秋の道北・オホーツク2024①

2024/09/15 - 2024/09/16

《２０２４年　秋旅》
★9/15羽田13：55発ー旭川15：35着（JAL555）旭川ー美瑛【美瑛泊】
★9/16美瑛ー剣淵ー稚内【稚内泊】
☆9/17稚内ー猿払村ー紋別【紋別泊】
☆9/ 18紋別ー旭川12：00発ー成田13：50（JJP800）

エリア 稚内(北海道)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

【2024年9月】

私だけ前乗りして、この日は十勝岳に登っていた。
天気は悪く登頂できるのか心配したが、何とか2077ｍ登り切った。

日本百名山の百座目登頂したという方がいて、強風の中でお祝いした。
ご自身が作成した名前入りオリジナル横断幕を皆で広げようにも、風が強すぎてうまくいかなかった。

十勝岳 自然・景勝地

モザイクをかけなくても、どこの誰だかわからない写真。
視界は悪いし、風は吹きつけるし、寒いし、立ってなどいられない。
頂上には５分といられず、ご飯も食べられないまま下山した。
とりあえず、『完登した』という自己満足。

下界に降りると晴れていて、アスファルトも乾いていた。
私の車だけ、雨に濡れてベッチャベチャ。
あの荒天は、何だったの？という感じ。
しぶきを飛ばしながら美瑛駅に向かった。

山の天気は、侮れない。

夫は、旭川空港からバスに乗って美瑛駅まで来てくれていて、ここで合流。

夜は、お気に入りの炭火割烹『亀鶴』に行きたかったが満席。残念。
それならと、焼肉の『匠味屋』に行った。

登山後のごはんは、とにかく美味しい。
熱燗１本呑みながら、ロース・カルビ・タン・野菜盛りを、制限なしにお腹一杯いただく。

焼き肉処 匠味屋 グルメ・レストラン

この日のお宿は、びえい白金温泉『森の雫RIN』
２人１室ツイン22440円。

『大雪山白金観光ホテル』が名前を変えて2024年６月にリニューアルオープンした。
下山の後、温泉は絶対必須！
白金（しろがね）温泉は、泉質が良い。
『自然の中で遊ぶように泊まる』がコンセプト。
良い宿になっていた。

森の雫 RIN 宿・ホテル

美瑛町『ぜるぶの丘』の前を通りかかると、ヒマワリが満開。
９月なので、見頃は過ぎてると思うのだが、綺麗に咲いていた。

青空でうれしい！

ぜるぶの丘 自然・景勝地

剣淵（けんぶち）町の道の駅でトイレ休憩。

車を降りると、焼き鳥の良い匂いが漂ってきた。
見上げると『元祖鶏もも焼き』と書いてある。
なんと、屋台の裏で炭をおこして焼いている。
これは絶対に旨そうだ。

鶏もも焼きとお蕎麦を注文。
嬉しい間食タイムとなった。

稚内に行くのに、日本海沿いをひたすら走るドライブコース『オロロンライン』を通りたかったが、出来れば早く着いて海鮮ランチを食べたかったので、無料のバイパス『名寄美深道路』を通り、国道４０号線を走り抜けた。

即、海鮮を食べたかったが、どこが良いかわからない。
港近くの食堂が美味しいだろうと入ってみた。

海を見ながら海鮮丼と刺身定食にホタテ焼き。
私は大満足なのだが、夫は釣りをするので、海鮮に関しては舌が肥えている。
めったに満点は出ない。

今日のお宿は『小さなホテルみのり』
２人１室ツイン13200円。

チェックインする時、素敵なオーナーが対応してくれた。
客層は、バイカーが多い。
本州ナンバーを付けたバイクで、駐車場は一杯だった。

小さなホテルみのり 宿・ホテル

こじんまりとしていて、とても落ち着く。
魅力あふれる調度品の数々は、前のオーナーの趣味だという。
ロビーにある珈琲カップにもこだわりを感じ、素敵なセットが並んでいた。

ホテルの名前の由来などを伺い、話に花が咲いた。
こういう宿は、フレンドリーで気兼ねなくて良い。

ホテルから『ノシャップ岬』までは、徒歩５分。
近くて便利なところだった。

夕方、散歩に出る。
何度か稚内には来たけれど、ノシャップ岬は初めてだった。

ノシャップ岬 自然・景勝地

ここから望む『利尻富士』は見事だ。

2025年は、計画を立てて登ってみたいと思っているが、フェリーで利尻島に渡り、問題なく翌日に登って帰って来られたら良いが、何せ気になるのは天候だ。
予備日を設けて数日は必要だろうし、折角なら礼文島にも行きたい。

湊 かなえ著　『山女日記』を読んでいた。
そこに、利尻山が出ていたのだ。
鴛泊(おしどまり)と沓形(くつがた)の２つの登山ルートがあり、本格登山で約６時間のコースタイムらしい。
老いる迄に、一度は登っておきたい。

行くなら、そろそろ計画を立てて、まずはどのあたりで行こうか時期を考えたい。

ユジノサハリンスクは、宗谷岬からわずか43㎞。
地図で見るとこんなに近い、けど、そこは果てしなく遠い。

今は、新千歳空港と成田空港から直行便が出ている。
特に、新千歳空港からの便は、プロペラ機で運航される日本発着の国際線では珍しい路線。

夜は『花いちもんめ』に行った。
いか・サーモン・あら汁。
回転寿司といえど、さすが稚内のそれは全く違う。

回転寿司 花いちもんめ 稚内本店 グルメ・レストラン

揚げなす味噌・いくら・白玉団子。
実は、最近甘い物を控えているので、今ではもう食べられない１品だ。

稚内で、海鮮三昧。
私たちは、食が細く、あまり量を食べられないし、夫は小麦を摂らない。
自然と行く店は限られる。
そんな時、回転寿司は最高のグルメだ。
選び放題、好きな物を好きなだけ食べられる。
理にかなったレストラン。美味しかった。

チラッと横のお兄さんのテーブルを見た。
私たち２人分の皿と、お兄さん１人分の皿の数がだいたい同じ。
いつも、そんなもの。

お風呂は市内のヤムワッカナイ温泉『港のゆ』へ。
泉質は、塩化物泉・含鉄泉・炭酸水素塩泉。
高温風呂・中温風呂・露天風呂・ジェットバス・サウナ・水風呂があって、とても良かった。

シルバー料金で入れたが、この日は『敬老の日』だったらしい。
『いつまでもお元気で』なんていうトイレットペーパーをもらったが、夫は断固として受け取らなかった。

ヤムワッカナイ温泉 港のゆ 温泉

翌朝の宗谷岬。
売店を覗いてから、ガソリンスタンドに寄った。

『日本最北端の給油証明書』とホタテ貝で手作りしたキーホルダーをいただいた。
何だか嬉しくて、今でも愛車のグローブボックスに入っている。

こんな事でもないと調べもしないし、ずっと知らないままだったと思う。

樺太/サハリン、旧名サガレン。

何度も国境線が引き直された境界の島。

大日本帝国時代には、陸の国境線を見に北原白秋や林 芙美子らも訪れた。

宮沢賢治は、妹トシが死んだ翌年にサガレンを訪れ、名詩を残している。
樺太栄浜(さかえはま)への旅で『銀河鉄道の夜』の構想を持ったようだ。

海にかかる虹を生まれて初めて見た。
これは、運が良い？

いやいや、運が良いなら、こんな事にはならなかったはずだ。
何の写真か分からないと思うが、前々日に１人美瑛で食事をしていたら、駐車場に停めてあった車が当て逃げされていたのだ。
遅い時間に警察官を呼んで、長い時間の取り調べとなったが、結局犯人は見つからず。
不運は重なり、たまたまドラレコが故障していて、そこには監視カメラもなく、証拠は残っていなかった。

警察官曰く、美瑛・富良野地区での当て逃げ事件は多いんだそう。

この旅を終えて、一冊の本に出合った。
梯(かけはし)久美子 著
『サガレン』　角川文庫
【サガレン樺太/サハリン　境界を旅する】というもの。

宮沢賢治の行程を辿りつつ、近現代史の縮図をゆく。
文学・歴史・鉄道・作家の業。
すべてを盛り込んだ新たな紀行作品。

「ときを隔ててはいても、同じ土を踏むことで、異郷を旅する者たちは縁を結ぶ」

４トラで、同じ土地を旅してる方の旅行記を読むと、妙に親近感が湧くのはそういう事かもしれない。

宗谷岬 自然・景勝地

他にもチェーホフなど、この地を旅した者は多い。

いったい、何が彼らを惹きつけたのか。
多くの日本人に忘れられた島…サハリン。
行ってみないと分からない。

サハリンの旅行記を読んで興味は増すばかりで、逸る気持ちにはなるが、ビザの問題など…今はまだ難しいと思う。
極東ロシアのe-visaはルールが分かりにくく、 罰金刑の人も出てるらしい。

2017年、ベラルーシに行こうとして、旅行代理店はビザ不要と言うので取得していなかった。
実際にはロシアビザが必要な為に渡航できなかった事が、未だトラウマとなっている。

『宗谷[二]』詩碑
はだれに暗く
緑する
宗谷岬の
たゝずみと
北はま蒼に
うち睡る
サガレン島の
東尾や

宮澤賢治 詠

私の祖父は、昭和の大横綱『大鵬関』によく似ていた。
祖母も、肌は抜ける様に白く、白人のようだった。
ひょっとして、私のルーツはサハリンにあるのかもしれないと密かに、勝手に思っている。

（オホーツクの旅につづく）

宗谷岬公園 公園・植物園