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翌朝は、爽やかな空気の中をもう一度街中へ散策に出かけました。ここの運河には白鳥ファミリーが居ました。
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街の中心部にある「青いハート」
マルクト広場 (デルフト) 広場・公園
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チーズのお店も可愛らしい
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翌朝は、ホテルスタッフおすすめのアップルパイの名店「Kobus Kuch」へ向かいました。なんでも年間6万切れものアップルパイを販売しているそうで、デルフトでは知らない人はいないほどの人気店なのだとか。そんな話を聞いてしまったら、期待せずにはいられません。
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開店直後に訪れたため、アップルパイは焼きたてで湯気が立つほどでした。サクサクのクッキー生地の中には、シナモンやレーズン、ナッツの風味をまとったリンゴがぎっしり。火を通しすぎていないため、シャキシャキとした食感もしっかり残っています。甘さは控えめで、たっぷりのホイップクリームを添えても全くしつこさを感じません。評判どおりの驚くほど美味しいアップルパイでした。デルフトを訪れたら、ぜひおすすめしたい一軒です。
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市庁舎や新教会前の広場には出張遊園地が来ていました。
デルフト新教会 寺院・教会
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フェルメール全作品のレプリカを見られるフェルメールセンターへ来ました。
フェルメール センター 博物館・美術館・ギャラリー
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フェルメールは大変な寡作で、現存する作品は世界でわずか37点ほどしかないと言われています。そのうちの1点が、実は東京・上野の国立西洋美術館にある『聖プラクセディス』です。フェルメールが暮らしたデルフトの街を歩きながら、その作品の一つが日本にあることを思うと少し不思議な気持ちになります。いつか上野を訪れ、じっくり鑑賞してみたいと思いました。
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いくつか印象に残った作品を紹介します。
左上の『取り持ち女』では、左端でにやけた表情を浮かべる男性がフェルメール自身ではないかと言われています。右上の『絵画芸術』は、フェルメールが手放さなかったことから最も愛着を持っていた作品とも伝えられています。左下の『手紙を読む青衣の女』は、今回訪れたアムステルダム国立美術館では残念ながら見ることができなかった作品です。そして右下は、オランダの写真家による『真珠の耳飾りの少女』へのオマージュ作品『真珠の耳飾りをした黒人少女』。オリジナルとはまた違った魅力があります。もちろん展示されているのはレプリカですが、フェルメールの世界にどっぷり浸ることができて大満足でした。 -
街中には、デルフト焼きの名門「ロイヤル・デルフト」のショップがあります。店内にはミッフィーをモチーフにしたデルフト焼きがずらり。オランダ好きにはたまらない光景です。しかし値札を見ると、キャンディポットは9,000円、木靴風の置物は6,300円。「可愛い!」「でも高い!」を何度も繰り返しながら店内を一周しました。結局購入には至りませんでしたが、デルフト焼きの美しさはしっかり堪能できました。
ロイヤルデルフト 建造物
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まだ旅程は半分近く残っています。割れ物を増やすべきではないことは十分理解していました。しかし、その理性は「HEINEN(ハイネン)」のデルフト焼きの前では無力でした。気が付けばキャンディポットとクリスマスオーナメントを購入。帰国まで無事に持ち帰れるかという新たなミッションも発生しましたが、後悔はありません。旅先での買い物とはそういうものです。
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通りかかった街角の本屋で、『真珠の耳飾りの少女』が描かれたデルフト焼き風のマグネットを3ユーロで購入しました。公式商品ではないと思いますが、手頃な価格でこの街らしい思い出の品を手に入れることができ、大満足です。その後、デルフト駅から普通列車に乗り、約2時間かけてベルギーの首都ブリュッセルへ向かいました。ロンドン行きユーロスターの接続に合わせるためです。フェルメールゆかりの静かな街ともここでお別れ。翌日からは雰囲気の異なるブリュッセル、そしてロンドンへと旅は続きます。
つづく
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