若者が多くなったらしい巣鴨を歩く

2023/12/01 - 2023/12/01

巣鴨といえば御存知、「お婆ちゃんの原宿」。
ところが、先日テレビを見ていたら、最近、巣鴨銀座に若者の観光客が増えたと言っていました。
その実態も兼ねて、久々に巣鴨銀座を見て歩きしてみました。

エリア 大塚・巣鴨・駒込(東京)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0
• 交通: 3.5

• 同行者: その他
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 徒歩

ＪＲ山手線巣鴨駅近くの線路沿いにある「染井吉野」の碑。
染井吉野は、染井村（現在の豊島区駒込）の植木屋が江戸時代に品種改良した園芸品種で、明治以降全国に広まりました。

染井吉野の碑 名所・史跡

巣鴨地蔵通り商店街の入口のすぐ手前にある真性寺。
開基は不明ですが、聖武天皇（在位７２４～７４９）勅願、行基菩薩が開いたものと伝えられています。

真性寺(江戸六地蔵尊) 寺・神社・教会

真性寺本堂。

真性寺(江戸六地蔵尊) 寺・神社・教会

真性寺本堂向かって左手に、傘をかぶり、杖を持つ大きなお地蔵様がいます。
江戸六地蔵尊といい、江戸御府内に６箇所造立されている地蔵尊の一つです。
真性寺の地蔵尊が完成したのは正徳４年（１７１４）で、中山道の旅人の安全を見守っていました。

真性寺(江戸六地蔵尊) 寺・神社・教会

境内には芭蕉の句碑があります。
「白露も　こぼさぬ萩の　うねりかな」。
碑の裏には、芭蕉十哲の一人、杉山杉風の句が刻まれています。
「萩植えて　ひとり見習う　山路かな」。

真性寺(江戸六地蔵尊) 寺・神社・教会

「おばあちゃんの原宿」として知られる活気あふれる商店街、巣鴨地蔵通り商店街。
約７８０ｍ続く商店街には約２００店舗が営業中で、平日は約１５，０００人、土日祝になると約３０，０００人が来街しています。
シャッター店舗がほとんど無く、活気があるのがとても素敵です。
明治の中期には野菜などのタネを売る店が立ち並び、タネ街道になっていたそうです。

巣鴨地蔵通り商店街 市場・商店街

地蔵通り商店街でも１，２を争う人気店、みずの。
和菓子のお店で、豆大福が名物です。
訪問時も数人が群がって豆大福を求めていました。

みずの グルメ・レストラン

地蔵通り商店街一の観光地、高岩寺、通称とげぬき地蔵。
慶長元年（１５９６）江戸神田湯島に創建、下谷屏風坂に移り、明治２４年（１８９１）に巣鴨に移りました。
昔から病気の治癒改善にご利益があるとされ、現在に到るまでその利益を求めて高齢者を中心に参拝者が絶えません。
初めて来た人は、高名なわりには狭い境内にびっくりするかもしれません。

高岩寺(とげぬき地蔵) 寺・神社・教会

高岩寺本堂。
東京大空襲で建物を全焼し、現本堂は昭和３２年（１９５７）に再建されたものです。
国の登録有形文化財です。

高岩寺(とげぬき地蔵) 寺・神社・教会

境内にある「洗い観音」。
石造の聖観音像で、自身の治癒したい部分に相応する観音像の部分を洗う、または濡れタオルで拭くと利益があるといいます。
おかげで摩耗が激しく、今の観音像は二代目です。
訪問時も写真のように人が沢山いました。

高岩寺(とげぬき地蔵) 寺・神社・教会

「洗い観音」の隣に地味にあった「小僧稲荷」。
住職に可愛がられていたタヌキが住職の亡き後も寺を守護し、狼藉者がやってくると「三ツ目小僧」に化けて懲らしめた、という伝説があります。

高岩寺(とげぬき地蔵) 寺・神社・教会

何故か高岩寺の境内に店を出す、原田耳かき店。
巣鴨で７０年以上もつづく、オーダーメイドの耳かきのお店で、かなり有名です。

高岩寺(とげぬき地蔵) 寺・神社・教会

高岩寺のはす向かいにある、喜福堂。
新しく洒落た店構えですが、大正５年（１９１６）創業の、老舗のパン屋さんです。
手作りあんぱんが有名です。
とろとろカスタードのクリームパンもお勧め。

喜福堂 グルメ・レストラン

高岩寺から商店街を北へ１００ｍほどいくとある、ときわ食堂。
昭和テイスト満載の外観の定食屋は、昭和４８年（１９７３）の創業です。
人気店で、訪問時の平日午後４時くらいでも、多くのお客さんがいました。

巣鴨ときわ食堂 本店 グルメ・レストラン

ときわ食堂のすぐ北にあるマルジ。
赤パンツで有名になった、昭和２７年創業の衣料品店です。
商品は、いかにも年配の方向けのラインナップです。
地蔵通り商店街には、この手の衣料品店が沢山あります。
写真はマルジ一号店。

マルジ衣料品店 専門店

こちらは１号店の向かいにある、マルジ２号店。

マルジ衣料品店 専門店

こちらがマルジ赤パンツ館。
商品は赤一色で、もはや観光地です。

マルジ衣料品店 専門店

マルジからさらに北に向かうとある、オープンテラス付きのレトロな喫茶店、珈琲貴族。
別に有名店でも何でもないのですが、昭和テイスト懐かしいので、つい写真を撮ってしまいました。
昔はこんな店がたくさんあったな～と思いながら。

地蔵通り商店街にある巣鴨郵便局の前の郵便ポストの上にいるのが、地蔵通り商店街の公式イメージキャラクター、すがもんです。
鴨の国からやってきた１２才の男の子で、日本の商店街を元気にしたいがも～の思いで巣鴨で元気に修行中という設定です。

珈琲貴族からさらに１００ｍほど北上するとある、巣鴨地域文化創造館（中山道待夢）。
地域住民の活動の場ということですが、屋敷調の外観も素敵で、観光客の休憩所になっています。

巣鴨地域文化創造館 美術館・博物館

巣鴨地域文化創造館の入口にある、「中山道待夢シンボルモニュメント」。
小洒落た、からくり時計です。

巣鴨地域文化創造館 美術館・博物館

巣鴨地域文化創造館のちょっと奥まったところにある、「すがもんのおしり」。
地蔵通り商店街の公式イメージキャラクター、「すがもん」のおしりです。
すがもんのおしりを触ると恋が実るという都市伝説もあるとか。

巣鴨地域文化創造館 美術館・博物館

巣鴨地域文化創造館の数軒先にあった、清水畳店。
いかにも古そうな外観のお店は明治年代の創業だそうです。
畳より、畳を使った草履など、観光客向けの小物が店先を飾っていました。

巣鴨地蔵通り商店街 市場・商店街

清水畳店からさらに数軒先にある、手打ちそば菊谷。
老舗ではありませんが、ネットでの評価が高いお店です。
産地や品種、割合の異なるもりそばが食べ比べできる、唎き蕎麦がお勧めです。

手打そば 菊谷 巣鴨本店 グルメ・レストラン

さらに北にむかうと、押上せんべい。
お店の奥でご主人が手焼きしています。
おせんべいを昔ながらの丸い透明のガラス容器に入れて売っているのがたまらないです。

押上せんべい 南出商店 グルメ・レストラン

都電荒川線庚申塚駅近くにある、巣鴨の庚申塚です。
この辺りは江戸時代に中山道の立場として栄え、旅をする人々の休憩所となっていました。
「江戸名所図会」には、人足や馬の世話をする様子がにぎやかに描かれています。

巣鴨の庚申塚 名所・史跡

庚申塚のお堂。
現庚申堂は昭和５１年の再建です。

巣鴨の庚申塚 名所・史跡

現在は庚申堂に猿田彦大神を合祀しています。
日本神話に登場する神様で、天孫降臨の時に道案内をしたことから、道の神、旅人の神とされるようになり、道祖神と同一にみられるようになりました。


帰路は庚申塚駅から都電で。
訪問時は平日の１６時くらいだったこともあり、若者の姿は少なく、あいかわらず観光客の年齢層は高いものでした。
商店街はお客さんも多く、活気があり、昭和テイストのお店が点在していて楽しい街歩きができます。
若い人にはむしろ新しく感じる風景かもしれません。

巣鴨の庚申塚 名所・史跡