2025/04/30 - 2025/04/30
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あおばさん
今日はイタリア滞在2日目。
ローマからイタリアの赤い新幹線に揺られて、日帰りで花の都フィレンツェを訪問します。
5/1に予告されていたゼネストを回避するため、急遽フィレンツェ訪問を4/30に変えた影響で、予約必須の観光地の訪問は望めません。
ウフィツィ美術館はもちろん入れないし(展示のボリューム的にローマから日帰りで見に来るのはそもそも無理がありそう)、ドゥオーモのクーポラにも登れないけど、4月末の春の陽気に包まれたフィレンツェは、歩くだけでも心躍る街でした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- フィンランド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
朝7時に起きて、まずはホテル・クイリナーレの朝食会場へ。
パンコーナーのミニケーキが何種類もあって楽しいです。
このあとハムエッグもいただきました。 -
8時半過ぎに宿を出てテルミニ駅へ。
9時10分発のミラノ行きフレッチャロッサに乗ります。
が、なかなか出発ホームが発表されません。
イタリアの電車は各便がどのホームから発車するか、直前になって決まる仕組みです。
運行管理がかえって大変じゃないかと思いますが、これがこの国のスタイル。
同じ電車に乗るであろうお客さんが周りに集まって、一緒に電光掲示板を見上げています。
発車10分前になって、ようやく2番線と出ました!
ホームへ向かいましょう。 -
出発ホームに向かうと、ちょうど新旧2形式のフレッチャロッサが並んだところでした。
右が今回乗車するETR500型、ずんぐりした機関車が客車を引っ張るプッシュプルタイプの従来型です。
左手のスマートな顔立ちの電車が、新型のETR400型。
どちらも最速300km/hを誇る、イタリア鉄道界の俊英です。 -
赤とグレーの塗装に、ワンポイントで入るイタリア国旗カラーが格好いい。
-
定刻より5分ほど遅れて、テルミニ駅を発車しました。
ちなみに今回自動で指定されたのが車端部の1人がけ席(席番号1D)で、「これもしかして窓ないパターンかな?」と危惧していましたが、ちゃんと窓ありました。よかった。 -
1つ隣のティブルティーナ駅を出ると、車窓に緑が増えてきました。
ローマからしばらくは、在来線をゆったり走ります。
そのティブルティーナ駅から、反対側の席にワンちゃん連れの人が乗ってきたのには驚きました。
ケージに入れなくても、リードでつないだまま乗れるんだ。
ワンちゃんの周りに人の輪ができて、みんなでヨシヨシして…日本の新幹線じゃ考えられない光景です(笑) -
トンネルをくぐるあたりから、高速専用線に入りました。
オリーブ畑がものすごい勢いで後方へ過ぎていきます。 -
遠くの丘の上に街が見えます。
位置的にオルヴィエートでしょうか。
いつか、エトルリアやトスカーナの丘の上の街をじっくり巡ってみたいな。 -
どこまでも続く、緑のなだらかな丘。
そろそろトスカーナ州に入ったでしょうか? -
テルミニ駅から1時間半ほどで、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着しました。
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フィレンツェの街もいい青空。
駅前広場を抜けて、中世の街に踏み込みます。 -
レストランやホテルが並ぶ、狭い路地を抜けていくと…
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ドゥオーモだ!!
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こちらがドゥオーモの教会堂の入口。
教会堂入場は無料かつ予約不要のためか、左奥まで入場待ちの行列ができていました。 -
下から見上げると、ファサードの装飾がものすごく凝っているのが分かります。
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東側から、順光のアングルで。
暖かい赤茶色の屋根もいいけど、その下の本堂が色大理石の絶妙な配置で、建物の立体感を引き立ててるのも凄い。 -
路地の向こうに塔が見えます。
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柔らかな日差しの差し込む小道を東へ。
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建物の下に開いた、風情のある通路を抜けると…
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地元の方たちで賑わう、こぢんまりした広場に出ました。
広場の端には、色とりどりの果物を積んだ屋台が出ています。
周りの石造りの建物も、素朴だけどお洒落で素敵です。 -
路地を南へ下っていくと、前方に大きな広場が見えてきました。
あそこはもしかして… -
やっぱり、サンタ・クローチェ教会前の広場だ!
さすがにドゥオーモほどじゃないけど、ここもファサードが立派です。
教会の左手から、堂内に入場しましょう。
ここは市内中心部…ドゥオーモからヴェッキオ橋にかけて…から離れている分、観光客が少なめで、ほぼ並ばずに入場できました。 -
聖堂内は荘厳というより、肩の力を抜けるような落ち着いた雰囲気。
ちょうど12時になったからか、司祭の方が登壇して講話が始まりました。
見上げるような高い天井に「ハレルヤ~」の声が響きます。 -
祭壇の向こうのステンドグラスが鮮やか。
キリスト教の聖人の絵柄でしょうか?
ずっと見ていられます。 -
優しい表情の聖母マリア様。
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この教会はフィレンツェの人々の墓所も兼ねています。
こちらはフィレンツェ共和国時代の外交官にして政治思想家の、ニコロ・マキャベリの棺。
後ほど、マキャベリがその辣腕を奮ったフィレンツェ共和国の政庁も訪問予定です。 -
中庭や小部屋も含めて1時間弱だったでしょうか。
じっくり見学させてもらいました。 -
教会を出て左手に進むと、アルノ川の流れに突き当たりました。
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左手の向こう岸に見える丘が、次に向かうミケランジェロ広場です。
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道路標識にシエナの文字。
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アルノ川の橋を渡って
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左岸を少し下流へ戻ったところから、ミケランジェロ広場への登頂が始まります。
坂がきついと聞いていましたが、想像したほど急じゃなくてよかった。
途中で川の方を見返すたびに、対岸の街並みの角度が変わって楽しいです。 -
頂上の展望台からの景色がこちら。
眼下に淡い水彩画の世界が広がります。 -
現地に来てみると、想像より街の向こうの山が近いことに気づきました。
狭い盆地の中の街なんですね。
日本で言うと、松本に雰囲気が似てるような。 -
ミケランジェロ広場から西に下って、斜面に広がるローズガーデンへ。
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入口を通ってすぐ、太陽をいっぱいに浴びた黄バラが出迎えてくれました。
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こちらは少しオレンジがかった品種。
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蔓バラのアーチをくぐって
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フィレンツェ市街を見渡せる庭園へ。
日光浴中の人もたくさんいます。ここで芝生に寝転がったらそりゃ気持ちいいよなぁ。
フィレンツェっ子の憩いの場なんでしょうね。 -
華やかなスカーレットのバラと、ドゥオーモのクーポラを一望に。
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ローズガーデンの片隅に、まさかの日本庭園を発見。
石を敷いたせせらぎに、可愛い石灯籠まであって本格的です。 -
トスカーナの抜けるような青空に、青もみじが良く映えます。
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ローズガーデンを出ても、家の軒先に立派なバラが。
4月末の今が、この街が一番華やぐ季節なのかもしれません。 -
古き良き雰囲気の路地を西へ。
-
ウフィツィ美術館の対岸あたりで、アルノ川の畔に出ました。
ヴェッキオ橋近くのピッツェリアで、遅めのランチをいただきます。 -
ピッツァ・ディアボラが大皿に乗ってやってきました。
日本によくあるナポリ風のもちもち生地ではなく、ローマ風の堅焼き生地。
さっそくナイフを入れて……
入れて……(汗
入れてるんだけど……(汗汗
硬 す ぎ て 切 れ な い
肩 凝 る わ こ れ …
いやはや、想像を超える頑丈さです。
見かねた店員さんが切り方を見せてくれました。
「Don't stop!! Left! Right!」
ナイフとピザの角度を大きくして、ナイフを小刻みに前後に動かすのがコツらしい。
店員さんのお手本を参考に、やっと切れるようになりました。
さて、気になる食感は…ひとことで表すなら
「壁」です。
赤いフレスコ画が描かれた土壁を食い破ってる感覚。
味はすごく「小麦!」って感じがします。生地が堅焼きな分、風味も濃縮されてるんでしょうか。
そして上に乗ってるサラミがピリ辛で本当に美味しい。さすがイタリア、ハムの本場です。 -
ピザを食べきった頃に店員さんから「デザートいる?」と聞かれたので、ストロベリーソースのパンナコッタを注文。
ほんのり優しい甘さが、壁を食い破るのに疲れた口の中に染みます…。
お世話になった店員さんにありがとうと伝えて、パンナコッタの余韻とともにお店を後にしました。 -
まだまだ時間があるので、中心部へ戻る前にピッツェリアの近くの小道に分け行ってみます。
-
小道の先は教会に通じていました。
後で知りましたが、サント・スピリト聖堂という、ルネサンス時代からの歴史ある教会だそうです。
訪れた水曜日は定休日で入れませんでしたが、普段はミケランジェロ作の十字架像が見られるとのこと。 -
教会前の広場は、地元の方たちで賑わっていました。
初夏の陽光と涼しげな噴水が気持ちいい。 -
広場からベージュカラーの街並みを抜けて
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サンタ・トリニタ橋でアルノ川を渡ります。
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アルノ川沿いからウフィツィ美術館の真ん中の広場に入ると、正面に次の目的地が見えてきました。
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フィレンツェの街でもひときわ目立つアルノルフォの塔を戴く、ヴェッキオ宮殿。
フィレンツェ共和国時代の政庁にして、その後のメディチ家統治時代は宮殿、そして今は市役所という、様々な時を重ねてきた建物です。
日本なら、姫路城が現役の姫路市役所として稼働してるようなもの、と言えば凄さがお分かりいただけるでしょうか?
1階の受付で宮殿部分のチケットを買って(ちなみに塔は別チケットで、本日分完売)、宮殿の中へ向かいましょう。 -
最初にどーーんと広がるのが、500人広間。
フィレンツェ共和国時代に、市民会議のために用意された部屋です。
メディチ家時代の大壁画の向こうで、ドキュメンタリー番組の撮影なのか、大学教授?がカメラに向かって熱弁を奮っています。
500年前のこの部屋では、奥の演壇に立ったマキャベリが、教授(仮)よりもっと熱く、もっと雄弁に、市民軍の創設を市民たちに説いていたんでしょう。
どんな迫力だったのか、聞いてみたかったな。 -
吹き抜けの高い天井には、所狭しと天井画が並びます。
-
小部屋に入っても、この豪華絢爛さ。
このあたりの装飾もメディチ家時代のものですが、いったいどれだけの財力を注ぎ込んだんでしょう…? -
こちらの壁画は、ヴィーナスの誕生?
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先ほどの500人広間を上から。
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宮殿の中に、コジモ一世の妻・エレオノーラの礼拝堂がありました。
壁一面に描かれた宗教画がとっても鮮やか。
この部屋には今も、華やかなルネサンス全盛期の空気が閉じ込められているようです。 -
こちらは執務室でしょうか。
どこまでも豪華な部屋が続いて、圧倒されました。。。 -
時刻は17時過ぎ。
外に出ると、少し陽が傾いていました。
名残惜しいですが、そろそろ駅へ戻りましょう。 -
お洒落なメリーゴーランドが目印のレップブリカ広場を抜けて
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ドゥオーモにちらっと別れの挨拶をして
-
サンタ・マリア・ノヴェッラ駅へ帰ってきました。
自販機でレモンソーダを買って、列車の到着を待ちます。 -
帰りの列車は18時3分発のイタロ、ローマ・テルミニ行き。
シックな深紅の車体に、フレッチャロッサより彫りの深い顔が特徴です。 -
今回、2等車と1等車で運賃が5ユーロしか違わなかったので、思い切って1等車「Prima」クラスを予約しました。
横3列の座席に、無料のドリンクとスナックのサービスが付きます。
車内はピカピカだしドリンクも嬉しいけど、実際乗ってみると座席自体はフレッチャロッサの2等車とそこまで変わらないかも。
ただ、あちらは一部の例外(私が往路で当たった1D席など)を除いて4人向い合わせのコンパートメント席なのに対して、こちらは1人or2人掛けでプライベート性が高いのが大きな強みです。 -
列車はフィレンツェを出て南へ。
中伊の緑いっぱいの農村を、長く伸びた列車の陰が駆け抜けていきます。 -
ローマまで1時間半、帰りはあっという間でした。
テルミニ駅を出ると、すっかり夕焼けの時間でした。
茜色に染まるローマの街の中、ホテル・クイリナーレへ帰ります。 -
ホテルで一息つくと、1日の疲れがどっと出てきました。
お昼も遅めだったし、今晩もフォカッチャで軽く済ませることにします。
スマホの通信トラブルがないか、明日のゼネスト予定がなければ、今頃フィレンツェの宿にいたはずだけど、これも1つの巡り合わせと思うことにします。
フィレンツェの街の景色は今日一日でお腹いっぱいまで楽しめたし、当初の予定になかったフレッチャロッサにも乗れたし、素敵な1日でした。
ただ、いつかもう一度あの街を訪ねたいな、とも思います。
その時はドゥオーモのクーポラにも登ってみたいな。
以下、余談です。
当初の予定では、今日はローマからアッシジ経由でフィレンツェに向かう予定でした。
往路のオルヴィエートあたりで触れましたが、以前から「中伊の歴史ある丘の上の街を訪ねてみたい」という思いがあり、その中で一番魅力的でアクセスもいいアッシジを選んだんです。
ローマ~アッシジ間とアッシジ~フィレンツェ間には、それぞれ直通のRegionale Veloce(快速列車)が走っていて、2時間~2時間半で移動できますからね。
でも実は、アッシジを訪問地に選んだ理由はもう一つありました。
アッシジ~フィレンツェ間の列車は途中、イタリア有数の大きな湖、トラメジーノ湖の北岸を通ります。
湖の景色自体もきれいですが、この「トラメジーノ湖の北岸」は、第2次ポエニ戦争でカルタゴの名将・ハンニバルがローマ軍を包囲殲滅した「トラメジーノの戦い」の戦場、まさにその場所にあたります。
列車の窓からハンニバルと同じ景色を見たくて、このルートを選びました。
先述の直通列車の存在から、ローマ~アッシジ~フィレンツェの列車移動は、イタリアのローカル線の中でもハードルが低いと思います。
読者の皆さんの中でイタリアへ行くかもって方に、勝手ながらお願いです。
ぜひ私の代わりに、広大なぶどう畑を背に立つアッシジの大聖堂と、ハンニバルが見たトラメジーノ湖を、その目に焼き付けてきてください。
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