サウジアラビア(2)なんと預言者のモスクに／メディナ

2024/05/02 - 2024/05/12

ジェッダから砂漠を時速300kmで切り裂き、イスラム教第二の聖地へ。未だメッカは異教徒立入禁止ですが、メディナは街に降り立つ事がＯＫとなりました。憧れのモスクを遠巻きに眺められるだけでも…と、大興奮で歩を進めると、あれれ、いつの間にか。

エリア メディナ(サウジアラビア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 3.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ジェッダ空港駅17時発のハラマイン高速鉄道。サウジアラビアに於ける新幹線で、ホーム上に売店などはありません。

ハラマイン高速鉄道 鉄道系（地下鉄・モノレールなど）

車内は２クラス。アナスが奮発してビジネスクラスを予約してくれました。駅舎には専用のラウンジもあったけれども発車直前に駆け込んだので未踏のままで。

女性客が多いのでやや気を遣いますが、静かで快適。座席にはモニター完備、充電も出来ます（リクライニング不可、車内Wi-Fiは繋がらず）。

発車直後にデーツとアラビアコーヒーのサービスが。

ジェッダの街中を飛び出すと、一気に時速300kmで砂漠を切り裂くように北上します。車窓は右も左も茶色い砂や岩の山、壮観です。

軽食も配られます。オレンジジュースは無料で、コーラは有料。別の車両に売店も備えられているそう。

２時間弱でメディナ駅到着です。スペイン製車両は確かにやや洋風のお顔立ち。

やたら巨大で煌びやかな駅舎でした。

駅舎を出るとタクシーの客引き合戦開始。

ここでアナスが頼んでくれたドライバー兼ガイドのアブドラハマンと合流、のはずが長時間停車できないようで暫く待ってようやく。英語がほぼNGだったので、ここから二泊三日フィーリングと片言アラビア語で乗り切りました。

駅を出て少し運転してもらうと、早々にメディナのハイライト！預言者のモスクが見えてきました。スケールが大きすぎてさっそく言葉を失います。

さすが世界中から巡礼者が集う巨大モスク、地下に広大な駐車場完備でした。

下車後に体中を浄めてから、いざ。ちゃんとエスカレーターも。

壮麗な建物に見惚れながら歩いていたら「ここから異教徒立入禁止」の印を発見できず、気付けばモスクの内部でした。アブドラハマンとお揃いのトーブ（ソーブ）を着ていたせいか、宗教警察系の人たちからも全くお咎めなし。

預言者のモスク 寺院・教会

国によって少しずつ装いの異なるムスリムの皆さんが、穏やかな表情で思い思いに過ごしています。

預言者ムハンマドが眠る墓廟の周りは特に大勢のムスリムが集い、祈りを捧げていました。

外もとにかく果てしなく広い。

ミナレットの他に林立する柱は、朝になれば大きな傘を広げて日差しを遮ります。なんと開閉全自動とか。

広場も所狭しと巡礼者。皆さん本当に良い表情で。

モスクを取り囲むように高級ホテルがひしめきます。世界各国から巡礼者が集結する場所だけあって、今も新たなホテルがあちこち建設中でした。

アブドラハマンがモスクの徒歩圏に最近できた商業施設に行きたい、と。壁にはクルアーンのフレーズが記されていました。

再び預言者のモスク。ぎっしり車座になっている皆さんは耳を澄ませばマレー語でした。アラビア語に英語にウルドゥー語…この敷地の中に地球が丸ごと在る感じ。

豊かな気持ちで夜のモスクを後に。夕方に車内でカレーが出た旨は伝えたのに、少しだけ食べようとアブドラハマンが目指したのはトルコ料理屋さん。20時半に着くと真っ暗で「その内開店する」と30分待ってやっと。

既に予感がしていたのでもう一度「夕方に車内でを食べたから、軽くね」と釘を刺したものの、テーブルを埋め尽くすトルコ料理たち…頼み過ぎ。美味しかったけど（どれもビールに合うはず）盛大に残した分は翌朝用に持ち帰りました。

うっかり脳内にビールを思い浮かべてしまい、急きょチェックイン前にスーパーへ。

大きめのスーパーならノンアルビールを置いています。残念ながらビールとは程遠いものの、気分だけでも。

モスク周辺の宿は高い割にゴキが出る、とアナスに脅され、やや遠い所に。メディナ在住アブドラハマンが結婚式を挙げたというホテルで、一人旅なのに何ちゃってスイートルーム…しかし夜通し隣室のベイビーが魂の雄叫びをあげるのが筒抜けで。

翌朝もう一度、預言者のモスクに向かいます。道中にイスラム教最古の寺院とされる白亜のクバーモスクが見えました。

クバーモスク 寺院・教会

預言者のモスク、朝日を浴びて巨大な傘の花が開いていました。青空を背にズラリびっしり圧巻！！

預言者のモスク 寺院・教会

朝日が射しこみ、夜とは全く違った表情です。

通路に沿って並ぶタンクは、聖地メッカのカアバ神殿近くから湧き出る「ザムザムの水」です。

聖なる泉から湧く水は特別な存在。キンキンに冷えたタンクからありがたく何杯かいただきました。"NOT COLD"タンクもあります。

夜型人間の多いアラビア半島、朝のうちは人出も少なく実に静謐。

前夜の蕾状態を見ているだけに、驚きの光景です。

後日リヤドで出会った日本人のご夫婦は、預言者のモスクに近付こうとしただけで注意された、とのこと（普段着だったそう）。あまり厳密に取り締まっている風ではありませんでしたが、訪ねる方はどうぞ無理のない範囲で。インシャアッラー。

次は更に北上し、目指すはオアシスと遺跡の街アルウラです。荒地の運転にも耐えられるようタイヤの交換から。

片道４時間のロングドライブに備えて給油も。ガソリンスタンドの屋根が預言者のモスクのようで、名残惜しく。一泊二日、ひたすら預言者のモスクで過ごしたメディナは大満喫です。