2023/12/25 - 2023/12/31
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タヌキを連れた布袋(ほてい)さん
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ペルニ船の3回目の船旅は,エンデ(フロレス島)からクパン(ティモール島)に至る約270kmの航海である。朝9時に出航して翌朝1時到着という約16時間の行程で,2回目と同様にそんなに長い航海ではない。
しかし2回目の船旅では,予想をはるかに超える大混雑のせいでかなり消耗した。ペルニ船の旅は,一日に満たないような航海でも舐めてかかってはならない。
エンデからクパンへの乗船券は,すでにペルニ社ワインガプ(スンバ島)支店で予約済みである。
しかし,ここで問題が生じた。エンデに到着した時点で,ワインガプ支店でもらった予約確認書がなくなっていることが判明したのである。
理由はすぐに分かった。ワインガプの港で乗船の改札を受けた際,あまりの混乱のため,係員がワインガプ~エンデの乗船券の予約確認書とともにエンデ~クパンの乗船券の予約確認書も一緒に取り込んでしまったのである。その場で気付かなかった自分のミスだ。
そこで,「予約確認書」を再発行してもらうためにエンデのペルニ社支店へ向かった。
- 旅行の満足度
- 2.0
- 交通
- 2.0
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 船
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
国営ペルニ社のエンデ支店は,エンデの本港があるムボンガワニMbongawani地区にあった。
(座標:-8.845795756612393, 121.64516737423965) -
入口のところにこういう受付デスクがあり,そこに座っている係員に来意を告げると取るべき行動を指示してくれる。
私のときは,この係員に「予約確認書を失くしたので再発行してください」と告げると,係員がやおら席を立って,事務室内で予約端末を叩いている職員のところへ行って調べてくれた。とても親切な応対にびっくりした。
ところが,端末を操作している若い女性職員がいくら調べても,乗船予約の中に私の名前はないという。
「ワインガプ支店でたしかに予約して,その場で代金を支払った」と説明するのだが,それを証明する予約確認書がないのだからどうにもならない。相手が親切に応対してくれているだけに,あまり強く言うのも気が引ける。
そのうち,エンデ~クパンの運賃は約1200円とそんなに高くないのであきらめようか,という気持ちになり,係員に「それなら乗船券を買い直す」と申し向ける。 -
窓口のところでしばらく待たされる。支払いをするクレジットカードを用意しておく。
今から買い直して,エコノミーのベッドは空いているのだろうか。また無座になるのかな。
そんなことを心配しながら端末を叩く女性職員を眺めていると,彼女はびっくりしたような笑顔でこちらを見て,「Ada!(あった!)」と声を上げた。
脇に立っていた男性職員も,やったー!みたいな感じで腕を振り上げている。
やっぱり乗船予約の中に私の名前はあったのである。
係員はプリントアウトした予約確認書と私のパスポートをさわやかな笑顔で渡してくれ,「そうそう,出航はイピIppi港からなので注意してください」と英語で教えてくれた。
私は彼らに丁寧にお礼を述べて辞去した。 -
さて,出航当日。
宿のレセプションでタクシーを呼んでもらった。宿からイピ港まで約10分で到着し,料金は60kIDR。
(1kIDR=約10円) -
まずは再発行してもらった予約確認書を乗船券に換える。
イピ港の桟橋には,露天商がわずかにいるだけで,商店などはまったくない。 -
乗船の改札口で,今回も手の甲にインクのゴム印をベタッと押捺される。
-
突堤の先に,乗船する「KM.WILIS」が見える。
ペルニ船ウィリス号は,約2600総トンの小型客船。これまでの2回の航海で乗った中型客船の半分以下の大きさだ。 -
乗船券に指定されているベッドの場所へ行ってみるが,これまでと同様,別の乗客に占拠されている。
周囲は大量の手荷物と人いきれで最悪の居住性を示している。今回も航行時間がそんなに長くないので(約16時間),甲板で過ごすことにしよう。この船室よりは少なくとも快適だろう。 -
急いで甲板へ上がる。小型客船ゆえに,甲板や船室がこれまでの船に較べて格段に狭い。船室だけでなく,甲板もすでに乗客で埋まっている。
それでもなんとか居場所を見つけ,折りたたみ椅子を広げて権利を主張する。このままここに尻を落ち着けたい。
甲板の外に目をやると,舫(もやい)を解く係員が合図を待っている。 -
そして,ほぼ定時に出港。ペルニ船の定時運行,すごいじゃないか。
そんなに船足は速くないが,真っ青のサヴSawu海を快調に進む。 -
出航して程なく,給食のアナウンス。
乗船券を持って受け取りに行く。献立は,鶏肉と白菜のおさい,そして画像では分かりにくいが,やや色のついた米飯。ペルニ船の給食では初めて出た。赤米ほど色がついているわけではない。 -
午後になると陽が照りつけてきた。暑い。
このあたりで,持参した百均の扇子が酷使によりおシャカとなる。予備の扇子を取り出すが,これが壊れるともう後がない。
インドネシアで売っているのは中華扇子で,値段が高いわりに送風能力が低い。日本の百均の扇子のほうが機能的だ。 -
やがて配給所では夜の給食の準備が始まった。係員が三人がかりで,厨房から送られてくる弁当箱に蓋をして積み上げていく。
-
献立は塩魚,マカロニとカチャンパンジャンの炒めたん。今回は,飲用水のパックは品切れ?なのかもらえず,常温のテボトルの紙パックを1個だけくれた。
そのうち陽が落ちて,やっと甲板は涼しくなってくる。 -
ティモール島クパンには深夜1時に到着する予定だが,2230頃には船が進む方向にぽつりぽつりと灯火が見えてきた。
クパンのどこの桟橋に接岸するのだろう。事前に集めた情報では,クパンの街からはかなり離れたところに到着するようだ。
やがて,タグボートが近寄ってきた。 -
クパンの港は,これまでに出入りした港よりも規模が大きかった。埠頭には外貿コンテナを積み下ろしする巨大なガントリークレーンがそびえる。
深夜1時過ぎに接岸した。場所は,クパンの中心地から西へ15kmほど離れたテナウTenauという港のようだ(正確にはTerminal Helong Kupangという埠頭)。
(座標:-10.193347963076745, 123.52766420799375)
従前は,ここからさらに6kmほど離れたボロッBolokという港に着いていたらしい。
下船してからタクシーの運転手と料金交渉。深夜だし,クパンまでかなり距離があるためそれなりの料金を覚悟しなければならない。運転手はそこそこ新しいSUVに乗っていて,事前に予約していたホテルまで150kIDRということで妥結した。
運転手は,地元の夫婦連れも相客として連れてきて,いざ港を出発。30分ちょっと走って無事にホテルに着いた。
(1kIDR=約10円) -
深夜チェックインになることは分かっていたので,クパン滞在の冒頭だけあらかじめ中級のホテルを予約してあった。
インドネシア全土に展開するビジネスホテルチェーンで,画像のようなプールもついていて,エアラインのクルーも宿泊していた。
それなりのホテルだと思うのだが,いきなりベッドに南京虫(トコジラミ,Bed Bugs)が出た。
昨今,世界中のホテルで跋扈(ばっこ)している南京虫だが,その現実がさっそく襲いかかってきた。
私は,普段から安宿に宿泊することが多いため,習性として就寝時も室内灯は点けたまま眠るし,特に宿泊初日は警戒心を強くしているので,幸い被害はなく,発見した敵はすみやかに駆逐することができた。
なお,会敵の状況から考えて,私がペルニ船からこのホテルに虫を持ち込んだわけではない。明らかにベッドのどこかで繁殖しているようだった。
あのゴキブリだらけのペルニ船だが,なぜか南京虫は一度も見なかった。そしてこの後も,今回の旅が終わるまで,船内で南京虫と遭遇することはなかった。感覚的にはとても不思議なのだが。
これから旅をする人への注意喚起のため,記した次第である。今回の世界的な騒動においてホテル側は被害者だと思うので,ホテルの名は伏せる。
(つづく)
エンデ逍遥
https://4travel.jp/travelogue/11906726
クパン逍遥・前編
https://4travel.jp/travelogue/11910972
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