2025/11/30 - 2025/11/30
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ちゃんさん
1泊2日沖縄の旅。今年は沖縄海洋博から50年の節目の年です。折しも海洋文化館では企画展を開催中。50年前の熱気に触れることができました。
那覇への帰路、高速バスを沖縄市・コザで途中下車。米軍基地前のゲート通りにアメリカの強い空気を感じつつ、耳に飛びこんできたのはエイサーのリズムでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
美ら海水族館での朝飯の後は、海洋博記念公園を散歩。あさイチから観光客押し寄せる水族館に比べ、公園内は静かなものです。
公園のメインゲートから一直線に下る階段。その一直線上には、伊江島が浮かびます。海洋博のメインの通りだった場所で、記憶に新しい大阪万博のゲート前の賑わいを重ねました。海洋博公園 公園・植物園
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ゲートそばにある、海洋文化館を訪ねてみました。入場料190円。
海洋文化館 美術館・博物館
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今年は1975年の沖縄海洋博から50周年ということで、12月21日まで企画展が開催されています。
大阪関西万博の熱気に、2度も魅了された今年。50年前の博覧会の面影を追ってみたくなり、入ってみました。 -
沖縄返還の決定を契機に、開催が決まった博覧会。
万国博覧会の一種ではありますが、テーマを絞った「特別博」と呼ばれたものです。1985年のつくば博も、特別博に当たります。 -
現在の記念公園とほぼ同一のエリアが博覧会会場だったわけで、とてつもなく広大だったことが分かります。
テーマ毎に分かれたエリアを「クラスター」と称しているのが、今から見ると新鮮です。 -
会場マップに描かれた路線図。日本初の、自動運転による新交通システムが走っていたんだとか。
最先端の技術として、驚きをもって迎えられたんだろうな。沖縄への鉄軌道導入の気運も盛り上がっただろうに、実用化へ至らなかったのが残念ではあります。 -
時代を感じるコスチューム。
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博覧会のシンボルだった、海上都市・アクアポリス。建築家・菊竹清訓氏の名作です。海上都市という名前だけで、もうワクワクしちゃいます。
博覧会後も残されたものの、2000年には解体されてしまいました。大阪万博の大屋根リングはすべて後世に残すべきと思ってはいるのですが、こうした前例を見ると、簡単ではないことも理解できます。 -
バスの時間が迫っていたので、海洋文化館の常設展はほとんど見られませんでした。
学びの要素はが多い展示でもあるので、ぜひ我が子に見せたいところ。次回の家族旅行でのお楽しみにとっておきます。 -
中央ゲートから伊江島を望みます。
アクアポリスや大屋根リングが失われようとも、伊江島が姿を消すことはまずありません。半永久的な自然物を万博のシンボルに据えるというのは、「万博ロス」を予防する意味でもアリな考え方かもと思いました。 -
海洋博公園から那覇へは、高速バスで戻ります。4社共同運行の117番の他、やんばる急行バス、沖縄エアポートシャトルの2社も交え、競争の激しい区間です。
バス停のポールもにぎやか。規制緩和の成せる技で、老舗のバス会社4社としては、おもしろくなかろうと思います。 -
今回は、那覇のモノレールの北端・てだこ浦西駅へのアクセスが便利な、117番をチョイス。韓国の現代自動車製・ユニバースがやって来ました。
車体価格が安く、鹿児島でも重用されているバスです。路線バス (那覇バス) 乗り物
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クレジットカードをかざして乗車しました。
韓国の高速バスで乗り慣れた車種ではあるけど、座席がモケット張りで、日本のバスの雰囲気。韓国だとレザー張りになります。 -
前の座席の掴み棒に、USBポートが仕込まれています。使いやすい位置で、心もとないスマホのバッテリーをさっそく「満充」にしておきました。
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高速バスとはいえ、名護の許田インターまでは一般道を走行。一般道内での乗り降りもOKで、本部~名護間の需要もカバーします。
ただし乗り放題系の切符は、一般道のバス停相互間でも使えないのでご用心。 -
国道から外れ、本部の中心部にも寄って行きます。どこかアジアを感じさせる街並みで、降りたい衝動に駆られました。
今日は本部・渡久地港と那覇・泊を結ぶ高速船「ジンベエ・マリン」を予約していましたが、機関系の故障とかで昨夜、欠航が決定。このままバスで那覇方面へ向かいます。 -
「ジンベエ・マリン」は那覇バス・琉球バスと同様、北九州本社の第一交通による運航です。タクシーと不動産で全国展開する企業ながら、沖縄ではバス・船舶までより幅広い事業を手がけています。
沖縄進出当時は、バス運転士の低賃金が話題にもなりましたが、今はどうなんだろ? -
我が子のタクシー登校で毎日のようにお世話になっている会社でもあるので、これ以上の詮索はやめておきます(笑)。
バスは本部港に寄り道。離島だけでなく、鹿児島行きのフェリーも発着する沖縄の北の玄関口です。時間さえあれば、船旅もいいなぁ。本部港フェリーターミナル 乗り物
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海沿いを快適ドライブ。バスで本部半島をぐるり一周できました。
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およそ40分で、昨日は立ち寄れなかった名護バスターミナルに到着。各方面からのバスが集い、立派な待合室を擁する、「名護駅」的なポジションのバスセンターです。
名護バスターミナル 乗り物
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時間調整のため、しばし停車。待っていた乗客が次々乗り込み、ここから本領発揮といったところです。
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58号線を南下。ちょうど真横には、昨日乗った一般道経由の120番バスが並びました。117番と同じ那覇空港行きながら、到着時間には大きな差があります。
120番にも飛行機のマークが掲げられていて、誤乗しちゃう人は一定数いそう。 -
許田インターから沖縄自動車道へ進入。
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早くて便利な高速道路。しかし単調で変化に乏しい車窓で、本土の高速道路と大差ありません。植生に詳しい人なら、また違った車窓に見えるんでしょうけど。
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高台を走る高速道路からは、東海岸もよく見えました。
途中のインターにもバス停が設けられていて、乗客を拾って行きます。那覇の中心部まで乗り換えなしで移動できるので、私鉄特急的な役割も担う高速バスです。 -
沖縄自動車道は米軍基地の外縁をかすめる区間も多く、宿舎も見えました。広々とした芝の庭を擁し、狭い平地にぎっしり詰め込まれた日本人の家とは、えらい差ではないかい?
もっとも高速道路のすぐ側で防音壁もなく、車の音がうるさそう。車社会のアメリカ人なら、気にならないのかな。 -
さて急遽乗ることになった117番バスだけど、せっかくなので、このバスでなければ寄れなかった所に行ってみたくなりました。
というわけで急遽、沖縄南インターチェンジのバス停で下車。半地下の、珍しい形態のバスストップです。 -
「沖縄南」とはスケールの大きな名前に感じられるけど、沖縄県ではなく、沖縄市の南という意味。岩手町、栃木市、神奈川区、兵庫区と並ぶ、県庁所在地と錯覚する市区町の一つです。
県道沿いには墓石屋さんがあり、独特な沖縄様式の墓石を、遠慮なく見ることができました。 -
桑江朝幸銅像公園。
米軍用地として接収された地主の権利を守るべく、奮闘してきた人物です。 -
銅像の視線の先には、嘉手納飛行場があります。
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高速道路を挟んだ先には米軍基地があるというのに、幹線道路を一歩入った裏道は、平穏な住宅街です。
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コザゲート通りにぶち当たりました。幅の広いゆったりした道路は、電線の地中化も行われていて、目抜き通りの雰囲気。
コザゲート通り 名所・史跡
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その名の通り、嘉手納の米軍基地の第2ゲートに伸びる大通りです。
よく見れば、看板はほとんどが英語のみ。国道58号線沿いでも目立っていたけど、ここは密度が違います。 -
まるでアメリカに来たみたい! と浮かれた気分にはなれません。どこか居心地の悪さというか、自分が場違いな感を受けてしまいます。
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そんな中に堂々と、沖縄市戦後文化資料館「ヒストリート」が建ちます。米軍の影響を受けつつ歩んできた、沖縄市の戦後史を学べる公営の資料館です。入場無料。
展示は1970年のコザ暴動をはじめ、よく知らなかったことばかり。蓄積された怒りに、多くの米兵の車を焼き払いつつも、人命が奪われていないことは「命どぅ宝」の証でもあると思います。沖縄市戦後文化資料展示館ヒストリート 美術館・博物館
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真横には、アメリカンなスタイルのカフェ「OCEAN」。
英語ができない僕には、なんだか敷居を感じるけど、この通りで昼飯にするのも経験と思い、思い切って入ってみました。 -
クラシックな店内。1967年創業の老舗で、さきほど学んだばかりのコザの歴史をすべて見てきた店でもあります。
日本人のおばさんと米兵さんが、テイクアウトのタコスができあがるのを待っていました。 -
場所柄、米軍兵士は大切なお得意さん。それでも雑誌のコーナーには、反戦映画や、黄色がシンボルのゆるやかな平和運動「イエローウェーブ沖縄」のパンフレットも並んでいました。
直接口にはせずとも、マスターが伝えたいメッセージなんだろうと思います。 -
オリオン生(500円)を頼むと、キンキンに冷えたジョッキで出てきました。この旅で、一番うまい生ビールだったように思います。
歩いた後であること、暑いこと、勇気を出して店に入った後の高揚感等も、多分に作用しているとは思いますが。 -
素朴なタコライスも、絶妙な味わいで実にうまかったです。
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次のバスの時間まで、ゲート通り周辺をぶらりぶらり。
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横道に1本それただけで、沖縄市民の生活感を感じられます。
ちなみに「沖縄市」という市名は、1974年のコザ市・美里村の合併時に付けられたもの…ということも今回知りました。 -
「沖縄」の知名度と、将来的には沖縄の中心になっていってほしいという願いを込め、「コザ市」が一位だった住民投票の結果を反映せずに決められたとか。そのせいかどうなのか、50年経っても「コザ」の方がよく通じる気がします。
アーケードの人通りは少ないけど、こじゃれた店もちらほら。 -
ゲート通りと330号線の交差点・胡屋十字路から、陽気なエイサーの響きが聞こえてきました。
コザ・ミュージックタウンなる、音楽を核に据えた再開発施設です。エイサーをはじめとした沖縄の音楽文化を活性化しつつ、産業としても興していきたいというコンセプトだとか。コザ ミュージックタウン 名所・史跡
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米軍の影響が大きいゲート通りと、県民の動脈である339号線の交差点という立地が、また意味が深いように感じられます。
基地と共存はしていくけど、現状を受け入れているわけではないし、すべてを明け渡しはしない…わずか2時間弱の散歩で、あちこちから感じたコザの「意思」でした。
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