2026/09/20 - 2026/09/23
-位(同エリア10511件中)
ヌーピーさん
ゴッホとフェルメールの作品を訪ねる旅の最終話。
ブリュッセル経由でロンドンへ移動しました。
表紙は、ロンドン郊外にあるケンウッドハウス外観
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ロンドンへ向かう途中、ベルギーの首都ブリュッセルに立ち寄りました。ブリュッセルで列車を降りた瞬間、街の空気ががらりと変わったことに気づきます。街に響くフランス語、多様なルーツを持つ人々、そしてどこか雑多でエネルギッシュな雰囲気。隣り合う国とはいえ、オランダから普通列車でわずか2時間ほどの移動で、これほど景色も文化も変わるのかと、旅の面白さを改めて感じました。
グランプラス 広場・公園
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グランプラスの前は驚くほどの活気に満ちていました。
それもそのはず、毎年9月恒例のフォークロア(伝統芸能や民俗文化)を祝うお祭りが行われている真っ最中。色鮮やかな人形や音楽が広場をより一層賑やかに彩っています。 -
グランプラスを離れ次に向かったのはブリュッセル名物の「小便小僧」、そして少し珍しい「小便少女」の像です。一度見ておきたかったのですが小便少女は悪趣味ですね。
小便小僧 建造物
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さっそくベルギー名物のムール貝と濃厚な小エビのコロッケを味わい、ビールとハーゲンダッツのベルギーチョコレートアイスで締めくくります。短い滞在ながらも、美食の国ベルギーの実力の一端をしっかり堪能できました。
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宿泊先はグランプラスから徒歩10分ほどのホリデー・イン。客室は清潔で機能的、朝食付きで約16,000円と、オランダと比べると宿泊費はかなり手頃に感じます。窓の外にはカトリック教会の姿が見え、歴史ある街に滞在していることを静かに実感しました。
ホリデイ イン エクスプレス ブリュッセル グラン プラス バイ IHG ホテル
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翌日はブリュッセル南駅からユーロスターでロンドンへ向かいます。陸路での移動とはいえ、国境を越えるユーロスターの手続きはかなり厳格です。駅に到着すると、まずEUの出国手続き、続いてイギリスの入国審査が待っています。空港さながらのセキュリティチェックを終えて、ようやく乗客専用の待合室へたどり着きました。しばらくすると係員の案内が始まり、待っていた乗客たちが一斉にホームへ向かいます。これから海峡を越えてイギリスへ向かうのだと思うと、ヨーロッパ旅行の終わりとロンドン滞在への期待が入り混じり、少し特別な気分になりました。
ブリュッセル南駅 駅
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いよいよ乗り込んだユーロスターですが、2等席の印象は正直なところ「思ったより狭い」の一言です。全席指定で快適な高速列車を想像していましたが、座席の間隔は日本の在来線特急列車よりも窮屈に感じました。
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窓の外にはどこまでも平坦な農地が広がり、やがて列車はドーバー海峡をくぐる英仏海峡トンネルへと入っていきました。
ただ、今回は少々座席運に恵まれませんでした。隣席の女性客が終始大きな声で電話を続けており、「もう少し静かにしていただけますか」とお願いしてみたものの、残念ながら聞き入れてもらえませんでした。車内のほとんどの乗客が静かに過ごしていただけに、その声が余計に気になってしまいます。せっかく車窓を眺めながらゆったり移動を楽しもうと思っていただけに、少し残念な時間となりました。今回の経験で、長距離移動の快適さを重視するなら、追加料金を払って上位クラスを選ぶ価値もあるのだと実感しました。次にユーロスターを利用する機会があれば、1等席も検討したいと思います。 -
3時間の乗車でセントパンクラス駅に到着しました。
セント パンクラス国際駅 駅
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今回の旅の発着をロンドンにしたのは、ETAが有効期限内だったこともありますが、一番の理由はナショナル・ギャラリーにあるゴッホの『ひまわり』でした。初めて見たときの衝撃は今でも忘れられません。キャンバスに塗り付けられた絵の具の力強さと、燃えるような黄色の存在感。写真では決して伝わらない本物だけが持つ迫力にとても感動しました。「ロンドンへ行くなら、もう一度あの『ひまわり』を見たい。」そんな思いが今回の旅の大きな動機でした。そして再びナショナル・ギャラリーを訪れます。
トラファルガー広場 広場・公園
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展示室の前に立ち、お目当ての場所に視線を走らせた瞬間、私は文字通り凍りつきました。
「えええっ、嘘でしょ……!?」
そこに掲げられていたのは、無情にも「フィラデルフィア美術館に貸出中」の文字。なんと、ロンドンの『ひまわり』までもが大西洋を渡ってアメリカへ旅立っていたのです。
あの一筆一筆の力強い絵の具の盛り上がりを、もう一度この目で拝めるのは一体いつになることでしょうか。ナショナルギャラリー 博物館・美術館・ギャラリー
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この展示室には、同じくゴッホの『草地(蝶のいる長草)』も展示されています。風に揺れる草のざわめきまで伝わってきそうな筆致と、画面全体にみなぎる絵の具の躍動感が美しい作品で、私のお気に入りの一枚です。本来ならもっと時間をかけて鑑賞したかったのですが、その日は突然の「ひまわりロス」に襲われていました。目当てだった『ひまわり』が貸出中という事実に動揺しすぎて、結局は写真だけ撮り、ろくに鑑賞もせず展示室を後にしてしまいました。
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ロンドンでの滞在先は、中心部の賑やかさから少し離れた「ベストウェスタン ロンドン ハイバリー(Best Western London Highbury)」。地下鉄で20分ほどの距離にあります。
部屋はシンプルなビジネスホテル風でした。 -
朝食メニューは、定番のベーコン、ジューシーな焼きトマト、イギリスの朝には欠かせない煮豆(ベイクドビーンズ)のホットミール。そこに新鮮なサーモンやチーズ、お好みのシリアルやフレッシュジュースなど、シンプルながらも、内容充実で満足の朝食でした。
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二階建てバスに乗り、この旅最後の目的の絵を見に向かいます。運良く二階席の最前列を確保できたので、見晴らしは抜群。まるで観光バスの特等席です。
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お屋敷街を抜けて高台に進みます。
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バスを降りてやって来たのは、ロンドン北部のケンウッド・ハウスです。18世紀の貴族の壮麗な邸宅(カントリー・ハウス)を利用した美術館で、広大なハムステッド・ヒースの一角に静かに佇んでいます。
ケンウッド ハウス 博物館・美術館・ギャラリー
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館内には円形に並ぶ本棚が美しい図書館も残されています。18世紀の貴族たちが知識と教養を育んだ空間は、それだけでも一見の価値があります。さらに驚くのは、そんな由緒ある邸宅の中で数々の名画を無料で鑑賞できること。
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広い邸宅内は観覧客も少なくとても静かで、自分のペースで作品と向き合えるのが魅力でした。説明を見ると、絵画だけでなく長椅子やテーブルなどの家具も18世紀のものだとか。美術館というより、貴族が外出している間にこっそり邸宅を見学させてもらっているような不思議な感覚になります。
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ケンウッド・ハウスの目玉作品、レンブラントの『二つの円のある自画像』です。驚いたことに鑑賞している人はほとんどおらず、この傑作をしばらく独り占めすることができました。描かれているのは晩年のレンブラント自身。白髪混じりの姿で静かにこちらを見つめています。かなり大きな作品で目の前に立つと画集や写真では伝わらない存在感に圧倒されます。
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もう一つのお目当てだったフェルメールの『ギターを弾く女』。なんと愛らしい少女なのでしょう。ふっくらとした頬はどこかルノワールの描く人物を思わせ、見ているだけで幸せな気持ちになります。また一つ、好きな作品が増えました。
鑑賞しているとキュレーターの方が話しかけてくれて、この絵を目当てに訪れる日本人は意外と多いそうです。遠く離れたロンドンの邸宅で、日本からやって来た美術ファンの存在を聞くと少し親近感が湧きました。
今回の旅では、貸出中などの理由で見ることのできなかった名画も多く、少し残念な思いもしました。ロンドンの『ひまわり』との再会が叶わなかったことはその最たる例です。それでも旅の最後に訪れたケンウッドハウスでは、レンブラントとフェルメールの傑作に静かに向き合うことができました。最後の最後にこの穏やかで美しい空間に癒やされながら締めくくることができました。 -
ホテルへ荷物を取りに戻る途中、アーチウェイ駅近くのフィッシュ&チップス店「King Fisher」で少し遅めの昼食にしました。本場の鱈のフィッシュ&チップスは今回が初体験です。正直そこまで期待していなかったのですが、これが予想以上の美味しさ。衣は軽く揚がっていて全くしつこくなく、鱈の身は厚くてふっくらでおいしかったです。
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ヒースロー空港のターミナル3へ戻ってきました。
ロンドン ヒースロー空港 (LHR) 空港
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まずはキャセイパシフィック航空のラウンジでシャワーを浴び、さっぱりとした気分で帰国モードに切り替えます。その後は担々麺と点心をいただきました。オランダやベルギー、イギリスの料理も楽しみましたが、やはり慣れ親しんだアジアの味には不思議な安心感があります。
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その後まだ少しお腹に余裕があったので、ブリティッシュ・エアウェイズのラウンジでスコーンと紅茶をいただきました。ヨーロッパ最後の一杯はやはりイギリスらしく紅茶で締めくくりました。
ブリティッシュ エアウェイズ ギャラリーズ クラブ ラウンジ(ヒースロー空港ターミナル3) 空港ラウンジ
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復路はエコノミークラスです。機内はほぼ満席でしたが、最新機材のA350のおかげか快適そのもの。
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今回の旅を振り返ります。
アムステルダム、デルフト、ブリュッセル、そしてロンドン。美しい街並みを歩き、美術館を巡り多くの名画を鑑賞できました。一方で貸出中や休館中で見られない作品も多数ありましたが、それも含めて忘れられない旅となりました。次にヨーロッパを訪れる理由もまた一つ増えました。
9月中旬のヨーロッパは気候が良くとても過ごしやすい季節でした。次のシルバーウィークの大型連休はいつだろうと調べてみたら、なんと6年後。それはちょっと先すぎますね。
終わり
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