ポルトガル・世界遺産ハイライト　その⑥

2025/05/23 - 2025/05/30

ポルトガルへの８日間のグループ・ツアーに参加しました。初めてのポルトガル旅行で、６つの世界遺産を含む１１都市を訪れます。加えてスペイン北西部の世界遺産であり、キリスト教３大聖地のひとつであるサンティアゴ・デ・コンポステーラ参観も。北部のポルトに入ってから南下してリスボンまで。往復のフライトはイスタンブール乗り換えのトルコ航空。機中泊２泊、現地ホテルで５泊、の８日間の旅です。季節的にいい時季で、天候にも恵まれ、良い旅になりました。
６日目、シントラ観光を終え、ロカ岬へ。その後、最後の目的地リスボン市内へ。

エリア リスボン(ポルトガル)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 50万円 - 100万円
• 交通手段: 鉄道 観光バス 徒歩 飛行機
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: エイチ・アイ・エス

６日目、午前１１時、シントラを発ち、ロカ岬へ。３０分ほどで着きます。（写真はシントラの市庁舎）
ロカ岬へのバス車中、ガイドの直原さんが“天正遣欧少年使節”について講釈してくれた。４名の少年使節は１５８２年に日本を発ち、１５８４年にリスボンに到達、その後シントラにも訪れた。スペイン、イタリアを訪れてから、リスボンへ戻り帰国。１５９０年に日本に戻ったときには、日本の政情は信長の時代から秀吉の時代へとすっかり変わっていた。そして秀吉は禁教令を出す...

ロカ岬。各国から来た大勢の観光客でにぎわっております。

ユーラシア大陸最西端、ロカ岬の記念碑。北緯３８度４７分、西経９度３０分。ポルトガルを代表する詩人ルイス・デ・カモンイスの有名な詩の一節「ここに地終わり、海始まる」が記されたプレートがある。
ここで写真を撮るため、大勢のひとが順番待ちをする。その混雑の中で、私の家内を含む２名がスリに狙われた。幸いいずれもポーチのファスナーを開けられたあたりで未遂でした。

大西洋をバックに記念撮影。ものすごく風が強くて、帽子が飛ばされそう。

ロカ岬の灯台。２５０年ほど前に作られたものですが、現役。

この観光案内所内のカウンターで、”最西端到達証明書”を取得できます。１２ユーロくらいだったか。私は買わず。
１２時２０分、ロカ岬を発ち、リスボン市内へ。

リスボン市内に入るバスの車中から撮った水道橋。古代ローマの遺跡ではなく、１８世紀につくられた”アグアス・リブレス水道橋”。

午後１時、市内中心部、”レスタウラドーレス広場”付近でバスを下車。大型バスが停車できる場所は限られています。
オベリスクはスペインとの独立戦争の勝利を記念するもの。

バスを下車したところから、昼食のレストランまで歩く。
リスボンで最も有名な広場、”ロシオ広場”の北側にある”マリア２世国立劇場”。

途中、地下鉄ロシオ駅に寄って、SuicaのようなICカードを買いました。カード自体は０.５ユーロ、それに２４時間乗り放題の７ユーロを加算。クレジットカードで買えます。この券で地下鉄、バス、トラム、ケーブルカー、更にサンタジェスタのエレベーターにも使えます。２４時間は切符購入時からではなく、最初の改札からカウントされる。断然お得！

繁華街にあるレストラン。

冷えた生ビール。うまい。

あとで地下鉄の構内で見かけた広告。SAGRESはSUPER BOCHと並ぶ２大ブランドのひとつ。

野菜スープ。

カタプラーナ。魚介の出汁で豚肉、野菜を蒸し煮にしている。ごった煮みたいな感じだが、うまい。

クレーム・ブリュレ。

午後３時、昼食後、解散して各自自由行動。とりあえず、添乗員さんと一緒にケーブルカーに乗って展望台まで行くのには多くのひとが参加した。
アズレージョのきれいな高級レストラン”ピノキオ”。夜ここに行こうと思ったが、迷ってしまい、たどり着けず、別の店にした。

リスボンには７つの丘があると言われるくらいの坂の町です。なので、急坂を登るケーブルカーも３路線あるそうです。
そのうちのひとつ、ロシオ駅裏にケーブルカー・グロリア線に乗る。先客が行列しており、１台見送る。
写真、車両後部、坂の下に向くほうは、馬づらになっている。坂の上に向いたほうは口絵写真にあるように顔が短い。

２０分ほど待って乗車。満員です。

ケーブルカーで坂を登って”サンペドロ・デ・アルカンタラ展望台”へ。
反対側、東の丘の上、”サンジョルジュ城”が見える。

南に目を転じると、テージョ川が遠望できる。

かつて消臭力のCMで、ミゲル君なる少年が「ショウシュウリキ～」と歌いあげたのはこの展望台だそうです。

展望台から”サンタ・ジェスタのエレベーター”に向かって歩く。高台からエレベーターで下りようという算段。このエレベーター自体がリスボン名物のひとつです。
途中で見かけた聖ロカ教会。

聖ロカ教会脇の公園にいる”宝くじ売り”。１枚買ってみた。

サンタジェスタのエレベーター脇にある”カルモ修道院”跡。１７５５年のリスボン大地震によって倒壊し、再建されなかった。残った一部は博物館になっているようだ。

エレベーター乗り場から振り返ってみたカルモ修道院跡。ゴシック建築のアーチが一部残っている。

エレベーター乗り場の周囲は展望台になっている。

エレベーターの箱は部屋といったほうが良い感じ。１０数名は乗れる。係員そばにある機器に乗車券をタッチする。
料金は片道で６ユーロだったか。ケーブルカーは片道４.５ユーロ。これだけで１０ユーロ超える。我々が買った２４時間乗車券は７.５ユーロなので既に元を取っている。

エレベーターから降りたところ。右のほうにこれから登るひとびと。
リスボンの旧市街はざっくり言うと東西に流れるテージョ川沿いの西・中・東の３地区。西は先ほど登ったサンペドロ・デ・アルカンタラ展望台から南に下りたあたりで“シアード地区”。東はカテドラルやサンジョルジョ城を含むエリアで”アルファマ地区”。真ん中は低地で”バイシャ”と呼ばれ、ここが最も賑やかで観光客が多い。

サンタジェスタのエレベーターあたりで結構ばらけましたが、我々を含め”リベイラ市場”に行きたいというひとが数名おり、一緒に地下鉄で行くことに。
エレベーターから”ロシオ広場”を通って”ロシオ駅”へ。ロシオ広場、ジャカランダ越しに”ドン・ペドロ４世”像。ドン・ペドロはナポレオン戦争時にポルトガルからブラジルに逃れ、そこで１８２２年にブラジルの独立を宣言するとともに、ブラジル国王ペドロ１世となった。のちにポルトガルに帰還し、短期間であったがポルトガル王ドン・ペドロ４世となる。彼の死後、娘のマリアがポルトガル女王マリア２世となりました。
ロシオ広場は別名ドン・ペドロ４世広場と呼ばれる。

ロシオ駅で地下鉄に乗る。リスボンの地下鉄は４ラインあり、路線図では緑・青・赤・黄で色分けされている。ロシオ駅を通るのは緑ライン。車体が赤に塗られているが路線とは関係ない。地下鉄のホームでは次の電車の到着まであと何分何秒というのが１０秒刻みで表示されていた。運行間隔は５～１０分くらい。
リベイラ市場の最寄り駅”カイス・ド・ソドレ”駅まではわずか２駅。歩けないこともない。

午後５時半、カイス・ド・ソドレ駅舎。ここは地下鉄だけでなく、普通の鉄道も乗り入れておりました。

リベイラ市場入口。駅から３分ほど。１０年ほど前にリニューアル・オープンしたそうで、きれいです。
入って右半分は生鮮品もある普通の市場、左はフードコートになっている。ところがこの日は市場のほうが休み。お土産ものをみつくろうかと思っていたが、残念。

左はご覧のとおりの巨大フードコート。ものすごく賑っております。周囲にある５０店ほどの店から好きなものを買って、長いテーブルでいただくスタイル。
仮にあと２晩あれば、ひと晩はここで食べてもいいかも。この日はもう少し街歩きをするので、ここで腰を据えるわけにはいかない。

リベイラ市場近くにある”ドン・ルイス１世広場”の彫像。”サ・ダ・バンテイラ侯爵”だそうです。１９世紀の軍人・政治家で、奴隷制廃止を進めた人物。

ピンクのキョウチクトウ。

ドン・ルイス１世広場からテージョ川沿いの道を東に、バイシャの方向に歩きます。
後ろはフェリー乗り場か。

水色の大きな建物、”海事庁舎”。海軍本部が入っているようです。

午後６時、リスボンの名所のひとつ、”コメルシオ広場”にやってきました。コメルシオは英語だとcommerce、商業あるいは交易の意味。ここには元はリベイラ宮殿があったが、１７５５年の大地震による津波と大火で倒壊。宮殿は再建されなかったが、広場として整備された。

コメルシオ広場に置かれた”ジョゼ１世”騎馬像。ジョゼ１世は大地震時前後の国王。

コメルシオ広場の”凱旋門”。ここから北に伸びる”アウグスタ通り”はバイシャ地区のメインストリート。

バイシャを南北に貫くアウグスタ通り。多くの旅行客でにぎわう。カフェやレストランも多い。

アウグスタ通りを北上しながら、夕食の場所を物色。
ロシオ広場まで戻ってきました。
ひとつ候補にしていたレストランはなんとクレジットカード不可だと。現金の持ち合わせに不安があったので諦める。続いて”ピノキオ”を探したが、迷って見つからず。途方にくれていると．．．

行列ができている店を発見。”ウマ”という店。うろうろしているうちに行列が途切れて入店できた。午後７時半。

タコのサラダとビール。よく歩いたのでビールがうまい。（この日は２２千歩以上歩いた）

この店、メニューに前菜的な料理はいろいろあるが、メインはシーフード・リゾット一択。カニ、エビ、イカ、ムール貝などがたっぷり。

赤ワイン。
帰国後、この店を絶賛しているブログを発見。
https://www.gentosha.jp/article/27087/

食後、ロシオ駅から地下鉄を乗り継いでホテルの戻る。ロシオ駅は緑ライン、ホテルの近くの”カンポ・ペケーノ”駅は黄色ライン。緑→赤→黄色、と２度乗り換えが必要で、３０分くらいかかった。
カンポ・ペケーノは闘牛場がある駅、そのためか、構内の壁に牛の絵。
午後９時半、ホテルに戻って６日目終了。

７日目、実質最終日。午前７時の朝食。この日の朝食にはマンゴーが出ていた。よく熟れていておいしい。
この日、午前中はフリー。午後１時にホテルに再集合して空港へ向かう。ひとによってはぎりぎりまでホテルの部屋で休むひとも。
我々は午前中再び旧市街に出かけることにした。パッキングして午前８時半、チェックアウト。荷物をフロントに預けて出発。

カンポペケーノ闘牛場。この地下にショッピングモールと地下鉄駅がある。
黄色ライン→赤ライン→緑ラインと乗り継いで、ロシオ広場駅へ。

ロシオ広場附近からトラムに乗ることにしたが、乗り場がわからなくて右往左往。
ガイドさんからのお勧めのコースは、２８番か１２番のトラム。２８番は旧市街全体を巡る１時間ほどのコース。１２番はバイシャ中心の小回りで３０分くらい。我々は１２番にしました。

ノスタルジック・トラムの車内。やはり乗客は観光客が多いです。

狭い裏通りを走るのも楽しい。

トラムの車窓から撮った”ポルタス・ド・ソル広場”の”聖ヴィンセント”像。聖ヴィンセントはリスボンの守護聖人。
このあたり、かなりテージョ川に近い。地元のひとたち（？）でにぎわっている。

カテドラル附近で降ろしてくれと運転手さんに頼んで、下車。
カテドラルかと思ったら、手前にある“聖アントニオ教会”。

せっかくなので中に入りました。
祭壇。意外と立派。

幼いイエスを抱く聖アントニオ。聖アントニオは”縁結びの神様”とか。

カテドラル。正式名は”サンタ・マリア・マイオール・デ・リスボア大聖堂”。１２世紀に建てられたリスボン最古の教会。最初ロマネスク様式で建設されたが、のちにゴシック様式で増改築が行われた。１７５５年の大地震で被害を受け、大がかりな改修が行わている。
入口上のステンドグラスに注目。中に入らないとその美しさはわからない。

ここは宝物室拝観料として５ユーロ払って入場。
２階に上がって見た”身廊”（入口から祭壇に至る中央のスペース）。

振り返ると...ファサード入口の上の花びらのようなステンドグラス。

宝物室。

絵画とアズレージョ。

法王がかぶる冠でしょか。

聖体顕示台。聖体賛美式という儀式に用いるものだそうです。金と宝石でできている。

銀製の櫃。かなり大きいキャビネットです。

玉虫色に輝く櫃。貝殻を貼り付けている？
その他、衣装だの、銀器だの、お宝たくさん。

１階に降りて身廊へ。
内陣。振り香炉がいくつか吊るされている。

聖体礼拝堂。身廊の奥にいくつか礼拝堂があり、これはそのひとつ。

総主教の更衣室、と書かれているが、無駄に立派なような...

ピエタ。イエスの亡骸を抱く聖母マリア、というキリスト教美術の代表的テーマのひとつ。

３面アズレージョの洗礼堂。
１０時半、カテドラルを出て、１２番のトラムを待つがなかなか来なくてやきもき。

ようやく来た１２番に乗ってロシオ広場に戻り、そこから地下鉄でカンポペケーノ駅へ。

カンポペケーノ闘牛場地下のスーパーで最後の買い物。
時間がないので昼食は省いて、エッグタルトをかじる。
午後１時、ホテル出発。リスボン空港へ。

我々の泊まったホテルでたまたまNATOの会議が行われており、各国の軍人さんがおられました。日本からも自衛隊の方が招待されて加わっていらした。そのうちのおひとりと親しくなり、我々の出発を見送ってくれた。愛想のいい方で、日本を代表するに相応しいナイスガイ！

空港までは２０分ほど。チェックインに１時間ほどかかりました。
また出国のパスポートコントロールでもずいぶん時間がかかりました。入国審査が厳しいのはわかるが、出国にこんなに手間取ったことはない。

午後４時半、イスタンブールに向かって離陸。エアバス３２１ネオという機材。気のせいか、座席のピッチ（前後の座席の間隔）が来るときに乗ったトリプル７や７３７MAXより広いように感じた。

イスタンブールまで５時間弱。
夕食。キョフテ（トルコ式ハンバーグ）とピラフ。

深夜１２時のイスタンブール空港。２４時間オープンで普通に店はやっています。

現地時間午前２時にイスタンブール発。羽田まで１１時間２０分のフライト。トリプル７です。
最初の食事、ベジタリアン・メニューのパスタをチョイス。

日本到着前の軽食。スクランブルエッグとトルコ式のチーズパイ。往路で食べたのと同じもの。
帰りに観た映画。スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムの『フライミートゥザムーン』とジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットの『ウルフス』。両方ともコメディタッチ。

夕闇が迫る日本上空。やっと帰ってきました。

午後８時前、羽田空港。
８日間のポルトガル旅行、正味は６日間ほどですが、たくさんの町・観光名所・世界遺産と、盛りだくさんの旅になりました。それでもポルトやリスボンではまだ見どころを残した感があります。グルメの面でも、ポルトガル料理は口に合い、もっと試してみたかった。もし次回があれば．．．まあ、無事に帰れてよかったです。お疲れ様。